こんにちは。理系就活情報局です。

電気系業界の企業は、身近な家電業界からインフラを担う重機、OAなど幅広い業界を含む業界です。そのため電気系業界での志望動機を作成するには、自分が志望する業界を見極め、焦点を絞って研究する必要があります。

「業界が絞れないので、何がしたいかがはっきりしない。」ことから志望動機が書けない悩みを持つ就活生も多くいます。本記事では電気系業界に含まれる各業界や職種を整理した上で、業界別の志望動機の作成方法を例文と共に解説します。

電気系業界を志望する理系就活生の皆さんは、ぜひ参考にしてください。

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電気系業界とは?

電気系業界とは?

電気系業界は長年、高い技術力で高付加価値の製品を製造し、輸出を通して「ものづくり大国日本」の一翼を担ってきました。この章では電気系業界に属する業界や職種を整理した上で、今後の動向をおおまかに押さえておきましょう。

電気系業界に分類される5種の業界

業界を選ぶ場合は、それぞれの役割や特徴を整理し、自分の興味・関心が持てるところを選びます。

電気系業界は大きく分けて「家電業界」「重電業界」「半導体業界」「時計業界」「OA業界」の5業界で構成されており、それぞれの特徴を簡単に整理します。

  • 家電業界

家電業界は、消費者の生活に欠かせない電子レンジや洗濯機などの白物家電、オーディオやテレビなどのAV機器、エアコンなどの空調設備などの電化製品を製造する業界です。

  • 重電業界

重電業界は発電施設や工場に使用される大型電気機器を製造する業界です。国内のインフラを支えるほか、海外にも重機を提供しています。

  • 半導体業界

半導体はスマートフォンやパソコンのCPU、テレビや炊飯器など、電子機器に幅広く使用されています。自動車先進運転技術や超高速データ通信、高精細映像など今後大きく技術革新が期待される分野を支えているのが半導体業界です。

  • 時計業界

時計業界は時計の製造・販売を行う業界です。近年ではスマートウォッチを始めとするウェアラブルデバイスの製造も注目されています。

  • OA業界

パソコンや周辺機器、プリンター、コピー機、また防犯・監視カメラなど、オフィスや病院、教育施設などで使用する機器を製造・販売する業界です。近年ではバックオフィス業務を一括で管理するクラウドサービスを担当するなど、業務の幅が広がっています。

電気系業界の主な職種

おおまかに興味の持てる業界が決まったら、次は職種を選びます。自分自身のスキルや能力、長所、性格を考えて職種を選びましょう。一口に電気系業界といっても、各業界の種類や企業によって差はありますが、基本的な職種は以下のものです。

  • 研究・開発
  • 設計
  • 製造
  • 生産管理
  • 技術営業

電気系業界志望者が知っておきたい業界の動向

電気系業界志望者が押さえておきたい今後の動向を簡単に紹介します。以下3点を元に、詳しく業界を研究してください。

  • 少子高齢化による市場の縮小から国内需要が伸び悩むため、グローバル展開、特にアジアの新興国に向けた事業展開が進むことが予想される
  • モノを製造し販売するというビジネスモデルから、これまで蓄積した技術を活かしつつ、新しいビジネスモデルへの転換が進むことが予想される
  • 大手メーカーが事業体制を見直し、構造改革を進めるのに合わせ、業界全体で再編が進むことが予想される

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電気系業界志望動機作成前の3つの準備

電気系業界志望動機作成前の3つの準備

志望動機を作成する前に準備しておかなければならないことがあります。

  • ・志望する業界が求める人材を理解する
  • ・志望する業界で自分が何ができるかを考える
  • ・なぜその企業を志望するかを考える

この3点について、自分の考えを深めておけば、志望動機を作成する段階で、書きあぐねて行き詰ることはありません。この3点について、最初は思いつきでかまわないので、メモしてください。そこから「なぜそうなのか?」を繰り返しながら、深掘りします。

1、志望する業界が求める人材を理解する

最初に電気系業界が置かれた状況を俯瞰的に見て、どのような役割を担う人が求められているのか客観的に考えます。市場動向とその業界が提供する製品の役割や特徴を考えあわせ、業界の持つ強みと現状の課題、解決策をリサーチしましょう。

次に、そこからどのような人材が求められているかを考えます。

【例】

  • 〇〇業界に求められているのはグローバル化

⇒英語ができること?…進出先は英語圏ばかりではない

⇒進出先の地域特有の課題を発見できる能力

⇒そのためには何が必要なのか?

