こんにちは。理系就活情報局です。

今回は、生命科学系を学んでいる学生の就職活動について解説していきます!

生物系の学問へ進んだ際、「就職が不利になる」「大学院に行かないと認めてもらえない」と言われたこともあるのではないでしょうか。また、就職活動を始め、どのような企業で学んだことを活かせるのか思い浮かびにくい人もいるでしょう。

そこで、この記事では、「生命科学系の学生が本当に就職不利なのか」から「生命科学系を学んだ学生に人気な業界や職種」、「専門分野以外での活躍の仕方」まで、解説します。

生命科学系の学生が就職不利・悪いと言われる理由

生命科学系の学生が就職不利・悪いと言われる理由

専門性と直結する求人数が少ない

生命科学系の学生が就職不利・悪いと言われる理由の一つに、専門性と直結する求人数が少ないことがあります。

研究職は理系就活生から人気の職種ですが、応募者数に対して採用者数が少ない狭き道としても知られています。さらに生命化学分野の専門性を活かせる研究職となれば、求人数は非常に少ないのが現状です。

研究の汎用性が低い

生命科学系の学生が就職不利・悪いと言われる理由の一つに、研究の汎用性が低いことがあります。

企業における研究は基本的に商品を開発するため、研究テーマが決められていることがほとんどです。

自身が研究したことと一致する企業、つまり生命科学で学んだことをそのまま活かせる企業となるとさらに限定されます。

生命科学系の学生に人気の業界と平均年収

生命科学系の学生に人気の業界と平均年収

生命科学系の学生に人気の業界と、平均年収を紹介します。

平均年収については、マイナビ転職「2023年版 業種別 モデル年収平均ランキング」を参照しています。

食品業界

生命科学系の学生に人気の業界1つ目は、食品業界です。

食品業界の平均年収は、451万円です。

生活で身近な食品は、生命科学系を学んだ学生にとってイメージしやすい業界です。想像のしやすい業界ほど人も集まり、倍率が高くなるでしょう。

食品業界においては学んでいることを大きく活かせます。例えばある化学物質が人に与える影響、ある化学物質を含んだ食品の研究です。

また、最近では宅配で食物を届けるサービスもあります。中には冷凍状態で届け、レンジですぐに食べられるものもあります。そのため、特に夏のような暑い日でも安全に届けられるようにする必要が出てきます。人の安全性は食品業界においても欠かせないため、学んだ事を活かしながら働けるでしょう。

食品というのは生きていくうえで必要不可欠なものです。また、コロナにより宅配を利用した人が増えてきたことを考えると、とても需要のある業界です。

化粧品業界

生命科学系の学生に人気の業界2つ目は、化粧品業界です。

化粧品業界の平均年収は、498万円です。

化粧品業界は、女性に人気の業界となります。理系のなかでも、物理理系よりは生物理系の方が女性が多いですが、やはり身近にあるものであるためイメージのしやすい業界かもしれません。

化粧品は人の肌に塗るものであるため、安全性が第一です。そこで安全性を向上させるために欠かせないものが研究となってきます。人の体の仕組みについても理解している必要があるため、学んだ事を活かせるでしょう。

最近では、メンズメイクも一般的です。そのため、これからも性別問わず需要のある業界と言えるでしょう。

製薬業界

生命科学系の学生に人気の業界3つ目は、製薬業界です。

製薬業界の平均年収は、498万円です。

医薬品の需要は常にあるため、幅広い学生から人気の業界となります。生命科学を学んできた学生にとっては、研究職としてのイメージが強いかと思います。

製薬業界で働く際には、どのような仕事をしたいのかを考える必要があります。

研究職として創薬研究がしたいのか、研究職にこだわりはないが薬を作りたいのかです。

なぜ薬に関係した仕事につきたいのかを考え、職種を選ぶと良いでしょう。

製薬業界にとって研究をし続ける事は必要不可欠です。そのため生命科学を学んできた学生を欲しているため、製薬業界の企業を調べてみると良いでしょう。

製造業界

生命科学系の学生に人気の業界4つ目は、製造業界です。

製造業界の平均年収は、490万円です。

生命科学系学科の就職先として、製造業界も人気です。

一見、工学系の学科に人気なイメージですが、生命科学を学んだ人は化学素材メーカー、繊維などの物質を利用し、製品を生み出す企業への就職先も人気です。

この業界はかなりの企業数があるため、様々な物質を扱った企業があるでしょう。生命科学の中でも、化学、繊維、添加物、材料など、どの分野に携わりたいかを絞れば企業も絞られてきます。

