理系学生が目指す企業といえば、メーカーやIT系をイメージする方が多いのではないでしょうか。
昨今では、理系学生からほど遠いイメージのあるコンサルティング会社に就職する理系学生が増えています。
コンサルティング会社では理系学生が持つ考える力が活かせるため、想像以上に活躍の場が多くあります。
一方でコンサルティング会社がどのような会社かわからないため、目指しにくいと考える方も多くいるでしょう。
今回は理系学生にもおすすめなコンサルティング会社とは何か、コンサルティング会社の代表的な企業を紹介します。
コンサルティング会社に興味のある理系学生の方は、ぜひ参考にしてみてください。
コンサルティング会社とは?定義や仕事内容をわかりやすく解説
コンサルティングやコンサルタントという言葉はよく聞きますが、具体的にはどのような仕事を行っているのか見て行きましょう。
コンサルティングとは
コンサルティングとは、クライアントから相談を受けて、情報収集と分析をおこない、悩みの解決策を提示する業務を指します。
悩みや課題の内容は業界によって異なりますが、コンサルティング業務の流れは基本的にどの業界も同じ流れです。
コンサルティングを行う企業をコンサルティングファーム(firm=企業、会社)、コンサルティングを行う人をコンサルタントと言います。
現在では各業界でコンサルティングを依頼し、生産性の向上や合理化などを行っているため、多くのコンサルティングファームが設立されています。
コンサルティング業界の市場規模は年々拡大していることから、コンサルタントも注目を集める存在となってきました。
就活生の中にもコンサルティングファームを希望する学生が増え、現在では競争率も非常に高くなっている人気の職業です。
コンサルティング会社とシンクタンクの違い
シンクタンク会社は、コンサルティング会社と似たような業務をしていることから、違いがわからなくなる方もいるでしょう。
コンサルティング会社とシンクタンクの違いは、解決策の提示有無にあります。
シンクタンクは調査や分析を主な業務内容としており、コンサルティング会社のように解決策の提示まではおこなっていません。
なかには、解決策の提示まで担うシンクタンクもありますが、基本的には調査・分析までが担当範囲になります。
コンサルタントの役職と仕事内容
コンサルタントの役職は「部長」や「課長」といったものではなく、担当する業務の範囲で決まります。
というのもコンサルタントは、案件ごとにチームを組んで業務にあたります。
フレキシブルにチームを作るためにはある程度のまとまり(部のようなまとまり)は必要ですが、ガチガチに固める必要はないのです。
役職とその業務の内容は以下のようになっています。
役職 | 仕事内容 |
パートナー | コンサルティングファームの経営者であり、案件の獲得を行う(営業) |
マネージャー | プロジェクトの管理責任者。プロジェクトの進捗管理や顧客との折衝、予算管理などを行う |
コンサルタント | 調査方法や仮説の検証などの核となる部分のプランを立てて、アナリストに指示を出していくプロジェクトの核となる部分を担う |
アナリスト | コンサルタントの指示により、情報収集や分析の他、資料の作成を行う |
新卒の場合、キャリアのスタートは「アナリスト」となります。ここから経験を積んでステップアップすることになるのです。
コンサルタント・コンサルティング業界の年収
コンサルティング会社は、一般的な職業と比べて高い年収となっている傾向があります。
また一般的に日系企業より外資系企業の方が、高年収の傾向にありますが、コンサルティング会社においても、傾向に変わりはありません。
以下の表は、先ほど紹介したコンサルタントの役職と年収になります。
【外資系コンサルティング会社】
役割 | 年収 | 賞与 |
パートナー | 2,500万円以上 | 業績連動 |
マネージャー | 1,400~2,000万円 | 固定給の30% |
コンサルタント | 900~1,300万円 | 固定給の20% |
アナリスト | 500~800万円 | 固定給の20% |
【IT系コンサルティング会社】
役割 | 年収 | 賞与 |
パートナー | 2,000万円以上 | 業績連動 |
マネージャー | 900~1,400万円 | 固定給の30% |
コンサルタント | 500~700万円 | 固定給の20% |
年収を重視している方にとって、コンサルティング会社は魅力的な会社ですが、高い年収に見合うだけのパフォーマンスが求められる点は留意しておきましょう
参考:コンサルタント転職支援、実績No.1の人材紹介会社ムービン
コンサルティング業界の将来性・市場規模
IT専門の調査会社「IDC」が調査した結果によると、コンサルティング業界は2022年から2026年にかけて、市場の支出額が大きくなるとの予測結果を発表しています。
