就活生が企業に求める要素の一つに、業界・企業の安定性が挙げられます。

電力業界を代表するインフラ系の業界は、業界・企業の安定性が高いため、学生に人気のある業界です。

盤石に見える電力業界ですが、2016年にスタートした電力自由化により、電力業界を取り巻く環境は変わりました。

異業種の企業が業界に参入するようになり、電力業界も時代に合わせた変化を求められるようになりました。

今回は電力業界の現状や今後の動向、大手企業についてデータを交えながら解説します。

電力業界を検討している方は、ぜひ本記事を参考にしてください。

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変わりつつある電力業界を深く理解するには業界研究が必要

変わりつつある電力業界を深く理解するには業界研究が必要

電力は生活インフラとして欠かせないため、電力業界・会社は安定した企業経営が約束された業界でした。

しかし、2016年にスタートした電力自由化で携帯キャリアやガス会社などが電力業界に参入するようになり、状況が一変しました。

今までは電力会社の選択肢がなく、一般消費者を独占できる状況でしたが、消費者に選ばれるような取り組みが必要な業界に変わっています。

電力自由化の他にも環境対策など、電力業界を取り巻く環境はかつての姿から大きく変わっています。

変化が求められる電力業界を理解するには、丁寧な業界研究が必要な状況です。

電力業界の業種一覧

電力業界の業種一覧

電力業界の業種は、以下の3業種になります。

  • ・発電事業:火力や原子力など発電所で電気を作り出す
  • ・配送電事業:発電所から受けた電気を小売電気事業者に供給する
  • ・小売電気事業:一般消費者や企業へ電気を販売する

発電事業は大規模な設備が必要なことから、大手企業が中心となっています。

配送電事業もインフラの整備・管理が含まれていることから、大手企業が担っている事業です。

電力自由化の影響を受けたのは小売電気事業であり、異業種の企業が参入してきました。

電力業界の職種と仕事内容

電力業界の職種と仕事内容

電力業界の各業務には高い専門性が求められるため、分業化が進んでいます。

以下は電力業界で代表的な職種と仕事内容です。

・保守管理:発電所や発電設備の監視・点検・修理をおこなう

・調達:発電に必要な燃料の調達をおこなう

・営業:電力サービスを企業や一般商品者に提案・販売する

電力業界の市場規模:縮小からの回復傾向

電力業界の市場規模:縮小からの回復傾向

2022年に資源エネルギー庁が発表したデータによると、2020年度における電力産業の市場規模は約15.1兆円となっており、前年を下回る数値となっています。

前年の電力産業の市場規模は約16.4兆円であり、約1兆円のマイナスです。

ただし、2019~2020年は新型コロナウィルスにより、社会全体の消費が落ち込んだ時期であり、当時の状況を加味して、データを読み取る必要があります。

電気事業連合会が発表しているデータによると2020年に比べ、2021・2022年の年間発電電力量は増加しています。

電力に対するニーズが増えたことから、電力業界の市場規模も回復が期待できる状況です。

参考:資源エネルギー庁 今後の小売政策について

参考:電気事業連合会 発電設備と発電電力量

電力業界・大手電力会社における今後の動向と将来性

電力業界・大手電力会社における今後の動向と将来性

2016年の電力自由化が電力業界を変えましたが、電力業界の今後に影響を及ぼすトピックはいくつかあります。本章では電力業界・大手電力会社の動向と将来性を解説します。

脱炭素社会に向けた対応が急務

日本の発電は、石油や石炭を原料とした火力発電が発電量の多くを占めています。

電力業界にも脱炭素社会に向けた取り組みが求められており、CO2を大量に排出する火力発電の割合を下げることが急務な状況です。

電力業界には、風力発電や太陽光発電、地熱発電など自然エネルギーを活用したクリーンな発電の割合をいかに増やすかが求められています。

世界情勢に左右される

日本の発電量で多くを占める火力発電は、海外からの燃料供給に頼っています。

海外からの輸入は円相場や地政学的リスクの影響を大きく受けるため、電気代・発電供給は世界情勢に左右される状況です。

現在は円安で石油や石炭などの買取価格が高騰していることから、電気代が以前より高い価格になっています。

今後も世界情勢によって、さらなる電気代の高騰や発電の供給低下など大きな変化があっても不思議ではありません。

電力業界を志望するなら知っておきたい大手3社

電力業界を志望するなら知っておきたい大手3社

業界内の業種や職種、業界同士のつながりを知ることも業界研究ですが、業界内の大手企業を知ることも業界研究には欠かせません。

本章では、電力業界を志望するなら知っておきたい大手3社と特徴を解説します。

次の大手3社は電力業界を目指すなら、覚えておいて損はありません。

  • ・東京電力:首都圏に電力を供給する企業、発電・配送電・小売を一貫しておこなう
  • ・関西電力:関西圏に電力を供給する企業、販売電力量は東京電力に次ぐ2位
  • ・東北電力:東北圏に電力を供給する企業、原子力発電の安全性の高さに定評がある