また、製造業界では企業の母数が多いため、それぞれの分野ごとにどのような企業が存在するか調べておくと良いでしょう。

IT業界

生命科学系の学生に人気の業界5つ目は、IT業界です。

IT業界の平均年収は、561万円です。

一見、IT業界と生命科学科は関連性がないように見えるかもしれません。

最近、デジタル医療とヘルスケアの需要が高まっているため、実際には密接な関わりがあります。

特に、システム開発などを手がけるSIer企業は、医療・ヘルスケアのIT化に力を入れています。

生命科学科の学生は、大学で学んだ知識を活かして、デジタル医療やヘルスケアのIT分野でも活躍できます。

研究機関

生命科学系の学生に人気の業界6つ目は、研究機関です。

研究機関の例としては大学の研究機関やJAXA、国立がん研究センターなどです。

企業ではなく、このような研究機関で研究職として働く利点は、最先端の研究が出来る上に研究費も大きいからです。

研究機関で働くことができれば、最新技術に関する研究ができ、その上仕事としてお金をもらうこともできます。

研究をし続けたい学生にとってはかなり良い条件が揃っているため、とても人気な就職先といえるでしょう。そのため高倍率となります。

注意すべき点としては、学部卒の人を募集していない可能性があることです。

行きたい所が、大学院卒業必須となっていないか調べておきましょう。

生命科学系の学生に人気な職種

生命科学系の学生に人気な職種

次にどういった職種に就いた人が多いのかを解説していきます!

先程の業界だけを見ると研究職が多そうですが、生命科学を学んだ学生の中には研究職以外の食にも興味がある方もいるかと思います。

そこで生命科学系の学生がどのような職種に就くのか詳しく紹介していきます!

研究職

まずは一番イメージがある研究職です。

研究職は、基礎研究と応用研究に分かれます。

基礎研究ではまだ分かっていない事を明らかにしていく研究であり、

応用研究では基礎研究から得られた技術、事実をもとに、ビジネスの目的に沿ったものを作っていく研究です。

基礎研究は大学機関に、応用研究は企業が行っているのが傾向としてあります。

自分がどちらをやりたいのか考え、企業を絞っていくのも一つの手でしょう。

開発職

開発職は、一見研究職とどう違うのかわからないかもしれません。

一緒にされる事もありますが、区別している所もあります。

研究職では0から1を作り上げるのに対し、開発職では1を10、100と大きくしていくという違いがあります。

先程の応用研究と違う点は、「コスト面や価値まで考えるかどうか」になります。

開発職は、その企業でどのような製品にするのか、を考えていかなければなりません。そのための検証も繰り返し行わなければなりません。

営業職

営業職は、自社の商品やサービスを相手に紹介し、買ってもらえるよう促す仕事となります。

ここで相手にすすめる際、安全性をきちんと説明できるなど、生命科学系で学んだ事を活かして話す事でより説得力を増す事ができるでしょう。

また、今までに沢山の実験をし、論文を呼んできた理系学生は論理的思考力や数字に強い人が多いです。このような人材を欲している企業は沢山あるため、営業という職種も視野に入れておくと良いでしょう。

公務員

公務員の中でも技術職には、土木や建築、電気電子、化学、農学などといった区分があります。そのため、学んでいる事が当てはまる区分があるでしょう。

ここでは技術的な観点から政策立案や行政、運営などを支えるスタッフなど活躍できる幅は広いです。

安定した職種と一般的に言われる事もあり、学部学科に関係なく人気の職種です。

もし公務員を考えるのであれば試験があるため、早めに対策をしておく必要があります。

教師

教師は、今学んでいる事の楽しさを誰かに伝えたい、教える事が楽しいという人に向いているでしょう。

教授になるのであれば大学院へ、教師になりたいのであれば教職課程を取らなければならない点にだけ注意しましょう。

先輩たちの進路に見る生命科学系の進路・就職先

先輩たちの進路に見る生命科学系の進路・就職先

明治大学農学部生命科学科

明治大学農学部生命科学科

※明治大学農学部生命科学科「2022年度就職実績」をもとに作成

明治大学農学部生命科学科の進路をみてみると、27%が進学し、63%が就職を選んでいます。就職者の進路として多く占めるのは、情報通信業・製造業です。

主な就職先は、富士通・オムロン・日立製作所やヤクルト、日本ハムなど、バラエティに富みながら、大手企業の名が連なります。

もし結論から始めず、順を追ってエピソードの背景から話を始めた場合、結論までの時間が長くなり、相手に「学生時代に何を頑張ったのか」が伝わりづらくなる可能性があります。

