就活における定番の質問といえば、学生時代に力を入れたことについてでしょう。

いわゆる"ガクチカ"から自身の強みや特徴をアピールできれば、選考は有利に進みます。

ガクチカの重要性を理解している一方で、どのように文章化すればよいのかわからない方も多いはずでしょう。

単にガクチカを文章化しただけでは、選考で評価されない点も理解しているはずです。

今回はESや面接で必ず聞かれる"ガクチカ"を例文付きで解説します。

学生時代に力を入れたことはあるが、文章化に悩んでいる学生の方はぜひ本記事を参考にしていただければと思います。

ESや面接でガクチカが重要視される理由

ESや面接でガクチカが重要視される理由

ガクチカの例文を紹介する前に、まずは企業がガクチカを重視する理由を解説します。

ガクチカで重視するポイントを理解していれば、ポイントを押さえたガクチカの作成につながるでしょう。

学生が持つ個性や価値観の理解

学生が一番力を入れてきた取り組みには、学生の個性価値観が現れやすいため、企業はガクチカをよくチェックしています。

特に価値観のチェックは、採用のミスマッチを避けるためには欠かせません。

企業としては、ガクチカを通じて知りたいポイントといえるでしょう。

主体性・チャレンジ精神の有無

企業が採用で重視している項目に、主体性チャレンジ精神があります。

指示待ちではなく、主体性を持って仕事を進める人材は企業にとっては欲しい人材です。

また既存の考えにとらわれることなく、新しいことにチャレンジする精神は今後は特に必要とされる能力になります。

学生時代に力を入れた取り組みの中から、企業は主体性・チャレンジ精神がある人材かをチェックしています。

参考:2018 年度 新卒採用に関するアンケート調査結果

コミュニケーション能力を測る

企業は主体性とチャレンジ精神を重視している中でも、一番に重視している項目はコミュニケーション能力です。

日常会話から関係性を作る力や仕事の目的やポイントを伝え合う能力は、コミュニケーション能力がなければ、難しいでしょう。

職場で円滑に働いてもらうためにはコミュニケーション能力が欠かせないため、企業はガクチカからコミュニケーション能力を測っています。

参考:2018 年度 新卒採用に関するアンケート調査結果

【例文付き】パターン別ガクチカ5選

【例文付き】パターン別ガクチカ5選

本章では様々なパターンに合わせたガクチカを例文付きで紹介します。

紹介した内容はESや面接で使える内容ですが、自身でアレンジしていただいても問題ありません。

研究

私が学生時代に最も力を入れた取り組みは、研究になります。

私は物理学の観点からスポーツ科学、特に野球への応用に力を入れて取り組みました。

結果として、自身の研究成果がスポーツ・チームの成果につながるという実績を得ました。

物理学を野球への応用を目指すきっかけは、メジャーリーグです。

メジャーリーグでは科学的なアプローチの導入に積極的であり、好きな野球に自身が持つ専門性を生かせると考えたからです。

実際に大学内にある野球サークルに協力してもらい、データを収集して、様々な提案をおこない、結果へとつながりました。

一方で提案がすべて受け入れられるとは限りませんでした。

理論上は正しいとはいえ、実際にプレイする人が納得するとは限らないためです。

心理的なハードルを下げるため、まずは受け入れてもらえそうなスモールステップから、提案をスタート。

提案内容が上手くいけば、またスモールステップでお願いという地道な努力を積み重ねました。

最終的には当初納得してもらえなかった方にも、多くを受け入れてもらえました。

研究成果はもとより、研究成果を現場に導入するまでの過程を、この大学生活の間で学ぶことできました。

サークル活動

私が最も大学時代に力を入れたのは、フットサルサークルの活動です。

20人と決して人数は多くありませんが、サークルの代表として、学生時代を過ごしました。

様々な活動の中でも、私が最も苦労した点は各部員の温度感です。

同じサークルとはいえ、各部員には温度感がありました。

緩い雰囲気でやりたい学生、もう少し活動に力を注ぎたい学生など様々でした。

そこで私は各部員がサークルに求めるものをヒアリングして、活動内容の中間点を決定。

卒業まで一人も部員を欠かさずに迎えることができました。

どのような組織であれば、各々に温度感の違いはあると思います。

私はリーダーとして、チームを1つにまとめあげる経験をサークル活動で得ることができました。

アルバイト

予備校のアルバイトで、生徒数の減少の課題を解決した経験です。

私がアルバイトしている校舎では、高卒生の生徒数が減少し、新規高卒生を増やす必要がありました。

私は解決の為に、お客様から予備校に関する疑問点を聞きました。その結果、予備校での生徒の生活の想像を容易にする必要があることがわかりました。そこで私は、生徒の予備校での生活模様を伝えることを主とした校舎ツアーを考案しました。具体的には、教室のレイアウトを実際に使用しているモノにすることやアルバイトの方を生徒役に見立て、職員にも協力して頂き普段の生活の模様を写真で掲示しました。そして、お客様に実際に案内して、想像を容易にする工夫をしました。

