理系学部卒で就職か大学院進学か?理系学部卒・院卒の就活の違いとは?

院卒・学部卒で就活に違いはあるのか。また、そのメリット・デメリットはどういったものが挙げられるのか見ていきましょう。
院卒の方が選択肢の幅は広がりますが、大切なことは自分の意思で進学か就職かを決断することです。周りに流されることなく、しっかりと自分自身の将来を見つめましょう!

目次

  • 学部卒・院卒で就活に違いはあるのか
  • 学部卒で就職するメリット・デメリット
  • 院卒で就職するメリット・デメリット
  • これだけは知っておきたいポイント

理系学生の中には

・学部卒で就職しようか大学院へ進学しようか

・やりたい事が決まっていないし、みんな進学みたいだしな

と進路に悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

実際、就職と進学の割合は国立大学で6-7割が進学で、全体としては半々くらいで様々な意見があります。

そこで今回は、就職か進学か「理工系の学生の就活」という観点から違いをご紹介します。

・学部卒・院卒で就活に違いはあるのか

・学部卒で就職するメリット・デメリット

・大学院卒(修士、博士)で就職するメリット・デメリット

以上の3つのポイントから解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

・2年間の企業での実務経験で成果を積み上げキャリアを形成していくか

・高めた専門性を武器に即戦力としてキャリアを進めていくか

どちらにもそれぞれ良し悪しがありますので、周りに流されず自分の意思で後悔のない選択をしてくださいね。

学部卒・院卒で就活に違いはあるのか

・学部卒・院卒で就活に違いはあるのか

・どういった部分が違うのか

このように考えている方も多いのではないでしょうか。

・基本的な就活の流れは同じ

・学部卒・大学院卒では企業からの見られ方が違う

以上のポイントを踏まえて解説します。

基本的な就活の流れは同じ

学部卒・院卒ともに就活の流れは基本的に同じです。

どちらもエントリーから数回の面接を経て内定が決まります。

ただし、学部卒よりも院卒の方が受けられる企業の選択肢が広がります。

というのも、大手メーカーの研究職や開発職では院卒を募集条件としている企業があるからです。高い専門性やスキルが研究職や開発職では必要になりますからね。

そのため、研究職や開発職を希望する学生は進学が必須条件となる場合がありますので、忘れず確認しておく必要があります。

学部卒・大院卒では企業からの見られ方が違う

学部卒と院卒では企業からの見られ方が異なります。

具体的には

・学部卒→ポテンシャルや伸びしろを見られる

・院卒 →高度な専門性や研究で得たスキルや基礎能力を見られる

学部卒はそのポテンシャルや伸びしろを考慮し、教育することを前提として採用されるケースがほとんどです。特に製造業などを中心に社員教育は自社でというスタンスの企業が少なくありません。

院卒にはない

・若さや柔軟性

・伸びしろ

を評価し、歓迎してくれる企業が多くあります。

そのため、学部卒では一般就職(文系就職)や自身の専門にこだわらない素養就職(学部や学科単位での素養を活かした就職:製造職や技術職、施工管理職等)をすることが多いです。

一方、院卒は高度な専門性やスキルを活かした、即戦力としての働きを期待して採用されるケースがあるほか、これに限らず、大学院で身に着ける物事への取り組み方や考え方も企業で評価してもらえます。

具体的には大学院は研究室での研究が中心となることから、学部時代のインプット型の授業中心の生活から、自分の頭で仮説を立てて検証し、物事を組み立てるというアウトプット型の能力を身に着けることができます。

学部 :授業、実習中心

    →決められた学習指導要綱に従った内容、

      教育方針のもとで知識・技術素養を身に付ける

    →当該分野の概要について理解

大学院:研究室での研究が中心

    →修士:ある一定の土台と流れのもとで、

        与えられた課題に指導を受けつつ、
        仮説検証、調査、計画、研究の実施を行い、
        ミッションに責任をもって取組む

    →博士:課題設定、調査、研究の組み立てなど一式ができる

        ゼロから物事に取り組むことが出来る


さらに詳細を説明すると、大学院(特に博士課程)では、高度な専門性とは別に院ならではのスキル(Transferable Skillsも身に付くとされており、専門性とは別に高い評価を得ています。

Transferable Skillsとは

・課題設定能力

・仮説検証能力

・調査能力

・業務遂行能力

これらの特定の分野に限らず、様々な分野で通用するスキルで、仕事においても特に上級職において求められる能力となります。

そのため、大手メーカーの研究職などの専門就職や、スキルを活かした素養就職(研究科単位での素養を活かした就職:専門外の研究職や開発職、製造職等)をする傾向にあります。