昨今は市場規模が縮小する業界も珍しくない中で、コンサルティング業界は短期的ではありますが、今後も成長が見込まれる業界との予測結果となっています。
自身が目指す業界の将来性は、職業を決める上で大きな要素です。
例えば、成長産業の業界に入ると人もお金も集まるため、自身の成長や条件の良い環境での労働につながるでしょう。
一方で、衰退している業界に入った場合に、あらゆる面で厳しい競争を強いられるのは火を見るよりも明らかです。
コンサルタントはやめとけといわれる理由
コンサルタントについて色々調べを進めていると、コンサルタントはやめておいた方がよいとの意見を目にする機会もあるでしょう。
コンサルタントはやめておけといわれる主な理由は、常に結果を出すことを求められ、肉体的にも精神的にもハードである点です。
コンサルタントへの依頼料は安くないことから、クライアントはもちろん、社内からも厳しいプレッシャーを受けます。
結果がすべての業界であるため、成果を出すためには長時間労働になるケースも珍しくありません。
肉体的にも精神的にも過酷な環境で働くことから、コンサルタントをおすすめしない方が多くいます。
過酷な環境以外にも以下の理由から、コンサルタントはやめておけといわれています。
- 周囲のレベルが高すぎてついていくのが大変
- 高速で学習することが求められる
- 特定分野に特化しにくいため
上記に当てはまる働き方が自分の価値観と合わない場合には、コンサルタントになるのを再検討した方がよいでしょう。
コンサルティング会社の種類と代表的な大手企業
コンサルティングファームにはいくつかの種類があります。代表的なものを紹介しましょう。
戦略系コンサルティングファーム
戦略系コンサルティングファームは、クライアントの経営戦略や新規市場の参入、M&Aといった経営における戦略的な分析や立案を行っています。
時にはクライアント企業の中に入って、実行面のサポートを行うこともあります。
戦略系コンサルティングファームは、アメリカやヨーロッパなどの外資系が大半を占めており、日本に拠点を置いて活躍しているケースがほとんどです。
代表的な企業として、マッキンゼー・アンド・カンパニーやボストンコンサルティンググループ、ドリームインキュベータなどが挙げられます。
総合系コンサルティングファーム
総合系コンサルティングファームは業務の幅が広く、かつ一貫した対応ができるのが特徴です。
数百〜数千名が在籍する規模の大きさを生かし、業種ごとの専門家と組織に関する専門家が共同してプロジェクトを動かしています。
クライアントの企業/事業の戦略立案やIT等のシステム構想、業務のアウトソーシングまであらゆるプロジェクトを動かしています。
時に他のファームとも連携し、単独のファームではこなせない大きな案件を受注することが可能なファームです。
代表的な企業として、アクセンチュアやデロイトトーマツコンサルティングなどが挙げられます。
シンクタンク系コンサルティングファーム
シンクタンク(Think Tank)とは、直訳すると「頭脳集団」を意味する言葉です。
経済調査を行うイメージがありますが、コンサルティングファームですので純粋な研究機関とは異なります。
官公庁向けのリサーチやITコンサル、マネジメントコンサルなど様々なコンサルティングを行っており、総合系コンサルティングファームと同じ規模を誇るファームも存在します。
シンクタンク系コンサルティングファームは、大手金融機関や大手企業をバックに持っていることがほとんどといっていいでしょう。
代表的な企業として、野村総合研究所、NTTデータ経営研究所などが挙げられます。
IT系コンサルティングファーム
IT系コンサルティングファームは、他のファームと比べると規模は大きくありません。
しかし、企業経営に欠かせない会計や業務処理などのシステムの設計や構築を担ったり、既存システムの改良を行ったりとプロジェクトの数は少なくありません。
システムインテグレーター(SIer)にも同様の役割が必要なため、SIerの中にITコンサルタントを置いている場合もあります。
代表的な企業として、IBMや日本オラクル、三菱総研、日本総研、アビームコンサルティングなどが挙げられます。
TECH OFFER にも掲載されている企業も複数あります。
財務・会計系コンサルティングファーム
もともとは会計事務所や監査法人など、財務や決算などの支援をしていた企業がコンサルティング事業を展開したのが財務・会計系コンサルティングファームです。
IT系コンサルティングファーム同様、財務や監査などの分野に特化したコンサルティングを行っており、財務面の経営計画の策定や株式公開の支援などに関わるプロジェクトが多いのが特徴です。
代表的な企業として、デロイト トーマツ コンサルティングなどが挙げられます。
