みなさんこんにちは!理系就活情報局です。
みなさんは自分が所属している学部・学科の進路先、就職先をリサーチしたことはありますか?
大学3年生になると研究室配属や就職活動に向けて、1、2年の時よりもハードスケジュールになると思います。
時間に余裕のある2年生のうちに、ある程度就職活動における軸や進む業界を考えておくことが重要です。
今回は理系の学生に向けて、学部別の進路・就職先をまとめてみました。
是非将来の進路・就職先を考えるうえで参考にしてみてください!
学部で就職しやすい業界・企業はある
学部別に就職しやすい業界・企業を解説する前に、前提として学部によって就職しやすさが存在するのか気になる方は多いでしょう。
結論をいえば、学部で就職のしやすい業界・企業はあります。
理系学生が就く職業は専門性が求められることから、学部で身につく経験や知識が影響するためです。
もちろん学部とは関係性の低い職業に就けますが、学んだ内容とつながる業界・企業の方が就職しやすくなります。
学部別の就職先・進路:化学・生命分野
まずは化学・生命分野の学部の進路・就職先を解説します。
簡単に言うと、化学系の学部では主に「有機化学」「無機化学」「物理化学」について学び、実験では情報処理や分析方法を活用しながら学びを深めています。
将来的に半導体や 石油など工業に欠かすことのできない素材に関わるテーマの知見を深めていきます。
生命分野の学部では「医学」「薬学」といった身近なテーマや「工学」「理学」「農学」など幅広い分野を取り扱います。
各分野に関連した多様な生物現象を細胞・分子レベルで解析し、産業・人々の暮らしを発展させるヒントを追及する学部です。
化学科
化学科で学ぶ学生の約5割は大学院に進学し修士課程に進んでいます。
修士課程を修了した学生は、総合化学メーカーや電子・誘導体関連のメーカー等で研究職や生産管理部門の技術職として活躍しています。
また学部卒の学生も研究・開発職として化粧品業界や技術系公務員の道に進んでいます。
このように化学系の学部を卒業した学部卒・大学院卒の学生は、幅広い業界の中から専門知識を活かせる就職先を選択していることが分かります。
生物学科
次に生物学科の学生の進路・就職先を解説します。
生物学科の学生に人気の業界は3つあります。
1つ目は化学業界です。化学業界は、以下の製品を扱っている業界を指します。
- ・農業を行う上で必要不可欠な肥料
- ・化学工業で使用される石油や天然ガス
- ・石鹸や界面活性剤といった油脂製品・医薬品・化粧品
2つ目は食品業界です。食品業界は飲料・冷凍食品・菓子等の食品を取り扱っているメーカーを指します。
3つ目は製薬・医薬業界です。製薬・医薬業界はドラッグストアに売っているような市販薬から、高度な医療で使われる製薬まで取り扱う業界を指します。
生物学科の学生は、3つの業界に共通する新素材・新製品の製造に直接かかわる研究・開発職として働くケースが多いです。
またそれ以外にも、気象予報士、動物園や水族館の職員、漁業に携わる職業に進む場合もあります。
学部別の就職先・進路:数学・データサイエンス分野
次に数学・データサイエンス分野の学部の進路・就職先を解説します。
まず数学科では主に解析学・幾何学・統計学・代数学について学び、専門知識・論理的思考力を身に着けます。
身につけたスキルや知識は、金融や建築といった現代社会に欠かせない業界で活かせます。
一方でデータサイエンス分野は、社会における情報伝達の仕組みからはじまり、システム構築やプログラミングなどの実践的な知識を身に着けられます。昨今IT化が進む社会で情報系学科で培った素養は、幅広い分野で応用が可能です。
数学科
数学科の学生に人気の就職先として、教育・IT・コンサルティング・金融・メーカー業界が挙げられます。
いずれの業界でも、数学科で身に着けた「統計学等を利用した分析能力」「論理的思考力」「課題解決力」を活かして、開発職や専門職として活躍ができます。
情報システム学科
情報システムの学生に人気の就職先としては、IT系企業を中心として情報通信・メディア・公務員が挙げられます。
職種としては、エンジニアやプログラマー、研究職が人気傾向にあります。近年ではDX化や、ビッグデータ・IOTを使ったデータマーケティング、また作業の効率化を目的としたデジタルシステム構築等がトレンドとなっているため、情報学科の学生に対する需要は大きくなっています。
