新卒での就活はキャリア最初の一歩となるので、誰もが慎重になります。

納得のいく就活をするために内定を獲得した後でも、就活を続ける方もいるでしょう。

一方で獲得した内定は内定先との関係上、いつまでも保留できるわけではありません。

また入社する可能性もあるため、内定保留の伝え方には注意を払いたいところです。

今回は内定保留が可能な期間と保留を伝える際のポイントを解説します。

内定獲得後、もう少し就活を続けようと考えている学生はぜひ参考にしていただければと思います。

【アンケート結果】内定後も就活を続ける学生は多い

【アンケート結果】内定後も就活を続ける学生は多い

内定保留ができる期間を紹介する前に、内定獲得後に就活を続ける学生がどれだけいるかを解説します。

内定獲得後に、就活を続けて良いのか悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。

2018年に一般社団法人である日本経済団体連合会が調査したところによると、以下の調査結果が判明しています。

  • ・内定後も選考を受けに来る学生 :62%増加
  • ・内々定を辞退する学生が増加した:39%増加

内定後も就活を続ける学生が増加している要因は様々ですが、学生優位の売り手市場が大きな要因と考えてよいでしょう。

昨今の就活市場は、少子高齢化の影響から学生優位の状態にあるため、内定が得やすい状況になっています。

周囲の状況によっては、もしかすると内定後も就活を続けるのは少数派となっている方もいるかもしれません。

一方でデータ上では、内定後も就活を続けている方が増加傾向にある点がわかります。

参考:2018 年度 新卒採用に関するアンケート調査結果

内定保留が可能な期間は時期でバラバラ

内定保留が可能な期間は時期でバラバラ

新卒で入社できるチャンスは、基本的に一度きりのため、慎重に就活を進める方は少なくありません。

アンケートのとおり、内定を獲得してからも内定を保留して就活を進める方もいます。

一方で内定が保留可能な期間は、内定獲得の時期によってバラバラであるため、注意が必要です。

本章では内定保留が可能な期間と企業側の対応を解説します。

内定保留可能な期間は1週間から1ヶ月

内定保留が可能な期間は、内定を獲得した時期によって異なります。

具体的には、以下のとおりです。

  • ・大学3年(修士1年):1ヵ月以上の長期間
  • ・大学4年(修士2年)4~5月:2週間前後
  • ・大学4年(修士2年)6~7月:1週間
  • ・大学4年(修士2年)8~9月:1週間
  • ・大学4年(修士2年)10月以降:2~3日