コンサルティング会社はクライアントの規模でも分類される
コンサルティング会社は専門分野でも分類ができますが、クライアントの規模からも分類ができます。
本章では、大企業向けと中小企業向けのコンサルティング会社を紹介します。
大企業向けのコンサルティング会社
大企業向けにコンサルティングをするには、大きな組織を動かすだけのノウハウが必要になります。
大手企業向けの主なコンサルティング会社は、以下のとおりです。
- ・デロイトトーマツコンサルティング
- ・PwCコンサルティング
- ・アクセンチュア
- ・野村総合研究所
- ・ベイン・アンド・カンパニー
どのコンサルティング会社も大手と呼ばれるコンサルティング会社であり、大企業を相手にできるだけの力量を持った企業ばかりです。
中小企業向けのコンサルティング会社
中小企業向けのコンサルティングは大企業向けとは異なり、予算も人手も限られることから効果的な一打を打てる力量が求められます。
中小企業向けの主なコンサルティング会社は、以下のとおりです。
- ・船井総研
- ・タナベコンサルティング
- ・ビジネスブレイン太田昭和
- ・みらいコンサルティング
- ・AGSコンサルティング
紹介したコンサルティング会社は専門分野を持っており、課題に対応できるノウハウを有している企業になります。
日系コンサルと外資系コンサルの違い
日本には多くの外資系コンサル会社が進出していることから、日系コンサルとの具体的な違いが気になる方は多いでしょう。
日系コンサルと外資系コンサルには以下のように多くの点で違いがあるため、特徴を理解して自身に合った会社を選ぶ必要があります。
日系コンサル | 外資系コンサル | |
案件方式 | 顧問制 | プロジェクト制 |
企業風土 | 成果主義と年功序列の併用 | 成果主義 |
年収 | 一般的な年収より高い | 日系コンサルより高い |
労働時間 | 繁忙期で残業時間40~50時間 | 繁忙期で50時間~100時間以上 |
日本のコンサルティング会社のランキング
本章では、日本のコンサルティング会社の年収を基にランキングを作成しています。
ランキングをきっかけに、日本のコンサルティング会社への理解を深めてください。
以下は、日本のコンサルティング会社の年収ランキングは以下となります。
順位 | 社名 | 年収 |
第1位 | ドリームインキュベータ | 約1,776万円 |
第2位 | フロンティア・マネジメント | 約1,257万円 |
第3位 | 野村総合研究所 | 約1,242万円 |
第4位 | ベイカレントコンサルティング | 約1,117万円 |
第5位 | 三菱総合研究所 | 約1,024万円 |
コンサルティング会社が理系学生を採用したい理由
コンサルタントの業務と理系学生の資質は親和性が高いといわれています。その理由についてご説明しましょう。
理系学生の強み①仮説検証プロセスに強い
コンサルタントはクライアントが抱える問題に対して、原因を分析し解決へと導くのが仕事です。
理系の学生は普段から、研究のテーマに基づいて様々なデータの中から理論的に考え、仮説を立てて実験の方法を決定し、得られた結果から「上手くいった理由」や「上手くいかなかった理由」を分析して次へ続けるというプロセスを繰り返し行っています。
これは「コンサルティング」の手法と非常によく似ています。
文系学生と異なるのはこのプロセスが身に付いているかどうかという点であり、理系学生の強みのひとつといえるでしょう。
理系学生の強み②理論的な思考力
コンサルティングファームが理系学生を評価する理由のひとつに、論理的な思考力が挙げられます。
もともと理系学生は地頭の良さに加え、情報収集や分析能力に優れています。
加えて、結果が出るまで何度も実験を繰り返す忍耐強さも持ち合わせているのです。
クライアントの問題を解決していくためのシミュレーションを納得いくまで行い、結果を出す最適な案を追求するという姿勢は、十分なパフォーマンスを発揮できるといえます。
理系学生の強み③技術に明るい
鉄鋼メーカーであれば鉄鋼分野の、IT業界であればIT分野の技術・知識がなければ、働く上で話にならないでしょう。
理系の学生は自分の得意とする分野の技術に明るいのはもちろん、それ以外の技術の基本的な素養を持ち合わせています。
専門外であったとしても、ベースの知識があるのとないのでは大きな違いがあります。
IT系のコンサルティングファームであれば、プログラミングの知識があるのは大きな強みとなり、金融系であれば数字に強いのは有利になります。
経営戦略系や総合系のコンサルティングファームでも、さまざまなコンサルタントが必要であるため、それぞれの得意分野を生かせる部門が存在しています。
コンサルタントに向いている人の特徴
コンサルティング会社が理系学生を採用したいのは、高い論理的思考力を持っているためです。
