こんにちは。理系就活情報局です。
「理系院卒は、技術系の採用枠があるし、余裕だよね?」
「学会での発表も近いし、就活は後回しでいいかな」
もしあなたがそんな考えを持っている理系院生なら、注意が必要です。
理系大学院生(修士・博士)だからといって、必ずしも就職活動が順調というわけではありません。残念ながら、夏を過ぎても就職が決まらず途方に暮れる理系大学院生は、毎年一定数存在します。
修士卒は学部卒より平均初任給は約4万円高いといわれますが、就活の開始時期は修士1年の4月からが主流で出遅れると不利になります。
この記事では、現在就活中の皆さんに向けて、就活に失敗しがちな理系大学院生の特徴と、就活失敗を回避するための対策についてお伝えします。
就職活動を順調に進めたい理系大学院生は、ぜひ参考にしてみてください!
理系大学院生の就活事情
理系の大学院進学率は高い
理系の大学院進学率は高く、半分以上が進学を希望する学部も珍しくありません。
実際に東京大学理学部数学科は半数以上が、物理学科・物理学専攻の約81%が修士課程へ進んでいるというデータもあります。
大学院卒を対象とした求人があり、専門性が高く評価されることから理系にとって進学は当然といった雰囲気があります。
理系大学院生は専門性で学部生よりも有利
結論から言えば、理系大学院生(修士)は就活に有利です。
理系業界に限らず、理系人材を必要とする企業は多く、ある程度の規模を持つ企業は、理系採用枠を設けていることもあります。偏差値が同程度の場合、理系は文系と比較して、採用チャンスが多いと言えるでしょう。
理系の場合は、大学院への進学率がおおよそ4割と言われています。国立大学であれば6〜7割、上位大学であれば9割以上が大学院に進学します。
超大手の企業などは上位大学からの人材採用を基本としていることから、修士卒以上を技術系採用の基本としている企業が大半となります。
専門的なスキルや院卒ならではの論理的思考など、大学院での2年間がプラスとして評価されやすいことも就活に有利なポイントです。
大学による推薦の制度も、理系大学院生のメリットのひとつです。
専攻や研究室によっては、大企業や人気企業とのコネクションを持つケースもあります。
理系の院卒と学部卒の就活の違いについては以下の記事にて詳しく解説しています。併せて確認してみてください。
大学院1年目から計画的に就活対策が必要
理系院生の就活は、大学院1年目からのスケジュール管理が非常に重要です。
大学院での研究生活が始まるとともに就活をスタートさせなければならないため、忙しさに押し流されて志望企業のエントリーを逃さないように気をつけましょう。
スムーズに就活を勧めるためにも、研究の進捗状況や学内のスケジュールをしっかり把握して就職活動の準備を進める必要があります。
早期選考化が進む現在の就活では、大学院入学前から計画を立てて対策しましょう。
大学院の種類
大学院は、主に3種類に大別できます。
①一般大学院
一般大学院は専門分野の研究を目的とした大学院で、修士課程と博士課程に分かれています。修士課程は2年間、博士課程は修士課程修了後さらに3年間の学習期間となります。博士課程まで進めば、大学の研究職などを目指すことも可能です。
②専門職大学院
専門職大学院は、実務家の育成を目的としています。MBAや法科大学院など、仕事や資格取得に直結したものが多く、研究というよりも実践的な教育が中心です。専門職大学院には、目的意識の高い学生や社会人が多く在籍しています。
③通信制大学院
通信制大学院は、インターネットや通学によるスクーリングなどで通える大学院です。地方在住者や社会人でも学びやすく、時間や場所の制約が少ないという特徴があります。ただし、通信制大学院は数が限られるため、選択肢は狭いと言えるでしょう。