学部卒で就職するメリット・デメリット

学部卒で就職するメリット・デメリットについて解説します。

就職か進学か判断する大きな材料となりますので、ぜひ参考にしてみてください。

学部卒で就職するメリット

・院卒より2年も早く実務経験が積める

・若さやポテンシャルを評価し求めている企業が多い

・院進学の学費がかからない

以上が学部卒で就職するメリットです。順番に解説します。

院卒より2年も早く実務経験が積める

学部卒で就職する1番のメリットが2年早く実務経験が積めることです。特に近年は社会の変化が早いので、若いうちから社会経験を積んでおくことの意義が高まっています。

実務経験を通して早くからスキルアップできますし、会社でしか学べないことも多くあります。また、自身の専門に一致する仕事に就く学生はそう多くはありません。そのため、早くから経験を積むことは大きな優位性となるのです。

加えて、実務経験を積むことで今後のキャリアプランがイメージしやすくなります。

たとえ「この仕事が合わない」「会社に馴染めない」といった場合でも、学部卒であれば専門に縛られず柔軟に業界を変えることができますし、若いので転職に踏み切りやすいです。

そのため、自分に合った会社に移れる可能性も高まります。

大学院に行ってまでやりたいことがないのであれば、就職し早くから経験を積んだほうが自分の望むキャリアを進めるでしょう。

若さやポテンシャルを評価し求めている企業が多い

ポテンシャル採用をしてもらえるのも学部卒で就職するメリットです。

たとえ研究による高い専門性やスキルがなくても

・数値処理能力

・プレゼン能力

・PDCAサイクルを回せる

などがスキルとして十分評価されます。

また、こういった能力に加えて「若さや柔軟性、伸びしろ」といった部分を評価し、求めている企業も多いです。

実際に、キャノンやソニーといった大手でも学部卒の学生を求める声が挙がっています。

特殊な研究部門でない限り、理系出身者の多くは技術職を経て営業や管理職など様々な部門に移動するのが一般的です。

そのため、特定の分野に思考が固まった院卒よりも柔軟な思考を持つ学部卒が欲しいというのが企業側の本音のようです。

院進学の学費がかからない

大学院進学による費用がかからないこともメリットの1つだと言えます。大学院は少なくとも2年は通うことになりますので、国立大であれば約140万円、私立大であれば約200万円が丸々浮きます。

さらに就業した2年分の給料も得ることができます。

そのため、20代のうちは学部卒で就職する方が金銭面では優位であると言えます。

学部卒で就職するデメリット

・高い専門性やスキルが求められる企業では就活が不利

・学校推薦を受けづらい

以上が学部卒で就職するデメリットです。順番に解説します。

高い専門性やスキルが求められる企業では就活が不利

先ほどから説明しているとおり、高い専門性やスキルのある即戦力を求める企業とはマッチしないため就活が不利になります。そもそも採用枠がないケースも。

具体的には

・大手メーカーの研究職

・外資系金融

・外資系コンサル

外資系企業は特に即戦力を求める傾向が強く、院卒(特に博士過程終了者)でなければ専門性がないとみなされてしまうようです。

もし学部卒で研究職を目指すという場合は、中堅・中小企業であればチャンスも増えてくるので、しっかりと企業研究をして臨むようにしましょう。またベンチャー企業などの様々な職種をこなさなければならない企業も、将来的に研究職に就ける可能性があるので1つの選択肢になります。

