鉄道業界は身近な業界のため、どのような仕事をしているのか想像しやすい業界です。

多くの方を支えていることや地域貢献など、わかりやすい魅力があるため、志望する方も多いでしょう。

一方で、一昔前と鉄道業界は状況が異なっており、大きな課題に対応することを迫られています。

鉄道業界を志望する場合には、業界研究は必須な状態です。

今回は鉄道業界の各データや将来性、業界研究の方法を解説します。

鉄道業界を志望している理系就活生は、ぜひ本記事を参考にしてください。

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世界水準の鉄道業界を知るためには業界研究を

世界水準の鉄道業界を知るためには業界研究を

私たちが何気なく乗っている鉄道ですが、世界水準の安全性を誇っています。

特に、高速鉄道における事故死者数は、1964年の稼働以来0人など際立った数字を残しています。

鉄道業界は知っているようで知らないことが多くあるため、業界研究は必要な状態です。

本章では、私たちの日常を支える鉄道業界の魅力を解説します。

参考:国土交通省 鉄道システムの海外展開の状況について

鉄道業界は日本の”足”を支える重要な業界

日本では各地に鉄道が走っているため、一度は鉄道を利用したことがあるでしょう。

特に、都市圏では通勤通学の“足”となっており、日々の仕事や生活を支える存在です。

昨今では各都市圏でも鉄道の利用率が高まっており、ますます重要性が増しています。

鉄道は旅客鉄道の他にも貨物列車があり、各地への輸送に貢献しています。

参考:日本交通政策研究会 公共交通の現状

鉄道業界の市場規模は回復傾向

鉄道業界の市場規模は回復傾向

業界研究をする上で業界の市場規模はチェックすべき項目であり、鉄道業界がどのようになっているのか気になる方は多いでしょう。

鉄道業界の市場規模は、コロナ禍の減少から回復傾向にあります。

2019年に8.2兆円だった売上高が、コロナ禍の2020年は5兆円に減少しました。

2021年の売上高は5.8兆円に上がり、回復傾向にあります。

今後もしばらくは売上高が伸び続け、上向きの状態が続くと予想されます。

参考:総務省 統計局 2022 年経済構造実態調査二次集計結果を公表

鉄道業界の課題:人口減少への対応

鉄道業界の課題:人口減少への対応

市場規模と同様に業界研究で押さえておくべきなのは、課題です。業界がどのような課題を抱えているのかを知らなければ、入社後はもちろん面接時にも対応に困るでしょう。

鉄道業界が抱える課題は、少子高齢化による人口の減少です。

鉄道業界の中でも旅客鉄道は、乗せた人が多ければ多いほど売上が伸びる構造です。

少子高齢化により人口が減少すると、鉄道に乗る人の数が単純に減るため、売上が期待できなくなります。

国内では今後も人口が減少し続けており、どのように対応するかを鉄道業界では問われています。

鉄道業界を目指すなら知っておきたい鉄道会社と特徴

鉄道業界を目指すなら知っておきたい鉄道会社と特徴

鉄道業界には、インフラを整備するだけの大きな資本を持つ企業が参入しています。

自然と数も少なくなるため、業界研究をするのであれば鉄道業界の企業も同時に押さえておきましょう。

以下は主要な鉄道会社と特徴になります。

  • ・JR東日本:関東・甲信越・東北にかけた広大な地域を手がける鉄道会社であり、年間輸送人数は世界TOPレベル
  • ・JR東海:名古屋・静岡地区を手がける鉄道会社、東海道新幹線が大きな収益要素
  • ・東京メトロ:都心の地下鉄を運営する鉄道会社、売上の8~9割が運輸事業

鉄道業界の代表的な職種と仕事内容

鉄道業界の代表的な職種と仕事内容

駅員や整備員の方が思い浮かびますが、実は鉄道業界ではさまざまな職種の方が働いています。鉄道業界の代表的な職種と仕事内容は、以下のとおりです。

  • ・乗務員:駅や窓口業務、鉄道の運転
  • ・整備:車両点検や線路の保守、構造物の点検
  • ・営業:イベントの工法や宣伝、招致活動
  • ・システム開発:運行システムやネットワークの開発・保守
  • ・不動産開発:線路沿いの土地や建築物の開発・保守

鉄道業界の将来性は主に2つの方向性がある

鉄道業界の将来性は主に2つの方向性がある

鉄道業界の今後は、人口減少による売上の減少に、どうやって対応するかにかかっています。現在は、海外展開と非鉄道事業の2つに力を入れる方向で対応をしています。

1つ目の海外展開は、国内だけでなく国外もターゲットに鉄道事業を展開して、新たに収益源を得ようとする動きです。

国土交通省が調査したデータによると、海外での車両分野を含めた鉄道産業全体の市場規模は年間約30.3兆円となっています。

市場規模は日本よりはるかに大きく、市場に食い込めれば、新たな収益源となるでしょう。

既にJR東日本がインド高速鉄道のプロジェクトに参加するなど、海外展開は始まっています。

2つ目の非鉄道事業は、駅の乗降客をターゲットにしたビジネスです。

駅内部や駅近くにスーパーやホテル、レジャー施設を展開して駅を利用する乗降客からの売上の向上を狙っています。

また、イベントや人気キャラクターとのコラボ企画など、駅への集客を増やす取り組みもおこなっています。

参考:国土交通省 鉄道システムの海外展開の状況について

鉄道業界の大手データ比較:売上・利益・利益率

鉄道業界の大手データ比較:売上・利益・利益率

鉄道業界の各社データを比較して、状態を把握するのも業界研究には欠かせません。

各データをみると売上高はJR東日本の高さが目立ちますが、利益率はJR東海が群を抜いた状態になっています。

企業名売上高経常利益売上高経常利益率
JR東日本2兆7,301億円2,966億円10%
JR東海1兆7,104億円5,469億円31%
JR西日本1兆6,350億円1,673億円10%
近鉄1兆6,295億円846億円5%
東急1兆378億円992億円9%

