トヨタやホンダといった世界に名だたる企業が連ねる自動車業界。
就活生から例年人気のある業界ですが、具体的にどのような業界なのか詳しく知らない方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、自動車業界について現状や将来性、業務内容などを詳しく解説します。
自動車業界を志望している理系学生はぜひ参考にしてみてください。
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【業界研究】自動車業界とは?
まずは自動車業界の、基本的な仕組みや魅力について解説します。
自動車業界とは
自動車業界とは、自動車はもちろんのこと、バイクなどを含む関連製品の製造に関わる業界のことを指します。自動車メーカーを筆頭に、部品・素材・整備・組み立てなどの各メーカーや販売会社などを含む、国内でも非常に市場規模の大きい業界です。
日本の自動車の品質は世界的にも評価されており、重要な基幹産業のひとつとして国の経済を支える存在となっています。国内の主な企業としては、トヨタ自動車・ホンダ・日産・マツダ・スバルなどがあります。
特に、アジアを中心に各メーカの製品は国外へも積極的に輸出が行われている状況です。中でもトヨタの知名度は高く、経済的な影響力も非常に強い特徴があります。
自動車業界の仕組み
自動車業界は、素材メーカーや部品メーカー、自動車メーカーや販売店など、企画から製造・販売まで様々な企業が関わる仕組みとなっています。 最初は、自動車メーカーが市場リサーチなどを行い自動車を企画。企画した自動車製造のため、素材やタイヤ、部品メーカーへ必要な部品やパーツの作成を依頼します。それらを自動車メーカーが組み立てて製品として完成させ、自動車販売会社を通じて消費者に販売するまでは一連の流れです。
購入した後の修理・メンテナンスを行う会社やカー用品の販売店、レンタカーや保険会社なども自動車業界の一部だといえます。自動車メーカーを中心に、専門性に特化した様々な企業が関わっていることをまずは理解しておきましょう。
自動車業界の魅力
自動車業界の魅力は入社する企業にもよりますが、比較的安定度が高い業界であることが挙げられます。年々規模は縮小傾向にあるものの、ほかの業界と比べればまだまだ大きい業界です。多くの生活では車が必要とされ、今や国内外問わず世界中から日本の自動車が求められています。
自動車の品質を守る仕事や、製品開発に関わる仕事など、職種も多様で色々な角度から業界に関われることも魅力のひとつです。グローバルでスケールの大きな仕事にも関われる自動車業界は、就活生にも人気の高い魅力的な業界のひとつです。
自動車業界にはどんな企業がある?
自動車業界とは、自動車やバイクなどの製品を製造する自動車メーカーや部品や素材を提供するメーカー、販売会社などが存在する業界のことです。
車には数多くの部品や素材が使われており、自動車ブランドごとに販売会社が存在しているため非常に多くの会社が自動車業界に属しています。
自動車業界は例年就活生に人気のある業界ですが、大きく以下の企業が自動車業界に分類されます。
・素材メーカー
・部品メーカー
・タイヤメーカー
・自動車メーカー
・販売会社
・自動車関連サービス
上記企業について以下で詳しく解説します。
素材メーカー
素材メーカーは自動車に使われる素材の製造・販売をおこなう企業です。
車体などに使用される鋼や銅、ホイールに用いられるアルミニウム、プラスチック、ゴムなど素材の種類は多岐にわたります。
最近ではカーボン素材を中心により強度が高く高機能な素材が生産されており、多くの企業が新素材の開発に取り組んでいます。
部品メーカー
部品メーカーは自動車製造に使われる部品を自動車メーカーに提供する企業です。
