こんにちは!理系学生情報局です。

「大学院は何をするところなのか」について把握しておくことは、進路を考える上で非常に大切なタスクのひとつです。理系学生の皆さんの中には、就職か進学かを迷っている方もいるのではないでしょうか?まずは大学院で得られる進学のメリットやデメリットを知ることが重要。大学院の特性を把握すれば、おのずと進路も明確になるでしょう。

今回は「大学院は何をするところなのか。理系学生なら知っておきたい進学のメリット・デメリット」について丁寧に解説します。進路を迷った際のアクションについても紹介しますので是非ご参考ください。

▼あなたに合った企業の情報が届く▼
TECH OFFERで優良オファーを受け取る

大学院とは?

大学院とは?

そもそも大学院とは何をするところなのでしょうか?「院進したら2年通って卒業」「より専門的な研究を行えるところ」などのイメージが一般的に多いと思います。しかし、大学院にも4種類あり、なかには5年通う場合も。ここでは大学院の基本情報について解説していこうと思います!  

4つの種類がある

大学院には①学部を持つ大学院②独立研究科③大学院大学④専門職大学院があります。


①学部を持つ大学院


これは学部組織の上級機関となる研究科を持つ大学院のことです。
例えば、工学部のある大学に工学研究科という研究機関が、理学部のある大学に理学研究科という研究機関があるなどのケースです。
学士過程で得た知識を活かし、より専門的な研究を行う場所となります。ほとんどの理系学生はこの大学院に進むこととなるでしょう。


②独立研究科


①とは逆に学部組織を持たない研究機関のことです。
学部にこだわらず、様々な学部出身の学生を受け入れます。そのため、様々な分野の学問を融合しながら研究を進めることで、新しい視点、新しい研究ジャンルを生み出せるようにしています。例としては「エネルギー科学研究科」です。国際的視点や環境問題、エネルギー問題など、文理両方の知識を活かして研究を行います。


③大学院大学


これはそもそも学部組織が存在していないものについて研究を扱っている機関です。つまり、その研究で使うために必要な知識を得るための学士課程がないということ。例としては政策立案のプロを育てるための「政策研究大学院大学」が挙げられます。


④専門職大学院


こちらは研究を目的とするのではなく、高度な専門知識をもつ人材を養成するための大学院となります。例としては教員を育成するための「教職大学院」や法律家を目指す人達のための「法科大学院」が挙げられます。

修士課程と博士課程

ほとんどの理系学生は①の学部を持つ大学院に進みますので、①に焦点を絞って解説していきます。学部を持つ大学院には、修士課程と博士課程の2つがあります。

修士課程では、広い視野を持ちながらより専門的な知識を身につけることを前提に、研究能力や高度な専門性を身につけることが目的とされています。

また、博士課程では、自分が専攻している分野において研究者として自立し、高度な研究活動を行うことを目指しています。加えて、専門性の高い業務に必要な研究能力、その基礎となる豊かな学識を身につけることが目的となっています。

修士課程が2年、博士課程が3年と分かれている区分制、5年間の一貫制、後期3年のみの区分制という3パターンがありますが、ほとんどの大学は2年・3年の区分制がほとんどでしょう。

入試方法

大学院の入試方法は4種類あります。
1つ目が一般入試です。学士課程を経ている人、また卒業見込みの人が受験できるもので、通っていた大学とは別の大学院を受験することも可能です。大学によって教科も少し変わってくるため、行きたい大学院があれば確認しておきましょう。

2つ目は推薦入試です。学士課程において優秀な成績をおさめた生徒が受けられる入試となります。大学院によっては筆記試験を免除してくれるところもあります。

3つ目はAO入試です。こちらは、主に人物像をみて合否をだす試験方法となります。

4つ目は社会人入試です。こちらは名前の通り、一度会社で働いたことのある人が受験できる入試です。

大学院進学のメリット

大学院進学のメリット

ここまで、基本的な大学院の仕組みを解説しました。

ここからは、大学院に進学することのメリットを紹介していきます。  

高い専門性が身につく

先ほどの修士課程と博士課程の目的からもわかるように、大学院では専門性の高い知識を身につけることが目的とされています。そのため学士課程で得た知識を利用し、応用的な学習を中心に行うことがほとんどです。


