理系大学院は高いレベルで専門分野を学べるため、卒業時には高い知識と経験値を有しているでしょう。

一方で理系大学院に進んだ学生の中には、様々な理由から中退してしまう方が一定数、存在しています。

理系大学院を中退した方にとって、一番気になるポイントは就職への影響でしょう。

中退が就職へ悪い影響を及ぼさないか、就活が上手く進まないのではないかと気になるはずです。

今回は理系大学院を中退した場合の就活事情就活のポイントを解説します。

理系大学院を中退して、就職活動に不安を感じている方はぜひ参考にしてみてください。

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理系の大学院中退は就職活動で不利になるケースも

理系の大学院中退は就職活動で不利になるケースも

多様性への取り組みが進められながらも、日本ではまだまだ従来通りの就職活動が幅を利かせています。

「新卒」と「既卒」は区別され、「中退」ともなるとマイナス要素として見られてしまうのが現実です。

そういった世の中の空気を肌で感じているからこそ、大学院中退が就職活動に悪影響を与えるのでは?と心配になりますよね。

そんな不安を抱えている方に向けて、理系の大学院中退者の就職活動の実情について説明します。

大学院に進んだ方の3~5%は中退している

理系の大学院中退者の就活事情を紹介する前に、まずは大学院に進んだ方の中でどれくらいの方が中退しているかを紹介します。

中退している方の多寡がわかれば、自身の立ち位置や取るべき方向が認識しやすいでしょう。

2016年に文部科学省が調査したところによると、中退率は以下のデータが判明しています。

  • ・修士課程の中退率:3.23%(中央値)
  • ・博士課程の中退率:5.63%(中央値)

シンプルに考えると、およそ100人に3~5人の割合で、大学院生は中退していることになります。

もちろん大学によって違いはありますが、基本的に中退者は少数派といえるデータとなっています。

参考:文科省「経済的理由による学生等の中途退学の状況に関する実態把握・分析等 及び学生等に対する経済的支援の在り方に関する調査研究」

修士以上の学歴が必要な場合には応募できない

大学院を中退すること自体は、個人の事情があるため、致し方ありません。

一方で就活の際には、制限がついてしまう可能性があります。

例えば、応募条件です。

研究職の応募条件の中には、修士卒以上を条件にしている企業は少なくありません。

大学院を修士課程で中退してしまった場合、学歴は学士となるため、希望する求人に応募できない可能性があります。

修士レベルの知識や経験を有していても、応募条件に満たない場合には、書類選考を通過するのは難しいでしょう。

大学院中退は既卒扱いで就活

日本の就職活動では「新卒であること」が何よりも分かりやすい優位となります。

大学院を中退した場合、大多数の就活生が当たり前のように持っている「新卒カード」は手に入りません。

厚生労働省の「青少年雇用機会確保指針」によって、「卒業後3年以内を新卒扱いとする」指針が呼びかけられているため、大学院中退者も、企業によっては新卒として扱われる場合もあります。

