こんにちは。理系就活情報局です。

「建築系の仕事をしたいけれど、なかなか一つに絞りきれない」

「ゼネコンを目指しているが、ほかにも自分に合う仕事があったら知りたい」

そんな悩みを持つ理系就活生に向けて、今回は建築系にフォーカスし人気の就職先や職種を紹介します!この記事を読めば、建築学科における進路の全体像や就職先ランキング、学部卒vs院卒の違い、必要資格と準備、働き方・年収・女性の視点などを理解できます。

進路に迷っている建築系の理系就活生の方は、ぜひ参考にしてみてください!

ランキングで見る建築系学生の就活 

ランキングで見る建築系学生の就活 

不動産・デベロッパーが人気

「設計事務所」「不動産」「デベロッパー」「ハウスメーカー」など、建築系の理系就活生の進路は多様です。

中でも、現在建築系の理系就活生から人気を集める就職先は、不動産やデベロッパーです。

順位会社
1三井不動産
2三菱地所
3セキスイハイム
4積水ハウス
5森ビル
6大林組
7三菱不動産リアルティ
8大成建設
9オープンハウスグループ
10鹿島建設
※キャリタス就活「2026業種別ランキング<建設・住宅・不動産>」を元に作成

2025年卒の就活生が選んだ人気企業を業種別にまとめたキャリタス就活「業種別ランキング<建設・住宅・不動産>」TOP10に三菱地所・三井不動産の大手不動産・デベロッパーがランクインしています。

まちづくりの中心的存在である不動産・デベロッパーは、建築系の理系就活生が持つ専門知識を活かせる場です。

建築系の理系就活生から人気を集める就職先の傾向を確認したところで、次はそれぞれの仕事内容を詳しく見ていきましょう。

学部卒と院卒の違い

学部卒と院卒の違い

進学のメリット

大学院への進学のメリットとして、以下の2点があげられます。

・賃金が高い傾向がある

厚生労働省の調査によると学部卒の初任給は約24.8万円、院卒の初任給は約28.7万円と、月あたり約4万円ほど進学した方が高い傾向にあります。

参考:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」

・専門性の高い職種で求められる

大学院で専門性を高めることができるため、学部卒では就けない専門職を選べます。特に、研究職・技術職では、多くの企業が院卒生を求める傾向があります。

進学のデメリット

一方で、大学院への進学のデメリットには以下の2点があります。

・学費の負担

たとえば、国立大学では年間で約53万円。私大では初年度平均で約130万円もの学費が必要になるケースがあります。奨学金などを利用する場合は、就職後の返済負担も大きくなります。

・就活期間が短くなる傾向

進学し研究などに携わる場合は、研究が忙しく就活に手をつけられなかったり、就活スタートが遅れくことが多くあります。就活期間が短くなることを理解したうえで、早めの計画を立てる必要があるでしょう。

企業の選択肢の違い

応募できる企業の選択肢の違いとして、学部卒と院卒では以下があげられます。

・学部卒はより幅広い職種から選べる

学部卒は院卒に比べて若いため、未経験可能な仕事を含む、幅広い職種から仕事を選ぶことができます。選択肢が増えることで、自分に合った企業選びができるでしょう。

・院卒は専門性を活かせる大手に強い

研究開発・技術職・設計職などの専門職を、大手企業は特に求めています。専門知識が必要なため誰でも受けられる訳ではないため、専門職であれば就職率はおのずと高くなるでしょう。

研究内容と就活のつなぎ方

研究内容と就活をつなぐポイントに関しても、学部卒と院卒では以下の違いがあります。

・学部卒は転用も含めて活かす

学部卒は大学在学中に行った研究内容を、幅広い業種で活かせる可能性があります。論理的思考や分析力を営業やマーケティングに活かすなど、広い視点で企業選びをすることがおすすめです。

・院卒は専門性に特化する方がよい

院卒は高い専門性があるため、研究内容が活かせる企業選びがおすすめです。他の業種だと応用が効かないイメージを持たれることもあるため、専門分野以外を志望するのであれば、アピールの仕方にも工夫が必要です。