早期に内定を獲得した場合には、保留できる期間は長くなる傾向にあります。

一方で就活が本格化する大学4年・修士2年では、内定を保留できる期間は短くなるため注意が必要です。

内定を獲得した時期や企業によっても内定保留が可能な期間は異なります。内定保留をして就活を続ける場合には、スケジュール管理には注意をしましょう。

内定承諾期間は1~2週間が一般的

内定獲得後、企業からは「内定承諾を1~2週間の間にお願いします」との通知が来ます。

ただし企業の中には1~2週間も承諾期間がない企業もあるため、注意が必要です。

必ずしも内定承諾の期間が1~2週間取れるとは限らないため、スケジュール調整の際には頭に入れておく必要があります。

内定を保留された企業側の対応

企業側は内定を保留された場合、基本的には採用活動を継続させます。

内定の保留は内定辞退につながる可能性があり、内定候補の学生を選ぶために採用活動を続ける必要があるためです。

一方で採用予定人数に達しそうな状態で内定保留が出た場合には、採用活動が止まります。

内定を保留していた学生が、内定を受諾した場合に備えての対応です。

企業の採用活動は、学生の内定保留によっても活動方針が変わる点は認識しておくとよいでしょう。

企業へ内定保留を伝える際のポイント4選

企業へ内定保留を伝える際のポイント4選

内定獲得後も就活を続けたい場合には、企業へ内定の保留を伝える必要があります。

一方で内定保留を伝えた企業にも、入社する可能性があるため、伝え方には気をつけたいところです。

本章では企業へ内定保留を伝える際のポイント4つを解説します。

内定保留を決めたら即連絡

面接で他社の選考状況を伺っているとはいえ、内定の保留を想定している企業は多くありません。

企業側も学生と同じように面接での感触を含めて、入社を期待している可能性があります。

内定の保留を決めた場合には、内定をいただいた企業にはすぐに連絡をしましょう。

すぐに連絡をした方がよい理由は2つあります。

1つ目は誠実さが伝わるためです。

内定の保留は企業側にとっては想定外であり、学生側からはいい出しにくい内容です。

企業とって想定外であるからこそ、すぐに連絡した方が学生の持つ誠実さが伝わります。

2つ目は企業側もアクションを起こせるためです。

内定の保留は、内定辞退の可能性を含んでいるため、企業側は採用活動をする可能性がでてきます。

内定承諾期間のギリギリになって延長を伝えるよりは、早めに伝えた方が当然ながら企業側も早く対応ができます。

企業側の立場も踏まえると、内定保留を決めたら即連絡をした方がよいでしょう。

内定保留には期限を設定する

内定承諾に期限が設定されている理由は様々ですが、期限があることで決断が下しやすくなるという理由もあります。

内定保留をする場合にも、同様に保留期間は設定するようにしましょう。

保留期間は1週間で企業に打診をおこない、最終的には企業とのやり取りで決定します。

企業側としても保留期間が決まっていれば、学生側への問い合わせなどの目途となります。

内定保留の理由を正直に伝える

獲得した内定を保留しようとするには、相応の理由があるでしょう。

例えば、他にまだ選考が進んでいる企業があるため、進学や留学を検討しているためなど人によって様々な理由があります。

理由をどう伝えるか悩んでいる方も多いと思いますが、結論をいうと正直に伝えた方がよいでしょう。

保留している理由を包み隠さず伝えた方が、企業に対する誠実さの表れになるからです。

現段階ではあくまで内定を保留している段階であり、今後の展開次第では内定を保留している企業に入社する可能性があります。

正直に内定を保留している理由を話した方が、良い関係性を維持することにもつながるでしょう。

連絡はメールと電話の両方でおこなう

内定保留を実際に伝える際のポイントですが、連絡はメールと電話の両方でおこないましょう。

連絡を2つの方法でする理由は、誠実さと確実性を確保するためです。

繰り返しになりますが、内定を保留している企業には入社の可能性があるため、誠実な対応が求められます。

また内定の保留は企業にとっても想定外である可能性もあるため、急ぎで伝える必要があります。

電話で内定の保留を直接伝えれば、メールだけで伝えるより企業側へ誠実さが伝わるでしょう。

さらにメールはいつ読まれるかわかりませんが、電話であれば、直に状況を伝えられるため、企業側へすぐに情報が届けられます。

一方で電話は記録に残りにくいため、内定保留が企業全体へ伝わらない可能性もあります。

確実に記録へ残すためには、メールで内定保留の旨を送信するとよいでしょう。

また電話の場合には、発言の有り無しが、水掛け論にもつながりやすいため、文章に残しておいた方がよいというメリットがあります。

企業へ内定保留を伝える順番としては、電話をかけてから、メールをすると誠実さと確実性が確保できる対応となるでしょう。

企業へ内定保留や内定承諾を伝えるメール・電話の例文

企業へ内定保留や内定承諾を伝えるメール・電話の例文

企業へ内定の保留や承諾を伝えることは双方にとって大きな意味を持つため、丁寧な対応が求められます。

一方で内定の承諾期限や企業が電話対応のできる時間は限られているなどの制約もあるため、あまり時間はかけられません。

本章では企業へ内定保留や内定承諾を伝えるメール・電話の例文を解説します。

テンプレートを基にオリジナリティを加えて、心のこもった対応を心掛けましょう。

企業へ内定の保留を伝えるメール

企業へ内定の保留をメールで伝える場合には、以下の例文を活用しましょう。

件名:内定保留のお願い(ABC大学理工学部 田中達也)

123株式会社

人事部

田中 様

お世話になっております。

ABC大学理工学部の田中達也と申します。

先日は内定のご連絡をいただき、ありがとうございました。

選考を通して、私が力を入れて取り組んでいる部分を評価していただいており、大きな励みとなっております。

内定に関するお返事ですが、6月10日までお返事をお待ちいただくことは可能でしょうか。

大変恐縮ではございますが、並行で進めております他社の選考結果が6月8日に判明します。

貴社の事業内容やキャリアプランに魅力を感じる一方で、並行で進んでおります他社の選考結果をもって、内定の決断をしたいと考えております。

私の都合で大変申し訳ございませんが、ご理解の程よろしくお願いいたします。

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ABC大学

理工学部物理学科

田中 達也(たなか たつや)

電話:07-1234-5678

メール:0123456789@123.com

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企業へ内定の保留を伝える電話

企業へ内定の保留を電話で伝える場合には、以下の例文を活用しましょう。

学生側:お世話になっております。わたくし、ABC大学理工学部の田中達也と申します。内定に関する件でお電話させていただいております。人事部の鈴木様いらっしゃいますでしょうか。