⇒先入観を持たずに耳を傾けること

⇒コミュニケーション力、共感力が必

2、志望する業界で自分が何ができるかを考える

1.で考えた「企業が求める人材」と自分の接点を探ります。自分のスキルや経験の棚卸しを行い、そこから「自分がどのような価値を提供できるか」を見つけてください。

【例】

  • ・グローバル化を進める〇〇業界で求められるのは、コミュニケーション力や共感力がある人材

⇒塾講師のバイトをしている時に、生徒と粘り強く対話を続けながら、つまづいているポイントを見つけ出すのが得意だった

⇒この能力は、進出先の地域住民とのコミュニケーションにも活かせるのではないか? 

3、なぜその企業を志望するかを考える

上記2点を踏まえ、具体的に「なぜその企業なのか?」を考えます。

  • ・自分は職場に何を求めているのか

⇒〇〇のスキルを獲得すること

  • ・どのような環境で働くことを希望するのか

⇒自分の意見を発信しやすく、また、発信した意見に対するフィードバックがもらえる環境

  • ・その企業にどのような魅力を感じたのか(製品、組織、理念、そこで働く人など)

⇒南アジア地域での鉄道事業を積極的に行っている点に魅力を感じる

⇒自分のコミュニケーション力や共感力を活かしたい

電気系業界志望動機の書き方を知ろう

電気系業界志望動機の書き方を知ろう

企業の採用担当者は多くの志望動機に目を通します。そのため、一読してわかりやすく、印象に残る志望動機でなくては埋もれてしまいます。そのためには、以下3点を押さえておくことが重要です。

  1. 1.志望動機の構成
  2. 2.ポイントは3つの「なぜ」
  3. 3.自分らしさを大切に

1. 志望動機の構成

志望動機は以下の構成を意識して作成するのがおすすめと別記事で紹介しています。
関連記事:(記事279公開後URL)

  • ①「なぜ」魅力を感じたのか?:深掘りしすぎず端的に
  • ②「何」に魅力を感じたのか?:企業理念や事業内容など根幹部分
  • ③企業で実現したいこと:入社後の活躍を連想

わかりやすい文章とは、目的がはっきりしており、論理的に構成されている文章のことです。今回は上記も踏まえて、論理的な文章の記述に向くためのパラグラフ・ライティングの方法を紹介したいと思います。

パラグラフ・ライティングは1つのトピックについて作成されたものです。1つのトピック(自分はなぜこの企業を志望するか)に絞って書かれた志望動機は、わかりやすく印象に残ります。

パラグラフ・ライティングは、以下の3要素で構成されています。この構成を志望動機に応用しましょう。

  • トピックセンテンス(結論)

この部分で「自分はその企業で何がしたい」という結論を完結に述べます。

  • サポートセンテンス(その結論に至った背景と根拠)

結論の理由を明確にする部分です。背景と根拠の順序は内容に合わせて決めます。

  • ・背景…自分が結論のように考えるようになった背景や経験
  • ・根拠…なぜその業界であり、その企業が「結論」で述べたことが達成できると考えたかの説明
  • ・コンクルージョンセンテンス(まとめ)

最初の「結論」で述べたことを掘り下げ、具体的に書きます。

2. ポイントは3つの「なぜ」

紙に上記の構成を書き、作成準備で作成したメモの内容を、構成に沿って落とし込みます。

構成表が埋まったら、以下の3点の内容が盛り込まれているかどうかをチェックしてください。

①「なぜ」魅力を感じたのか?:端的に説明できているか?

②「何」に魅力を感じたのか?:企業理念や事業内容と自分の接点に触れているか?

③企業で実現したいこと:入社後の活躍が連想できるか?

一読してその3つのポイントがすっと頭に入るか、家族や友人に聞いてもらうのも良い方法です。

3. 自分らしさを大切に

業界の分析や企業研究を行い、「自分はこの業界や企業のために何ができるのだろう?」「なぜそんなことが言えるのだろう」と深掘りした志望動機は、その志望者が「どんな人か」を伝えます。

実務経験のない志望者は、企業研究してもよくわからない点も多いでしょう。また、電気系業界はBtoBビジネスも多く、これまで知らなかった業界、企業も多く、具体的にイメージしにくいこともあります。

しかし、たとえ未熟なところがあっても、考え抜いた痕跡は、志望動機の行間から読み手に伝わります。「立派な志望動機」ではなく、「自分らしさが伝わる志望動機」を目指してください。

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電気系業界の業界別志望動機例文

電気系業界の業界別志望動機例文

電気系各業界の志望動機の例文を紹介します。例文は200〜300字で作成されていますが、字数を増やす場合は背景や根拠を掘り下げて書くといいでしょう。

家電業界の志望動機例(研究開発)

【結論】「サステナブル家電を通じて人々の生活をより良いものにしたい」という私の夢を実現できると考え、貴社を志望しました。
【背景】貴社の家電製品は、隅々まで使いやすさが配慮されているインターフェースを備えていることに魅力を感じてきました。
【根拠】私は大学院時代、新材料の開発研究に携わってきました。この研究を通して得た素材に関連する知識と技術は、貴社の製品開発に活かせると考えております。
【まとめ】貴社の一員として、環境と人々の暮らしを守る家電製品を開発したいと考えます。

