こんにちは。理系就活情報局です。
理系就活生は専門性が志望企業選びに直結しやすい傾向にあるため、分野によって就職事情もさまざまです。
別の学科の友人から就職活動の話を聞いて、「そっちではそうなの?」と驚いた人もいるのではないでしょうか?
今回は理工学部に焦点を当てて、就職先として人気の業界や就活の進め方を徹底解説します!
理工学部の進路とは?
理工学部は大学院進学も選択肢の一つ
理工学部では、大学卒業後すぐに就職せず、大学院に進学する学生も多くいます。
法政大学の理工学部の進路・就職状況を見ても、毎年一定数の学生が大学院に進学していることがわかります。
機械工学科:29.2%
電気電子工学科:43.4%
応用情報工学科:29.0%
大学院に進学すれば、自分の研究を発展させるとともに専門性が高まり、就職活動で有利に働くというメリットがあります。
研究職や技術職の求人では、大学院修了が応募条件になっているケースもあるため、専門知識を深めた上で就職したい場合は大学院へ進学するのも1つの方法です。
理工学部は学びを活かせる領域が広い
進学率が一定以上ある一方で、理工学系は就職先も多様です。
理工学部と一口に行っても、理学の基礎研究「理学」と応用研究「工学」の両方を学ぶ理工学部には、さまざまな学科があります。
理工学部には、「機械工学」「物理学」「建築学」「電気電子工学」「土木工学」などの学科があり、専門性を活かした仕事に就けるのがメリットです。
また、理工学部の専門性が活かせる職種は、研究職や技術職だけではありません。企画やマーケティングなど、幅広い分野で力を発揮できるポテンシャルを理工学部生は持っています。
理工学部の学生は、化学・物理・数学を得意とするため、数字やデータの処理に長けています。
情報化社会の現代で、理工学的な素養を持つ人材はさまざまな業界や職種にとってニーズが高いと言えるでしょう。
逆求人型サイトで専門性をアピール
将来の選択肢が豊富な理工学部は、理系に特化した逆求人サイトで自分の専門性をアピールするのも有効です。
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ランキングから考える理工学部の就職
2023年卒版就職企業人気ランキング
将来の選択肢が豊富だからこそ、将来に迷っている理工学部生も多いと思います。
そこで、一度理系全体の人気傾向を確認してみましょう。
マイナビ・日本経済新聞「2023年卒版就職企業人気ランキング」によると、同じ理系でも男女で人気の企業は異なります。
理系女子学生の人気企業ランキング | 理系男子学生の人気企業ランキング | |
1位 | 味の素 | ソニーグループ |
2位 | カゴメ | 富士通 |
3位 | ソニーグループ | トヨタ自動車 |
4位 | サントリーグループ | NTTデータ |
5位 | 明治グループ(明治・Meiji Seika ファルマ) | 味の素 |
6位 | 資生堂 | 三菱重工業 |
7位 | 日本調剤 | Sky |
8位 | ロッテ | キヤノン |
9位 | 森永乳業 | パナソニック |
10位 | 森永製菓 | 日立製作所 |
(引用:マイナビ・日本経済新聞「2023年卒版就職企業人気ランキング」)
やりたい仕事と待遇が判断基準
「2023年卒版就職企業人気ランキング」からは、理系の就職先として、男女共に誰もが知る大手企業が根強い人気を得ていることがわかります。
ランキングでは、理系女子の人気がメーカー系に集中していることがわかります。
一方、理系男子の人気は幅広い事業を手がける企業に向けられています。
これらは一見して異なる傾向のように思えますが、理系就活生が男女共に「自分の専門性が活かせる/自分がやりたい仕事」と待遇を基準に志望企業を判断していると考えられます。
大手企業は、知名度や安定性に注目されがちですが、たとえば、男女共にランクインしているソニーを見てみると、コース別採用が用意されており、理系の専門性を活かせる道が明確に示されています。
入社後は、個人の成長や挑戦を後押しする制度を利用して、多様なキャリアパスが実現できる体制が整っています。
また、ソニーは変化するライフステージに対応した、多様性を推進する待遇が充実している点も魅力です。従来の産休育休だけでなく、性別やライフステージにとらわれることなく、自分らしい働き方が実現できる取り組みが整えられている点が、男女共に人気が高い理由の一つと言えるでしょう。
以上のことから、進路に迷っている理工学部は、「自分の専門性/やりたい仕事」と「自分が求める働きやすさ」を基準に、志望業界・志望企業を絞り込んでみることをおすすめします。
以下で紹介する理工学部で人気の就職先・職種を比較して、自分らしい将来の選択肢を見つけましょう。
ソニーの魅力については、下記で詳しく解説しています。
理工学部に人気の就職先
金融業界
理工学部で人気の業界1つ目は、金融です。