企業が抱える問題を解決するための戦略を考え出すには、高い論理的思考力が必要になるからです。
一方で高い論理的思考力を持っている方のすべてが、コンサルタントに向いているとは限りません。
高い論理的思考力の他にも、コンサルタントには対人スキルが欠かせない能力になるためです。
コンサルタントは自分のチームはもとより、問題解決のため、ときにはクライアント自身に動いてもらう必要があります。
コンサルタントがお願いする内容が、クライアントとって気持ちの良い内容ではないケースも少なくありません。
腰の重いクライアントに動いてもらう対人スキルも、コンサルタントには必要になります。
高い論理的思考力と対人スキルを持っている方が、コンサルタントに向いている人といえるでしょう。
理系学生がコンサルティング会社を目指す際のポイント
本記事ではコンサルティング会社とはどのような会社か、どのような方が向いているのかを解説してきました。
読者の方の中には、コンサルティング会社を目指してみようと検討を始めた方もいるでしょう。
本章では理系学生がコンサルティング会社を目指す際のポイントを4つ紹介します。
就活は早めに動き始める
コンサルタント会社を目指す場合、就活は早めに動き始めましょう。
理由は大きくわけて2つあります。
1つ目はそもそもコンサルティング会社の選考期間が早いためです。
特に外資系コンサルティング会社では、秋に選考がおこなわれるケースも少なくありません。
早めの選考期間に対応するためには、早めに動く必要があります。
2つ目は念入りな準備をするためです。
コンサルティング会社の選考では、数的推理や判断推理といった他の業界にはない選考問題がでます。
当然、問題にしっかりと回答できないと選考は通らないため、対策が必要です。
選考期間や選考対策のためにも、コンサルティング会社を目指すのであれば、早めに動く必要があります。
インターンシップに参加しておく
コンサルティング会社を目指すのであれば、インターンシップには参加しておくとよいでしょう。
理由は大きく分けて、2つあります。
1つ目は本当にコンサルティング会社に向いているかが、わかるためです。
「百聞は一見に如かず」という言葉があるとおり、実際にコンサルティング会社に触れた方が自身が持つ素養の判断がつきます。
コンサルティング会社は基本的に「アップorアウト」の文化であるため、コンサルタントに向いていない方が勤め続けるのは厳しい業界です。
インターンシップに参加して、自身の素養を見極める機会を作りましょう。
2つ目は選考に影響するためです。
コンサルティング会社の中には、インターンシップが評価対象となり、選考に影響を及ぼすケースは少なくありません。
インターンシップに参加する場合には、既に選考が始まっていると考えて臨むようにしましょう。
面接対策を万全にしておく
どのような企業・業界を受ける場合も、面接対策は重要です。
競争の激しいコンサルティング会社を受ける場合は尚更、万全の準備をして臨みましょう。
特に研究内容とは異なるコンサルタント業界を目指す場合、研究分野に進まない理由は必ず聞かれるので準備が必要です。
また面接の中でも論理的思考力は必ずチェックされます。
模擬面接で繰り返し練習をおこない、上手に答えられるように訓練しておきましょう。
スカウトサービスを活用する
コンサルティング会社を目指す場合、従来どおりの就活方法で目指すのも1つの方法です。
昨今ではスカウトサービスを活用して、コンサルタント会社を目指すルートも開拓されつつあります。
スカウトサービスとは学生が登録したプロフィールや経歴を基に、企業が学生へスカウトメールを送るサービスです。
コンサルティング会社の中には、一般的な採用方法の他に、スカウトサービスを利用して採用をしている企業もあります。
数あるスカウトサービスの中で、理系学生におすすめしているのは『TECH OFFER』です。
TECH OFFERは理系学生に特化したスカウトサービスであり、理系学生を採用したいコンサルティング会社も多く利用しています。
TECH OFFERに登録した理系学生は平均で20社からオファーがあるため、コンサルティング会社からのオファーも実現する可能性は十分にあります。
会員登録はたったの3分なので、コンサルティング会社を目指す方はぜひこの機会に会員登録をしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回はコンサルタント会社とは何か、理系学生でもコンサルタントを目指せる理由を解説しました。
重要なポイントをおさらいします。
- ・コンサルタントの業務と理系学生の資質は親和性が高い
- ・コンサルタントに特に必要なものは「理論的思考」と「コミュニケーション能力」
- ・採用方法が独特なため、特別な準備が必要