最低でも2年は通うこととなり、専門知識と同時に研究能力、スキルが身に付きます。

論理的思考力を常に使った研究生活となるでしょう。企業としては論理的思考力を持った人を欲しているところは多く、また理系の学生、特に大学院生には企業側も期待しています。

専門知識だけでなくこうした力を同時に手に入れられることは大学院のメリットといえます。

就職先が広がる

次のメリットとしては就職先が広がることです。

これは特に専門性の高い職種、スキルが求められるような職種において実感するメリットだと言えます。

研究職や開発職は基本的に修士課程以上を持っている人が応募できるようにしているため、そもそも大学院に進学していないと応募資格がありません。またエンジニアにおいても、企業によってはスキルがある人を求めているため、学部生より大学院生の方が有利となります。このように応募資格の面からも、また企業が求めるレベルからしても大学院生の方が就活において就職先がより広くなります。

待遇面が良くなる

待遇面の向上も大学院進学のメリットのひとつです。

特に理系職種の多くは、大学卒より条件の良い大学院卒向けの待遇を整備しており、月給や賞与に若干の優遇措置がなされています。この待遇面の優遇が進学のメリットです。

大学院進学をする場合は、あらかじめ希望する企業の雇用条件をチェックしておくことが必須。入社を目指す企業が大学院卒向けの待遇を整備していることがわかれば、進学後のモチベーションにも繋がります。待遇は企業ごとに大きく変わりますので、事前にしっかりと調べておくと良いでしょう。

▼あなたに合った企業の情報が届く▼
TECH OFFERで優良オファーを受け取る

大学院進学のデメリット

大学院進学のデメリット

大学院進学のメリットがあれば、もちろんデメリットもあります。ここでは大学院へ進学するデメリットを解説します。

授業や研究が忙しい

授業数が少ないことなどから気軽な気持ちで大学院へ進学すると、意外と授業や研究で忙しくなる場合があることがデメリットのひとつです。特に進学直後は単位取得に追われたり、新たな研究室に慣れることなどスケジュールに追われがち。理想と現実の乖離が大きくなり負担にならないよう、進学前にはスケジュール感などを調べておくと良いでしょう。

また、当然ですが大学在学中に比べ、より専門的な授業や研究に触れることになります。一定の成果が確認できるまで、遅い時間まで研究をするケースもありますので、意欲や決意が無ければつらく感じる場合もあるようです。将来的な目標を見据えたうえで進学の意義を設定し、自分なりの意欲の源泉を再度確認しておくことが大切。進学のメリットに捉われず、冷静に分析したうえで、進路を検討する必要があるでしょう。

社会へ出るのが遅くなる

大卒に比べ2年程度社会進出が遅くなることも、場合によってはデメリットになります。大学院進学のメリットや目的がはっきりしている場合は問題ありませんが、なんとなく進学した場合は2年間のハンデを背負っているのと同じです。

社会人における2年間は、意外と大きいもの。新卒入社した大卒生は、2年後には現場経験を積み活躍し始めている頃です。大学院進学のメリットや目標が漠然としている場合は、充分に注意したほうが良いでしょう。

専門性を活かせない場合もある

大学院進学をして身に着けた高い専門性が、残念ながら就活に活かせない場合もあります。具体的には、志望する企業が専門性の高い人材を求めていない場合や該当する分野の職種を募集していない場合などです。

2年を費やして身につけた専門性が活かせないのは、キャリアを積み上げる観点からは大きなデメリットとなります。このような事態を避けるためにも志望する業界や企業の動向調査を定期的に行うことが大切だと言えそうです。