金融業界には、銀行・証券会社・信託銀行・保険会社・クレジットカード会社などの企業があります。
金融業界の仕事には、統計学などの数理的な手法が必要とされるため、理工学部の学生に向いています。
数値データを分析したり、これまでの統計や確率から数値を算出したりなど、数学的なデータ管理能力や論理的思考力を生かしたい人にオススメです。
IT・通信業界
理工学部で人気の業界2つ目は、IT・情報通信です。
日々新たなテクノロジーやサービスが生み出される現代社会において、情報処理能力に長けたITエンジニアのニーズは依然として高い状況です。
プログラミングスキルやシステムに関する知識、電気電子工学や機械工学などの専門性の高い知識があれば活躍できるでしょう。
電機・機械
理工学部で人気の業界3つ目は、電気・機械です。
電気・機械業界では、メーカーの機械設計や開発部門などで理工学部出身者が活躍しています。
設計や開発を担当するのは就職した企業によって異なりますが、農業機械・建設機械・情報通信機・精密機械など、BtoBのモノづくりに携われる仕事です。
理工学部で開発設計や機械工学を学んだ理系就活生なら、品質管理や生産技術、機械開発や生産設備設計部門で活躍できるでしょう。
また、同じメーカー系だと化粧品や化学系の業界も人気です。
製造メーカー
理工学部で人気の業界4つ目は、製造メーカーです。
化学メーカーや機械メーカー、食品メーカーなど、製造する商品の幅は多岐に及びます。
自社で商材を製造・販売する製造メーカーで、理系就活生は研究職や開発職として活躍できます。自分の専門性を活かせる商材を開発するメーカーを志望しましょう。
商品開発に必要な技術や素材などの開発には、5年以上の時間がかかることも珍しくありません。粘り強さと探求心を持った理系就活生が求められる業界です。
マーケティング
理工学部で人気の業界5つ目は、マーケティングです。
データアナリストやデータサイエンティストは、理工学部に向いている仕事です。
新しい商品やサービスを開発するにあたって、マーケティング戦略は欠かせません。
理工学部の学生は、データ分析・統計学スキルを活かして収集したビッグデータを分析し、商品やサービスの企画に活用する能力を持っています。
「数字を扱う仕事がしたい」「自分の仕事が目に見える数字となって返ってくる仕事がいい」方に、マーケティング業界は向いています。
理工学部に人気の職種一覧
メーカーの研究開発職
食品・化粧品・化学などのメーカーで働く研究開発職は、理工学部で人気の仕事です。
「研究職」は製品開発に向けた研究を行い、「開発職」は研究職の成果をもとに製品を作り出します。
研究開発職は、一つの技術・製品の開発に時間がかかるため、5〜10年がかりのプロジェクトになることも珍しくありません。
研究開発職は、腰を据えて粘り強く物事に取り組める人に向いているでしょう。
ITエンジニア
ITエンジニアは、理工学部の専門性と親和性が高く人気を集める仕事です。
ITエンジニアと言っても、プログラマー・システムエンジニア・WEBエンジニア・データサイエンティストなど、専門とする領域によって仕事内容は異なります。
中でも、理工学部にはデータサイエンティストがオススメです。
ビッグデータから必要な情報を収集し、データの分析結果から経営改善などの提案を行うデータサイエンティストは経営層とも近く、やりがいを感じられます。「規模の大きな仕事をしたい」「人とコミュニケーションを取りながら仕事をしたい」人に向いているでしょう。
保険や金融の専門職
保険業界のアクチュアリーや銀行や証券などで働くクオンツは、理工学部の学生に人気の仕事です。
アクチュアリーは、数学的手法を活用して様々なデータを分析して将来起こり得る事象を予測し、新しい保険商品の開発などを行います。
クオンツは、金融工学や数理モデルといった数学的手法を活用して、市場動向やリスクを分析します。その予測をもとに、金融商品の開発や投資戦略を行う仕事です。
機械設計
開発設計や機械工学の知識が活かせる「機械設計」も、理工学部の学生に人気の仕事です。
素材や形状、機能を細かく確認しながら商品の試作品を開発する機械設計は、実製品の製造に携わるすべての部署と関わります。
部署の垣根を越えて協力しながら仕事を行うため、コミュニケーションスキルや調整能力を発揮したい人に向いているでしょう。
機械開発や生産設備設計だけでなく、品質管理や生産技術としても理工学部の専門知識が活かせます。
まとめ
理工学部の理系就活生は、学生時代に培った専門性を幅広い業種で発揮できる可能性を持っています。
将来の選択肢が多いからこそ、「自分が本当にやりたい仕事」の軸を明確にしましょう。
自分の専門性や能力を活かせる仕事を見つけられれば、あとは内定まで進んでいくだけです。
入社後に後悔しないためにも、自己分析やインターンシップを通して、自分に合う企業を見つけましょう!