自動車に使われる部品は小さいネジまで含めるとおよそ2万点以上の部品が使われており、部品メーカーの数も非常に多くなっています。
以前は特定のメーカーにのみ部品を供給する部品メーカーが多くありましたが、最近では複数の企業に部品を供給するメーカーが増えています。
タイヤメーカー
タイヤメーカーは自動車やバイクに使われるタイヤの製造・販売をおこなう企業です。
自動車だけでなく自転車や航空機といった様々な乗り物に使われるタイヤを供給していますが、自動車用タイヤの生産数が非常に多いため自動車業界に分類されます。
近年では、電気自動車専用タイヤなど新しい製品の開発が進んでいます。
自動車メーカー
自動車メーカーは最終製品である自動車本体を製造する企業です。
素材・部品メーカーから仕入れた自動車部品を利用して自動車を製造しています。
自動車には数多くの部品が使われているため、非常に多くの部品メーカーが関わっており自動車業界の企業に大きな影響を与えています。
販売会社
販売会社とは、自動車メーカーが製造した自動車を消費者に販売する企業のことです。
自動車の販売だけでなくメンテナンスを中心に購入後のアフターサービスも提供しており、1つのメーカーだけを取り扱い販売する形が主流です。
ただし中には複数メーカーの自動車を取り扱う販売会社もあり、販売網もインターネット経由など新しい販売方法が普及しています。
自動車関連サービス
自動車に関連するサービスを提供する企業も数多く存在します。
自動車の修理やメンテナンスを請け負う企業もこの分類に該当し、自動車購入後に役立つ様々サービスを提供しています。
近年ではIT技術を駆使したサービスが次々と登場しており、注目される企業も多いです。
またカーシェアリングなど自動車を必要な時だけ使えるサービスなども大きな伸びを見せています。
自動車業界にはどんな仕事がある?
ここでは自動車業界にどのような仕事があるかについて代表的な以下3つの職種を紹介します。
・研究開発職
・商品企画・マーケティング職
・生産管理
なおここではイメージしやすいように自動車メーカーでの業務内容を中心に解説します。
研究開発職
自動車業界の代表的な職種として「研究開発職」があります。
研究開発では自動車に使われる電子技術やモーター、エンジンなど様々な分野のプロフェッショナルたちが自動車関連技術や製品の研究・開発を行います。
近年ではEVやハイブリッド車といった今後の自動車の中核となる新しい技術の研究や開発が盛んです。
自動車といっても様々な技術が活用されているため、それぞれの分野の専門知識やスキルが求められ幅広い人材が活躍できるでしょう。
研究開発職を目指す理系学生は、自分がどの分野の研究開発に携わりたいかを明確にしアピールしていくことをおすすめします。
商品企画・マーケティング職
商品企画・マーケティング職も自動車業界で重要な職種の1つです。
この職種では新車のコンセプトの決定やマーケティング施策の立案、市場調査、販売促進など多岐にわたる業務に携われます。
この職種で求められる能力は「消費者が欲しい車を把握し、自社の製品に提供できる価値を与えること」です。
そのためにも消費者がどのような場面で自動車を使うかを想定し、自社のブランドイメージやアピールポイントと掛け合わせて新しい車を生み出す仕事が求められます。
生産管理
最後に紹介するのは生産管理です。
生産管理は自動車の部品を手配し目標とする生産量へと調整する業務などを行っています。
そのため、生産計画を立てて進捗管理を随時行い、期日に間に合うように生産するという綿密な作業が求められます。
自動車部品は多くの場合外注先から調達しているため、部品メーカーや総合商社などから部品を調達する業務も生産管理の業務です。
さらには自動車の企画・開発・生産・販売に至るまでの進捗管理も生産管理でおこなう場合が多くあります。
自動車業界の今後は厳しい?動向と市場規模を解説!
