こんにちは。理系就活情報局です。

理系就活生は、一口に理系と言ってもその実態は多岐にわたります。
進んだ学部によって専門性も異なるため、就職活動の実態もさまざまです。

そこで、学部別の特性を踏まえてより実態に即した就職活動情報をお届けします。
今回は、「理学部」に着目します!

「理学部がエントリーシートで書けるスキルって何?」
「理学部の就職は難しくないって本当?」
という理系就活生の方は、ぜひ読んでみてくださいね!

理学部の就職活動の特徴 

理学部は、「理論の学問」という字面が表しているように、数学・生物・科学・物理などの分野で自然の仕組みを解き明かしていく学問です。

抽象的な段階から理論を解明するために研究を行う理学部には、数学科・化学科・物理学科
・生物学科・地学科といった学科が含まれます。

以下では、そんな理学部の就職活動の実情に迫ります!

専門性が事業に直結しにくい一方で選択肢は豊富

理学部は、理系の特長である実用性のある専攻と、専門外のフィールドでも活躍できる専攻の両方を有しています。

学科単位で見ると、数学科や物理学科のように「実用的な専門性」という意味では企業の事業に直結しにくい学科もあります。

しかし、裏を返せば「理学部」の就職先は選択肢の幅が広いとも言えるのです。

そして、必ずしも自分の専門性に直結する企業だけが理系就活生にとって理想の就職先ではありません。

理系の文系就職が珍しい時代ではないことからも明らかであるように、理系には専門分野で学ぶことで得た知識や強みを異なる分野の業種で活かせる素地を持っています。

実際に、一見理系とは直結しない保険業界や金融業界では、理学部出身の人材が多数活躍しています。

理学部で得た知識やスキルが発揮できる業種は、理系就活生が思っている以上に多岐にわたるものです。。

各大学の理学部の就職率が決して低くないことから、理学部で得られるスキルが汎用性の高いものであることがわかります。

理学部で得られるスキル

理系就活生は専門性に直結する企業を志望する方が多いですが、いまは専門分野外での就職も珍しくなくなった時代です。
視点を変えれば、理学部は専門性に囚われず、自分の能力を試せる時代にマッチしていると考えることもできます。

そこで、次に多様な可能性を秘めている理学部で得られるスキルについて解説します。

論理的思考力・分析力

理学部のどの学部においても培われるスキルの筆頭として、「論理的思考力・分析力」が挙げられます。

理系にとっては、ごく当たり前のように思えるかもしれません。
しかし、冷静に物事を観察して論理的な思考をもとに分析する能力は、研究室やディスプレイの中に閉じ込めておくのはもったいないほど優秀なスキルです。
とりわけ理学部は抽象的な物事を論理的に解明していく分野です。

研究で磨かれた思考力と分析力は、あなたの社会人人生をサポートしてくれる頼もしい存在なのです。

数値化されたデータを的確に把握・使用する能力

思考や分析と併せて注目したいのが、「数値化されたデータを的確に把握・使用する能力」です。

IT化が進み、日々めまぐるしく最新の技術が更新されていく現代社会では、すべての物事が数値化されています。

身近なところで言えば、普段目にするインフルエンサーの影響力も、「いいね」や「販売数」といったデータで数値化されているのです。

日常に溶け込んでいる膨大な情報であるデータを効果的に活用するためには、的確な情報把握と判断力が問われます。

そんな現代社会において、理学部で磨かれた「数値化されたデータを的確に把握・使用する能力」は、どんな業界においても需要の高いスキルだと言えるでしょう。

【学科別】理学部が活躍できる業界

ここまで、「理学部の就職活動の特徴」と「理学部で得られるスキル」について説明しました。

次はもう一歩踏み込んで、学科別に理学部が活躍できる業界を解説します。

「好きが高じて理学部に進んだけれど、目指す業界に悩んでいる」
「理学部で身につくスキルについては理解したけど、実際どんな選択肢があるのかな?」
という方は、ぜひ以下をチェックしてみましょう!

数学科

「数学科は理学部の中でも実用性が乏しい」と思っている人もいるかもしれませんが、「保険・金融業界」や「IT業界」「メーカー」といった業界で活躍できる可能性を持っています。

中でも、近年注目されているのは、「保険・金融業界」です。

この2つの業界は、数学科の理系就活生が秀でているデータ分析力や論理的思考力を発揮しやすい特長があります。

保険料の算出や事故や病気の予測結果から新しい保険商品の開発など、生命保険、損害保険、信託銀行などで活躍する「アクチュアリー」や、金融業界で株価や業績といったデータを元に市場の変動を予測する「クオンツ」など、数理能力を活かせる金融専門職の新卒採用をしている企業もあります。