建築系学生に人気の就職先

建築系学生に人気の就職先

ゼネコン

建築系学生に人気の就職先1つ目は、ゼネコンです。

ゼネコン(ゼネラルコントラクター)とは、大型建築物の設計や施工を請け負い、建築工事を取り仕切る総合建設業社です。

仕事内容は、主に施工に伴う原価管理・品質管理・工程管理・安全管理の4つで、工事自体は業者に外注しています。

全国規模で仕事を行う「スーパーゼネコン」や中規模の建設を請け負う「中堅ゼネコン」など、企業規模に応じた呼び名があります。

主な就職先例林組、鹿島建設、大成建設、清水建設、竹中工務店 など
向いている人・スケールの大きいプロジェクトに携わりたい人・仲間と協力して成果をあげることが好きな人・現場での勤務に抵抗がない、体力がある人・インフラや街づくりをしてみたい人
忙しさ(繁忙期)・工期直前や竣工間際が繁忙期・大手ほど労務管理が進んでおり、近年は大幅な残業は少ない傾向
必要資格建築士(一級・二級)、施工管理技士、技術士 など
初期年収レンジ350万~450万円程度(残業代を除く) ※大手総合職(技術系)の例

設計事務所

建築系学生に人気の就職先2つ目は、設計事務所です。

設計事務所は、クライアントの依頼を受けて、建物のデザインや設計を行います。

設計事務所は、個人の建築家主宰の「アトリエ系建築設計事務所」、意匠・構造・設備すべての設計を自社で担当する「組織系建築設計事務所」の2つに分けられます。

また、設計事務所によって「意匠設計」「構造設計」「設備設計」のうちどの設計を得意とするのかが異なるため、自分の専門ややりたい仕事に併せて志望企業を決めましょう。

主な就職先例日建設計、NTTファシリティーズ、三菱地所設計など
向いている人・建築や空間デザインが好きな人・デザインと論理的思考の両面を活かしたい人・アイデアを自分で形にしたい人
忙しさ(繁忙期)・案件ごとの納期前は忙しくなる・他の業界に比べ、残業が多い場合もある
必要資格一級建築士、二級建築士、インテリアプランナー、都市計画関連資格
初期年収レンジ大手設計事務所(総合職):320万~400万円程度
※小規模設計事務所: 250万円前後からのスタートの場合もある

ハウスメーカー・工務店

建築系学生に人気の就職先3つ目は、ハウスメーカー・工務店です。

ハウスメーカー・不動産は、住宅の施工や販売をしています。

ハウスメーカーと工務店の業務内容は似ており、ハウスメーカーが全国規模かつ住宅販売に特化しているのに対し、工務店は地域に根差した営業形態です。

どちらも、主に一般向けの住居を設計・施工をします。

ハウスメーカー・不動産は、企業によって工法や得意とするデザインの傾向による特色があります。志望企業を選ぶ時は、「その企業が販売する住宅で自分の強みが活かせるのか?」と検討すると良いでしょう。

主な就職先例大和ハウス、積水ハウス、パナホーム、一条工務店など
向いている人・お客様の希望を形にするモノづくりがしたい人・暮らしに直結する仕事にやりがいを感じる人・素材、省エネ、耐震、環境技術などに興味がある人
忙しさ(繁忙期)・全体: 引き渡しが多い3月、9月が忙しい傾向・営業・設計:契約、引渡し前・施工管理:完成予定前
必要資格二級建築士、一級建築士(キャリアアップ時)、施工管理技士
初期年収レンジ330万~420万円程度 ※大手ハウスメーカー/大卒・技術職の例

不動産・デベロッパー

建築系学生に人気の就職先4つ目は、不動産・デベロッパーです。

不動産会社は、住宅や土地などの賃貸・売買を仲介したり、賃貸や売却を希望する不動産を探したりします。

デベロッパーとは、不動産を開発してより良い街まちづくりを行う仕事です。

「街の発展のためには何が必要か」を考え、ビル・マンション・リゾート開発から再開発まで、幅広い範囲の事業を手掛けます。

用地を仕入れるところからスタートし、そこに建てる施設の企画をもとに、設計や施工を外注し、完成した建物を販売・賃貸することで利益を得ています。

また、デベロッパーは大きく「総合デベロッパー」と「専業デベロッパー」の2つに分けられます。

「総合デベロッパー」は、オフィスやマンション、商業施設やリゾートホテルなど、規模の大きな街づくりを行う企業を指します。

総合デベロッパーの例:三井不動産・三菱地所など

「専業デベロッパー」は、「マンション専門」「リゾートホテル専門」といったように、一つの用途に特化しているデベロッパーのことです。

マンションデベロッパーの例:三井不動産レジデンシャル・フージャスHD など

商業デベロッパーの例:イオンモール、ルミネ など

向いている人・街づくりに興味がある人・調整や進行管理が得意な人・プロジェクトのマネジメントに携わりたい人
忙しさ(繁忙期)・企画段階、着工前、引き渡し前などが繁忙期になることが多い・大手を中心に労働環境の改善が進んでいる
必要資格一級建築士、二級建築士、宅地建物取引士、施工管理技士
初期年収レンジ400万~500万円程度 ※大手デベロッパー/大卒・総合職の例

