新卒採用において、当たり前のようにWeb面接を取り入れる企業が増えています。これから就職活動をされる皆さんは、Web面接の事前準備をしっかり行っているでしょうか。
Web面接は移動や時間のコストを省略できるメリットがありますが、対面面接とは行うべき対策が異なります。
この記事では、Web面接の流れや事前準備、対策方法などを解説していきます。
Web面接の流れ

Web面接の場合通常の対面面接に加え、デバイスの設定などの準備が必要です。
直前になって慌てないよう、事前に全体の流れを理解し、Web面接当日はに焦ることが無いよう流れを理解しておきましょう。
事前準備
Web面接に参加するためのデバイスや資料を用意します。
できるだけパソコンでの参加が望ましいですが、なければスマートフォンでも構いません。
スマートフォンを使用する場合、手持ちや直置きは厳禁です。また、必ず充電が100%なされているかを確認してください。
スマートフォンは三脚などに固定し、カメラ部分が正面の位置に来るように設置しましょう。
背景は自室の壁などが好ましく、なるべく生活感のあるものは映らないような配慮が必要です。
また、初めてのWeb面接を受ける場合、本番前に必ずオンライン上で模擬面接を行うことをおすすめします。
相手は友人、家族、研究室の先輩などで構いません。対面面接との違いを体験しておきましょう。
使用ツールの確認とテスト
Web面接に使用されるWeb会議ツールは、企業によって異なります。一般的によく使われているものは以下の通りです。
・Zoom
・Teams
・Googleハングアウト Meet
・Whereby
・Skype
企業からは、どのツールが使われるか事前にアナウンスがあります。もし連絡がない場合は必ず先方の担当者へ確認してください。
Skypeなど一部のWeb会議ツールでは、アカウント登録が必要です。
企業からシェアされたURLからそのまま面接に参加できるのか、自アカウントにログインする必要があるかなどを確認しておきましょう。
また、面接の途中でこちらから資料を提示する可能性があります。画面共有をはじめ、基本的な操作に慣れておく必要があります。
いよいよ面接本番
本番当日は、Web面接開始の10分前までにはログインできる状態で待機しておきましょう。
面接の受け答えに使う資料は、プリントアウトするか、パソコンの画面上に立ち上げておきます。
本番中でも資料、いわゆるカンペを確認できるのがWeb面接の利点ですが、資料をそのまま読み上げる自己PRは、目線や声のトーンですぐにばれてしまいます。
自分の言葉で論理的に説明できる状態にまで仕上げてから、Web面接に臨みましょう。
お互いの通信状況に問題がないことを確認できたら、面接開始です。Web面接でも最初と最後の礼は欠かさないようにしてください。
オンライン上で、会話のキャッチボールや間の取り方が難しいのはお互い様です。
どもってしまったり、相手との会話が重なってしまっても、焦らずに一言謝った後、すぐに仕切り直せば問題ありません。
終了後は、面接のお礼を伝えて終了です。念のため、相手が回線を中断するまで、こちらは接続したままで待機しておきましょう。
面接の後も好印象に
Web面接が終了したら結果や手ごたえに関わらず、面接官もしくは人事担当者にお礼のメールをしてください。遅くても当日中、できれば先方の営業時間内に送るのが理想的です。
社会人のマナーとして、相手の時間をいただいた認識を持つようにしましょう。また、メールへのレスポンスの速さは評価の対象となる可能性が高いです。
面接でうまく伝えられなかったポイントや、誤解があったポイントについて、長文にならない程度に補足しても構いません。
Web面接でも好印象!オンラインを意識した非言語コミュニケーション

