はじめまして、理系就活情報局です。
今回は、「博士課程からの就活方法」について解説していきます!
「博士課程に進むか迷っている」「博士を取ったのに雇用が不安定と言われている理由って?」「それでも博士課程には進みたいから効率の良い就活方法を知りたい」という学生もいるのではないでしょうか。
そこで、この記事では、「学士や修士の就活との違いって?」から「博士卒が不利と言われている理由」、「効率良く就活をする方法」、「博士修了後の雇用先」まで、解説します!
学士や修士の就活との違いって?
学士や修士との違いは何でしょう?
学士はそもそも学部卒のため、イメージがつきやすいかもしれません。
では同じ大学院に進学した修士を含めて、博士課程に進んだ人はどのような違いが出てくるでしょうか?
この部分についてこれから紹介していきます。
スキルを求められる
博士課程に進んだ人は学士や修士よりもかなり長く研究を続けているため、専門性の高さが評価されます。技術系の職種であればスキルを求める場合もあります。
専門性の高い職種であれば、また企業によっては、修士課程以上を持っている人、博士課程以上を持っている人が応募資格として与えられている場合もあります。
このように、企業側は博士課程の学生にはより高度なスキルや専門性の高さを求めています。
そのため、博士課程に進んだ人は自分の研究を充実させることが就活で有利に進められるでしょう。
エントリー時期が異なる場合も
経団連が出している就活の日程としては、3月1日が広報活動開始、6月1日が採用選考活動開始、10月1日が正式な内定日となっています。
しかし、この日程は博士課程に在籍している院生は対象となりません。
経団連:2023年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請について
こちらの1ページの備考欄に博士課程(後期)在籍の院生は対象外と書かれています。
そのため、学部生は修士課程に在籍している院生の人たちが行う就活日程が適用されない可能性があります。
博士課程だけ早めに選考を開始している企業もあれば、学部生や修士課程に在籍の院生と同じタイミングで選考を行っている企業もあります。
専門性の高さで博士課程の人は差別化できます。その専門性やスキルの高さを活かし、少しでも選考に進める企業を増やすには、早めに選考に関する情報を集めることが大切です。
博士卒が不利と言われている理由
専門性の高さをいかして就活できるのに対し、博士卒が不利と言われている理由はなんでしょうか?
ここでは一般的に考えられる不利になる理由を紹介していきます。
社会に出るのが最大で5年遅れる
修士課程修了後に就職した学生と3年、学部卒とは5年入社時期がずれることになります。
社会人として3〜5年の実務経験は大きな差です。
また浪人や留学をしていなくとも入社は27歳のときになります。
若いうちはポテンシャルが期待されますが、博士卒では20代後半となるためポテンシャルよりスキルや専門性が期待されることとなります。
逆に、ポテンシャル重視で採用をしているような企業では採用されにくい可能性があるでしょう。
スキルや専門性を重視する企業を中心に探し、選考に挑みましょう。
また、そのような企業の選考を勝ち取るためにも研究成果をしっかりと出さなければなりません。
就活の時期と研究の両立
先程も伝えたように、経団連が出している選考時期の対象ではありません。そのため、企業は博士卒の人材をいつ取るのかは企業によって変わるわけです。
即戦力を求めている企業は、早めに人材を確保するためにも早期選考を設けているところがあります。
それに対し、学部卒や修士卒の学生と同時に選考を行う場合もあり、この選考に参加するときは基本的に経団連の提示する日程に従っている企業がでてくるでしょう。
博士卒の学生だけ就活時期がかなりばらばらになることがわかります。
ばらばらになることで、長期間常に就活を意識しなければならないことになります。
そのような状況のもと、大事な自分の研究も充実させなければなりません。
ここの両立をさせることが大変になるでしょう。
学会はいつか、論文を書くのはいつか、この日程を把握しながら就活に割く時間を作っていきましょう。
求人が少ない
スキルや専門職であれば有利になると伝えてきました。
しかし、博士卒以上という応募資格を設けている企業は職種によっては少ないです。
こちらにもあるように、全体的に見るとマッチングがうまくいかなかった、専門知識をもっていても自社ではすぐに活用できないからという理由で博士課程修了者の採用が少なくなっています。
求人が少なく、そのうえで自分の研究内容が評価されるような企業を探すことが一番大変となるでしょう。
効率良く就活をする方法
このように博士課程を修了していても不利になる可能性があることがわかりました。
ではどのようにして効率良く就活をしていけば良いのでしょうか?
ここではその方法を紹介していきます!
オファー・エージェント型サービスを利用する
就活を効率的に進めるには、オファー型やエージェント型の就活サービスを利用しましょう。
オファーやエージェント型のものはまず自分の情報を登録します。
その中に、自分の研究内容、学んでいる事を記入する欄を埋めることになります。
オファー型の場合はその研究内容を企業が読み、自社とマッチすると感じたらオファーを送ります。
エージェント型の場合、その研究内容や他の希望を聞き、その内容とマッチしそうな企業を紹介してくれます。
そのため、自分で1から企業を探すよりもかなり手間が省けます。
また、企業を見つけるのに時間もかかりにくくなります。
研究との両立が大変なため、オファー型やエージェント型サービスの利用をおすすめします。
早くから企業探しをしておく
研究との両立もあり、早くから企業探しをしておくと良いでしょう。
企業に博士課程だけの選考があるのか、それとも学部卒や修士課程卒業の人たちと一緒に選考をすることになるのか、これを知っておくだけでも就活を効率的に進められます。
所属している研究室の先輩たちの就職先も参考にしつつ、興味のもてそうな企業や研究内容を活かせそうな企業を見つけておきましょう。
教授やOB・OGに紹介してもらう
理系の研究室では教授とつながりのある企業も沢山あります。研究内容も把握してもらえているため、紹介状をもらうというのも1つの手です。
また、学部卒の人は5年のキャリアを積んでいることになり、自分の先輩であればそれ以上のキャリアを積んでいる人もいるわけです。
そのような友人に話を聞いてもらう、紹介してもらうというのも考えておきましょう。
博士修了後の雇用先
具体的に、これまでの博士卒の人達はどのようなところに就職しているのでしょうか?
ここでは大まかな就職先を紹介していきます。
具体的な企業名などは自分の研究室から卒業した先輩を見ることで参考にしてみてください。
大学等
文部科学省の調査によると、博士課程修了後の雇用先としては大学等が一番多くなっています。
文部科学省:「『博士人材追跡調査』第4次報告書」[調査資料-317]の公表について
イメージにもあるかもしれませんが、そのまま教授になるという道を選ぶ人が沢山います。
中学や高校の教師のように、免許が必要となるわけではありませんが、研究分野に対して高度な知識が必要です。
基本的にはその研究室において助教や教師として、その後准教授、大学教授へと進んでいきます。
民間企業
先程の参考資料より、2番目に多いのが民間企業への就職です。
全体で見た場合は博士課程修了後、大学等の機関へ行く人が最も多いですが、分野別に見ると、工学や理学が民間企業への就職率は高くなっています。
ここからもわかるように、理系であるということは専門知識の高さが評価されていると言って良いでしょう。
まとめ
この記事では「博士課程からの就活方法」について解説してきました。
重要なポイントをおさらいします。
・スキルや専門職を活かすためにも研究を充実させる
・早期選考のある企業もあるため、早めに調べて研究と両立させる
・オファー型やエージェント型の就活サービスを活用する