就活を始めた理系就活生の中には、文系の職種や企業も就職先となることに気づいた方もいるでしょう。
理系就活生が持つ論理的思考力などの理系の素養は、文系の職種や企業でも大きな武器となります。
一方で、文系の職種や企業は理系就活生の専門外でもあります。
就活や入社後のキャリアが上手くいかないのでは?と、不安に感じる学生もいるでしょう。
今回は、理系学生が文系の職種や企業に就職するメリットや就活のポイントを解説します。
就活で文系の職種や企業を検討している理系就活生は、ぜひ参考にしてみてください!
理系の文系就職はもったいない?
理系就活生を求める文系企業が増えている
就職活動について調べるうちに、色んな情報サイトや5ちゃんねる(旧2ch)などで、「理系の文系就職はもったいない」と書かれているのを目にしたことがあるかもしれません。
文系職種では、理系学生のニーズが年々高まっています。
これは、あらゆる業種でIT化が進み業務が複雑化したために、多くの仕事で論理的思考力や数値処理能力が必要になったからです。
また、専門性があることも理系学生のニーズが高まっている一因となっています。
技術者として仕事をするわけではなくとも、技術にある程度の理解があることでスムーズに仕事をこなすことができるからです。
例えば商社では、製塩工場の開発において現地工場を作る場面や生産効率の向上を考える場面で、技術理解があることが大きなアドバンテージとなります。
実際に理系出身者が営業や企画、マーケティングの職種に就くケースも増えており、中には理系出身者が社員の半数以上を占める企業や、商社などの文系職種で、理系限定セミナーを開催している企業もあります。
このように、文系職種では「考える力」や専門性に長けた理系学生のニーズが高まっているのが現状です。
文系就職をした場合の年収への影響は?
理系学生が文系の職種や企業に就職した場合でも、年収への影響はほとんどないといえるでしょう。
なぜなら入社をしてしまえば、理系であろうが文系であろうが、横一線からスタートするからです。
年収の上がり幅は入社後の活躍や進んでいくキャリアで変わるため、バックグラウンドについては気にする必要はありません。
以下の記事では、理系の大学別・職種別年収ランキングについて詳しく紹介しています。
広い視野で後悔しない就職先を決めよう
理系就活生の中には、自分が進んできた専門分野外で就職するのに抵抗感を感じる方も多いかもしれません。
自己分析を進めたうえで、本当にやりたい仕事が文系の職種や企業であった場合は、後悔することはありません。
一方で、本当にやりたい仕事が分かっているにもかかわらず、専門分野を貫くために理系職に就いた場合の方が後悔する可能性があります。
自己分析を通じて、やりたい仕事が明確になっているのであれば、自分を信じて突き進んだ方が後悔はないでしょう。
理系就活生の文系就職でおすすめの就職先
メーカー
理系就活生の文系就職でおすすめの就職先1つ目は、メーカーです。
メーカーや商社、IT企業では、理系就活生は営業や企画職として活躍しています。
いずれも専門知識を活かして、文系出身者にはできないより深い取引とコミュニケーションが評価されています。
製品やサービスに対する理解が深いので、ただ売るのではなく、顧客に合わせてオリジナルの商品やサービスを提供できます。
また、技術営業職については、技術を理解したうえで顧客の課題や悩みに対する技術提案やアドバイスができるのも理系として評価されている要因です。
金融業界
理系就活生の文系就職でおすすめの就職先2つ目は、金融業界です。
金融業界も、理系就活生が活躍できる業界です。
銀行をはじめ多くの企業では、顧客情報などの膨大な量のデータを扱います。
集まった膨大なデータをもとに新しい施策や商品を考えていくわけですが、そこには数値処理能力が求められます。
そのためデータ分析や統計学に長けた理系学生が評価されるのです。
また、業界のIT化が進んでいることも理系が活躍できる要因の1つでしょう。
コンサルタント
理系就活生の文系就職でおすすめの就職先3つ目は、コンサルタントです。
コンサルタントも理系就活生が活躍できる職種です。
顧客の課題を解決するのがコンサルタントの仕事ですが、仕事のプロセスが研究のプロセスと似ていることから、理系就活生にマッチしやすいといえるでしょう。
コンサルタントがおこなう課題の整理・分析から問題点の洗い出し、解決策を提示することは理系就活生が経験してきた研究プロセスそのものです。
