こんにちは。理系就活情報局です。

理系学生の強みといえば、授業や研究を通して専門性を身につけられる点です。

身につけた専門性は、就職活動の際には大いに役立つでしょう。

一方で専門性の高さから授業のレベルが高く、授業についていけない方も少なくありません。

授業についていけない結果、成績が足りずに留年してしまう方も一定数います。

今回は理系学生が留年した場合の就職活動への影響や対策を解説します。

現在の成績から留年しそうな方や既に留年してしまった方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。

▼あなたに合った企業の情報が届く▼
TECH OFFERで優良オファーを受け取る

留年とは?

留年とは?

留年とは必要な単位が足りず、進級や卒業に至らなかった状態を示します。

せっかく内定が決まっても単位不足で進級できなかったり、単位不足で卒業できなかったりすると内定取り消しになる可能性があります。

留年するデメリットは、以下の通りです。

・内定取り消しになる

・そのまま在学する場合は、1年分追加の学費が発生する

・奨学金の支給が停まる

・卒業して就職する友人との落差を感じる

・内定先の会社や両親、教授からの信頼を損なう可能性がある

理系学生における留年の実態と近年の傾向

理系学生における留年の実態と近年の傾向

理系学生の留年率

単位が不足するために発生する留年は、単位認定の基準が大学によって異なるため、一概に理系学生の留年率を結論づけることは難しいでしょう。

一方で留年率が判明している大学もあるので、公開されているデータを基に理系学生における留年の実情を紹介します。

今回は東京理科大学が公表している2022年度のデータから留年率を紹介します。

学部在籍者数留年者数留年率
数学科455人30人6.6%
物理学科477人22人4.6%
化学科489人26人5.3%
応用数学科481人23人4.8%
応用物理学科474人18人3.8%
応用化学科462人13人2.8%
数学科540人63人11.7%
物理学科489人61人12.5%
化学科483人48人9.7%

参照:東京理科大学「学部・学科、研究科・専攻別在籍学生数、留年者数、退学者数

※学部・学科、研究科・専攻名は2023年度現在に準じる

専攻によって留年率は異なりますが、9つの専攻の平均留年率は6.8%です。

数学科や物理学科のように留年率が10%以上の専攻もあり、理系学生にとって留年が身近な問題であることがわかります。

単位不足で留年する理系は文系よりも多い

留年経験のある理系学生は、珍しくありません。

理系学生は必修科目が多いため、日々たくさんの課題に追われています。さらに、実験や実習が授業に加わることで試験勉強に苦戦する人も多いでしょう。

理系の大学生が研究室に配属されるためには、卒業に必要な単位のほとんどを取得している必要があります。研究室に入るには、大量の課題・実験・実習をこなしながら単位を取得しなければなりません。その結果、留年する学生が一定数出てしまいます。

特に単位認定が厳しい大学の場合、留年する学生の数はさらに増えるでしょう。

留年するのはクズ?就活への影響は?

留年するのはクズ?就活への影響は?