電力業界に向いている人の特徴3選

電力業界に向いている人の特徴3選

新卒での就活は貴重な機会のため、目指す業界が自身に向いているかは気になるポイントです。

本章では電力業界に向いている人の特徴を3つ解説します。

自身が電力業界に向いているのか気になる方は、ぜひ参考にしてください。

インフラを支える責任感の強い方

電力は企業活動や人々の生活を支える重要なインフラのため、責任感のある方が向いています。

電力業界に限らず、責任感を持って仕事に取り組むことが求められますが、電力業界の影響力は大きいため、特に強い責任感が求められます。

また、1つのミスが電力の供給停止などの事態にもつながりかねないため、仕事には慎重な対応が必要です。

仕事を丁寧に一つひとつ取り組める方が向いています。

チャレンジ精神のある方

新しいことにチャレンジできる方が、今後の電力業界に向いています。

電力業界は電力自由化により、競争が激しくなっているため、今後も業界の環境変化が起こり続けることが予想されるためです。

インフラ業界といえば、安定性重視のイメージがありますが、電力業界は事情が異なります。

対人折衝が得意な方

電力業界ではクライアントの企業や一般消費者はもちろん、さまざまな方と関わりを持ちながら仕事をします。

たとえば、配送電事業の企業に勤めれば、発電所側や小売電気事業者とコミュニケーションが必要になる機会も多いです。

お互いの利益のために協調体制を取るには、両者の落としどころを探るなど対人スキルが求められるため、対人折衝が得意な方が向いています。

電力業界を志望する志望動機例

電力業界を志望する志望動機例

本章では電力業界の志望動機の例文を解説します。具体的な例文は、以下のとおりです。

「私が御社を志望する理由は、大学での研究成果を生かせる企業と考えたためです。

私は大学でクリーンエネルギーの開発・活用を研究しております。

研究に取り組むようになったきっかけは、地球温暖化がもたらす環境破壊の事実を知ったことがきっかけです。

南極の氷が溶けた結果、一部の国が水没の危機にあることに衝撃を覚え、少しでも地球温暖化の解消に役立ちたいと考え、現在の分野に進みました。

昨今の電力業界は、どの企業も環境に配慮した発電方式の開発・普及を目指しています。

御社は業界の中でも環境対策に最も力を入れており、関連する研究予算は業界№1と伺い、御社を志望しました。

御社に入社後は、1日でも早くクリーンエネルギーを活用した発電方式の完成に貢献してまいります。」

電力業界の志望動機作りに困っている方は、ぜひ参考にしてください。

電力業界を志望するならスカウトサービスを利用しよう

電力業界を志望するならスカウトサービスを利用しよう

電力業界を目指す場合、多くの方が就活ナビサイトから応募をします。

就活ナビサイトからの応募も1つの選択肢ですが、スカウトサービスを活用した就活も検討してみてはいかがでしょうか。

スカウトサービスとは、学生の登録したプロフィールや研究実績などを基に企業が学生をスカウトするサービスです。

逆求人サービスとも呼ばれ、昨今ではスカウトサービスだけで学生の採用をおこなう企業も現れています。

スカウトサービスは世の中に数多くある中で、理系学生におすすめなのが理系学生に特化した『TECH OFFER』です。

『TECH OFFER』は理系学生の採用を目指す企業が利用しており、電力業界の企業も利用しています。

自身のプロフィールや研究実績を『TECH OFFER』に登録すれば、電力業界の企業からのスカウトも期待できるでしょう。

サイトにアクセスしてから、会員登録まではたったの5分です。

ぜひこの機会に『TECH OFFER』に登録してみてはいかがでしょうか。

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まとめ

今回は電力業界の現状や今後の動向、大手企業についてデータを交えながら、解説しました。

今回解説した内容をまとめると以下のとおりです。

  • ・電力業界は電力自由化で変わりつつある業界
  • ・電力業界の市場は回復傾向
  • ・電力業界は脱炭素と世界情勢に左右される点が課題

インフラ業の1つである電力業界は、学生に人気の業界です。

就活での競争が激しい業界でもあるため、ぜひ本記事を参考に電力業界への理解を深めていきましょう。