建設系のコンサルタント

建築系学生に人気の就職先5つ目は、建設系のコンサルタントです。

建設コンサルタントは、社会資本設備に関わる公共事業を中心とした土木工事の企画〜設計、運営維持を行います。

官公庁への手続きや周辺住民への説明、用地の確保から工事スケジュールと施工手順の決定、工事の管理など、業務の範囲は幅広く、やりがいを感じる仕事です。

道路や街など、規模の大きな仕事を担当するため、「大きなフィールドで自分の能力を試したい」人に向いているでしょう。

主な就職先例東電設計、ジェイアール東日本コンサルタンツ、小田急エンジニアリング、三井共同建設コンサルタント など
向いている人・インフラや都市計画に興味がある人・安全な構造物をつくりたい人・公共性の高い仕事にやりがいを感じる人
忙しさ(繁忙期)官公庁の案件が多く、年度末や各業務の締切前が繁忙期となる傾向がある。
必要資格技術士、一級建築士、二級建築士、施工管理技士、測量士 など
初期年収レンジ350万~450万円程度 ※大手建設コンサルタント/大卒・技術職の例

設備設計

設備設計は、建物を建築するのに必要な 空調・給排水・電気・防災・換気・通信など、設備設計や監理を行うお仕事です。幅広い建築に関わる仕事で、商業施設・オフィスビル〜病院、マンションまで、 多様な経験を積むことができます。業務自体はゼネコンや建築設計士などと連携することが一般的。建物との調和や安全性を加味して設計を行います。

向いている人・理系的な論理思考が得意な人・機械、電気、環境系の技術を活かしたい人・仮説やシミュレーションをもとに、緻密な計算を重ねられる人・コミュニケーション能力がある人
忙しさ(繁忙期)・設計図面の締め切り前や、竣工直前が繁忙期になることが多い・官公庁案件などの場合は、繁忙期が長期に渡ることもある
必要資格一級・二級建築士、建築設備士、施工管理技士
初期年収レンジ350万~450万円程度 ※大手設備設計会社/大卒・技術職の例

公務員

国家公務員、地方自治体に所属し、公共の仕事を担うお仕事です。プロジェクトは民間に比べて小さい傾向にありますが、公共性・安定性が高くやりがいがあります。主な仕事は、都市計画・上下水道・道路・河川などのインフラ工事のほか、建築物の安全管理などです。施工や設計を中心として、 調査・計画・監理・行政手続きなど、さまざまな仕事に関わることができます。

向いている人・地域や社会に貢献したい人・長期で安定した働き方をしたい人・ワークライフバランスを重視し、自身の技術や能力を活かしたい人
忙しさ(繁忙期)・官公庁の年度末は締切が多いため、繁忙期になる可能性が高い・現場での長時間労働は少なく、働きやすい環境
必要資格・技術系公務員試験への合格(国家・地方)・建築、土木、電気、機械などの分野では専門知識や関連資格が必要
初期年収レンジ350万~450万円程度 ※国家・地方公務員/大卒・技術系の例

プラント

プラントは、ゼネコンとは異なり、 機械・配管・電気設備・制御システムなど、建物を含めた総合設備を扱うお仕事です。化学プラント・発電所・製鉄所・石油・ガス設備・水処理施設など、幅広い設備の設計・建設・運転・保守に携わります。設計・施工〜メンテナンス・技術開発まで様々な業務にトータルで関わることができます。

向いている人・機械、化学、電気系の知識がある人・理系の理論を実務に応用することに興味がある人・大型プロジェクトなどに挑戦したい人
忙しさ(繁忙期)・設計、建設、試運転の各段階で繁忙期を迎える・繁忙期はプロジェクトによって異なることが多い
必要資格技術士、施工管理技士、電気主任技術者 など
初期年収レンジ350万~450万円程度 
※海外勤務は国内より数百万円程度高い水準 ※大手プラントエンジニアリング企業/大卒・技術職の例
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建築以外の就職先

