こんにちは。理系就活情報局です。
「理系院卒は、技術系の採用枠があるし、余裕だよね?」
「学会での発表も近いし、就活は後回しでいいかな」
もしあなたがそんな考えを持っている理系院生なら、注意が必要です。
理系大学院生(修士・博士)だからといって、必ずしも就職活動が順調というわけではありません。残念ながら、夏を過ぎても就職が決まらず途方に暮れる理系大学院生は、毎年一定数存在します。
この記事では、現在就活中の皆さんに向けて、就活に失敗しがちな理系大学院生の特徴と、就活失敗を回避するための対策についてお伝えします。
就職活動を順調に進めたい理系大学院生は、ぜひ参考にしてみてください!
理系大学院生の就活事情

理系大学院生は専門性で学部生よりも有利
結論から言えば、理系大学院生(修士)は就活に有利です。
理系業界に限らず、理系人材を必要とする企業は多く、ある程度の規模を持つ企業は、理系採用枠を設けていることもあります。偏差値が同程度の場合、理系は文系と比較して、採用チャンスが多いと言えるでしょう。
理系の場合は、大学院への進学率がおおよそ四割と言われています。国立大学であれば6〜7割、上位大学であれば9割以上が大学院に進学します。
超大手の企業などは上位大学からの人材採用を基本としていることから、修士卒以上を技術系採用の基本としている企業が大半となります。
専門的なスキルや院卒ならではの論理的思考など、大学院での2年間がプラスとして評価されやすいことも就活に有利なポイントです。
大学による推薦の制度も、理系大学院生のメリットのひとつです。
専攻や研究室によっては、大企業や人気企業とのコネクションを持つケースもあります。
理系の院卒と学部卒の就活の違いについては以下の記事にて詳しく解説しています。併せて確認してみてください。
就活に失敗しがちな理系大学院生の特徴

理系大学院生の就活が有利であることを確認しました。
一定のアドバンテージを持っているというのに、いったいなぜ就活に失敗する理系大学院生が出てしまうのでしょうか?
以下では、就活に失敗しがちな理系大学院生の特徴を紹介します。
研究と就活のバランスが取れない
就活に失敗しがちな理系大学院生の特徴1つ目は、研究と就活のバランスが取れないことです。
就活に有利なアドバンテージを持っているとはいえ、理系大学院生が就活のための時間を確保するのは簡単ではありません。
卒業研究はもちろん、ゼミや学会発表の準備に追われながらの就活を強いられます。場合によっては学部卒の学生への指導や、博士研究員のサポートなどを行う場面もあるでしょう。
研究は就職活動をする上でも大切なポイントですが、あまりに研究を優先しすぎていると、エントリー期間を逃してしまったり、十分な対策ができていないことから面接で落とされてしまったりします。
研究生活と就活の両立に疲れた理系大学院生が、特に目標もなく博士課程への進学へ切り替えるケースも見受けられますが、博士後期課程はそこまで甘いものでもありません。
理系大学院生の就活は、研究と就活を両立するバランスと時間の有効活用が重要なポイントです。
特定の業界・分野・職種にこだわりすぎている
就活に失敗しがちな理系大学院生の特徴2つ目は、特定の業界・分野・職種にこだわりすぎていることです。
「工学専攻出身で研究テーマは電気電子関連だから、研究が活かせるメーカーに就職したい」
「大学院の研究をもとに、研究者か開発者になりたい」
こうした考えを持つ理系大学院生も少なくないと思います。
ですが、一度立ち止まって自分自身を見つめ直してみてください。
大学院での経験を活かした業界や職種を志望することは重要ですが、こだわりが強すぎるあまり、志望企業への視野を狭めていませんか?
理系大学院生の強みである専門分野や経験が、逆に就職のチャンスを妨げている場合があります。
「自分の志望業界は既に決まっているから、就活はまだしなくていい」と決め込んだ結果、関連企業の選考全てから漏れてしまい、志望先が無くなってしまうケースも存在します。
また、大学院での研究生活に慣れてしまい「今さら研究以外の仕事は出来そうにない」と、研究職以外の仕事に対して消極的な理系大学院生は少なくありません。
理想像や居心地の良い場所を追い求めるあまり、競争率の高いフィールドのみに限定した就活はリスクが高いといえます。詳しくは以下の動画でも解説していますので、自分が同じような状況に陥っていないか、一度チェックしてみることをおすすめします。
就活を楽観視している
就活に失敗しがちな理系大学院生の特徴3つ目は、就活を楽観視していることです。
理系の大学院生が就職に有利なのは事実ですが、就活は競争でありライバルがいることを忘れてはいけません。大学名や理系のブランドで就活を優位に進めることができても、それだけで内定が取れる可能性は低いでしょう。
十分な就活対策ができていなければ、「どうして大学院生なのに、学部生よりも志望動機が薄いのか?」「とりあえず大学院に進んだのか?」と思われてしまいかねません。
就職活動は、どれだけ専門性が高い理系大学院生であっても、対策をすることなしに通過できるケースは少ないでしょう。就職活動には、エントリーシートやSPI、面接でのアピール方法など、ただ普通にしているだけでは身につかないポイントがたくさんあります。
就職活動は、自分という商品を企業へ売り込む営業活動です。
採用担当者から選ばれるのを待つのではなく、いかに自分の強みを伝え魅力的な人材に見せるか、つまり「売り込む姿勢」が重要といえます。
「理系大学院生は就職活動に有利」ということに甘んじず、就活に本腰を入れて取り組むことが、成功の秘訣です。
理系大学院生が就活を失敗しないための対策