学部卒と院卒の就活の違いとは?メリット・デメリットを解説
給与差・研究スキル・年齢でみるメリット・デメリット
給与差・研究スキル・年齢の項目別に、学部卒と院卒それぞれのメリット・デメリットを一覧にしました。
院卒のメリット | 院卒のデメリット | 学部卒のメリット | 学部卒のデメリット | |
給与差 | 初任給が学部卒より約2万円高い | 昇進ペースにより、生涯年収の差が縮まるケースも | 就活時期が早く、若いうちから給与を得られる | 初任給が院卒より低く、収入面でやや不利 |
研究スキル | 高度な専門性と研究経験があり、技術職での評価が高い | 専門外の職種ではスキルを活かしきれないケースも | 汎用的なスキルで幅広い職種に応募しやすい | 技術職では専門性の不足を指摘されるケースがある |
年齢リスク | 就職時の年齢が高くなり、企業によっては不利になるケースも | 同期との差や出世スピードの遅れを感じやすい | 年齢が若くポテンシャルを評価される | キャリアの早期選択が求められ、迷いやすい |
院卒・学部卒ともにメリット・デメリットがあるため、希望する企業・職種も考慮して進路を決定しましょう。
学部卒は可能性を、院卒はスキルを評価される
学部卒と院卒では、それぞれ企業から求められるものが異なります。
学部卒は、若さと入社後に活躍してくれるだろうというポテンシャルを見ています。
理系の学部卒にもスキルや基礎力が求められますが、院卒ほど高い専門性やスキルを求められることはありません。
一方で、専門性の高い職場では院卒を求める傾向があります。
相対的には専門性の高い学生の割合が高いため、院卒に限定した募集もあります。特に、専門性が重視される研究職を目指す場合は、進学を検討したほうが良いでしょう。
院卒は専門性を活かしてやりたい仕事に就きやすい
大学院卒業生は専門的な知識と技能を備えているため、学部卒と比べて研究職などのやりたい仕事に就きやすい利点があります。
研究職は理系の花形ですが、院卒の求人も多く、学部卒で研究職をめざすのは狭き道です。
自分の専門性を活かしてキャリアを積みたい人は、進学もおすすめです。
院卒は大手企業に採用されやすい
大学院卒は高い専門知識を備えているため、大手企業に採用されやすい利点があります。
実験や研究のスキルをアピールできる具体的な成果やエピソードが生まれやすいこともあり、学部生よりも面接時に訴求できるポイントが多いのも特徴です。
院卒は学部卒よりも初任給が高い
大学院卒は、一般的に学部卒よりも初任給が高くなります。
大卒の初任給が20〜25万円程度であるのに対し、大学院卒の初任給は25〜30万円程度になることが多いです。
初任給の差があると、初年度の年収だけでなく、その後の成長の余地や生涯年収も大きく変わります。
特に理系の場合は専門職のため、初任給だけでなく、その後の給料水準も高い傾向にあります。
ただし、全ての企業で大学院卒の給料が高いわけではありません。
社会に出るまでに時間がかかる分、企業によっては実際に獲得できる金額は大卒の方が多くなる場合もあります。
就活時の年齢の違いは採用の方向を左右する
大学院に進学すると専門性や研究経験を武器にできる点で有利である一方、就職時の年齢が学部卒より2~5歳ほど高いです。
企業によってはポテンシャル採用の対象外となったり、若手中心の職場でギャップを感じたりするケースがあります。
キャリアのスタートが遅れる分、同期と比べて昇進や転職のタイミングに差が生まれて不利になるケースも予想されます。進学を選ぶ際には、専門性だけでなく年齢やライフプランとのバランスも考えましょう。。
初任給と生涯賃金の違いで見る院卒と学部卒の就活
院卒vs学部卒 高収入はどっち?