学校推薦を受けづらい

学校推薦が受けづらいことがもう一つのデメリットです。

学校推薦というのは、大学側と企業側の信頼関係からその学生を優先的に選考するというものです。

多くの場合、筆記テストやES、面接回数の減少など選考プロセスの省略という恩恵が受けられます。

信頼関係から成り立っている仕組みのため、大学側はなるべく優秀な生徒を優先して推薦することになります。

ここで優秀=多くの講義や研究を行っている大学院生となるので学部生は不利となるわけです。

ただし、可能性がゼロというわけではないので行きたい企業がある場合は申し込んでみると良いでしょう。

院卒で就職するメリット・デメリット

次に院卒で就職するメリット・デメリットについてご紹介します。

院卒で就職するメリット

・大手企業に採用されやすい

・学校推薦を受けやすい

・初任給・生涯賃金が高い

・不況時でも就職しやすい

以上が院卒で就職するメリットです。順番に解説します。

大手企業に採用されやすい

日本の大手企業は院卒の学生を採用する傾向が強いです。

もちろん学部卒でも優秀であれば採用されるため一概に院卒が有利だとは言えません。

しかし、研究で培った院生としての高い専門性やスキル(忙しい過程をやり抜いた遂行力なども含め)は就活で高く評価されます。

特に、大手メーカーの研究職やコンサルでは院卒が採用されやすいです。

学校推薦を受けやすい

学部卒のデメリットでも解説しましたが、院卒は学校推薦を受けやすいです。

自由応募で就活するよりも競争率は低くなりますし、選考フローも省略されるので、希望の企業がある場合はうまく利用すると良いでしょう。

ただし、学校推薦は内定を保証するものではありませんので志望動機や自己PRはしっかりと準備する必要があります。

また、内定が決まると辞退できないケースがほとんどなので、絶対に行きたい企業だけ受けるようにしましょう。

初任給・生涯賃金が高い

院卒の方が初任給・生涯賃金が高いことが多いです。

厚生労働省の「令和元年賃金構造基本統計調査結果」によると、

学部卒の初任給の平均が約21万円なのに対し、院卒の平均は約24万円と3万円ほどの差があることがわかります。

年収に関しても24歳時点では、学部卒325万円に対して院卒309万円と学部卒に軍配が上がりますが、25歳で逆転しその後は差が広がるばかりです。

結果として生涯賃金も院卒の方が高くなります。

少し古いデータですが

内閣府経済社会総合研究所

「大学院卒の賃金プレミアム マイクロデータによる年齢―賃金プロファイルの分析」

http://www.esri.go.jp/jp/archive/e_dis/e_dis310/e_dis310.pdf

によると41歳で年収約200万円の差となり、生涯年収も4846万円(男性)、4334万円(女性)も変わるというデータも出ています。


ただし、現在の人事制度では横並びの給与体系ではなく、個人の業績を強く反映するところがあり、上記はあくまでも統計的なデータですので、最終的には個々人の実績や能力や所属業界や職種に応じて年収は決まることから一概に有利不利の判断できません。

大事なのは入社後にどれだけ実績を残せるかだということを頭に入れておきましょう。

不況時でも就職しやすい

院卒は不況時にも就職しやすいというデータもあります。
リーマンショック後の不景気状況においても理系の大学院卒者の内定率は高いというデータが学校基本調査において出ています。


院卒で就職するデメリット

・スケジュールが忙しい

・就職した企業とうまくマッチしなければ学部卒と比較されて辛い

以上が院卒で就職するデメリットです。順番に解説します。

スケジュールが忙しい

院生は研究活動などが学部生よりも忙しく、スケジュール管理が大変です。

そのため、応募する企業を決めておくなど前もって準備することが重要です。希望する企業の募集が閉め切られてしまうなど、出だしでつまづいてしまってはどうしようもないですからね。

研究の進捗状況と選考のスケジュールをしっかり把握しておきましょう。

加えて

・学校推薦を利用する

・合同選考会を活用する

・就活コミュニティを活用する

など就活を効率的に進める工夫をしましょう。

就職した企業とマッチしなければ学部卒と比較されて辛い

学部卒とは違い、院卒は即戦力としての働きや期待される場合があるほか、研究職へのこだわりが強いのではないかという懸念が発生する場合があります。

そのため企業とうまくマッチしなかったとき(期待される結果が出せなかったとき)、若さやポテンシャルで勝る学部卒と比較され、企業での風当たりが強くなることがあるほか、頭でっかちと考えられて採用時に警戒をされる可能性がありますので、応募先に応じて新しいことに取り組む姿勢やチャレンジ精神、フットワークの良さ、素直さなども意識してPRする必要があります。

また、年齢や専門性に縛られたキャリアから学部卒よりも転職に踏み切りづらい傾向があります。

そのため、企業とのミスマッチが起きないよう企業研究や自己分析をしっかりとやっておくきましょう。

これだけは知っておきたいポイント

学部卒・院卒の就活の違いについて解説しました。

1)院卒の方が就活の選択肢は広い

2)学部卒は早くから社会に出て実務経験を積み、スキルアップしながらキャリアを形成していける

3)院卒は高い専門性やスキルを活かして就活・その後のキャリアを進めていける

もちろんそれぞれにメリットはありますが、重要なのは周りに流されず自分の意思で就職か進学かを決めることです。

また両立することは難しいですが、就活を進めながら進学の準備も同時に進めるという選択肢もあります。

この記事を参考に後悔のない選択をしてもらえれば幸いです。

  • 監修
    株式会社テックオーシャン
    人工知能やビッグデータを駆使し、理工系人材領域における採用ベストマッチングを生み出すHR Tech企業です。 理工系学生専門のオファーがもらえる就活サービス「TECH OFFER」と、大型イベントから1on1面接まで、気軽に企業と出会えるカジュアル就活サービス「TECH MEET」を運営しています。