こんにちは。理系就活情報局です。
理系にとって、大学院進学は身近なことです。
学部で学んだ知識に加えて、大学院で身につけた専門性を評価されるため、「院卒は就職活動が有利に進む」との認識を持っている方も多いことと思います。
しかし、大学院に進んだからといって必ずしも就職活動が有利になるわけではありません。
「院卒だから、すぐに内定がもらえるはず」と思っているならば、注意する必要があります。
本記事では、高学歴の理系学生の就活事情と理系院生が就活で失敗しないために必要なことを解説します。
院卒での就職を検討している理系院生の方は、ぜひ参考にしてみてください!
理系の高学歴はどこから?高学歴とされる大学一覧
高学歴の理系就活生の対策を解説する前に、あらためて高学歴がどこからなのかを確認します。
以下の大学は一般的に高学歴とされている大学です。
- ・東京大学
- ・京都大学
- ・東京工業大学
- ・大阪大学
- ・北海道大学
- ・東北大学
- ・名古屋大学
- ・九州大学
- ・早稲田大学
- ・上智大学
- ・慶応義塾大学
- ・東京理科大学
理系の学歴ランキング
紹介した高学歴校を詳細にランキング付けすると、以下のとおりです。
さまざまな観点からランキング付けはおこなえますが、今回は偏差値を参考に並び替えをおこなっています。
№ | 大学名・学部 | 偏差値 |
1 | 慶応義塾大学 医学部 | 75 |
2 | 東京大学 理科三類 | 74 |
3 | 京都大学 医学部 | 73 |
4 | 東京大学 理科一類 | 71 |
5 | 東京大学 理科二類 | 71 |
6 | 大阪大学 医学部 | 71 |
7 | 早稲田大学 先進理工学部 | 71 |
8 | 順天堂大学 医学部 | 71 |
9 | 慶応義塾大学 理工学部 | 71 |
10 | 東京科学大学 医学部 | 71 |
参考:東進ハイスクール 偏差値
企業が高学歴の学生を募集・採用する理由
企業の中には、高学歴の学生をターゲットに設定して、採用をおこなう企業があります。
学生を絞ることになるため、一見すると得策にはみえませんが企業側には高学歴だけをターゲットとする明確な理由があります。
本章では、企業が高学歴の学生を募集・採用する理由と高学歴の学生だけを狙う企業の特徴を解説します。
効率的に優秀な人材を確保するため
企業が高学歴の学生をターゲットとするのは、効率的に優秀な人材を確保したいためです。
大企業や有名企業には多くの応募が集まるため、人材を見極める作業は大きな負担となります。
本来は一人ひとりにフォーカスをあてて見極めるべきですが、時間の制約上、不可能といわざるを得ません。
企業側は学生を絞り込む基準として、学歴を採用しています。
高学歴の方が優秀とは限りませんが、有能な人材になる可能性が高いことから学歴を基準にしています。
高学歴の学生を募集・採用をする企業の特徴
高学歴の学生をターゲットとする企業の特徴は、以下のとおりです。
- ・学生からの応募が数多く集まる企業
- ・事業内容が知的労働の企業
高学歴の学生をターゲットとしている企業は、特定の条件で学生の数を絞り込んでも母集団形成ができる企業です。
また、コンサルタントのように知的労働が業務の場合、物覚えの良さや頭の回転、専門知識など高い知的レベルが必要です。
知的労働に見合うポテンシャルを備えていないと考える企業は、高学歴の学生をターゲットにしています。
出身大学・大学院が重要視される理系職業
理系職の中には出身大学・大学院が重要視される職業があり、研究職が該当します。
研究職は一定レベルの専門性を必要とされるため、院卒が応募条件となるケースは少なくありません。
院卒が応募条件の上で、出身大学で学生を選抜する学歴フィルターも存在します。
即戦力性が求められる性質上、致し方ない部分もありますが研究職を目指す道は厳しい道となっています。
理系院生の就職活動の落とし穴
理系の場合、大学院で身につけた専門性は就活で大きなアドバンテージとなります。
たとえば、院卒専用の採用ルートが使える、院卒が応募条件の研究開発職に応募できるなどのアドバンテージが受けられます。