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、大学院修士課程修了者の初任給の平均は28万7,400円、学部卒の初任給が24万8,300円です。
上記のデータから分かるように、院卒と学部卒の初任給では約4万円の差があります。
初任給では院卒の方が学部卒より高くなりますが、生涯年収ではどの程度差が出るのかを見ていきましょう。
以下は、厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」に掲載された院卒の男女別の収入推移をグラフにしたものです。
引用:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査(3)学歴別にみた賃金」
年々男女の差は埋まりつつありますが、全体を通して30~40代から学部卒と院卒で収入に開きが生まれていく傾向にあります。
生涯年収で勝るのは院卒
大学院へ進学することで就職が遅れる一方、専門性を活かして高い初任給や昇進スピードが期待できるため、生涯年収では院卒が学部卒を上回る傾向があります。
修士卒と学部卒では数千万円単位の差が出るケースがあり、特に技術職・研究職・専門職ではその傾向が顕著です。
ただし、上記で提示した生涯年収は「確実に稼げる」という意味ではなく、自分のスキルや努力次第で差が縮まるケースもあります。
大学院進学か就職かを決める際のポイント・注意点
大学院進学か就職かを悩んでいるなら、まずは自分の将来のキャリアプランを具体的に描いてみましょう。
大学院に進学した場合、助手や研究者、大学教員などさまざまな進路が考えられます。
しかし、就職してからでも大学院に通うチャンスはあり、中には、大学院への進学支援をしている企業も多いです。
自分の希望する将来像を明確にすることで、進路選択の指針が得られます。
次に、信頼できる人物に相談するのがおすすめです。
あなたの希望・長所をよく理解している人に意見を求めれば、客観的な視点を得られます。ただし、最終的な判断は自分で行いましょう。
また、進学を検討している大学院を修了した人の進路を調べてみてください。
卒業生の就職先や進学先を確認すれば、大学院を出た後のロールモデルを見つけられます。
自分の進路に対する具体的なイメージを固めて、周囲の助言やキャリアの行き先という客観的情報を得れば、納得のいく選択ができるはずです。
【NG例】後悔しがちな進学理由とそのリスク

NG例①「就活したくないから」と進学する
結論、「就活したくないから」という理由で進学するのはおすすめしません。
理系は大学院に進む人が多いとはいえ、進学は「就活の回避手段」ではありません
進学すればいったん就活を先延ばしにできると考えるのは間違いです。
しかし、修士卒の就活は大学院入学とともにスタートするため就活をしなくてもいい時期は短く、先送りにしてもすぐ就活のために動かなくてはなりません。
もし就職したい気持ちがあるなら、学部卒で社会に出て2年早く実務経験を積む道も立派なキャリアの選択肢です。
NG例②「なんとなく周囲も進学しているから」
理系では大学院に進む学生が多数派のため、「みんな行くし、自分も行っておこうかな」と、深く考えずに進学を決めてしまう人もいます。
しかし、目的があいまいなまま進学すると、研究に対する興味や主体性を持ちづらく、モチベーションが続かなくなるケースがあります。
自分で選んだ研究テーマに納得していなかったり、なんとなく研究室に配属されたりしたケースでは、日々の実験や発表が苦痛に感じられるかもしれません。
就活で「何がやりたいのか」「なぜこの道に進んだのか」を問われたときに、説得力のある言葉が出てこないのもリスクです。
進学するかどうかは、自分の意志と将来像に基づいて判断しましょう。
NG例③「学部時代に満足いく成果が出せなかったからリベンジしたい」
「もっと研究で結果を残したかった」
「あのときもっと頑張れたはず」
上記のような学部生時代の失敗の悔しさから、大学院進学を決める人もいます。
一見前向きなように思えますが、目的があいまいなままリベンジだけをモチベーションにしてしまうのは要注意です。
大学院では、テーマ設定から研究の進行までより高度な自律性と計画性が求められます。
過去に思うような成果が出なかった理由を客観的に見つめ直さずに進学してしまうと、同じ壁にぶつかって再び行き詰まる可能性があります。
「過去のやり直し」ではなく「何を学び、どう活かしたいのか」という視点で進学の理由を考えることが、後悔しないキャリア選択につながります。
NG例④「大学院に行けば良い企業に入れると思ったから」
「院に進めば大手企業に入りやすくなる」と期待して進学を決める人もいます。