この取組を始めてから約1ヶ月後には、新規高卒生の生徒数が昨年度よりも50人程増加し、生徒数の減少を抑制できました。私はこの経験から、相手のニーズに対し、何ができるかを考え行動することが大切だと学びました。

留学

オーストラリアのブリスベンに約1ヶ月語学留学し、TOEIC700点という目標を成し遂げたことです。

私は、元々英語が苦手で、語学力を向上させる為に、大学1年生のときに留学に挑戦することを決意しました。

留学をしていた際、自分の英語が片言だったこともあり、ホームマザーとコミュニケーションを取ることに苦戦しました。

私は、片言になる原因は、単語力や文法力の理解や知識の不足であると考えました。そこで、毎日ホームマザーと会話することを徹底して、その中で、ホームマザーが頻繁に使用している英単語や英文法は必ずメモをして、自分の会話の中にも取り入れる努力をしました。

その結果、語彙や文法の理解を深め、知識の定着に繋がったことで、会話の際も約1ヶ月の間で流暢に話せるようになりました。この経験で、留学前はTOEICで500点代を切っていた私が、留学後は745点も取れ、英語力向上を実感しました。この挑戦から、諦めずに果敢に挑戦することで、やればできることを学びました。

ボランティア

私が最も大学時代に力を入れたのはボランティア活動です。

具体的には、地域の養護施設でのボランティア活動になります。

元々は街の清掃活動ボランティアをやっていた際に、声をかけられたのがきっかけです。

大学1年生から始め、年次が経つにつれて多くの養護施設と関わるようになると、現場でのアンバランスさに気がつきました。

養護施設Aには全く支援がないのに対して、養護施設Bには支援が多すぎるというケースです。

ありがたいことに、関心ある多くの方が支援をしてくれていますが、養護施設にニーズが合っているとは限らない状況でした。

私は担当する養護施設からニーズを聞き取り、各施設への支援がバランスの取れるように調整しました。

調整にはアプリを通じておこなうなど、誰もが調整のしやすいようにしています。

結果として、現在は多くの養護施設へバランスよく、支援の手が届くようになりました。

私はボランティア活動を通じて、相手の気持ちやニーズを汲み取り、バランスを取る難しさとやりがいを経験しました。

評価されるガクチカのポイント3選

評価されるガクチカのポイント3選

本章では評価されるガクチカのポイントを3つ紹介します。

各々のポイントは決して難しいものではないので、まずは1つでも実践していただければと思います。

深掘りしたガクチカ

学生が語るガクチカから、企業は学生の価値観や人柄を知りたいと思っています。

力を入れたことや得られた結果・経験だけでは、人柄や長所をアピールするには少し足りません。

自身の人柄や価値観、長所をアピールするためにも、ガクチカを深掘りすることをおすすめします。

評価されるためのガクチカの具体的な書き方は次章で紹介します。

欲しい人物像に近いエピソードは活用する

各企業は新卒採用に際して、欲しい人物像を設定している企業がほとんどです。

各採用ページに掲載されているため、ガクチカのエピソードと欲しい人物像に共通点を感じた場合には、ぜひ活用しましょう。

採用側は欲しい人物像を基準にして、採用活動をおこなっているので評価されるためには良いアプローチといえます。

成果をアピールする場合には誰にもわかりやすく

ガクチカに成果を書く場合があると思いますが、成果は誰にでもわかりやすく書きましょう。

例えば、成果に専門用語が多く含まれる場合には、一般的にわかりにくくアピールしても効果は薄くなります。

誰にでもわかりやすい表現に直して、アピールするようにしましょう。

評価されるガクチカの具体的な作成方法

評価されるガクチカの具体的な作成方法

本章では評価されるガクチカを作るための具体的な方法を解説します。

紹介する5つのステップに沿って作っていただければ、ポイントを押さえたガクチカとなります。

最も力を入れた内容の結論を紹介

企業が相手なので、まずは結論から紹介するようにしましょう。

結論から書く・話すはビジネスにおける基本です。

ガクチカでも、内容の結論は冒頭で紹介するようにしましょう。

力をいれるようになったきっかけを書き出す

学生時代に力をいれた活動や結果を紹介した後は、きっかけを書きましょう。

なぜ活動に取り組むようになったのかは、人柄を知るポイントとなります。