また、研究室と誰もが知る大手企業との間にパイプがある場合は、研究室推薦で大手企業への入社が可能です。
さまざまなアドバンテージから「理系の院卒=就職活動が有利」との考えが浸透しています。
一方で、就職活動に苦戦する理系院生も多いのが現状です。
以下では、理系院生が陥ってしまいがちな「就職活動の落とし穴」について解説します。
院生は学部以上に研究室と就活の両立が困難
学部よりも深い内容で研究する大学院の場合、研究と就職活動の折り合いをつけるのは困難なことです。
研究に追われるあまり、「志望する企業のエントリー期間を逃してしまった……」との失敗も珍しいことではありません。
他にもエントリーした企業の選考対策に時間が取れず、面接でまとめに話せなかったなどの失敗もあります。
研究と就活の二足の草鞋を履くことは、想像以上に難易度が高いといえるでしょう。
学部での就活経験がなく選考対策が不十分になりがち
進学を決めたことで、理系院生には就職活動のノウハウがないため、選考対策が不十分になりがちです。
就職活動は、これまで打ち込んできた研究の実績や専門性はもちろんですが、選考対策をすることなしに先へ進むことは困難です。
「就活生が皆していること」を疎かにしてしまえば、却って「院卒なのに……」と落胆されてしまいます。
すべての就活生は平等です。エントリーシートやSPI対策、面接対策ができていなければ、理系院生だろうと当然選考から落とされます。
理系院生に求められるハードルは高い
理系は大学院への進学率が高いために、院卒の就活生が珍しくありません。
希少性の低さをカバーすることが必要になるため、院卒に求められる基準は自然と高くなります。
学部生に比べて院生の人数は少ないかもしれませんが、同じ分野の院生は全国にたくさん存在します。
理系院生は、企業が求める「大学院卒に求める基準」を越えながら、「同条件の他の院生に勝っていること」を示す必要があるのです。
理系院卒の就職活動の実態を理解しているのとしていないのとでは、大きな差が生まれます。
高学歴の理系院生が就活失敗を避けるには下準備が重要
「理系院生=必ずしも就職活動が有利に進むわけではない」ことを確認したところで、次はもう一歩踏み込んで、「理系院生が就活で失敗しないために必要な下準備」について解説します。
研究との折り合いをつける
まず必要なのは、研究と就職活動の折り合いをつけることです。
研究で一定以上の成果を上げるために、毎日研究室に通い詰めているのかもしれません。ですが、研究だけをしていれば、当然のごとく就職できないのです。
就職活動は、自分の将来を左右します。自分の将来は、自分で決めましょう。
研究室の教授は、あなたの将来に責任を持ってくれるわけではありません。
自分の将来を第一に考えて、就職活動を優先してスケジュール管理をすること。
院卒で就職活動をする方が最初に取るべきアクションは、これに尽きます。
就職活動のスケジュールを把握する
就職活動を第一の目的に置いたら、次はスケジュールを把握しましょう。
早期内定化が進む現在では、就職活動シーズンは固定されていません。採用スケジュールは企業によって前後し、気づいたら志望企業の採用が終わっていることも充分あり得ます。
また、理系の就職活動においては、インターンシップが大きな意味を持ちます。
理系院生を対象にしたインターンシップに参加しないと、採用情報を逃すことになり、就職活動がうまくいかないことに直結してしまうのです。
- ・前年度の状況を調べて、志望する業種における就活シーズンをおおまかに把握する
- ・修士1年の夏に参加できるインターンシップを探す
- ・定期的に採用情報が出ていないか確認をする
上記の3点を心がけて、志望する企業にエントリーするチャンスを逃さないようにしましょう。
エントリーシートやSPI対策は当たり前
前述したように、院卒も学部卒も選考対策をするのは当たり前のことです。
たとえあなたに実績があったとしても、エントリーシートの志望理由が薄かったり説得力に欠けていたりした場合は、面接までたどり着くことはできないでしょう。
あなたが採用担当者だったとして、以下の学生のどちらを採用したいでしょうか?