理系学生の留年は大きな影響はない

理系学部では単位の取得が文系に比べて厳しい場合が多く、1つ単位を落としただけで留年してしまうこともあります。

留年を経験した理系学生の存在はそれほど珍しいことではなく、留年しているというだけで就活が不利になるケースは少ないです。

理系の場合は、文系と比べて「即戦力になる人材なのか」を判断してもらいやすい傾向があります。

企業は学歴・留年の有無を見ますが、理系学生の場合は専門分野でのスキルを重視します。

理系に特化した求人もたくさんあるため、留年しても理系学生にはチャンスがあると言えるでしょう。

理系学生の留年はチャンスに変えられる可能性大

理系学生にとって留年が決して珍しくないとはいえ、少なからずデメリットがある点は否めません。

一方で留年をすることで、時間が得られるという大きなメリットがあります。

特に理系学生の場合、普段から授業や研究に忙殺され、時間が限られているという現状があります。

使える時間が増えたことで、今までチャレンジできなかったことにも挑戦ができ、自身を大きく変えられるチャンスがあるといえるでしょう。

例えば、授業や研究が忙しく、志望する企業のインターンに行けなかった場合には、改めて挑戦するのもよいでしょう。

また自身の研究分野における第一人者や有名な研究室を訪れる、講演を聞きに行くなど専門性を伸ばす機会も作れます。

時間は誰にでも平等にありますが、年齢を重ねるほど自分の思いどおりに使える時間は減っていくのもまた事実です。

留年はもう1年、自分の思いどおりに使える時間が増えることを意味しています。

留年はデメリットになる部分はありますが、理系学生にとって自身を変えられるチャンスにもなりえます。

2留以上の場合はマイナスになる場合も

留年は自身を大きく成長させる機会にもなる一方で、留年がマイナスに働くケースも少なからずあります。

一般的には以下2つの場合に、留年がマイナスとなる可能性があります。

・留年の原因を分析できていない

・2留以上

前者のように留年の原因が分析できていない場合には、企業からはマイナスな印象を持たれかねません。

企業としてもなぜ留年をしたのかは気になるポイントです。

留年をした理由を尋ねられた際に、原因が分析できていないようであれば、同じミスを繰り返す人物とマイナスに捉えられる可能性があります。

後者の場合、単位不足による留年が2年も続いていることになります。

2年連続での単位不足には、理系学生として知識不足・スキル不足などのマイナスな印象を持たれる可能性が大きく増えます

1年の留年は許容されても、特別な事情がない限りは2年の留年はマイナスに受け取る企業も増えてくるでしょう。

留年後に卒業か中退で迷った場合の判断方法

留年後に卒業か中退で迷った場合の判断方法

留年してしまい、このまま大学に在籍して卒業を目指すか、それとも中退するかで迷う方も多いと思います。

留年した時は、以下の2つのポイントから自分の将来を検討してみましょう。

・留年して1年間モチベーションを保ちながら、無事に卒業できるのか?

・大学卒業の学歴がほしいのか?

単純に試験の結果が悪くて単位を落とした場合は、もう一度勉強をやり直せるでしょう。

一方で、大学に進学したものの、勉強に興味が持てなかった場合、留年してもモチベーションを保てず、ずるずると在席し続ける可能性もあります。

大学を中退すると履歴書の学歴欄には「中退」と書き、最終学歴は自動的に高卒になってしまうのがデメリットです。中退の場合は、大卒を条件とする求人に応募するのが難しくなります。

とはいえ、留年するとなれば、1年分余計に学費がかかります。

目指す仕事に学歴が関係なく、学費を追加で支払ってまで大卒の学歴を得ることに疑問を覚える場合は中退も選択肢の1つです。

内定後に留年が決まった場合はどうすればいい?

内定後に留年が決まった場合はどうすればいい?