建築以外の就職先

インフラ

建築知識はインフラ業界でも活かせます。土木インフラで活用できる、構造・施工・設計などの知識がその代表例です。道路・橋梁・鉄道・上下水道・エネルギー施設など、公共インフラをつくり、保守点検などまで行うことは非常にやりがいがあります。

面接の際には、「学生時代に学んだ建築知識を活かし、より公共性の高いインフラ設備を作ることにチャレンジしたい」のように伝えると好印象です。

広告

建築で培った能力を活かせば、広告業界でも活躍が可能です。たとえば、デザイン力や構造認識力、進行管理やプレゼン力などが転用できます。広告業界の仕事は、企画、デザイン、映像・空間演出から、営業系職種や市場調査・データ分析を行うマーケティングまで様々です。どの職種でも理系能力を活かせます。

面接の際には、「建築を学ぶことで習得したデザイン力や進行管理力を、広告制作の場で活かしたい」のように伝えることが良策です。より具体的にアピールできると、説得力が増します。

コンサル

建築知識は、建築系でない戦略やITに対するコンサル職でも十分に活用できます。コンサルの仕事は経営戦略や事業開発などのほか、ITやDX導入、人事コンサルなど、入社する企業によって扱うカテゴリは様々です。分析力やプレゼン力、論的思考力などを活用すれば、どの分野でも活躍できます。

「建築で培った分析力や論理的な思考プロセスを、経営課題解決に活かし社会に貢献したい」のようにアピールをすれば、面接でも高い評価を得られます。

メーカー設計

メーカー設計には自動車、産業機械などの設計・開発や電気回路、IoT機器設計のほか、新製品の企画や試作など幅広い業務があります。構造力学やCAD・BIMスキルが転用できるため、建築知識を転用して活躍が可能です。ユーザー視点を持っている方なら、開発や企画などにも楽しみを見出せます。

