新卒就活生にとって「売り手市場」といわれる現状ですが、それでも就活はきつく、つらいものです。8割の学生が就活に不安を感じている、という報道もあります。一部の人を除けば、誰でも一度や二度は「就活やめたい…」と思ったことがあるでしょう。
「就活やめたい…」と思ったら、どのように気持ちを立て直したら良いのでしょうか? 本記事では、メンタルを悪化させる前に気持ちを立て直し、前向きに就活に取り組める方法を紹介します。
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「就活やめたい…」と思うのは?
就活生はなぜ「就活やめたい…」と思うのでしょうか? その代表的な理由を整理します。
落とされる理由がわからないから
エントリーシートや面接で不採用になったとしても、多くの場合、不採用の理由はよくわかりません。企業の採用基準は明確ではなく、時には連絡さえないまま時間が経過し、「連絡がないということは不採用なのだろう」と考えるしかない場合もあります。
不採用の理由が不透明だと、改善すべき点が分かりません。自分で振り返っても「あそこで〇〇と言ったのが悪かったのか、それとも△△と言ったことだろうか」と疑心暗鬼になるばかりで、こうした不明瞭さがストレスにつながります。「正解」がわからない不確かさやフィードバックの不足は、次に向けての対策を講じる難しさを引き起こします。
自分が否定されたように感じるから
面接や選考過程での不採用の知らせによって、自分を否定されたように感じ、自己肯定感が下がってしまう場合があります。
採用プロセスでは、エントリーシートや面接を通じて、「自分がどんな人間なのか」をPRし、理解してもらおうと努めます。そこで「不採用」とされると、自分の人間性が否定されたように感じてしまうのです。
実際には、採用は、企業が求める人材と一致するかどうかで決まるため、「不採用=その就活生に価値がない」ではありません。しかし、実際に不採用になってしまうと、就活生の自己肯定感はそのたびに削られ、それが続くと自分が無価値になったように感じられます。こうして就活を続ける自信がなくなることがあります。
周囲が次々に内定を取っていくから
同期や友人が次々と内定を獲得している中で、自分がそうでない場合、焦りから「就活をやめたい」と感じることがあります。受けては落とされることが続く中で、内定を取った人に対してうらやましいという気持ちや劣等感、自分だけが取り残されたような不安感などがストレスの原因となり、就活がつらくなる場合があります。
「就活やめたい…」と感じた時の7つの対処法
就活では、どれだけ真剣に自己分析や自己PR、志望動機を作成し、面接の練習をしたとしても、そのことがストレートに採用に結びつくわけではありません。まじめに取り組んだのに失敗し、傷ついたり、自己否定に陥ったり、「就活やめたい…」と感じた時に試してほしい対処法を紹介します。
しばらく就活から離れてみる
就活生の多くは、3年になると、息をつく暇もなく就活スケジュールに追われます。会社説明会やセミナーに足を運びながら、自己分析や業界・企業研究を行い、Webテストや筆記試験対策、エントリーシート作成、面接…。何社もにエントリーシートを提出し、面接を受けます。こうした忙しい日々に疲れてしまったら、思い切って数日間、就活から離れてみましょう。一時的に就活に距離を置くことで、就活のプレッシャーやストレスから解放されます。就活を忘れて趣味や他の活動に時間を充て、気分をリフレッシュさせましょう。
キャリアセンターやエージェントと相談する
就活生は慢性的に情報不足の状態に置かれています。企業は選考過程を明らかにせず、採用か不採用かも明らかにしない場合が少なくありません。多くの就活生は、そうした不安からSNSの情報などに頼りがちになります。しかし、匿名の情報がどれだけ信憑性があるのかわからず、結局不安の解消にはなりません。
こんな時、キャリアセンターや専門の就活エージェントに相談することで、自分の状況や進路について客観的な意見を得ることができます。アドバイスを受け、新たな視点を得ることができます。
OB、OG、友人と相談する
過去に就活を経験した先輩や友人に相談することで、実際の経験からアドバイスをもらえます。就活のつらさもやめたくなった気持ちも、同じように経験し、乗り越えてきた先輩や友人の話を聞くことで、自分の状況を客観的に評価できます。
これまでとは違うアプローチを取る
応募先の業界や企業、職種を変えてみることで新たな可能性が広がります。自分の強みを活かせる別の選択肢を模索してみましょう。
ここでもう一度、面接の基本に返ってみるのも良い方法です。次の記事を参考にしてください。
もう一度自己分析を行う
自分の価値観やスキル、興味を再確認し、それに基づいてどのような仕事が合っているかを改めて考えます。自分自身を深く知ることが新たな進路を見つける手助けになります。
自己分析については以下の記事でも詳しく説明しています。ぜひ参考にしてください。
別の進路を検討する
就活だけでなく、留学や資格取得、公務員、起業など他の進路を検討することも一つの方法です。実際に実行するかどうかはともかく、別の選択肢もありうること、また、その選択肢をめぐるメリットやデメリットを調査することで、現在の就活を別の角度から見ることができます。
心理カウンセラーに相談する
心理的な負担やストレスを感じている場合は、心理カウンセリングを受けることで心の健康をサポートしてもらえます。専門家の視点からのアドバイスが心の軸を整えるのに役立ちます。
就活をやめた場合のキャリアプランはどうなる?