⇒自分の知識やスキルが志望動機に直結するのは大きな強みです。自分が企業にどのように貢献できるかを軸とした志望動機を作成しましょう。

重電業界の志望動機(技術営業)

【結論】私が貴社を志望したのは、人々の生活に欠かせない社会インフラの構築にかかわる仕事をしたいと考えたからです。
【根拠】大学時代はボランティアとして、東南アジアで住宅建設プログラムに参加しました。そこで現地の人の抱える困難さを目の当たりにして、社会の基盤を支えるインフラの重要性を痛感しました。
【背景】当時、新しい道路の建設現場で貴社のロゴの入った重機を何台も目にし、同じ日本人として誇らしい思いがすると同時に、その一翼を担いたいという強い希望を持ちました。
【まとめ】可能であれば海外で営業活動を行い、学生時代の経験を活かして人々の困りごとに耳を傾けながら、提案を行いたいと考えます。

⇒自分の経験を軸とした志望動機です。個人的な経験を軸とする場合は、その経験をどれだけ普遍化するかがカギになります。経験を深掘りし、企業との接点を見つけましょう。

半導体業界(エンジニア)

【結論】半導体を通じて日本だけでなく世界のものづくりをけん引する貴社で、半導体製造装置の設計に携わりたいと考え、貴社を志望しました。
【背景】半導体製造装置は半導体製造の上流過程として、半導体性能の向上に大きく寄与しており、関心を持っていました。インターンに参加し、社員の方との懇談会を通じて今後の発展可能性をうかがうことができ、強く惹かれました。
【根拠】ものづくりと並んで私が興味があったのは、海外で働くことでした。語学力の向上と異文化理解を深めるために留学も経験しています。海外シェア率が高く、グローバルに展開されておられる貴社に語学の面でも貢献できるのではないかと考えました。
【まとめ】貴社の一員として、半導体装置を通じて世界中の人々の暮らしを良くすることに貢献したいと考えます。

OA機器メーカー (エンジニア))

【結論】個々の企業に合致したネットワーク構築を通じてオフィスのIT化を推進したいと考え、貴社を志望しました。
【背景】貴社の「中小企業に信頼されるOA機器メーカーに」という理念に魅力を感じました。貴社はOA機器メーカーとして、個々の企業の課題に合わせた製品やサービスの提供を通じて企業の成長に尽力しておられます。私は中小企業のIT化・DX化が経済活性化のカギであると考えており、その一助となるような職に就くことを希望しています。
【根拠】私は大学で情報工学を学び、ネットワークシステムの構築に興味を持ってきました。貴社の一員としてオフィスネットワークの環境構築の面で貢献できるのではないかと考えます。
【まとめ】将来は、個々の企業が抱える課題を解決するとともに、強みを活かせる最適なソリューションを提供できるエキスパートになれるよう、仕事を通じて成長したいと考えています。

⇒企業の理念や事業内容にふれる場合は、自分との接点を中心に展開してください。

時計業界(製品開発)

【結論】日用品でありながら装飾品でもある時計を通じて、世界中の人々に「時計と共に生きる喜び」を提供したいと考え、貴社を志望しました。
【背景】貴社の時計は、長年にわたって培われてきた技術力に裏打ちされた機能の高さや強度を備えているだけでなく、使う楽しさがあります。初めて時計を持つようになってからこの楽しさを知り、ずっと貴社の時計を使い続けてきました。
【根拠】大学院では組込みシステム開発を専門に学んできました。時計製作のプロセスの中で貢献できれば、また実践の中で自分の学びを深めることができたらと考えています。
【まとめ】ライフスタイルが変化しても変わらない価値を、時計製作を通じて多くの人に提供したいと考えます。

電気系業界の志望動機は準備がカギ

本記事では電気系業界に含まれる主な業界と職種を整理し、志望動機の作成方法を解説しました。

自分が何がしたいかわからず、志望動機が書けなくて困っている学生は少なくありません。しかし、レポートでも卒論や修論でも、書くべき材料がそろっていなくては書き始められないように、志望動機にも材料が必要です。また「何がしたいか」についても、考えるべき材料がなくては、単なる空想になってしまいます。

その材料とは、本記事で紹介したように、以下の3点です。

①「なぜ」魅力を感じたのか?:深掘りしすぎず端的に

②「何」に魅力を感じたのか?:企業理念や事業内容など根幹部分

③企業で実現したいこと:入社後の活躍を連想

この3点の問いについて、メモを作成し、志望動機に落とし込んでください。

その材料をパラグラフ・ライティングの方法で構成しなおせば、わかりやすく印象に残る志望動機を作成できます。