たしかに、大学院卒は初任給が高く専門性を評価する企業も多いため、進学がプラスに働く場面はあります。
しかし、大学院を出ただけで優良企業に入れるわけではありません。
企業が重視するのは「どんな力を持っているか」「なぜその企業で働きたいのか」といった本人の中身です。学歴だけに頼り、自己分析や業界研究をおろそかにしてしまえば、選考で苦戦してしまいます。
良い企業に入るために大切なのは進学そのものではなく、「大学院での時間をどう活かすか」という視点を忘れないようにしましょう。
いつから始まる?院卒の就活スケジュール

【修士・博士】院卒の就活スケジュール早見表
修士および博士における院卒の一般的な就活スケジュールは、以下の通りです。
修士課程(M1~M2) | 博士課程(D2~D3) | |
4月 | 自己分析・業界研究準備 | |
5月 | インターン先・エントリー企業を選定 ES練習・OB訪問・試験勉強 | |
6月 | インターンエントリー締切 | |
7~8月 | 夏インターン参加 | 自己分析・企業研究を開始 |
9~2月 | 会社説明会に参加 本選考準備(ES・面接対策) | ES練習・面接練習 |
3月 | 採用広報解禁・本選考開始 | 本選考開始 |
修士と博士で就活を進めるスケジュールは異なりますが、どちらも早めの準備が大切です。
修士は1年目から就活スタート
インターンシップに参加する修士1年は、研究が本格化する前(4月~5月)に就活の準備を進めておくことが重要です。
6月までに、自己分析と業界・企業研究を一定程度完成させることを目標にしましょう。
大学院生は研究や学会準備で忙しくなるため、修士1年の後半になるにつれて、就活に割ける時間が減少する可能性があります。そのため、インターンシップに参加しない場合も、4月から自己分析や業界・企業研究を始めることをおすすめします。
博士は2年目から就活スタート
博士課程の場合は、2年目から就活がスタートします。
特に博士採用に積極的な企業では、非常に早い時期から選考が始まります。
そのため、博士課程の院生は早い段階から就職活動をスタートし、研究と両立しながら内定を獲得できるよう行動を開始しておくのが重要です。
海外の大学院に進学した場合は就活時期に注意
海外の大学院から日本の企業に就職を目指す院生は、日本の就活スケジュールを逃さないように注意が必要です。
海外で就職する場合は、キャリアフォーラムや説明会に参加するのが一般的ですが、日本の企業に就職したい人はリモートでの就活になります。
どうしても学業との折り合いが付かない場合は、帰国して翌年度に就活活動を行う道も検討しましょう。
就活に失敗しがちな理系大学院生の特徴
研究優先で就活がおろそかになっている
就活に失敗しがちな理系大学院生の特徴1つ目は、研究優先で就活がおろそかになっていることです。
大学院生の場合、高い専門性を身につける過程は非常に忙しくなります。
日々研究に追われて結果が出なければ、休日も研究漬けの日々となるのも珍しくありません。
忙殺される日々の中で就活も並行して進めるのは、いかに大変かは容易に想像できるはずです。
院卒で就職を目指す場合には、研究との並走で非常に忙しくなります。
特定の業界・分野・職種にこだわりすぎている
就活に失敗しがちな理系大学院生の特徴2つ目は、特定の業界・分野・職種にこだわりすぎていることです。
高い専門性を身につけると、専門性を生かせる企業しか受けないという方も珍しくありません。
長い期間をかけて身につけたスキルや知識を生かした仕事に就きたいと考えるのは、人として自然な心理といえるでしょう。
専門性を生かそうとするあまり企業の選択肢が限定的になるケースがあります。
専門性を生かせる企業は少し視野を広げると実は数多く存在していますが、専門性に固執すると選択肢が狭まってしまいます。
就活を楽観視している
就活に失敗しがちな理系大学院生の特徴3つ目は、就活を楽観視していることです。
専門分野に特化しているから大丈夫と安易に考えていると同じスキルを持つ大学院生と比較されたときに効果的なアピールができず、内定のチャンスを逃す可能性があります。
専門分野で得たスキルや知識だけでなく、円滑に仕事を進めるために必要な人間的スキルを持っていることも重要です。
人気のある企業は競争率が高いため、計画的に準備を行い、選考に臨みましょう。
理系大学院生が就活に失敗しないための対策
研究よりも就活を優先させる
理系大学院生が就活に失敗しないための対策1つ目は、研究よりも就活を優先させることです。
理系の大学院生は研究や学会の準備に追われるため、就職活動との両立が難しくなります。中には、どちらも両立しようと焦るあまり、どっちつかずになってしまい、結果的に就活の失敗につながることもあるでしょう。