就活をやめた場合は就職浪人するか、大学院に進学するか、フリーランスになるかのいずれかを選択することになります。3つの選択肢について、詳しく見ていきましょう。
既卒が不利な理由
就活を1年先送りにし、就職浪人を考える人もいます。しかし、就職浪人は新卒ではなく、既卒の扱いになり、就職では不利になることを理解しておきましょう。
既卒が不利になるのは、主に3つの理由があります。
- ・企業の多くが「新卒主義」を採っている
ほとんどの企業は「新卒枠」と「中途採用枠」で募集を行います。既卒生は「中途採用枠」で応募することになりますが、新卒枠に比べて人数は限られます。
- ・既卒は実務経験のある転職者に比べて不利になる
中途採用枠では、数少ないポストをめぐって、実務経験がありスキルを持った転職者と競わなくてはなりません。初職が「非正規」の扱いとなる既卒生は、スタート時点でハンデを背負うことを理解しておきましょう。
- ・大学のキャリアセンターなどのサポートを受けられない
既卒生を対象とするエージェントなどはありますが、卒業してしまうと大学のサポートを受けることはできません。
このような理由から内定を得られなかった多くの理系学生が、大学院進学に進路を切り替えています。また、文系を中心に就職留年という手段をとる学生もいます。
やりたい目標があるなら大学院も
進路を大学院に切り替え、より専門的な知識やスキルを身につけるのも、ひとつのやり方です。
自分の専攻分野の大学院を卒業した人が、どのような分野に進んでいるか、就職状況や研究室の傾向などの情報収集を行い、修士課程修了後にどのような進路を採ることができるのかを検討します。実際に大学院への進学を決めたら、4年生の夏または冬に向けての試験準備に取り掛かります。
大学院進学も考えている人は、次の記事が参考になります。
ただし、就職浪人(留年)も大学院進学も、一時的な延期に過ぎず、1年もしくは2年後に就活を再開することになります。やりたい研究や、自分にプラスになる資格の取得など、具体的な目標があるなら検討する価値はあるでしょう。しかし、たんに繰り延べるだけなら、就活の面でも、自分自身のキャリアの面でも、プラスにはなるとはいえないため、慎重に検討してください。
フリーランスは中長期的なキャリアプランが不可欠
例えば、Webデザイナーとして高いスキルを持っていれば、高単価の仕事を受注でき、フリーランスとして十分に生きていくことができます。しかし、スキルを持っていなければ、低単価の仕事しかなく、最低賃金の保証も整っていません。
また、何年か正社員として勤務し、そのプロセスでスキルを身につけた後、フリーランスに転身した人も多くいます。将来的にフリーランスの道を選ぶにしても、正社員の経験はプラスになるでしょう。
そのため、正社員の経験抜きでフリーランスの道を考えるのであれば、どのようにスキルを身につけ、そのレベルに到達するまでどうするのか、3年後、5年後、10年後の中長期的プランを立てましょう。
「就活やめたい…」がネガティブループに陥らないために
内定が出たことで心にゆとりが生まれ、次の面接でものびのびと自分の考えを述べることができ、結果的にいくつも内定をもらえる、という良いループをつかむ人がいます。反対に、不採用となり、自信を失い、次の面接でも実力が発揮できなくなり、次でも不採用となり、さらに自信を失う、というネガティブなループに陥るケースもあります。
ひとつの不採用が、ネガティブループの入口にならないようにするために、次の8つの方法を試してください。
自分を責めるのはやめよう
仮に不採用となったとしても、それは企業が求める能力と、就活生が提供できる能力が一致しなかっただけにほかなりません。不採用はその人が持っている価値とは関係ないことを忘れないでください。
◯◯が悪かった、〜で失敗した、と過度の原因分析も、正解がない面接では、あまり意味を持ちません。思い通りにならなかった結果は忘れ、次に気持ちを切り替えましょう。
親から距離を取るのも場合によっては大切