しかし、一方で専門外の分野への就職も可能であることを忘れてはいけません。専門外への就職であっても、将来的に学んだことを活かせる場面が訪れることも大いにあります。社会人としてのキャリアは幅広くありますので、在学中に就活で活かせないとわかっても最後まで学びとおすことが非常に重要です。

▼あなたに合った企業の情報が届く▼
TECH OFFERで優良オファーを受け取る

大学院進学を迷った際に実施すべきこと

大学院進学を迷った際に実施すべきこと

大学院進学のメリット・デメリットを知ると、進路に迷う方も多いのではないでしょうか?この章では、そんな迷ったときに実施したい具体的なアクションを解説します。進路に迷った場合は、ぜひお試しください。

自己分析を通し進路を見直す

大学院進学をするか迷った際は再度自己分析を行い、進路をもう一度考えてみることが大切です。本記事で大学院進学のメリット・デメリットを理解できますので、次に知る必要があるのは自分自身のこと。自分がどんな分野に興味があり、どのような仕事をして、社会へどんな価値提供をしたいのかを、もう一度整理してみることがおすすめです。

社会状況と同様、自分自身の内面も時間の経過に従って変化していると言えます。以前に自己分析していても再度自分と向き合うことで、より納得感のある進路を見つけられるることができはずです。必要に応じて業界・企業も実施すると、今後選ぶべき進路がより明確になるでしょう。

卒業生の就職実績を調べる

大学院への進学はある程度決めているが、それでも心配だという方は卒業生の就職実績を調べることも有効です。知っている先輩に話を聞いたり、大学のキャリアセンターなどに相談に行ったりする行くことで就職実績を確認することができます。

調べる内容は、自身が希望する企業へ就職した場合の、大卒と大学院卒の待遇や業務内容・キャリアプランの違いなどが中心。聞き取りした実際のデータをもとに、第三者からのアドバイスも参考にしながら進路を決めるのも良策です。自分の進路は最終的には自分の責任で決めるもの。後悔のないよう納得するまで実績を調べ、進路を決めるのも良いでしょう。

自身の市場価値を知る

現段階の専門性や能力がどのくらい求められているかを知るため、「TECHOFFER」など企業からのオファーを受けられる就活サイトを活用するのも良い方法です。

TECHOFFERの場合は就活生がプロフィール(専攻・研究分野・志望業界、職種、勤務地・自己PRなど)を登録しておくだけで、企業から面接やインターンのオファーが届く仕組み。就活生にとっては現在の市場価値を知ることができるツールでもあります。

そもそも企業は就活生のプロフィールを閲覧し、自社に合致する人材にだけオファーを送るため、内定率が非常に高いことも特徴のサービスです。気になる企業からオファーがあれば直接相談することもできたりと活用の幅も広い、就活を有利にするツールのひとつ。費用を掛けず進路に迷っている段階から利用ができるので、早めに登録しておくと進路を決める後押しをしてくれるでしょう。

会員登録はこちら

これだけは知っておきたいポイント(まとめ)

本記事では「大学院は、何をするところなのか。理系学生なら知っておきたい進学のメリットやデメリット」について解説しました。大学院は何をするところなのか、ご理解頂けたでしょうか?自分自身・就職・大学院のことをまずは深く知り、ツールも活用しながら納得できる進路を探してみてください。

大学院とは?  

①4つの種類がある
②修士課程と博士課程
③入試方法

大学院進学のメリット

①高い専門性が身につく
②就職先が広がる
③待遇面が良くなる

大学院進学のデメリット 

①授業や研究が忙しい
②社会へ出るのが遅くなる
③専門性を活かせない場合もある

大学院進学を迷った際に実施すべきこと

①自己分析を通し進路を見直す
②卒業生の就職実績を調べる
③自身の市場価値を知る