学部別の就職先・進路:物理・電気・機械分野
物理・電気・機械分野の学部の進路・就職先を解説します。
まず物理学分野では自然界の中で起こる事象を「熱力学」「力学」「量子力学」「統計学」「電磁気学」など、あらゆる観点から分析しプロセスを明らかにしていく学問です。
そして電気分野では、モノづくりに欠かせないエネルギーである電気を使った自動車や電子機器の仕組み、また効率的に活用していく方法を研究します。
最後に機械分野では「設計工学」「計測工学」「材料工学」など、機械を製造する行程で必要な知識を学び、人々の暮らしを便利にする機械づくりを実践的に学べます。
物理学科
物理学科の人気就職先としては、メーカー、教育、コンサル、IT業界が挙げられます。
特に専門的な知識が必要な医療機器、半導体のように精密な製品を扱うメーカーで活躍するケースが多いです。
またIT・コンサル業界では、物理学科の学生が頻繁に行っている仮説検証を、問題解決の思考プロセスに活かせます。
このように大学時代に学んだことをそのまま職業に活かせる点も人気である理由の1つです。
電気・電子工学科
電気・電子工学科の就職先として人気なのは、精密機器等を扱うメーカー、情報通信、建設業等が挙げられます。
主に技術職(開発研究職、設計開発職、生産・品質管理職)として活躍する場合が多くなります。
製造工程の管理や効率的な生産システムの開発など、学んだ知識をさらに発展させる仕事を担当しています。
機械・管理工学科
機械・管理工学科の学生に人気の就職先として、建設メーカー、製造業界、公務員が挙げられます。
製造業界が作る製品は、自動車や飛行機といった輸送機器、私たちにとって身近な家電製品、工場の機械など多岐に渡ります。
主に、設計管理職や品質管理職、生産を管理する部門で活躍しているケースがほとんどです。
学部別の就職先・進路:農学分野
農学分野では、効率的な農業技術の研究や海洋資源の保護手法、獣医学などが学べます。
一次産業に直結する内容が多く私たちの生活を支える産業を追求する分野で、農学分野の就職先としては以下の業界・組織が挙げられます。
- ・農協
- ・化学メーカー
- ・食品メーカー
- ・技術系公務員
- ・獣医師
学部別の就職先・進路:建築分野
建築分野では資材強度の研究や構築物の設計理論、都市工学などが学べます。
学部で学んだ内容が仕事に直結するため、設計職や生産管理などの職種で活躍ができるでしょう。
建築分野の就職先としては、以下の業界・組織が挙げられます。
- ・設計事務所:クライアントから依頼された建築物の設計と工事管理をおこなう
- ・不動産:ビルやマンションなどの開発・仲介・販売などをおこなう
- ・デペロッパー:新たに開発する土地の取得や街の開発計画などをおこなう
- ・ハウスメーカー:戸建て住宅の設計や施工、販売などをおこなう
学部別の就職先・進路:歯学・医学・薬学
歯学・医学・薬学の進路・就職先を解説します。
歯学や医学、薬学といえば、歯科医師や医者、薬剤師などの職種を思いつきますが、該当の職種以外にも就職先はあります。
本章では歯学・医学・薬学が何を学び、どのような進路に進んでいるかを解説します。
歯学科
歯学科では歯に関する知識や治療技術はもちろん、口腔の仕組みや細菌学、歯科領域と関連のある臓器疾患などを学びます。
一般的な学科とは異なり、6年制で歯学科を卒業すると歯科医師の受験資格が与えられます。
歯学科の主な就職先としては、以下のとおりです。
- ・歯科医院(歯科医師):歯の治療や口腔ケアのアドバイスをおこなう
- ・医療機関(歯科衛生士):歯科診療の補助や日常ケアのアドバイスをおこなう
- ・大学研究員:義歯の研究や歯の治療に利用する新素材の研究をおこなう
- ・医療機器メーカー:歯科治療用の機器開発やメンテナンスなどをおこなう
- ・介護保険施設:口腔衛生管理のために治療や介護職員へ指導をおこなう
- ・公務員:保健医療に関する政策の立案や実施をおこなう
医学科
医学科では、ウィルスや免疫の仕組み、人体の構造などの知識と病気の診断・治療などの技術を6年間の中で学びます。