大学で救済措置が受けられないか確認する

内定獲得後に、

「単位不足かもしれない」

「テストの成績が悪かったから、留年かもしれない」

など留年の可能性が浮上した場合は、なるべく早く大学のキャリアセンターや学部の受付、教授などに相談することをおすすめします。

大学によっては、レポートや追試などの救済措置が受けられる場合があります。

あるいは、教授と直接話し合うことで、特別な補習を受けられるかもしれません。

卒業を諦める前に、大学に相談してみましょう。

留年しても内定取り消しになるとは限らない

留年しても、すべての企業で内定が取り消されるわけではありません。

たとえば、公務員の場合は応募要項が年齢のみで大学卒業が条件に含まれないケースが多いため、内定取り消しにならないことがあります。

公務員以外の職種では、留年が理由で内定が取り消される場合があります。

中には、状況を説明して入社の意欲を伝えれば卒業まで待ってくれる企業もあります。

まずは内定先に留年の報告をしてから、判断を仰ぎましょう

留年した理系学生の就職活動のポイント

留年した理系学生の就職活動のポイント

2留・3留してもネガティブに考えすぎない

留年しても、ネガティブに考えすぎるのは禁物です

大学で留年してしまった場合、少なからず悩むと思います。

たとえば、卒業や進級した友人と距離を感じたり、就職後の話を聞くうちにわいてくる羨望や焦りといったものを感じざるを得なくなります。

下の学年の生徒に混じり、友人がいない環境に入る時にはストレスも感じることでしょう。

さらに、留年せずに卒業や進級できるのか・学費や生活費はどうすればいいのかという不安もつきまといます。

留年が決まってしまったのなら、覆すことはできません。

2留・3留してもつらい気持ちを引きずりすぎず、少しずつポジティブな気持ちに切り替えていきましょう。

退学ではなく卒業を目指す

留年した場合、退学ではなく卒業を目指しましょう。

心が折れそうになった時には、「もう退学しよう」と考えることもあるでしょう。

しかし、まずは一度立ち止まってみてください。

たとえ留年したとしても、卒業すれば最終学歴は大卒となり、新卒として就活に応募が可能です。

就活の観点から考えた場合、留年しても最終的に卒業する場合と退学する場合では、選考条件や区分が全く異なります。

学歴が高卒だと応募できる求人が限られたり、給与水準が低くなってしまう可能性もあるため、中退を選択することは避けるべきです。

就活を有利に進めたいのであれば、多少の困難でも単位を取得し、きちんと大学を卒業することをおすすめします。

企業が欲する人材を目指す

人材を募集している企業の多くは採用したい人材像・人物像を公開しています。

留年によって1年という時間が与えられたのであれば、企業が欲する人材像・人物像を目指すのも立派な就職活動の対策になります。

例えば、地道で諦めない人物像を企業が欲しい人材としてあげているとしましょう。

地道で諦めない人物像に近づくため、時間のかかる研究に取り組み結果を出した経験を話すことも良いアプローチとなります。

また専門的な資格やTOEICなどの汎用的な資格取得も、人材としての有用性をアピールする方法です。

企業が採用したい人材になるのは、短期間では難しいといえるでしょう。

一方で1年という時間があれば、どうでしょうか。

様々なことにチャンレンジする期間が与えられるため、企業が採用したい人材像・人物像に近づくのも決して不可能ではなくなります。

志望している企業や業界があるのであれば、有効な対策法といえるでしょう。

留年で生まれた時間を就職活動にあてる

留年した際に発生する1年という時間は長いようで、あっという間に過ぎます。

もちろん2留をしないように授業や研究への対策は欠かせませんが、生まれた時間を就職活動に費やしましょう。

例えば、就職活動に必要不可欠な自己分析は時間のかかる作業です。

普段から自身のことを振り返っている方であれば、短期間でも自己分析はできるかもしれません。

一方で、二十数年間の人生を大きく振り返る機会がないまま過ごしてきた方もいるでしょう。

大きく振り返る機会がないまま過ごしてきた方にとって、唐突に自己分析といわれても、難しいはずです。

自己分析は就職活動の中でも、最も重要な作業です。

1年という時間が生まれたのであれば、じっくりと自己分析をおこない、自身の柱ともいえる価値観や判断基準を見つけるとよいでしょう。

他にもインターンシップやエントリーシート対策など、時間を費やすべきことは色々あります。

留年により生まれた時間を無駄にしないためにも、就職活動に多く費やすようにしましょう。

留年経験をポジティブに転換するコツ

留年経験をポジティブに転換するコツ

留年経験を自己分析を通して振り返る

留年経験をポジティブに転換するコツ1つ目は、留年経験を自己分析を通して振り返ることです。

留年は人生における挫折の1つですが、その挫折を経験する前と後では考え方や価値観も変わっていると思います。

留年という現実を受け入れたり、対処方法を見つける過程で自分自身の個性や特徴を垣間見ることができます。