Web面接に挑むうえで理解しなければならないのは、対面面接とのコミュニケーションの違いです。
画面越しの相手に意思や熱意を伝えるためには、表情の作り方、会話の間の取り方など、Web面接ならではのテクニックが存在します。
非言語コミュニケーションとは?
非言語コミュニケーションとは、しぐさや表情、声のトーンや身振りなど、言語に頼らないコミュニケーションの方法です。
私たちはコミュニケーションによる意思疎通において、その9割を非言語コミュニケーションに頼っています。
電話での会話で相手に意図が伝わらなかった経験は誰しもが持っていますが、これは非言語コミュニケーションの不足に起因します。
電話ほどではありませんが、Web面接は対面での面接にくらべ、非言語コミュニケーションの制約があります。
対面面接では多少の説明不足があっても、身振り手振りやその場の雰囲気により、違和感は自動的に解消されます。
一方Web面接では空気感が読み取りずらく、相手の理解度や感情をくみ取るのが難しい傾向にあります。
笑顔と相槌はいつもの2割増
Web面接では、対面よりも会話の温度感が伝わりづらい点に留意しましょう。
笑顔と頷きの動作は対面面接の2割増しを意識し、興味のある話題には前かがみになるなど、リアクションをしっかり伝える必要があります。
イメージとしては、情報番組のワイプ画面です。芸能人ほどのオーバーリアクションは必要ありませんが、表情やしぐさから傾聴姿勢を見せる努力が重要です。
また、画面ごしの面接では集中力が切れやすく、つい無表情になりがちです。
面接官から「うちの会社にあまり興味がないのかな」と誤解を受けるおそれがあるため、自分に向いているカメラの映像は、定期的にチェックしてください。
第一印象は演出次第!場所の設定にも一工夫を
第一印象が重要なのは、対面でもオンラインでも同様です。窓から日光の入る部屋など、なるべく顔色が明るく見える部屋に場所を設定しましょう。照明が画面に対して、逆光にならないよう注意も必要です。
屋外やソーシャルスペースでのWeb面接はお勧めできません。雑音や不慮のアクシデントを避けるため、自宅もしくは個室のレンタルスペースなど、静かな場所でWeb面接に臨みましょう。
自室を見られたくない人は、バーチャル背景を設定をしても問題ありません。
ただし、奇抜な背景や自分の趣味を強く反映したものは控えたほうが無難です。白を基調とした会議室やオフィス、カフェなどの背景がおすすめです。
身だしなみは基本中の基本
非言語コミュニケーションの基本は「見た目」です。Web面接の場合でも、部屋着やラフな服装での参加はNGです。
清潔感を意識し、寝ぐせやヒゲの処理、メイクなど対面面接に臨む気持ちでしっかりと行いましょう。
カメラの画質を考慮し、女性は少し濃くメイクすることをお勧めします。
薄いメイクで映った場合ノーメイクにみられてしまう可能性があるため、派手になりすぎない程度に、はっきりと形を整えるメイクを心がけましょう。
服装は特に指定がない場合はスーツ着用です。上半身しか映らないからと油断せず、必ず上下着用するようにしてください。
面接の最後、立ち上がって礼をする際に、下半身のスウェットが映ってしまった事例などがあります。
事前チェックで回避!理系就活生のWeb面接でありがちな失敗やトラブル

Web面接が急速に定着し一般化しつつある中で、聞こえてくるのがオンラインならではの失敗談です。
折角つかんだ面接のチャンスを無駄にしないよう、事前にありがちな失敗やトラブルについて把握しておきましょう。
インターネットが繋がらない
最もよくある失敗がネット環境の不具合です。可能であれば、LANケーブルで有線接続できる環境でのWeb面接をお勧めします。
有線での接続が難しい場合は、Wi-Fiルーターやスマートフォンのテザリング機能など、ネット接続の手段は複数用意できれば安心です。
不安定な接続状況を避けるため、初めて面接に使用する場所では、事前に電波状況やWi-Fiの接続強度をチェックする必要があります。
なお、スマートフォンの回線を使用する場合、月間の通信量に注意してください。
Web面接は1~2時間と長時間です。面接中に通信量超過による速度制限が発生しないよう、通信料の上限に余裕があるかを確認しておきましょう。
カメラの位置と角度に要注意
面接では相手の目を見て話すことが重要ですが,画面ごしに相手の目を見てしまうと、うつむきがちで表情が暗く見えてしまいます。Web面接では、相手の目=カメラになることを意識しましょう。
また、カメラの高さにも気を配る必要があります。ノートパソコンや携帯電話の位置が低いと、相手のカメラからは上から目線に見えてしまい、印象がよくありません。
椅子の位置を低めに調整する、デバイスの位置を高めにするなど、カメラの位置を自分の目線に配置することをこころがけましょう。
意外と聞こえる様々な雑音
携帯電話やパソコンのマイクが拾ってしまう雑音には要注意です。最近はデバイスのマイクの性能が良いため、他人の電話や遠くの生活音なども拾ってしまいます。
Web面接の最中にバラエティ番組の音声などが入ってしまうのは避けたいですね。自宅の場合でもテレビや掃除機の使用を控えてもらうなど、家族の協力を仰ぎましょう。
静かな環境を用意できない場合は、有料の個室スペースがおすすめです。
面接中に携帯電話が鳴るのはマイナス評価です。絶対に避けましょう。面接のデバイスがパソコンであれば、LINEの通知音や着信音などが聞こえないようスマートフォンの電源は切っておきます。
スマートフォンを使用する場合は、事前に各種アプリの通知音を切ってください。バイブ音も気になりますので、マナーモードではなく通知自体をオフにしましょう。
また、Web面接中にメモをとる場合、キーボードのタイプ音に注意してください。面接官によっては不快に感じる可能性もあるため、手元にペンとメモ帳を用意したほうが無難です。
これだけは知っておきたいポイント(まとめ)

Web面接の流れやコツ、注意点などについてまとめました。
この記事のポイントは以下の通りです。
・Web会議ツールの使用方法、インターネット環境など、デバイス周辺の準備は怠らない
・表情や笑顔など非言語コミュニケーションを意識し、カメラへの映り方を意識した環境設定を事前に行っておく
・Web面接にも、基本的には対面面接と同じ心構えで臨む
Web面接は対面面接に比べて制約も多いですが、うまく対応できれば普段の面接以上に好印象を与えることが可能です。事前準備をしっかり行い、自信を持ってWeb面接に臨みましょう。