- ・研究実績は立派だけど、うちの会社を希望する熱意が感じられない院生
- ・実績は足りないけれどインターンシップにも参加。エントリーシートからも熱意が感じられる学部卒
選考過程は、人数を絞り込むために存在します。
誰もが振るいにかけられるポイントだからこそ、他の就活生がしている対策を疎かにしてしまえば、当然その先に進むことはできません。
院卒であるからこそ、エントリーシートやSPI対策は入念に行いましょう。
高学歴の理系院生が就活で押さえておきたいポイント
下準備が終わったら、いよいよ実際にエントリーとなります。
具体的なアクションを起こしていく前に、実際に就職活動をするにあたって気をつけたいポイントを把握しておきましょう。
はじめから業種を狭めて可能性を減らさない
理系院生の就職活動でやりがちなのが、「応募する業界や業種を限定しすぎること」です。
理系院生は専門性を持つ分、「自分にはこの業界/業種しかない」と考えがちです。ですが、応募先を絞りすぎると、数社にしかエントリーしない状況となります。
母数が少なければ、選考を通過する可能性も少なくなります。
エントリーした企業に全落ちする可能性も見越して、エントリーをする段階では数を絞りすぎないようにしましょう。
就職活動は、応募しないと選考に参加することができません。
自分で自分の首を絞めないためにも、エントリー数を多めに確保しましょう。
院生専用の就活サイトや逆求人サイトを活用しよう
学部生と同じ就活サイトと併用しつつ、院生向けの就活サイトや理系特化型の就活サイトも活用することをオススメします。
理系院生にも専門があるように、就活サイトにも特性や専門性があります。
院生向けや理系専門の求人を扱っているサイトの方が求人数も多く、より実態に即したアドバイスやサポートを受けられます。
また、企業からスカウトが届く逆求人型サイトもオススメです。
中でも、理系に特化した逆求人サイト「TECH OFFER」は、企業が求める人材と就活生の専門性をマッチングする独自のシステムを構築しているため、理系院生に最適です。
可能性を狭めないためにも、複数の就活サイトに登録して就職活動を有利に進めましょう。
就活も実験と同じ!失敗したと思ったら原因を探そう
どんなに優秀な理系院生でも、いざ就職活動を始めると壁にぶつかることがあります。
なかなかエントリーシートが通らなかったり、いざ面接となると緊張してうまく喋ることができなかったりと、思わぬところで躓くかもしれません。
しかし、就職活動で失敗してしまうのは皆同じです。
周囲と差をつけるポイントは、「失敗の振り返りをしているかどうか」です。
就職活動も実験と同じく、失敗には必ず原因が存在します。
うまくいかないと思ったら、一度立ち止まって自分の行動やエントリーシートの内容を振り返って、原因を探してみてください。
失敗の原因を把握して、同じことをくり返さないための対策をすれば、次第に道が開けていきます。
高学歴の理系院生でも面接対策は入念に行おう
理系院生の就職活動で陥りやすい失敗や必要な下準備、失敗しないための対策について把握できたかと思います。
本章では選考の最終段階である面接について確認します。
比較対象は学部生ではなく院生!面接で差をつけよう
いよいよ面接まで到達すれば選考も終盤となり、内定が見えてきます。
あと少しのところで内定を逃さないためには、「自分と同じ院生と比較したときに、より採用したいと思ってもらえるか」が重要となってきます。
これまでの実績を変えることはできませんが、面接の対策をすることはできます。
- ・どうしてこの企業を志望しているのか
- ・自分の研究をどのように活かして貢献したいと考えているか
を今一度整理して確認し、熱意を持ってアピールできるようにしましょう。
くり返し練習すれば、面接はパターンと反応を分析できる
「緊張してしまい、予想しなかった質問にうまく答えられなかった」
「研究のことはすらすら説明できるのに、自分の気持ちを説明するのは苦手」
いざ面接を受けてみて、そんな悩みを抱えている人もいるかもしれません。
ですが、一つ確実に言えることがあります。
くり返し練習すれば、面接はパターンと反応を分析して対策を取ることが可能です。
緊張してしまうのであれば、数をこなして面接を受けることに慣れましょう。
予想外の質問が不安なら、模擬練習で想定外の質問をしてほしいと希望してみてください。