研究は非常に重要ですが、就活はその後の人生を左右します。
もし、研究に時間がかかりすぎて余裕がない場合は他の院生や教授に助けを求めるなどして就活を優先させましょう。
自己分析や企業研究を深める
理系大学院生が就活に失敗しないための対策2つ目は、自己分析や企業研究を深めることです。
自己分析と業界・企業の研究を行うことで、自分の強みを明確にできます。
なんとなくわかっている強みや望みを明確にすれば、自分の専門知識やスキルを活かせる就職先も見つけやすくなるでしょう。
院卒の強みを活かせる求人をねらう
理系大学院生が就活に失敗しないための対策3つ目は、院卒の強みを活かせる求人をねらうことです。
大学院生の場合、研究職や開発職のある業界に関心を持つ傾向がありますが、研究によって身につけるスキルは様々な業界で活かせる強みです。
最初から専門的な業界に絞りすぎず、興味を持っている業界を徹底的に調査することをおすすめします。
会社で活かせるスキルをアピールする
理系大学院生が就活に失敗しないための対策4つ目は、会社で活かせるスキルをアピールすることです。
即戦力として求められる院卒は、自己PRで以下の3点をしっかり示しましょう。
・自分にどんなスキルがあるのか
・スキルの根拠となる実績やエピソード
・自分のスキルを企業でどのように発揮できるか
学校推薦も検討する
理系大学院生が就活に失敗しないための対策5つ目は、学校推薦を検討することです。
学内での選考がある学校推薦は、学部生よりも専門性の高い院卒に有利となります。
志望する企業が明確で、確実に就職したい企業の推薦がある場合は学校推薦を利用するとスムーズです。ただし、学校推薦は基本的に辞退が難しいため、応募する際には充分検討しましょう。
大学院を中退してしまった場合は就職できる?
大学院に進学したものの、中には中退する院生もいます。
中退してしまった場合には不安や心配もあるかもしれませんが、大学院中退者でも就職は可能です。
大学院中退の場合でも、三年以内なら既卒として扱う企業もあります。
企業によって既卒の扱いは違うため、志望企業の応募要項を確認してみましょう。
参考:「青少年雇用機会確保指針」
大学院中退者でも大学院での学びを生かし、研究者や専門家としての知識やスキルを活かせる職場を見つけることは不可能ではありません。
大学院中退後に社会人経験を積めば、自身の成長やキャリア形成にもつなげられます。
理系大学院生の就活で押さえておきたいこと
インターンに参加する
理系大学院生は、できるだけインターンに参加しましょう。
特に、サマーインターンなど長期休暇に参加できるインターンへの参加がおすすめです。
インターンは企業で実際の業務を体験できるため、大学では経験できない仕事に携わりながら専門分野を追究できます。インターンでは企業の社風や社員の人柄を身近で感じられるため、ミスマッチの防止にもつながります。
インターンをうまく活用すれば選考時にもアピールでき、内定を勝ち取りやすいでしょう。
24年度以降、企業はその情報を採用活動で活用できるようになりました。
一定の条件を満たしたインターンシップに参加した場合、早期選考につながる可能性があるためインターンシップへの参加は必須だと考えましょう。
模擬面接をくり返し行う
特に、学部生の時に就活を経験していない人は、模擬面接をくり返し行いましょう。
面接では、大学院での研究内容をわかりやすく伝えることが重要です。
理系の研究は専門的で、どうしても専門用語を使用した難しい説明になりがちです。
面接官全員が理系の専門知識に詳しいわけではないので、専門用語が上手く伝わらない場合もしばしばです。
誰にでも分かりやすく伝えるためには、しっかりと練習しておく必要があります。
研究内容を伝えるだけでなく、長期間の研究を成し遂げる忍耐力や相手に合わせたコミュニケーション能力などもアピールすることが内定を勝ち取るポイントです。
理系特化型サイト「TECH OFFER」に登録する
企業と学生をつなぐサービスは様々ありますが、オファーサイトの活用もおすすめの方法です。
オファーサイトは学生が登録したプロフィールや経歴を、企業側が確認して、オファーを送るサービスです。
学生から企業へという一般的な就活とは少し毛色が異なり、昨今注目を集めています。
数あるオファーサイトの中でも、理系におすすめなのが『TECH OFFER』です。
『TECH OFFER』は理系学生向けに特化したサービスであり、多くの理系学部生・大学院生に使われているサービスになります。
利用している企業も大手企業をはじめ、様々なタイプの企業が利用しています。
『TECH OFFER』の会員登録は最短3分で登録が可能です。
『TECH OFFER』に会員登録をして、企業からの魅力的なオファーを受けてみませんか?