統計・分析力が問われるこれらの業界は、仕事のやりがいと高収入が見込めることから、理系就活生からも高い人気を得ています。

化学科

化学科は、理学部の中でも実用的な専門性を持つ学科です。

化学科の理系就活生は「製薬業界」や「化粧品業界」、「製造業界」といった化学製品の研究開発の分野で活躍できる人材です。

化学科の理系就活生の多くは、自分の専門性と合致するメーカーへの就職を目指します。

化学科は「これまでに培ってきた専門性で勝負したい」という理系就活生が多く、企業選びで迷うことはあっても、業界は絞り込めている方が多い傾向にあります。

物理学科

物理学科の理系就活生にオススメなのは、力学や統計学といった物理学科ならではの知識を活かせる業界です。

とりわけ、「IT業界」や「半導体・電子メーカー」は、物理学科の理系就活生の専門性との親和性が高い業界です。

中には、ビッグデータを扱う「データサイエンティスト」やプログラムを作成するシステムエンジニアを志す人も少なくありません。
金融業界で株価や業績といったデータを元に市場の変動を予測する「クオンツ」も、近年物理学科の進路として増えてきています。

生物学科

生物学科の理系就活生には、「食品業界」や「メーカー」、「製薬業界」「バイオ業界」がオススメです。

生物学科で積み重ねてきた専門性は、メーカーの研究開発の場で発揮されます。

メーカーでは、新しい商品開発はもちろん、既存商品のブラッシュアップも重要な仕事です。

学生時代に積み重ねてきた専門性を発展させて、世の中に送りだす商品に携わる研究開発職は、生物学科の花形と言えるでしょう。

地学科

地学科は、理学部の中でも専門性で業界を選びやすい学科の一つです。

「建設・土木業界」なら、地学科で学んだ内容を活かして働くことが可能です。

「建設・土木業界」で地学科の理系就活生が活躍できる仕事内容には、まず地質調査や測量、環境調査が挙げられます。
研究分野によっては、石油やガス、鉱業のフィールドで活躍する人もいます。

また、地学科の理系就活生には、博物館で働く学芸員や研究職、教員といったアカデミックな職業も人気です。

関連記事:理系職種の一覧を紹介!学部ごとの職種や特徴も解説

理学部が就職活動を始める上で押さえておきたいポイント

これまで、理学部の就職活動の実情からスキル、学科別にオススメの業界を紹介してきました。

就職活動には、さまざまな不安が付きものです。

「就職が不利と言われる学部に進学してしまった」
「大学の学科選びは、就活まで見据えてするべきだとは思ってもみなかった」

色んな情報を目にすることで、そんな風に落ち込むこともあったかもしれません。

ですが、安心してください。
これまで研究に費やしてきた時間と経験は、あなたを裏切ることはありません。

理学部が持っている可能性は、あなたが思っているよりも大きなものです。

最後に、理学部が就職活動をする際に押さえておきたいポイントについてご紹介します。

理学部を選んだ理由を言語化して説明する

理学部の理系就活生は、自分が理学部に進んだ理由をきちんと言語化しておくことをオススメします。

前述したように、理学部は必ずしも専門性が企業選びに直結しない学部です。
そのため、理学部の理系就活生の志望動機は、「なぜ理学部に進んだのか」と「なぜこの企業を志望したのか」の間をしっかり埋めてわかりやすくしておく必要があります。

一見しただけでは研究内容を把握しづらい理系就活生は、自分がこれまで時間を注いできた研究についてわかりやすく説明できるようにしておきましょう。

専門的な内容を分野外の人にわかりやすく説明するのは、意外と難しいものです。

大学の研究室とは異なり、社会ではさまざまな立場の人と仕事を共にします。
仕事を円滑に進めるためにも、自分の能力を他者にわかりやすく説明する練習をしておくことは有用です。

専門性だけに留まらない自分のアピールポイントを作る

最後にオススメしたいのは、専門分野以外のアピールポイントを作ることです。

理学部の理系就活生は、学びや研究で得たスキルを専門分野外でも発揮できる可能性を持っています。

ただの可能性で終わらせてしまわないためには、「自分が持っているスキルを異なるフィールドで活かすためには何が必要なのか?」と考えることが重要です。

たとえば、複数の人と共同で一つの仕事に取り組むためには、コミュニケーション能力や調整能力、物事を俯瞰してながめる冷静さが求められます。

そういった「自分の可能性を広げてくれる」魅力を少しずつ増やしていけば、採用担当者の目にも魅力的な人材に見えることでしょう。

理学部で学んだことをどのように活かしていくのかを考えながら、自分にとって最善の就職先を見つけましょう!

関連記事:理系学生は専攻外での就職も問題ない?就職の実態や面接での対処法も解説

これだけは知っておきたいポイント(まとめ)

この記事では、「【理系就活】理学部で得られるスキルと活躍できる業界とは?」について解説してきました。

重要なポイントをおさらいします。

・理学部の就職活動は、専門性が事業に直結しづらい学科もある一方で選択肢は豊富。

・理学部で得られるスキル
 ①論理的思考力・分析力
 ②数値化されたデータを的確に把握・使用する能力

・【学科別】理学部が活躍できる業界と職種
 ①数学科
 ②化学科
 ③物理学科
 ④生物学科
 ⑤地学科

・理学部が就職活動を始める上で押さえておきたいポイント
 ①理学部を選んだ理由を言語化して説明する
 ②専門性だけに留まらない自分のアピールポイントを作る

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