保護者によっては、いろいろとアドバイスをしてくれる保護者もいます。しかし、保護者が経験してきた就活と現在では、社会情勢も違えば労働環境も、仕事の捉え方もちがいます。
的外れなアドバイスは無視し、子どものことを思ってくれる気持ちだけを受け取って、気持ちのうえでも距離を取ってみるのもいいかもしれません。
なりたい自分をイメージしよう
来年、再来年、5年後、10年後の自分をイメージするのも良い方法です。仕事をしている自分、会議で発言したり、開発に携わる自分の姿を、できるだけ精緻にイメージしてみましょう。正確なイメージには、経験者に質問したり、情報収集することが不可欠です。その結果、イメージトレーニングだけでなく、情報収集や整理にも役立ち、仕事そのものへの理解も深まるでしょう。
体を動かしてみよう
「なんでダメだったんだろう」「自分なんてもうダメだ」などのネガティブな思考は、意識的に追い払おうとしても無理な場合があります。そんな時には、体を動かしてください。
ウォーキングやストレッチなどの軽い運動は、メンタルの回復に効果があります。好きな音楽を聴きながらウォーキングすることで、心のもやもやを晴らしましょう。
就活を早く終わらせる3つの方法
上記で紹介したように、メンタルを回復する方法はいくつかありますが、最大の特効薬は「内定」です。足を棒にして歩き回らなくても、いちはやく内定を取り、就活を終わらせる方法を紹介します。
オファー型サイトに登録する
オファー型サイトでは、企業が求める人材に一致した就活生が、企業からオファーを受けることができます。自分の希望条件やスキルを登録するだけでオファーが来るので、就活生にとっては自ら企業を探しに行く手間を省きながら、早期に内定を獲得するチャンスが広がります。
TECH OFFERでは、自身の専攻や研究分野・志望する業界や職種を無料登録しておくと、企業からのオファーを受けられます。説明会やインターンだけでなく、採用面接へのオファーも届くので、早めの登録が有利です。説明会や面接を経験しながら面接対策を進めれば、効率的に就活を進められます。登録は下記リンクから数分でできるため、まずはプロフィールを入力することから面接対策を始めましょう。
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就活エージェントに登録する
就活エージェントは、就活生にアドバイザーが付き、就活をサポートしてくれるサービスです。アドバイザーは就活生のヒアリングを行い、エージェントのネットワークを活かして就活生の希望や適性に合った企業を提案します。エージェントが直接企業と連携して選考の段取りなどを決めてくれるため、スムーズに選考を進められ、迅速に内定を取ることが可能です。
選考直結型イベントに参加する
選考直結型イベントは、企業と直接交流できる機会を提供してくれます。複数の企業が参加する合同説明会に近いものですが、説明会だけでなく選考のプロセスもセットになっているのが特徴です。これらのイベントに積極的に参加し、企業との対話や面接機会を確保することで、効果的に選考プロセスを進め、早期に内定を手に入れることができます。
メンタルケアをしながら就活を乗り切ろう
就活は自分の努力だけでどうにかなるものではありません。どれだけ頑張って自己分析を行い、何時間もかけてエントリーシートを作成したとしても、それが内定に結びつくとは限りません。
仮にうまくいかなかったとしても、過度に自分を責めないようにしましょう。毎日の生活を就活一色にするのではなく、授業やサークル、友人関係や趣味の時間などを確保しつつ、自分のメンタルのケアをしながら就活を乗り切ってください。
就活は、現代の学生にとって社会人になるための一種の通過儀礼ともいわれます。つらい就活を早く終わらせる工夫をしながら、乗り切ってください。応援しています。
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