経営の知識がなくとも、課題に対する解決策を考える力さえあれば成果をあげることができるでしょう。
また、コンサルタントは合理的な成果主義の風土が強く、成果に一直線に進むことができる理系にとっては最適な環境です。
理系就活生が就職先を文系にするメリット
文系学生との違いをアピールできる
1つ目のメリットは、文系学生と簡単に差別化できることです。
文系職種は文系志望者が圧倒的に多いので、理系というだけで珍しく印象に残りやすくなります。
理系の素養である「論理的思考力がある」・「数値処理能力がある」・「PDCAサイクルを回せる」といったスキルは、文系との違いをアピールできるポイントです。
どれも社会で必要なスキル・能力ばかりであるため、文系と差別化できるのは、就活において大きなアドバンテージとなります。
幅広い領域で専門性を活かせる
2つ目のメリットは、専門性を仕事に活かせることです。
自分の専門にあった職種に就けば、サービスや商品に対する理解が深まり、仕事を有利に進めることができます。
予備知識がない文系と比べて、理系就活生は商品理解という点で有利に立ちやすく、企業に重宝されることでしょう。
「専門性を活かすなら理系就職しかない」と思っている方がいるかもしれませんが、
・メーカーの営業職や企画職
・ITコンサルタント
などの文系職種でも、理系の専門性を存分に活かせます。
専門性があるということは、就活においても、仕事をする上でも大きなアドバンテージとなります。
理系学生が就職先を文系にするデメリット
専門性を直接活かせない分野も多い
デメリットの1つ目は、専門性を直接活かせない分野も多いことです。
文系就職を選択した場合でも、企業や業界によっては大学で学んだことを直接的に活かせる場合があります。
しかし、実際には、文系就職で理系就活生の専門性を直接活かせないケースも多いです。
入社後にギャップを感じて、「思っていたのとは違った……」と後悔しないためには、企業研究をしっかり行いましょう。
自分が仕事に望む条件と企業研究を摺り合わせて、「なぜ文系就職したいのか?」「文系就職して、どのように自分のスキルを活かしたいのか?」を深掘りして、自分が納得できる就職活動をめざしましょう。
研究と就活の両立が難しい
デメリットの2つ目は、研究と就活の両立が難しいことです。
理系は就活時期に卒業研究を並行して行っていることがほとんどで、就活に時間を割くのが難しいケースが多々あります。
加えて、文系就職は理系就職に比べて時間がかかります。
一般的に理系職種は選考ステップが1~2選考なのに比べ、文系職種は4~5選考まで設けられているケースが多くあるためです。
ステップ数の多さから、理系学生は準備不足に陥りがちです。
一方で、文系学生はインターンシップなどで日常的に企業での自己鍛錬を行っていたり、職種理解のために専用の勉強をしていたりと就職準備に注力しています。
事前準備の差から、考える力や専門性が強みの理系でも、能力はあるのに落選してしまうといったことがあります。
応募職種に応じた職種理解と求められるマインドや姿勢の理解が足りないなど、準備不足が原因です。
そうならないために、
・就活コミュニティを活用する
・合同説明会や合同選考会を活用する
など、効率的に就活を進める工夫が必要です。
ほかにも、教授に相談して就活のためにスケジュール相談をしてみるのもおすすめです。
関連記事:就活と研究を両立しながら、 最適な企業を選ぶための秘訣
理系就活生が文系就職を有利に進めるためのポイント
理系の強みをアピールする
理系就活生はポイントさえしっかり抑えれば、文系よりも有利に就活を進めることができます。
理系就活生が文系就職を有利に進めるためのポイント1つ目は、理系の強みをアピールすることです。
文系就職だからといって、文系と同じ土俵で戦う必要はありません。
文系的なアプローチではなく、理系ならではの強みをアピールして差別化を図りましょう。
具体的には、
・論理的思考力がある
・数値処理能力がある
・専門性がある
などが挙げられます。
研究など自身の経験と絡めてアピールできれば、採用側もしっかりと評価してくれます。
文系就職の理由を明確にしておく
理系就活生が文系就職を有利に進めるためのポイント2つ目は、文系就職の理由を明確にしておくことです。
理系学生は文系就職の際に「なぜ文系就職するのか?」とよく質問されます。