研究よりも就活を優先させる
理系大学院生が就活を失敗しないための対策1つ目は、研究よりも就活を優先させることです。
博士後期課程に進学しないと決めた時点で、理系大学院生は、優先順位を就活第一に切り替えましょう。
大学院の就活は、大学院1年生の夏から始まります。もしこの時期までに「就職か進学か」を決めきれない場合、少なくとも業界研究は卒業研究と並行して行うことをおすすめします。
将来に迷っている場合は、興味のある業界や企業のセミナー、夏インターンに参加してみましょう。実際に企業に触れることで、思い込みや先入観が抜けて、就活への意欲が沸いてくるかもしれません。
また、研究室のメンバーに、あらかじめ就職を考えていることを伝えるのも良いでしょう。理解のある教授や指導教官であれば、就活に協力してもらえる可能性があります。もし研究への取組みや素行が良ければ、教授の伝手のある企業に推薦してもらえるかもしれません。
自己分析や企業研究を深める
理系大学院生が就活を失敗しないための対策2つ目は、自己分析や企業研究を深めることです。
理系大学院生が就職活動に失敗しがちな理由でも説明したように、就活の対策不足は良い結果を招きません。自分の専門性にあぐらをかいて志望動機が曖昧だったり、企業への理解が浅かったりすれば、採用担当者は選考から弾くでしょう。
まず始めにするべきは、自己分析と企業研究です。
理系の大学院生の多くは、研究との同時並行でタイトなスケジュールの中、就職活動をすることになります。就活の途中で大幅に方針を変えてしまうのは大きなタイムロスです。
自己分析によって、なんとなく頭の中にある、志望業界や将来像をはっきりさせ、就活におけるゴールを最初に設定しておきましょう。
詳しい自己分析の方法については、こちらの記事をご参照ください。
院卒の強みを活かせる求人をねらう
理系大学院生が就活を失敗しないための対策3つ目は、院卒の強みを活かせる求人をねらうことです。
理系院卒の強みは「知識だけではない、実務に近い研究経験を持つこと」です。
専門性を活かす道も大切ですが、視野を広げてみると、思いもよらなかった企業で活躍できる道が見つかるかもしれません。
知識を前提として、「結果を得るためにはどうすればよいか」「何故失敗したのか」「次はどの部分を改良するか」など、仮説と検証を繰り返す経験からは、下記のような経験や能力が得られます。
・論理的思考力
・問題解決力
・科学的なものの見方、考え方
・PDCA回し
・調査能力、ヒアリング力
これらのスキルは、理系の素養であり、学部生も持っているものです。
ですが、より実務的な研究を行う大学院生の場合は、学部生よりも一段階深いスキルがあると言えます。
また、研究室生活のコミュニティでの立ち振る舞いや、社会人や大学チームとの共同研究など、社会の一員としてのコミュニケーションも大学院生活で得られる経験値の1つです。
上記の能力を活かすことができるのは自分の研究分野に関わる業種業界や、研究開発職だけではありません。コンサルティング業界や、データ解析企業、生産技術職、品質管理、システムインテグレーターでのシステムエンジニア職など、多岐にわたります。
視野を狭めることなく、自分の能力と可能性を信じて、幅広い業界・業種を検討して活躍の場を探しましょう!
理系大学院生の強みを活かす就活方法については、以下の記事にて解説しています。上記に挙げた経験や能力について詳しく知りたい方は、是非参考にしてみてください。
理系大学院生の就活で押さえておきたいこと

これまで、「理系大学院生の就活事情」から「理系大学院生が就活を失敗しないための対策」まで解説してきました。
これから就職活動に取り組む理系大学院生に向けて、最後に「理系大学院生の就活で押さえておきたいこと」について解説します。
模擬面接をくり返し行う
理系大学院生の就活で押さえておきたいこと1つ目は、模擬面接をくり返し行うことです。
「緊張するほうじゃないし、学会発表も経験しているから、面接は大丈夫」
そう思っている理系大学院生は、キャリアセンターで模擬面接を受けましょう。
学会発表をする時も練習するように、面接も経験が物を言います。
普段は緊張しない人でも、最終面接の場ではうまく発言できないこともあるでしょう。想定しなかった質問にパニックになって、しどろもどろになってしまうかもしれません。
就活のサポート経験が豊富なキャリアセンターを頼って、模擬面接をくり返すうちに、「こうすれば緊張しづらい」「困った質問を受けたときの自分なりの対処法」が見えてきます。
せっかくエントリーシートを通過したのに面接で落とされてしまわないよう、油断なく対策しましょう!
理系特化型サイト「TECH OFFER」に登録する
理系大学院生の就活で押さえておきたいこと2つ目は、理系特化型サイト「TECH OFFER」に登録することです。
大学院に進んだ専門性を活かして就職したいなら、理系特化型サイトへの登録は必須です。高い専門性を持つ企業が集まる理系特化型サイトなら、効率よく就職活動を進められます。
「TECH OFFER」は、独自のマッチングシステムを採用しており、自分では見つけられなかった意外性の高い職種や企業からのオファーが届きます。
自分では分からなかった人材としてのニーズに気づけるため、理系大学院生の就活の未来が変わります。
さっそくあなたの専門性や研究実績を登録して、企業からのオファーを待ちましょう!
まとめ
これから就活を始める理系大学院生に向けて、就活に失敗しがちな理系大学院生の特徴と対策について解説しました。
少しシビアな内容もお伝えしましたが、基本的に理系大学院生の経歴は就活に有利なことには変わりありません。
就活対策を怠らなければ、研究生活と両立しつつ内定獲得を目指すことも十分可能です。
あなたの経験や専門性を活かしながら、視野を広げて自分らしい将来を掴みましょう!