企業側:お電話ありがとうございます。鈴木に変わりますので、少々お待ちください。

企業側:お電話変わりました、人事部の鈴木でございます。

学生側:お世話になっております。ABC大学理工学部の田中達也と申します。先日は内定のご連絡をいただき、ありがとうございます。選考を通じて、私が力を入れて取り組んでいる研究を評価していただき、大きな励みとなっております。本日お電話させていただいた件は、頂戴した内定のお返事を一旦お待ちしていただきたいと思い、ご連絡いたしました。

現在、貴社の選考と並行して進めておりました他社の選考結果が6月8日に判明します。そちらの選考結果をもって内定の決断をしたいため、6月10日までお返事をお待ちいただくことは可能でしょうか。

貴社の事業内容やキャリアプランに魅力を感じる一方で、納得のいく就活にしたいと考えているため、このような運びになりました。

    

企業側:状況、理解いたしました。6月10日までお返事をお待ちいたします。

学生側:私の都合にも関わらず、ご了承いただきありがとうございます。内定に関する決断が決まりましたら、すぐにご連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。それでは、失礼いたします。

保留後に内定を承諾するメール

内定の保留後、企業へ内定承諾の意思をメールで伝える場合には、以下の例文を活用しましょう。

件名:内定承諾のご連絡(ABC大学理工学部 田中達也)

123株式会社

人事部

田中 様

お世話になっております。

ABC大学理工学部の田中達也と申します。

先日は私の都合ながら、内定の保留にご理解をいただき、誠にありがとうございました。

保留させていただいた期間で熟慮を重ねた結果、貴社への入社を決断いたしました。

これまでの研究経験が多くいかすことができ、選考過程で高い評価をしていただいた貴社で活躍したいとの思いから決断をいたしました。

入社後は貴社の成長に貢献できるように精一杯取り組みます。

ご指導のほどよろしくお願いします。

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ABC大学

理工学部物理学科

田中 達也(たなか たつや)

電話:07-1234-5678

メール:0123456789@123.com

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保留後に内定を辞退するメール

内定の保留後、企業へ内定辞退をメールで伝える場合には、以下の例文を活用しましょう。

件名:内定辞退のご連絡(ABC大学理工学部 田中達也)

123株式会社

人事部

田中 様

お世話になっております。

ABC大学理工学部の田中達也と申します。

先日は私の都合ながら、内定の保留にご理解をいただき、誠にありがとうございました。

保留させていただいた期間で熟慮を重ねた結果、内定を辞退させていただきたいと考え、ご連絡いたしました。

選考過程を通じて高い評価をしていただいた貴社に対して、このような結果となってしまい誠に申し訳ございません。

今後とも貴社の更なる発展をお祈り申し上げます。

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ABC大学

理工学部物理学科

田中 達也(たなか たつや)