自分の気持ちをうまく説明できないのは、まだ曖昧な部分があるからです。書き出して整理してみると、自分の言葉として説得力ある説明ができるようになります。
面接を乗り越えれば、明るい未来が待っています。
最後の関門であるからこそ、しっかり準備をして内定を勝ち取りましょう。
学歴に自信がない場合の就活における対処法
読者の中には、高学歴でないことから、就活に不安を抱える方は少なくありません。
就活には学歴フィルターが存在しており、高学歴の方が有利な状況にあるためです。
本章では学歴に自信がない方に向けて、就活での対処法を解説します。
優良な中小企業を探す
大手企業や有名企業は学歴フィルターをかけていることが多いため、高学歴に該当しないと選考を突破するのは難しいです。
そこで、学歴に自信のない方のターゲットとしておすすめなのが優良な中小企業です。
中小企業は応募が少ないことから学歴フィルターをかけている可能性が低いため、学歴に自信のない方でもチャレンジがしやすくなっています。
就活では大手企業や有名企業に目が向きがちですが、日本には知名度が低いものの技術力や安定した経営に定評のある優良な中小企業は数多くあります。
業界研究を丁寧に行い、優良な中小企業を見つけ出して応募していきましょう。
学歴フィルターがある可能性の低い企業を探す
大手企業や有名企業にも学歴フィルターをかけていない企業があるため、積極的にチャレンジしてみましょう。
学歴フィルターの有無は、採用実績校をみると確認ができます。
たとえば、高学歴の大学しか採用実績にない場合は、学歴フィルターがあると判断してよいでしょう。
反対に、採用実績校の偏差値にバラつきがある場合は、学歴フィルターがかかっている可能性は低いと判断できます。
高学歴の理系に関するよくある質問
価値観が多様化した昨今では、一昔前より学歴への捉え方は変わりつつあります。
本章では高学歴の理系や高学歴の理系就職に関して、よくある質問を解説します。
理系に学歴は関係ない?それとも重要?
就活では一定の学歴フィルターがあるため、学歴と就活は関係性があるといえます。
一方で、理系では学歴よりも専門性を重要視する考え方もあります。
たとえば、電気電子工学科の出身であれば自動車業界は狙えますが、農学部の出身では現実的なターゲットにはなりません。
なぜなら、農学部の知識や経験は自動車業界では生かせないためです。
もちろん、職種によっては働けますが、理系学生が就く研究職などでは専門性がないと難しいです。
学歴は一定レベルで重視される一方で、出身の学部学科も就活では重要になります。
就活で理系大学ならどこでもいい?
理系学生は就活で有利といわれていますが、大学と出身の学部学科は重要になります。
大学は学歴フィルターはもちろん、企業の中には学閥のある企業もあることから出身大学は軽視できません。
これだけは知っておきたいポイント(まとめ)
この記事では高学歴の理系学生の就活事情と就活で失敗しないために必要なこと解説してきました。
重要なポイントをおさらいします。
・高学歴とされる大学一覧
・理系の学歴ランキング
・企業が高学歴の学生だけを募集・採用する理由
①効率的に優秀な人材を確保するため
②高学歴の学生だけを募集・採用をする企業の特徴
・出身大学・大学院が重要視される理系職業
・理系院生の就職活動の落とし穴
➀院生は学部以上に研究室と就活の両立が困難
②学部での就活経験がなく対策が不十分になりがち
③院進が当たり前だからこそ、理系院生に求められるハードルは高い
・高学歴の理系院生が就活失敗を避けるには下準備が重要
①研究との折り合いをつける
②就職活動のスケジュールを把握する
③エントリーシートやSPI対策は当たり前
・高学歴の理系院生が就活で押さえておきたいポイント
①はじめから業種を狭めて可能性を減らさない
②院生専用の就活サイトや逆求人サイトを活用しよう 理系に特化した「TECH OFFER」なら、専門性とマッチした企業からオファーが届く!
③就活も実験と同じ!失敗したと思ったら原因を探そう
・高学歴の理系院生でも面接対策は入念に行おう
➀比較対象は学部生ではなく院生!面接で差をつけよう
②くり返し練習すれば、面接はパターンと反応を分析できる
・学歴に自信がない場合の就活における対処法
①優良な中小企業を探す
②学歴フィルターがある可能性の低い企業を探す
・高学歴の理系に関するよくある質問
①理系に学歴は関係ない?それとも重要?
②就活で理系大学ならどこでもいい?
③大学院だけ高学歴だと就活に影響する?