東京電機大学理工学部生命科学系

東京電機大学理工学部生命科学系

※東京電機大学理工学部生命科学系「主な進路・目指せる資格」をもとに作成

東京電機大学理工学部生命科学系の進路を見ると、進学率は28.8%で、就職者の多くは製造業・情報通信業・技術商社に進んでいます。

主な就職先は、アステラス製薬・大日本印刷・森永乳・大正製薬・キリンビール・富士フイルム富山化学などがあります。

京都産業大学生命化学部

京都産業大学生命化学部

※京都産業大学生命化学部「業種別就職状況」をもとに作成

京都産業大学生命化学部の進路を見ると、就職者の多くは卸売・小売業、製造業・サービス業に進んでいます。

主な就職先は、山崎製パン株式会社・株式会社村田製作所・大塚製薬株式会社・株式会社ヤクルト本社・大阪ガス株式会社・タキイ種苗株式会社などがあります。

専門分野以外で活躍する事はできる?

専門分野以外で活躍する事はできる?

総合職で活躍するという道も

生命科学系の理系就活生には、総合職で活躍する選択肢もあります。

総合職は、基本的に学部や学科によらず応募できる場合が多いです。

先程も述べましたが、理系学生の強みとして論理的思考力や数字に強いというものがあります。この強みをアピールし、入社してからも活躍することができるでしょう。

そのため、生命科学出身の人でIT業界や金融業界、メーカー、コンサルティング業界へ就職している人もたくさんいます。

専門分野でなくても専門知識が活かせる事が可能な業界と言えるでしょう。

このように、視野を広げてみると思ってもいなかった所で活躍できる場というのは沢山あります。これから就職活動をしていく上で、最初は業界を絞らず色んな業界を見ていくと良いでしょう。

生命科学系の学生におすすめの就活対策

生命科学系の学生におすすめの就活対策

学校推薦を利用する

生命科学系の学生におすすめの就活対策1つ目は、学校推薦を利用することです。

学校推薦枠で応募すると、選考プロセスが省略されたり、採用が優先されたりすることがあります。

学校推薦の資格を得るためには、まず学校内での選考が必要となる場合もあります。推薦枠については、教授や就職課などに相談してみましょう。

学校推薦で内定をもらった場合は、基本的に内定辞退ができません。応募する前には、よく考えてから学校推薦を利用してください。

複数の業界に目を向ける

生命科学系の学生におすすめの就活対策2つ目は、複数の業界に目を向けることです。

研究職は大学院卒業が応募条件となっていることがあるため、研究や開発職を希望する場合は早めに企業の応募条件を確認しておきましょう。

また、志望する業界や企業によって必要な研究内容も異なるため、どんな業界や企業を志望するかを決めることが重要です。

大学院進学も考えているのであれば、早めに業界・企業研究を始めて、自分の志望業界や分野をある程度絞り込んでおくと就活の際に有利になる研究ができるでしょう。

研究職を志望しない場合も就職の選択肢を広げるために、複数の業界を選択肢に加えましょう。

採用直結型インターンに参加する

生命科学系の学生におすすめの就活対策3つ目は、採用直結型インターンに参加することです。

25卒以降は、採用直結型インターンが開催されています。

生命科学系の学生で、専門性を活かした職に就きたい方は、採用直結型インターンで企業に自分をアピールするのも有効です。

実際に仕事を経験することで、就職後に「こんなはずじゃなかった」と後悔することも防げます。

自分が興味を持っている分野や気になる企業があれば、積極的にインターンシップに参加してみましょう。

スカウトサービスで企業からオファーをもらう

生命科学系の学生におすすめの就活対策4つ目は、スカウトサービスで企業からオファーをもらうことです。

スカウトサービスでは学生のプロフィールやガクチカを参考にして、学生へ逆オファーをおこなっています。

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まとめ

生命科学系の就職は難しいと言われがちですが、視野を広げて就職活動をすれば、将来の選択肢を増やせます。

専門性にとらわれすぎず、これまでの学びを活かせる企業を探してみましょう!