まずは自己分析をして挫折を経験した自分を振り返り、自分に足りない部分や今の自分が持つ魅力を知りましょう。

自己投資をしてスキルアップする

留年経験をポジティブに転換するコツ2つ目は、自己投資をしてスキルアップすることです。

留年した場合、授業に出ない時間が生まれます。

その時間を有効活用して難しい資格の取得を目指したり、起業に挑戦したりなどさまざまなチャレンジをしてみましょう。

自己投資を通じて自分を成長させることができれば、就活の際に自己PRとして活かすことも可能です。

留年を自己PRのテーマにする

留年経験をポジティブに転換するコツ3つ目は、自己投資をしてスキルアップすることです。

履歴書や面接では、留年経験をポジティブに転換して、前向きな考えがあることを示しましょう。

自己PRでは、留年という困難をどのように乗り越えてきたのかを説明することが大切です。

採用担当者は留年経験よりも、それを挽回するためにどのように取り組んできたのかを重視します。

留年から学んだことや、空白期間に行った自己投資、将来の仕事で活かしていきたいことをまとめてみてください。

インターンに参加する

留年経験をポジティブに転換するコツ4つ目は、インターンに参加することです。

留年してスケジュールにゆとりが出たなら、インターンに参加しましょう。

中でも、早期採用につながりやすいインターンに参加すれば、内定が近づく可能性があります。

長期インターンシップは短期のものとは異なり、給料も支払われます。

就職活動の糧となる経験を積むためにも、アルバイトではなく長期インターンシップに挑戦することをおすすめします。

留年した理系学生が就職活動で取るべきアクション

留年した理系学生が就職活動で取るべきアクション

面接対策を万全にする

就職活動において、カギを握るのは面接です。

面接のない就職活動はないといっても言い切れるほどであり、回数の差はあれど必ず面接は選考に含まれています。

内定を取るためには、面接対策を万全にしましょう。

具体的には以下のポイントを確認して、面接対策をおこなうことをおすすめします。

・面接におけるマナーの確認

・身だしなみの整理

・面接時の回答内容の確認

また以下の質問は頻出の質問であるため、必ず回答を用意するようにしましょう。

・志望動機

・学生時代に力を入れたこと

・長所と短所

・入社の展望

・挫折した経験

留年経験や理由を正直に伝える

留年経験や理由について面接で質問された場合は、嘘をつかず率直に話すことが重要です。

アルバイトを優先したり、やる気がなくて留年したりした場合も言い訳をせずに理由を説明しましょう。

留年した理由と併せて反省や留年期間に取り組んだことを伝えれば、面接官の印象も良くなります。

留年から得た学びを伝えて強みに変える

面接では、留年をネガティブに語ることは避けましょう。

面接で「留年によって得た学び」を伝えれば、留年というマイナス要素をプラスに転換できます。

留年にネガティブなイメージを持たれることもあります。しかし、事前の準備を怠ると面接時に不安を感じてしまい、適切に対応できません。面接官を納得させるような自己PRにつながる回答を準備しておくことが重要です。面接に臨む際にも自信を持って取り組めるでしょう。

スカウトサービスを利用する

就職活動というと、学生から企業へアプローチするケースがほとんどでしょう。

一方で、昨今ではスカウトという形で企業から学生へアプローチする形式も定着しつつあります。

スカウトサービスでは、企業がサービスに登録された学生のプロフィールや経歴を確認して、オファーを送ります。

学生としては企業からスカウトが受けられるので、効率的な就職活動がおこなえる点がメリットです。

昨今はスカウトサービスの細分化が進んでおり、理系学生に特化したスカウトサービスがあります。

数あるスカウトサービスの中でもおすすめなのが、「TECH OFFER」です

「TECH OFFER」は大企業や有名企業はもちろん、知名度に欠ける隠れた優良企業も利用しています。

研究分野や実績、専門分野を登録しておくだけで、あなたに魅力を感じた企業からオファーが来る可能性も十分にあります。

オファーをおこなう企業はあなたの経歴に魅力を感じているため、留年の有無は関係がありません。

また「TECH OFFER」では企業とマッチする学生のみを結び付けるため、的外れな企業からのオファーが少ない点も大きな強みとなっています。

▼あなたに合った企業の情報が届く▼
TECH OFFERで優良オファーを受け取る

まとめ

留年というとネガティブなイメージを持つため、就職活動に悪影響を及ぼすのではと危惧している方も多いでしょう。

理系学生にとって留年は決して珍しい話ではないため、就職活動には大きなマイナスにはなりにくいといえます。

むしろ留年によって生まれた時間をプラスの方向に生かすことができれば、就職活動で有利に働く可能性もあります。

就職活動の際には面接対策に時間を割くやスカウトサービスを利用するなど、就職活動をより主体的に進めていただければと思います。