理系院卒の就活でよくある質問5選
院卒は学部卒より就職率が高い?
全体傾向として、院卒のほうが学部卒よりも就職率が高い傾向にあります。
特に、理系分野では大学院での研究経験や専門性を重視する企業も多いです。院卒は研究室推薦や技術系の専用採用枠なども充実しているため、比較的スムーズに就職先が見つかる傾向があります。
ただし、院卒で就職を成功させやすいのは当然ながら就活の準備を綿密に行っていた人です。進学したからといって自動的に内定が出るわけではなく、むしろ就活を後回しにして失敗する院生も毎年一定数います。
院卒は修士で就職すべき?
「博士まで進むべきか」「修士で就職すべきか」は進路を決める上で多くの人が悩むポイントですが、企業への就職を考えている場合は修士での就職が一般的なルートです。
多くの企業が「修士卒」を最終学歴として前提に採用活動を行っており、博士課程進学者向けの求人は一部の研究開発職に限られる傾向があります。
研究職に強いこだわりがある場合やアカデミア・国研を目指す場合は博士進学が必要ですが、それ以外は修士での就職でも十分専門性を活かせます。
企業選びで重視すべきポイントは?
理系院卒の企業選びでは、「研究内容との親和性があるか」「専門性を活かせる業務があるか」が重要な判断軸になります。
ただし、上記のポイントだけにとらわれすぎるのもNGです。
配属先やキャリアパス、教育制度、福利厚生、働き方などを含めて総合的に自分に合った環境かどうかを見極めましょう。
また、技術系職種であってもコミュニケーション力やチームワークが求められる場面は多く、業務内容だけでなく社風も注目しておきたいポイントです。
研究内容はどうアピールすればいい?
研究内容をアピールする際は専門用語をなるべく使わず、誰でも分かる言葉遣いで伝えましょう。
理系院卒にとって、就活で研究内容の説明は避けて通れませんが、相手は研究者ではなく企業の人事担当や現場社員です。
専門用語を並べるだけでなく、「なぜそのテーマを選んだか」「どんな役割を果たしたか」「困難をどう乗り越えたか」など、自分の姿勢や思考を伝えることが大切です。
さらに、「研究での経験が応募先企業の業務とどうつながるか」を意識して説明すると、より説得力が増します。
院卒だけど研究職にこだわらなくていい?
「せっかく院まで行ったのだから研究職でなければ…」と考える人もいますが、実際には多くの理系院卒が研究職以外でも活躍しています。
開発職や生産技術、品質管理、ITエンジニア、技術営業など専門知識や論理的思考を活かせる職種は多数あります。
研究職は求人が限られているうえ、配属や勤務地の希望が通りにくい場合も多いです。
視野を広げて業界・職種を見ていけば、自分に合ったキャリアが見えてくるケースもあります。研究職への就職は、選択肢の一つとして柔軟に考えましょう。
まとめ
理系学生にとって学部卒か、院卒かは大きな分かれ道となります。
どちらにも明確なメリットがある一方で、デメリットも確かにあるからです。
学部卒か大学院への進学に迷われている方や、進学を決めた方はぜひ本記事を参考にしていただければと思います。