電話:07-1234-5678

メール:0123456789@123.com

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内定保留の際に気をつけたい3つのポイント

内定保留の際に気をつけたい3つのポイント

内定保留は内定を貰った会社へ入社する可能性を残しつつ、他の選択肢も残している状態です。

学生側には誠実さを持った対応が求められているため、対応には注意が必要です。

本章では内定保留の際に気をつけたいポイントを3つ紹介します。

辞退の場合には即連絡をする

内定の保留後、様々な選択肢と比較した結果、内定を辞退する結論に至ったとします。

内定を辞退すると決めた場合には、内定を保留した企業へ即連絡をしましょう。

内定辞退となった場合には、企業側の取るべきアクションが変わってくるためです。

例えば、企業側によっては内定式や入社に向けて準備を進めている企業もあります。

不必要な仕事を増やしてしまう可能性があるため、企業側の立場を考えると早めに連絡した方がよいでしょう。

また内定の辞退者が出ると、予定していた採用人数に届かない可能性もあります。

新たに採用活動を再開する必要があるので、連絡が早い方が素早い対応につながります。

選考に関わった企業と最後まで良い関係を築くためにも、内定辞退の場合には即連絡をいれましょう。

保留をする場合でも入社への熱意は忘れない

内定を保留された企業側としては、実は入社意欲が低いのではと考えてしまうケースもあります。

特に面接でのやり取りと内定保留という実際の行動が伴わない場合には、入社意欲について疑問符がついてしまう可能性があります。

内定を保留しているとはいえ、入社の可能性がある以上、入社への熱意がある点はアピールを怠らないようにしましょう。

電話やメールで内定保留を伝える際にも、あらためて志望度が高い点を伝えると、入社への熱意がある点をアピールできます。

内定を取り消す企業も中にはある

内定の保留に対して、企業側は様々なリアクションをしてくるでしょう。

内定保留を認めてくれる企業、内定保留は認めるが入社への誘いを熱心にしてくれる企業など対応はわかれてきます。

千差万別のリアクションがある中で、内定の取消をおこなう企業も存在しています。

入社意欲の低さや自社に対する優先順位の低さが現れているということで、内定が取り消されます。

内定の取消は学生側の書類虚偽や不適切な行動が確認されたなど、明らかに非がなければ認められない行為です。

内定取消をする企業と、どのように付き合うかは判断がわかれますが、基本的に認められない行為である点は頭に入れておくようにしましょう。

相性の良い企業を探すならスカウトサービスの活用を

相性の良い企業を探すならスカウトサービスの活用を

内定を保留する理由として、就活をもっと続けたいからという理由をあげる方もいるでしょう。

就活を続ける理由は様々ありますが、より自分に合った会社を探すために就活を続ける方も多いはずです。

世の中には数多くの企業があるため、もっと自分に合った企業があるのではと考えるのは、人として自然な考えです。

一方で闇雲に企業を探しても、自分に合った企業が見つかる可能性は高くありません。

自分と相性の良い企業を探すのであれば、スカウトサービスがおすすめです。

スカウトサービスとは一般的な就活と異なり、企業から学生へオファーをおこなうサービスです。

企業は学生が登録したプロフィールや経歴を基に、自社に合う学生かを判断して、オファーをおこないます。

またスカウトサービスには過去の膨大なデータに基づいて、企業と学生を結び付けるマッチング機能も備わっています。

様々なスカウトサービスがありますが、理系学生におすすめなのが『TECH OFFER』です。

『TECH OFFER』は理系学生に特化したサービスであるため、理系学生を採用したい企業が活用しています。

『TECH OFFER』への登録は最短5分でおこなえます。

ぜひ相性の良い企業探しをおこないたい理系学生の方は、『TECH OFFER』に登録していただければと思います。

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内定保留によくある質問

内定保留によくある質問

昨今は売り手市場といわれるように学生優位の就活市場であるため、内定の獲得が多く見込まれます。

一方で、いざ内定を貰った場合の対応に迷ってしまう方も少なくありません。

本章では内定保留に関してよくある質問を解説します。

内定承諾期間を伸ばしてもらうことは可能か?

基本的に内定承諾期間を延長することは難しいでしょう。

企業側は採用状況によっては内定を出した後に、採用活動を一時的に止めるケースもあります。

内定承諾期間が延長することは採用活動の停止期間を延ばすことにもつながるため、思うような採用ができなくなる可能性があります。

採用活動へのリスクは企業としては避けたいため、基本的には内定承諾期間を延ばすことは難しいです。

一方で、企業ごとに採用状況や対応が異なるため内定承諾期間の延長ができるケースもあります。

まずは内定を貰った企業に相談をしてみるとよいでしょう。

内定をもらったらひとまず保留した方がよいのか?

事前に定めた優先順位に基づいて、内定受諾・内定保留の判断をしましょう。

内定を貰った企業の優先順位が高ければ、内定を受諾する方向性で動きます。

一方で内定を貰った企業の優先順位が他の企業より低い、もしくは同等であれば、内定を保留して選考活動を続けましょう。

あらかじめ決めた企業の優先順位で判断をするようにしましょう。

留学のために内定を一年待ってもらうことは可能か?

基本的には内定を1年以上待ってもらうのは難しいと考えましょう。

企業の採用活動は、欲しい学生のタイプや採用予定人数など採用計画を立てて、基準に見合う学生を採用しています。

次の年になれば、欲しい学生のタイプが変わる可能性も十分にあるため、1年後の採用基準に見合うとは限りません。

また来年には企業の経営状態が変わり、新卒採用ができない可能性もあります。

1年間入社を待ってもらうことは基本的には難しいとされる一方で、企業により対応は変わってくる可能性はあるため、まずは企業に相談してみるとよいでしょう。

まとめ

新卒で入社する会社はキャリアの一歩目となるため、納得のいく会社に誰もが入りたいでしょう。

内定を貰ったとしても、他の選択肢がまだある場合には、内定を保留するケースも出てくるはずです。

一方で内定の保留は、内定を出してくれた企業への申し訳なさからいい出しづらい方も多いでしょう。

企業側へ伝えづらい内定の保留も以下4つのポイントを意識すれば、企業側へ誠実さを持った対応が可能です。

  • ・内定保留を決めたら即連絡
  • ・内定保留には期限を設定する
  • ・内定保留の理由を正直に伝える
  • ・連絡はメールと電話の両方でおこなう

新卒で会社に入社する機会は基本的に一生で一回です。

様々な選択肢で悩んでおり、内定保留をしようとしている場合には、ぜひ今回紹介した内容で取り組んでいただければと思います。