面接では、「建築を通して学んだ構造力学・材料知識を、貴社製品の向上や強度設計に活かしたい思いがあります」などと伝えると好印象に繋がります。

建築系学生に人気の職種

建築系学生に人気の職種

建築士

建築系学生に人気の職種の1つ目は、建築士です。

建築士の仕事は、建物の設計や図面の作成、工事現場の監督などです。

建築士になるには、まず設計士として仕事で経験を積み、二級・一級建築士の取得をめざします。

建築設計の仕事は主に以下3つに分けられます。

・快適さや環境に配慮した設計を行う「意匠設計」

・耐震性などの安全性を考慮した設計を行う「構造設計」

・空調や衛生、電気設備などの設計を行う「設備設計」

建築士になりたい人は、得意分野が活かせる設計事務所を就職先に選びましょう。

建築施工管理・土木施工管理

建築系学生に人気の職種の2つ目は、建設施工管理技士・土木施工管理です。

建築施工管理は、住宅・オフィスビル・工場などの建築工事の監督・指導を行います。

機材や必要な作業員の人数、工期を検討して施工計画を立て、着工後は工程管理・安全管理などを担当するのが一般的です。

土木施工管理は、道路・ダム・橋などの土木工事の施工計画・監督・指導を行います。

具体的には、設計図・仕様書・工期から施工計画を立て、工事現場での工程管理・安全管理などを担当します。

どちらもさまざまなスタッフと関わるため、専門性に加えて調整力やコミュニケーション能力が問われる仕事です。

測量士

建築系学生に人気の職種の3つ目は、測量士です。

測量士は、建築工事に必要な土地の正確な位置・距離・面積を測定して図面や計算書を作成します。

測量は、あらゆる建設工事で最初に行う作業です。

測量士の仕事は、工事の計画や建設条件、進行や安全性に関わるため、正確性が求められます。測量士は建設業に欠かせないスペシャリストであり、責任も大きな仕事です。

測量士になるには、大学で測量関連の科目を修めて、まず「測量士補」の資格を得ます。

1年以上の実務経験を積むと、測量士試験を受けられます。

宅地建物取引士

建築系学生に人気の職種の4つ目は、宅地建物取引士です。

「宅建」の通称で知られる国家資格を持つ宅地建物取引士は、不動産取引に欠かせないスペシャリストと言えます。

宅地建物取引士の仕事は、顧客に不動産の重要事項を説明することです。

不動産業者には、事務所ごとに従業員5人に対して1人以上宅地建物取引士の配置が義務付けられています。

宅地建物取引士は不動産業界で必要不可欠な存在であり、他業種では金融業界でもニーズがあります。

また、受験資格に実務経験が必要な資格も多い建築系の資格の中で、宅地建物取引士は大学生でも取得が可能です。

不動産・デベロッパーに就職したい方は、ぜひ取得をオススメします。

不動産開発・リノベ

建築系学生に人気の職種の5つ目は、不動産開発・リノベです。

物件や土地の企画・調査・計画〜設計・リノベーション計画の立案、耐震、内装改修、設備更新などの設計や施工管理・監理などを行う仕事です。特に企画が好きな人やデザイン力を活かしたい人など、柔軟な発想を活かしたいに向いています

施工管理の仕事であれば、進捗状況のチェックや、品質・コスト・スケジュール管理など、現場をトータルに指揮することが求められます。理系の知識は、構造・設備・施工管理面などで十分に活かせるでしょう。

プラント設計

建築系学生に人気の職種の6つ目は、プラント設計です。

プラント設計は、理系知識を活かして、巨大設備の設計・計画・解析までを行う仕事です。主な業務内容は、以下のとおりです。

・配管、機器、電気、制御設備などの設計

・配管計装図の作成、3D CADモデルの作成

・設計計算、流量計算、熱収支計算などの解析

・設計監理および調整

理系学生であれば、設計や解析、シミュレーションなど、幅広い業務で知識を活用できます。大型プロジェクトなども多いため、ダイナミックな仕事をしたい方や緻密な計算を得意とする人にぴったりです。

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必要資格と準備

必要資格と準備

建築系の就職に必要になる、代表的な資格と準備方法を一覧にまとめました。目指す職種に必要な資格を調べたうえで、ぜひご活用ください。

資格名受験資格目安年数取得ルート公式サイト
一級建築士≪令和2年3月法改正≫指定科目を修了し大学を卒業すれば、実務経験なしで受験OK。
必要な実務経験は合格後に条件を満たせば免許登録可。
【一級】大学院卒/実務経験2年学部卒/実務経験2年
【二級・木造】学部卒/実務経験不要
指定学科を修了⇒受験・合格⇒実務経験を積み免許登録https://www.jaeic.or.jp/shiken/1k/index.html
施工管理技士【一次検定】指定学科を卒業。【二次検定】学部卒(指定学科)/一次合格後、実務経験1年(1級は3年必要)【二級】学部卒/実務経験1年<【一級】学部卒:実務経験3年指定学科を修了⇒卒業後、実務経験を積む⇒一次・二次検定合格https://www.fcip-shiken.jp/
宅地建物取引士(宅建士)誰でも受験可能。国籍・年齢・学歴等の制限は一切なし。実務経験年数なし受験合格⇒合格後、2年以上の実務経験
(※登録実務講習受講でも可)を経て登録申請
https://www.retio.or.jp/
構造設計一級建築士一級建築士として、構造設計5年以上経験要。(※一級建築士事務所に所属していること)一級建築士の免許登録後、5年以上一級建築士の免許登録⇒構造設計業務に5年経験⇒構造設計一級建築士講習の修了考査合格https://www.jaeic.or.jp/smph/koshuannai/koshu/s1k/index.html
技術系公務員試験(国家・地方)国家総合職理系等は大学卒以上。地方技術職は多くが年齢制限のみ(区分による)実務経験年数不問。大学4年時に受験するのが一般年齢制限を確認⇒受験⇒採用面接⇒採用https://www.jinji.go.jp/saiyo.html