参考:東日本旅客鉄道株式会社 有価証券報告書 2024年3月期

参考:東海旅客鉄道株式会社 第37期有価証券報告書

参考:西日本旅客鉄道株式会社 有価証券報告書 2024年3月期

参考:近鉄グループホールディングス株式会社 第113期

※近鉄グループのデータを表示

参考:東急株式会社 2024年3月期(第155期)

※東急全体のデータを表示

鉄道業界の業界研究の方法・仕方

鉄道業界の業界研究の方法・仕方

昨今の鉄道業界は鉄道事業以外にも多くの事業を手がけており、調べることはまだまだあります。

本章では、改めて鉄道業界における業界研究の方法を解説します。

鉄道業界・業種の特徴や市場規模、職種などの調べる

基礎知識が抜け落ちたまま、業界研究を進めると効率が落ちるため、鉄道業界を全体から見つめて、理解を深めましょう。

鉄道事業の規模感や職種はイメージがしやすい一方で、不動産事業やレジャー事業など一般的には知られていない事業を手掛けているケースがあります。

業種内の企業を深掘りして調べる

業界研究を通じて、気になる業種・企業があれば、深掘りしてさらに研究を進めます。

鉄道業界の場合、業種に携わる企業が少ないことは珍しいことではありません。

業種の深掘りが企業研究と同じになるケースがありますが、業種の理解が深まるのであれば問題ありません。

各業種のビジネスモデルや業種内の競合、課題などを調べましょう。

鉄道業界に向いている人は顧客志向の人

鉄道業界に向いている人は顧客志向の人

鉄道業界に興味はありつつも、自身が鉄道業界に向いているのか不安に思う方は多いでしょう。

端的にいうと、鉄道業界はお客様を中心に動いている業界のため、顧客志向の強い方が向いているといえます。

本章では、鉄道業界に向いている人を解説します。

時間・ルールを順守する責任感がある方

鉄道は時間どおりに動かなければ、仕事やプライベートなどに支障をきたすため、多くの方に迷惑がかかります。

また、鉄道業界にはさまざまなルールがありますが、どれも安全を守るための規則です。

時間やルールを守れる責任感の強い方が鉄道業界に向いているといえます。

ダイバーシティに対応できるメンタリティ

鉄道を動かすためには駅員や整備員はもちろん、乗務員や清掃員などさまざまな方の協力が必要です。

立場や価値観が異なる方々と、一つも目的に向かって働ける柔軟なメンタリティを持つ方が鉄道業界に向いています。

また、インバウンド需要の増加が示すとおり、鉄道を利用する外国人の数は年々増加しています。

海外のお客様を受け入れるためにも、柔軟な姿勢は必要です。

新しい物事に挑戦するチャレンジ精神

鉄道業界は少子高齢化による人口減少の影響を大きく受けるため、新しい事業にチャレンジする必要があります。

新しい物事にチャレンジできるメンタリティや失敗を恐れない精神力は、今後の鉄道業界では大きな武器となります。

鉄道業界を志望する志望動機例

鉄道業界を志望する志望動機例

業界研究を通じて、鉄道業界で志望する企業が見つかった場合、エントリーをする流れになるでしょう。

ですが、エントリーには志望動機が必要であり、うまく作れずにエントリーに踏み切れない方は少なくありません。

以下に紹介するのは、鉄道業界を志望する志望動機例となりますので、ぜひ本記事を参考にしてください。

「私が鉄道業界を志望するのは、鉄道の利便性を生かして多くの人を豊かにしたいと考えたからです。

私は新たに開発された駅近くに引っ越したことをきっかけに、生活が一変しました。

これまでは買い物や趣味のトレーニングも遠くまで通う必要がありました。しかし、駅に併設されたスーパーやジムのおかげで近くで用事が済むようになりました。

生活の質が大きく変わったと実感しており、私のように不便を感じる方の生活の質を上げるサポートをしたいと考えるようになりました。

私が御社を志望したのは、駅の再開発を多く手掛けており、駅ナカや駅近を改善した実績を持つ点に魅力を感じたためです。

御社も地方から日本を便利にするとのスローガンにも魅力を感じております。

御社に入社後は一日でも戦力となり、御社を支えていきたいと考えております。」

鉄道業界を志望するならスカウトサービスを利用しよう

鉄道業界を志望するならスカウトサービスを利用しよう

鉄道業界を志望するのであれば、企業への応募に加えてスカウトサービスの活用を検討しましょう。

スカウトサービスとは、学生の登録した情報を基に企業が学生へスカウトを送るサービスです。

スカウトの内容は選考会や説明会の案内、ミーティングの誘いなどさまざまです。

スカウトサービスは数多くありますが、理系就活生におすすめなのが理系学生に特化した『TECH OFFER』です。

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『TECH OFFER』でしか出会えない企業もあるため、ぜひこの機会に登録してみてはいかがでしょうか。

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まとめ

今回は鉄道業界の各データや将来性、業界研究の方法を解説しました。

今回解説した内容をまとめると以下のとおりです。

  • ・鉄道業界の市場規模は回復傾向
  • ・鉄道業界の課題は人口減少
  • ・課題への対応策として海外展開と非鉄道事業に注力している

鉄道業界は安定的な業界のため、目指そうとしている方は多いでしょう。

本記事を参考にしていただき、鉄道業界の課題や将来性について理解を深めましょう。