5〜6年次になると、各診療科にローテーションで配属されて、自身の専門を決めます。
医学科の就職先としては、以下のとおりです。
- ・医療機関:専門医として治療や健康維持のアドバイスをおこなう
- ・大学研究員:医療技術の発展や疾患の原因解明をおこなう
- ・国家公務員:保健医療に関する政策の立案や実施をおこなう
- ・製薬メーカー:臨床試験の計画立案や実施、評価などをおこなう
- ・産業医:健康診断や労働環境の改善のアドバイスをおこなう
薬学科
薬学科では、化学物質の分析や薬の作用機序、管理方法、法令など薬に関するあらゆることを学びます。
歯学科や医学科と同様に6年制となっており、薬学科を卒業すると薬剤師の受験資格が与えられます。
歯学科の主な就職先としては、以下のとおりです。
- ・医療機関:調剤や服薬指導、医薬品の管理などをおこなう
- ・薬局:服薬指導や医薬品の管理などをおこなう
- ・製薬メーカー:新薬や医薬品の開発や品質管理などをおこなう
- ・大学研究員:新薬の有効性の検証や安全性の検証などをおこなう
- ・国家公務員:薬事法に関する政策の立案や実施をおこなう
就職に強い理系学部一覧
理系学部で、特に就職に強い学部は以下のとおりです。
- ・医学部:高い専門性に加えて、医師免許がないとできない仕事が数多くある
- ・工学部:電子機器・機械は発展性があり、多くの人材を必要としている
- ・農学部:生活に欠かせない食に関するため、仕事が数多くある
- ・薬学部:高い専門性に加えて、薬剤師の資格がないとできない仕事が数多くある
また、就職に関して男性・女性の垣根がなくなりつつあるため、女性の就職に対する差別は大きく減っています。
一方で、女性のライフステージに対する理解がまだまだ得られにくい業界・企業もあり、働きにくさが残るのも事実です。
以下の学部で専門性・知識を身につけていると、女性がライフステージにとらわれずに働けます。
- ・法学部:弁護士・税理士などの資格は性別の影響を受けずに働ける
- ・教育学部:教員免許・保育士などの資格があれば、いつでも現場復帰ができる
- ・医学部:医師・看護師などの資格は性別の影響を受けずに働ける
各大学の就職に強い・有利な学部
各大学には的確な就職サポートや過去の実績により、就職に強い・有利な学部があります。
本章ではいくつかの大学をピックアップして、就職率の高い学部を紹介します。
明治大学で就職に強い学部
明治大学の就職率は全学部を見渡しても90%を超えていて、なかでも以下の学部・学科は高い数値を誇っています。。
- ・理工学部 情報科学科:98.1%
- ・理工学部 数学科:100%
- ・理工学部 物理学科:100%
- ・農学部 農学科:98.1%
- ・農学部 農芸化学科:100%
- ・総合数理学部 ネットワークデザイン学科:100%
参考:明治大学 就職データ
慶応大学で就職に強い学部
高学歴の私立大学として有名な慶応義塾大学は各学部で就職率に違いがあり、以下の学部・学科は高い数値を誇ります。
- ・医学部 :96.3%
- ・理工学部 機械工学科 :100%
- ・理工学部 管理工学科 :96%
- ・理工学部 数理科学科 :95.2%
- ・看護医療学部 :97.8%
- ・薬学部 薬学科:96.5%
上智大学で就職に強い学部
慶応義塾大学と同様に私立の上位校として知られる上智大学は、ほとんどの学部で就職率が90%を超えています。
なかでも、以下の学部・学科は高い就職率を誇っており、就職を見据えている場合にはおすすめです。
- ・理工学部 機能創造理工学科:98.0%
- ・理工学部 物質生命理工学科:97.7%
- ・理工学部 情報理工学科:97.4%
神奈川大学で就職に強い学部
総合大学として数多く学部を抱える神奈川大学の就職率は、ほとんどの学部で90%を超えていいて、なかでも以下の学部・学科は高い数値を誇ります。
- ・理学部 数理・物理学科:100%
- ・工学部 電気電子情報工学科:98.3%
- ・工学部 建築学科:98.8%
理系学生におすすめの就活方法
TECH OFFER (オファー型サービス)
テックオファーとはオファー型の就活サイトです。
オファー型就活では、学生が学んでいる専門分野やプロフィールを設定すると、企業がプロフィールを読んで興味を持った学生に直接オファーを送り、選考を開始する仕組みです。