しかし、実際に応募する段階で新卒の条件が明記されていないことも多々あります。

基本的には、既卒・第二新卒もしくは中途採用で就職活動をすると考えておいたほうが良いでしょう。

【結論】理系大学院を中退しても就職はなんとかなる

【結論】理系大学院を中退しても就職はなんとかなる

昨今は様々な仕事が登場しているため、従来よりも人生の選択肢が広がっています。

とはいえ、まだまだ新卒カードは強い効果を発揮しているため、中退後の就職は厳しいのではないかと不安に思う方もいるでしょう。

結論から申し上げますと、理系大学院を中退しても、就職はなんとかなるので安心していただければと思います。

理由としては既卒者の内定保有率は比較的高く、また上昇傾向にあるからです。

2022年11月にマイナビが調査したところによると、既卒者の内定保有率は44.8%となっており、2年連続で上昇傾向にあります。

もちろん、新卒の内定率が7~8割を超えているため、新卒者と比べると内定保有率が下がる点は否めません。

それでも、おおよそ2人に1人は内定を確保できる点を考慮すると、想像以上に不安視する必要はないでしょう。

データ上からは理系大学院を中退しても、就職自体はなんとかなるといえます。

参考:2022年度 既卒者の就職活動に関する調査

理系大学院を中退している場合の就職対策法

理系大学院を中退している場合の就職対策法

ここまで、大学院中退者の就職活動の実情について確認しました。

次からは、実際に大学院中退者が就職活動を進める上で大切となるポイントについて、詳しく解説していきます。

内定を掴むためには早めの行動が吉

新卒カードを持てないとなると、就職活動に少なからず影響が出てきます。

普通の新卒と比べると応募できる求人が少なくなったり、いいなと思った企業の応募条件に合致しないこともあるでしょう。

また、修士卒ではないため、初任給は大学卒と同等になる可能性が高いです。

このように、大学院中退者の就職活動は、どうしても不利になることは否めません。

しかし、大学院中退者が内定を得る可能性がまったくないわけではありません。

大学院を中退した場合、行動の速さが結果に結びつきます。

不利な状況にいるからこそ、時間を無駄にしてはいけません。

少しでも良い企業の選考に参加できるよう、一日でも早く行動を開始しましょう。

自分のキャリアプランを立てる

大学院中退を決めた時にまずするべきことは、自分のキャリアプランを考え直すことです。

それまで大学院修了後に思い浮かべていた進路と基本路線は変わらなかったとしても、就職市場から見たあなたは確実に変化しています。

また、目指していた職種が修士修了・博士修了を前提としている場合にも、軌道修正を図る必要があります。

これからどんな職に就いて、経験を重ねていきたいか。

5年後や10年後は、どんな仕事をする自分になりたいのか。

そんなふうに、一度まっさらな状態に戻してからキャリアビジョンを立て直すことで、就職活動への意欲や課題が見えてきます。

就職活動のスタートは、自分を知って自分の将来に期待をかけるところから始めましょう。

転職エージェントや就活サイトを賢く活用する

キャリアプランを立てたら、次は転職エージェントや就活サイトに登録しましょう。

就活サイトと言えば、新卒や既に一度勤めたことがある転職者のためにあると思っていませんか?