ここでは自動車業界の現状と市場規模について解説します。
経済産業省の「2023年工業統計調査」において自動車業界の製品出荷額は約56兆円にのぼることが報告されており、日本産業の中でも大きい規模の業界です。
近年では地球温暖化や待機温泉などの環境問題に対応するためハイブリッド車の開発が盛んであり、徐々にEVへのシフトが進んでいます。
そんな自動車業界ですが、一般社団法人日本自動車工業会の調査によると2022年の四輪車国内生産台数は約784万台、国内での販売台数は約420万台と2018年を境に年々右肩下がりとなっている状況です。
半導体不足や新型コロナの影響により工場での生産が減少した影響が考えられます。
しかし海外での生産や輸出台数は増加傾向にあり好調を維持しているため、自動車業界として市場は安定していると言えるでしょう。
参考:経済産業省「2023年 産業別統計表」
参考:一般社団法人日本自動車工業会 2022年統計データ
自動車業界を取り巻く環境は厳しい?
自動車業界を取り巻く環境や将来性ですが、半導体不足の影響が長引いているため不透明感が否めません。
先進国を中心に高齢化や人虎現象が続いているため、自動車業界はこれまでのように車を大量生産して販売する流れではなくなるでしょう。
自動車業界の現状と将来性
現状各国でEV車の普及を促進させる政策に取り組まれているため、EV車の製造・販売の比重をどれだけ高くできるかが自動車メーカーが生き残るための鍵となりつつあります。
また自動車業界では「CASE」という戦略が注目をされています。
CASEとは「Connected(コネクテッド)」「Autonomous(自動運転)」「Shared&Services(カーシェアサービス)」「Electric(電動化)」の頭文字をとった言葉です。
自動車メーカーは従来の自動車を大量生産して販売する業態から自動車関連サービスを提供する業態への変革が求められており、この4つのキーワードに関わるサービスを提供できる企業が今後台頭してくると言われています。
自動車業界に向いている人物像
国内の自動車業界に向いている人物は、企業によっても異なりますが、挑戦する意識のある人です。市場規模が非常に大きく安定した業界のように捉えられがちですが、出荷台数は年々右肩下がりで車離れが加速している状況です。そのため、高い質を保ちつつも新たな打開策を見出せる、前向きに挑戦できる人物が求められ始めています。
また、海外に向けたグローバルな仕事ができる業界でもあります。よって、「日本のモノづくりを支えたい」「日本ブランドを世界に伝えたい」など、日本のモノづくりを代表する気概のある人も好印象を与えやすいです。自動車業界を今後さらに発展させる意識の高い人材が、業界全体で求められます。
自動車業界の動向とニュース
ここでは自動車業界にまつわる動向とニュースについて解説します。
政府による「2035年までに新車販売を電動車100%にする」という提言
政府は2021年に「2050 年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を公表しており、その中で「2035年までに新車販売を電動車100%にする」と提言しています。
この電動車にはハイブリッド車、EV、PHEVが該当するため、これら自動車の生産は今後急速に加速することとなるでしょう。
政府も電動車が稼働するためのインフラ整備や既存の自動車からの切り替えを促進させる施策をおこなうことが予想されます。
そのため今後は自動車メーカーだけでなく、あらゆる自動車関連産業が電動車に対応した製品やサービスをリリースすることが求められるでしょう。
自動車業界は自動車販売からサービス提供へ
「CASE」の戦略にも代表されるように、自動車業界は自動車本体の販売を中心とした業態から自動車関連サービスを提供する流れとなるでしょう。
日本でもトヨタ自動車がソフトバンクと協力し「MONET Technologies」と呼ばれる新会社を設立し、自動車サービスのプラットフォーム提供に動きを見せています。
この会社では、自動車を単なる移動手段ではなく、自動運転やAI技術を駆使して物流や医療など様々な分野での社会課題解決に繋げていくことを目的としています。
このように今後自動車業界では、テクノロジーを活用した新しいサービスがリリースされ、新たな業態へと変革することが予想されます。