建築系学生が押さえておきたい就活のコツ

建築系学生が押さえておきたい就活のコツ

これまで、「ランキングで見る建築系学生の就活」から「建築系学生に人気の職種」まで解説してきました。

進路に迷っていた建築系学生の方も、興味のある就職先や職種が定まってきたと思います。

最後に、建築系学生が押さえておきたい就活のコツについて解説します。

在学中からキャリアプランを立てる

建築系学生が押さえておきたい就活のコツは、在学中から将来を見据えてキャリアプランを立てることです。

建築士を代表に、建築業界で必要な資格には受験資格として実務経験が必要です。

同時に、測量士補のように大学の単位を取得して登録できる資格もあります。

そのため、建築業界への就職を目指す場合は、大学生活を送るかたわらで将来設計をしながら取得する資格を取捨選択していく必要があります。

専門知識を学んでいくと同時に、「自分が立てたキャリアプランを叶えるために学生時代をどう過ごせばいいのか」を考え、実行していきましょう。

「なぜこれを作ったか」を語れるポートフォリオを準備する

設計職などを目指す場合、ポートフォリオの提出を求められるケースがほとんどです。単に美しい作品を並べるだけでなく、「どんな課題に対して、何を考え、どのようなプロセスでこの設計に至ったのか」を明確に言語化できるように準備しましょう。論理的な説明力は、建築業界のあらゆる職種で高く評価されます。

インターンシップやOB・OG訪問で「リアルな働き方」を掴む

各就職先の解説で忙しさについても触れましたが、実態は企業や部署によって大きく異なります。設計事務所の納期前の働き方、ゼネコンの現場での一日の流れなどWebだけでは分からないことはたくさんあります。

企業のリアルな情報を得るためにも、積極的にインターンシップやOB・OG訪問に参加しましょう。インターンシップやOB・OG訪問では、「入社後にどんな環境で働くことになるか」を具体的に質問するとミスマッチを防げます。

よくある質問Q&A

よくある質問Q&A

「建築系の企業は忙しい?」

企業や配属先によって異なりますが、建築系企業は忙しい場合もあります。特に設計や施工管理など、あらかじめ納期が決まっている仕事が多いのが理由です。以前よりは改善されていますが、職種によっては忙しくなることも覚悟しておきましょう。

「女性が働きやすい職種は?現場配属の割合は?」

国土交通省のアクションプログラムを通して女性定着促進策が進められたことで、割合は明確ではありませんが、現場で働く女性も増えつつあります。女性は設計職などオフィスワークができる職種が、体力的にも向いている傾向があります。


「学部卒で設計に入るには何が必要?」

建築知識・構造・法規の理解があると有利ですが、企業によっては未経験でも挑戦が可能です。建物など設計する対象への興味があれば、受け入れてくれる会社はあります。プレゼン能力などがあれば、より選考を有利に進められます。

データでみる建築就職

ここからは、建築系の就職をデータでみていきましょう。今回調査したのは「職種別有効求人倍率」「建築学科がある主な大学の進学率」「人気企業ランキング」の3つです。

職種別有効求人倍率

まずは建築関連の主要な職種について、有効求人倍率をまとめてみました。個別の職種についてはデータがないものもありますので、カテゴリ別のデータを参考にしてみてください。

職種区分(厚労省定義)有効求人倍率
建築・土木・測量技術者5.12
建設躯体工事従事者7.75
建設・採掘の職業 計(全体)4.82
設備工事従事者(電気工事・管工事等)4.31
土木作業員(道路工事・上下水道工事等)6.01
とび工・左官・鉄筋工など技能工6.55
出展|厚生労働省「一般職業紹介状況(職業別)」令和7年6月分

建築学科がある主な大学の進学率

大学進学率出典(大学公式)
東京工業大学(環境・社会理工学院 建築学系)約90%東工大(現 Science Tokyo)公式「将来の進路」ページより
京都大学(工学部 建築学科)約90%京都大学工学部 建築学科「進学・就職状況」より
早稲田大学(創造理工学部 建築学科)約70%早稲田 大学 建築学科・キャリア資料より
芝浦工業大学(建築学部 建築学科)約57.5%芝浦工業大学 2024年度 卒業生就職・進路データ(学科別表)より

人気企業ランキング

順位会社
1三菱地所
2三井不動産
3鹿島建設
4セキスイハイムグループ
5大林組
6清水建設
7大成建設
8積水ハウス
9東急不動産
10大和ハウス工業
※キャリタス就活「業種別ランキング<建設・住宅・不動産>」を元に作成

まとめ

建築系学生は大学で学んだ専門性を活かせる場が多く、進路に迷う人もいると思います。

「さまざまな仕事がある建築業界で、どの仕事に就けば自分の能力が活かせるのか?」

「自分のスキルを使って、社会でどんな仕事をしたいのか?」

就職先に迷った時は、この2点を軸に検討してみてください。

また、建築系学生には、建築業界以外で就職する道もあります。

自分の興味や得意分野が活かせる道を検討して、志望企業を決めていきましょう!