質問の意図としては「理系就職がだめだったから文系就職するのではないか」といった後ろ向きな気持ちを確認する意味合いも含まれています。
前向きな気持ちで選考に臨んでいることを示すためにも、「なぜ文系就職するのか」を明確にしておきましょう。
「なぜ文系就職するのか」は志望動機に直結するため、自己分析・企業分析をしっかり進めることが重要です。
また、職種への理解を深め、自身が実際に働く姿を想像できるようにしましょう。
専門分野をわかりやすく説明する
理系就活生が文系就職を有利に進めるためのポイント3つ目は、専門分野をわかりやすく説明することです。
理系就活生は、就職活動で研究内容を聞かれる場合がほとんどです。
質問のねらいは研究内容に興味があって聞いているのではなく、「難しい内容でも知らない相手が理解できるように伝えられるか」を試すためです。
分かりやすく伝えるために、専門用語や横文字だらけの自分が知るままを伝えるのではなく、簡単に噛み砕いて説明するようにしましょう。
加えて、研究課程で応募する職種に活用できそうな能力があればPRしましょう。
例えば、コンサルタントの業務では以下の能力などが重要視されており、実際にこういった能力に長けた人材を多く採用しています。
・データ解析
・数理モデルの作成
・シミュレーション能力
また、その他のコミュニケーションの場面でも専門用語や横文字には注意が必要です。
逆求人型サイトを利用する
理系就活生が文系就職を有利に進めるためのポイント4つ目は、逆求人型サイトを利用することです。
文系就職を有利に運ぶためには、アプローチの方法を変えてみるのも方法の1つです。
特に昨今は理系学生を求めている文系企業が多数あるため、逆求人型サイトで思わぬ企業との接点ができる可能性も少なくありません。
逆求人型サイトの利用方法は簡単で、プロフィールや経歴、研究実績などを登録するだけです。
数ある逆求人型サイトの中で、文系企業への就職を目指す理系学生におすすめなのは『TECH OFFER』です。
TECH OFFERは理系学生に向けて特化したサービスで、利用する企業も理系学生を採用したい企業ばかりです。
理系就活生と相性の良い文系企業への就職を目指すのであれば、ぜひTECH OFFERを利用してみましょう。
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理系学生が文系就職するときのアピール方法
最後に、理系学生が文系就職するときのアピール方法として、自己PRとガクチカの例文を紹介します。
ぜひ参考にして、文系就職の準備に役立ててみてください!
理系の強みをアピールする自己PR
私は大学でプログラミングを学び、JavaやSwiftなど複数のプログラミング言語を身につけました。大学2年時には、地元を活性化するプロジェクトに参加して、アプリ開発に取り組みました。クリアすべき課題が多い分、アプリ開発は不具合の連続で、トライアンドエラーを重ねながら、地道に開発を進めていかねばなりませんでした。最終的に完成したアプリは、惜しくも準グランプリに留まり、採用には至りませんでしたが、この経験から論理的思考力と課題解決力が鍛えられました。貴社の仕事においても、持ち前の論理的なアプローチで課題解決に貢献していきたいと考えています。
研究で粘り強さをアピールするガクチカ
私が学生時代に一番力を注いだのは、ゼミでの研究活動です。
研究テーマは◎◎◎◎です。幼い頃に◎◎◎◎のニュースを見て興味を持ったことがきっかけで、この技術を広く社会に還元することをめざして研究を始めました。
研究で特に苦労したのは、私の所属するゼミでは◎◎◎◎の研究事例がなかったことです。そのため、隣接する領域で研究している教授や先輩、近隣の大学の研究室にアドバイスを仰ぎながら、試行錯誤しつつ研究を進めていきました。
現状では、◎◎◎◎を社会に還元する具体的な方法の構築には至っていませんが、コツコツと粘り強く物事に取り組む力を養えたと感じています。貴社に入社後も、過去事例がない業務にも根気強く取り組んでいきます。
まとめ
理系就活生にとって、文系就職は選択肢の一つです。
就職後に後悔しないためには、「自分が仕事に求めているものは何か」「理系の素養や専門性をどのように活かしたいのか」を明確にしましょう。
理系就活生には、幅広い選択肢があります。
自分が目指す理想の仕事像や働き方を明確にして、自分らしいキャリアを描いていきましょう!