TECH OFFERの特徴としては、学生が専攻分野や自分自身のパーソナリティを細かく設定できるため、企業とマッチングする際に横ずれを防げます。
またTECH OFFERに登録しておくと自動的にオファーが届くため、企業研究やES準備など就活に関する負担を大幅にカットすることができます。
以下の専攻分野に対応しており、幅広い分野の学生に対してサポート可能です。
- ・機械
- ・電気電子
- ・材料
- ・建築・土木
- ・化学
- ・工学系
- ・生物
- ・物理
- ・数学
- ・天文系
TECH OFFERを使うメリット
TECH OFFERを利用するメリットは、採用担当者が一人ひとりのプロフィール情報をもとに、興味を持った学生や専門分野がマッチする学生に対してオファーを送っているため、書類選考や面接の突破率は高くなることです。
したがって一般的な応募より選考通過の可能性が高く、効率的に就活を進められます。
また自分の専門分野とマッチした企業だけではなく、プロフィール情報から人物重視でオファーを送る企業もあるため、自分で調べるだけでは見つからなかった企業と出会えるチャンスがあります。
理系学生は課題や研究が忙しく、満足に就活の時間を取ることが難しいでしょう。
オファー型の就活サイトに登録しておくだけで、自分がリサーチせずとも希望業種の企業からオファーが届くため、「勉強」と「就活」の両立が実現します。
TECH OFFERは、大学生活が忙しく就活の時間が取れない理系学生におすすめのツールです。
学部別の就職先に関してよくある質問
新卒で入社する会社は人生において大きな意味を持つため、慎重に就活を進める方が多くなります。
「学部での専門性を生かした就職先がよいのか」、はたまた「自分の興味のある分野に進めばよいのか」など疑問はつきないでしょう。
本章では学部別の就職先に関して、よくある質問を解説します。
大学の学部は就職に関係ないのか?
基本的には、大学の学部は就職に関係があると考えてよいでしょう。
たとえば、電子工学科の学生が家電業界を目指すことに違和感を覚える方はほとんどいません。
学部で学んでいる専門性と将来の方向性が一致しているためです。
一方で電子工学科の出身者が金融業界を目指す場合は専門性と将来の方向性が一致しないため、多くの方が疑問を持つでしょう。
もちろん自身の学部と関係性の低い業界に就職するケースは珍しくありませんが、企業側を納得させるだけの理由が必要です。
大学の学部と就職先に選ぶ業界・企業が、同じ方向にあると就職活動はしやすくなります。
大学でやめたほうがいい学部はある?
大学でやめたほうがいい学部は、基本的にありません。
一方で、以下のどちらかに当てはまる学部を選ぶと「大学生活を円滑に送るのが難しくなる」「就活の難易度が上がる」などの問題が起こるため、避けましょう。
- ・苦手もしくは好きではない分野の学部に進む
- ・将来設計に反する分野の学部に進む
これだけは知っておきたいポイント(まとめ)
この記事では理系の学生に向けて、学部別の進路・就職先を解説しました。
重要なポイントをおさらいします。
・化学科の進路・就職先として約5割は大学院に進学し修士課程に進む。修士課程を修了した学生は卒業後総合化学メーカーや電子・誘導体関連のメーカー等で研究職としてキャリアを積んだり、生産管理部門の技術職や営業として活躍している。
・ 生物学科の進路・就職先として化学業界、食品業界、製薬・医薬品メーカーが挙げられる。
・数学科の進路・就職先として、教育・IT・コンサルティング・金融・メーカー業界が挙げられる。
・情報システム学科の進路・就職先として、IT系企業を中心として情報通信・メディア・公務員が挙げられる。職種としては、エンジニアやプログラマー、研究職が人気傾向にある。
・物理学科の進路・就職先として、メーカー、教育、コンサル、IT業界が挙げられる。
・電気・電子工学科の進路・就職先として、電気・電子工学科の就職先として人気なのは、精密機器等を扱うメーカー、情報通信、建設業等が挙げられる。
・機械・管理工学科の進路・就職先として、機械・管理工学科の学生に人気の就職先として、建設メーカー、製造業界、公務員が挙げられる。