知らないだけで、最近は既卒・第二新卒向けのサイトも増えています。

ですから、大学院を中退したからといって「もう無理だ……」と諦める必要はありません。

就職活動は、自分一人で頑張らなくてもいいのです。

困っているからこそ、エージェントや就活サイトを積極的に利用しましょう。

ここで大事になってくるのは、自分に合ったサイトを複数利用することです。

サービスによって持っている特長が違うのはもちろん、抱えている求人数にも差があります。

そのため、複数のサイトを使い分けることで、将来への選択肢を増やしましょう。

2~3のサービスを利用して、賢く就職活動を進めることが大切です。

おすすめの就活サイトについては、後ほどご紹介します。

面接対策をしっかり行う

エージェントや就活サイトに登録すると、就職活動が進んでいきます。

登録と同時に始めておきたいのが、面接対策です。

もちろん、他の選考対策も必要になってきます。

ですが、「大学院中退」というハンデを持っていることで、企業側は面接であなたという人物が持っている可能性を注意深く探ってきます。

「あなたはどうして大学院を中退したのですか?」

面接でそう聞かれた時に、採用担当者が納得できる返事ができるかどうかが、内定を獲得できるか否かの分かれ目となります。

本記事では詳しい面接対策についても解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

就活面接では大学院の中退理由を正直に伝える

就活面接では大学院の中退理由を正直に伝える

理系大学院を中退した方にとって、面接は就活で最も大きな壁となります。

理由はいたってシンプルで、中退の理由を聞かれるためです。

大学院の中退に至る事情は様々あり、中には中退している事実を隠したく理由もあるでしょう。

ですが、就活面接において、大学院を中退した理由は正直に伝えることをおすすめします。

理由は大きく分けて2つあります。

1つ目は学歴詐称となるからです。

中退した事実を隠し、大学院を卒業したことにして就職した場合、学歴を偽って就職をしたことになります。

学歴の詐称は刑事責任や民事責任を問われかねない行為です。

2つ目は矛盾を見抜かれる可能性が高いからです。

面接官は多くの方を面接してきた経験上、相手の矛盾や嘘を見抜く力に長けています。

中退の事実を隠し、矛盾点を突かれた結果、面接が台無しという展開もありえます。

学歴や経験も企業は重要視していますが、企業はそれ以上に人柄を重要視しています。

面接では中退理由を正直に話すことで、誠実な人柄を評価してもらう方向で臨むようにしましょう。

また中退から何を学び、今後に生かせるかを説明することができれば、失敗を繰り返さない人材という印象を与えることもできます。

大学院中退者におすすめの就活サイト

大学院中退者におすすめの就活サイト

「新卒向けのエージェントや就活サイトはなんとなく知っているけれど、大学院中退者向けのものはよく分からない……」

「それに、使うサイトについてそんなに違いがある?」

そんな方のために、以下では理系の大学院中退者向けのサイトを特長を交えてご紹介します。

既卒・中退の支援がある就活サイト「JAIC」

1つめのお薦めは、フリーター・未経験・既卒・中退者歓迎の企業の正社員求人を紹介する「JAIC(ジェイック)」です。

就職市場において「デメリット」を持つ人をサポートするため、書類選考なしで求人を紹介してもらえるという点が最大の特長です。

就職成功率が81.1%、就職後の定着率が91.5%であることからも、JAICのサポートの手厚さを見てとることができます。

一般に、エージェントは求人紹介や面談をするものという印象がありますが、無料の就活講座があることも「JAIC」を利用するメリットの1つです。

紹介される求人も事前に審査されているため、「就職してみたけど実際は違った」というギャップが生じにくくなっている点も魅力的です。

また、就職した後も個別でサポートを受けられるため、新しい環境に不安があってもすぐに相談できるのも心強いですね。

既卒の就活をしっかりサポートする「UZUZ」

次にお薦めするのは、第二新卒・既卒・フリーター・ニートを中心に、20代の就職にフォーカスしたUZUZ(ウズウズ)」です。

「UZUZ」は、学部時代に就職活動をしてこなかった大学院中退者に向いています。

こちらは、他サービスの10倍時間をかける手厚いサポートを自慢としています。

初回は約2時間にも及ぶキャリアカウンセリングがあり、その内容をもとに推薦状を作成してもらえます。

就職活動への不安も相談しやすい上に、一人ひとりに合わせた面接対策をしてくれるため、「テンプレしか教えてもらえない」といったこともありません。

抱えている求人も、大手上場企業から新進気鋭のベンチャー企業まで幅広い上に、厳しい基準によって離職率の高い職場や求人情報と実態が異なる会社があらかじめ省かれています。

優良企業が多数あるだけでなく、情報処理・情報通信技術者やソフトウェア関係・インフラなど、理系出身者向けの求人が多いのも嬉しいポイントです。

「しっかりサポートしてもらいたい」「不安を細かく解消したい」方は、是非一度キャリアカウンセリングを受けてみましょう。

上場企業への実績が多い「ハタラクティブ」

3つめのお薦めは、第二新卒向けのサイトとして最大手の「ハタラクティブ」です。

既卒・中退者の「はじめての就職」や第二新卒としての「未経験業界への挑戦」に特化したサポートを行っており、あなたの経歴を踏まえながらアドバイスしてもらえます。

個々にあった求人を紹介してくれるため、「どんな会社が向いているかわからない」というところからスタートする方にも安心です。

また、その会社に合わせた選考対策をしてくれるため、採用されやすく就職活動にかかる時間を短縮できる点も売りです。

「ハタラクティブ」は、社員数1,000名以上の大企業への内定が86.5%を占めるという実績を持っています。

たとえ学歴に自信がなくとも大企業で再スタートできるという点が、最大の特長だと言えます。

理系特化のスカウトサイト「TECH OFFER」

最後に紹介するのは、これまで挙げてきたサイトとは異なるスカウト型のサイト「TECH OFFER(テックオファー)」です。

やはり、理系に特化したサイトにも登録しておきたいものですよね。

その点で、「TECH OFFER」はおすすめです。

登録したプロフィールを見た企業からスカウトがくる形式のため、他サイトと違って「自分が能動的に動く」ステップが省略されるという特長があります。

時短ができるのに、自分がやりたかった理系の仕事のオファーが来る点は、複数のサイトを使う上で大きなメリットになります。

それに加えて、スカウト型のサイトは学歴よりも就活生としてのあなたの特長がフォーカスされる傾向があります。

たとえ大学院を中退したとしても、それまでのあなたが否定されることはありません。

自分の経験や専門性を活かした就職を諦めず、まずはプロフィールを登録してみましょう。

会員登録に必要な時間はたったの3分です。

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まとめ

この記事では、理系大学院を中退した場合の就活事情と就活のポイントについて解説しました。

重要なポイントをおさらいします。

  • ・大学院を中退しても、内定を獲得できる!
  • ・大学院中退者が押さえておくべき必勝法

①内定を掴むためには早めの行動が吉
②キャリアプランを立てる
③転職エージェントや就活サイトを賢く利用する
④面接対策をしっかり行う

  • ・大学院中退者におすすめの就活サイト

①JAIC
②UZUZ
③ハタラクティブ
④TECH OFFER

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