リアルな業界を知るなら、TECHOFFERの活用が◎
さらに自動車業界の理解を深めるのであれば、実際に現場に触れてみることがおすすめです。なかでも、登録するだけで年間約20社からオファーが届く、TECHOFFERを活用してみると良いでしょう。自身の専攻・研究分野・希望職種や業界などのプロフィールを登録するだけで、無料で簡単に企業からのオファーを受けることができる就活サービスです。
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自動車業界で高評価を得られる自己PRの書き方
人気の自動車業界へ入社するために、高評価を得られる自己PRは必須です。ここからは高評価を得るポイントと書き方を解説します。自己PRを書く際の基本構成は、強み(結論)⇒具体的なエピソード⇒学んだこと⇒今後の展望の流れです。構成の流れについて、もう少し詳しく解説します。
≪例文≫
私の強みは自主的な目的の設定能力と行動力です。大学在学中は◯◯の研究に携わってきましたが、当時から◯◯職に就くことを意識して、基礎的な技術や応用研究に励みました。目的意識を持ち続けていた結果、研究の姿勢が評価されてリーダーを任され、◯◯に関する賞を貰うことができたのも良い思い出で、自信にもなりました。振り返ると失敗も沢山ありましたが、目的設定をして走りきれたことで、すべて学びになったと感じます。入社後も組織の目標はもちろん、自分自身の目標設定も行い、自己成長を通して組織へ貢献したいと考えていいます。
≪解説≫
例文を読むとわかりますが、強み(結論)⇒具体的なエピソード⇒学んだこと⇒今後の展望の流れの基本構成に従って展開されているため、非常に読みやすい内容となっています。目標設定をしていた結果、取り組む姿勢が評価されたこともわかり、真面目に仕事に向き合う人物像が好印象に映るはずです。
エピソードは、例文とは逆に失敗したエピソードでも構いません。失敗を学びとして成長の糧にできることを伝えれば、面接官への印象はおのずとアップします。一度作成したうえで客観的な視点で読んでみると、修正点もわかりやすいです。
自動車業界の志望動機を書く方法・例文
最後に、自動車業界の志望動機を書く基本的な方法と例文を紹介します。
志望動機を書く方法
自動車業界の志望動機を初めて書く場合は、基本構成に従って作成してみましょう。基本構成とは、以下4つの要素を含む構成です。
①志望動機を端的に述べる
②動機の背景を伝える
③企業を志望する理由を述べる
④入社後の展望を伝える
上記の順番に書いてみると、表現しやすく伝わりやすい志望動機が作成できます。まずはこの流れに従って志望動機を書いてみましょう。
≪例文≫
私が貴社への入社を志望する理由は、モノづくりを通して、よりよい社会の実現に貢献したいからです。学生時代に東南アジアへ留学した際に、日本のバイクやトラックが多く活躍している光景を目の当たりにし、日本のものづくりの偉大さに気づかされたことがあります。
現地の方は強くて性能の良いバイクやトラックを長く使い、「生活を支える仕事を行う上で欠かすことのできない大切なものだ」と語ってくれました。誠実で丁寧なものづくりは海を越えて人々を幸せにし、暮らしを豊かにしていることを強く実感しました。だからこそ、国内で最も質の高いものづくりを行う貴社へ入社したいと考えました。入社後は、製品をさらに良いものにするよう努力し続け、世界中の人々の暮らしの向上を実現したいと考えています。目標を実現するために、一日一日を大切に、技術や能力をしっかりと身につけていきたいと思います。
≪解説≫
例文も基本構成に従って書かれており、基本構成の順序でスムーズに話が展開しています。ちなみに、志望動機の使いまわしはNGです。志望する企業だからこそ湧き上がる思いを、しっかりとオリジナルで表現しましょう。
これは知っておきたいポイント!(まとめ)
動車業界は新型コロナ、半導体不足、少子高齢化など様々な課題が立ちはだかっている業界です。一方で市場規模は非常に大きく、現在でも日本を支える基幹産業の1つと言えます。
今後は自動車製造・販売中心の業態からサービス提供へシフトしていくことが予想されるため、自動車業界の動向を把握し自分のやりたい仕事と結び付けられるようにしておきましょう。
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