どのようなものに興味を持っているかは、企業としても気になる部分なので、紹介するようにしましょう。

ガクチカでの課題や問題をピックアップ

活動や取り組みには、当然ながら課題や問題点が出てくるでしょう。

ビジネスにおいても、日々の仕事には課題や問題点が出てきます。

課題や問題にどのように向き合ったのかは、企業が気にしているポイントです。

直面した課題や問題へどのように対応したのかをまとめる

ガクチカで直面した課題や問題を、どのように解決したのかを企業は評価しています。

まとめるポイントは再現性です。

応募した学生が問題に直面した際、ビジネスでも同じように対応できると思わせられれば、非常に高い評価を受けます。

ビジネスにも共通する解決方法や取り組みを表現するようにしましょう。

ガクチカでのエピソードをまとめる

最後に紹介したガクチカの内容をまとめて、紹介をしめるようにしましょう。

まとめとしては、学生時代に力を入れて取り組んだ活動+活動から得られた経験でまとめるとキレイにまとまります。

ガクチカ作成時の注意点

ガクチカ作成時の注意点

最後にガクチカを紹介する上での注意点を解説します。

いくら学生時代に取り組んだ内容が素晴らしくても、紹介の仕方が悪ければ良い評価にはつながりません。

注意点に気をつけながら、ガクチカをまとめましょう。

成果やエピソードは誇張しない

就活において、選考活動は多くの学生との競争という側面があります。

少ない採用枠を争うので、競争と考える方がいても不思議ではありません。

ただし、いくら競争とはいえ、ガクチカの成果やエピソードは誇張しない方がよいでしょう。

面接官は多くの学生を見てきているため、ウソをついている学生はすぐにわかってしまいます。

仮に誇張が見抜かれなかったとしても、誇張された内容で評価されてしまいます。

本当の姿ではなく、誇張された姿で評価されるので、入社後に苦しむ可能性も少なくありません。

内定が欲しい気持ちは非常にわかりますが、ガクチカの成果やエピソードは誇張しないようにしましょう。

誰にでもわかりやすく

学生時代の素晴らしい活動内容や成果、経験も企業へ伝わなければ、あなたの魅力はアピールできません。

自分でまとめた場合には必ず読み返して、わかりやすいかを確認するようにしましょう。

また第三者に確認してもらうのも、わかりやすいかを確認できるのでおすすめです。

常識のある内容にする

人々の趣味・趣向が多様化する昨今では、力を入れた取り組みも人それぞれでしょう。

個人のプライベートなので、どのような取り組みに力を入れるかは個人の自由です。

一方で企業にアピールするガクチカは、常識のある内容にしましょう。

特に昨今は社員のモラルも企業は重視しています。

ガクチカも常識のある内容でなければ、企業は評価しないでしょう。

スカウトサービスでもガクチカのアピールを

スカウトサービスでもガクチカのアピールを

エントリーシートや面接用にまとめたガクチカですが、まだまだ活用する方法があります。

スカウトサービスでも、ガクチカをアピールするとよいでしょう。

スカウトサービスとは、企業が採用候補になりそうな学生をスカウトするサービスです。

学生の入力した経歴やプロフィール、ガクチカを参考にして、企業はスカウトをおこないます。

エントリーシートや面接用にまとめたガクチカも、ぜひスカウトサービスで活用しましょう。

昨今は様々なスカウトサービスがありますが、おすすめは『TECH OFFER』です。

『TECH OFFER』は理系学生向けに特化した、理系学生のためのスカウトサービスです。

大手企業や有名企業、ベンチャー企業など様々な企業が『TECH OFFER』を通じて、採用を実現しています。

多くの企業が『TECH OFFER』を通じた採用活動を活発にしていますので、会員登録から始めてみませんか。

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まとめ

学生時代に力を入れたこと、いわゆるガクチカは多くの企業で質問され、評価のポイントになっています。

ガクチカの重要性は理解している一方で、どのようにガクチカをまとめればよいかわからない方も多いでしょう。

今回はパターン別でガクチカの例文とガクチカを作成するポイントを解説しました。

これからエントリーシートや選考に向けてガクチカをまとめている方は、ぜひ今回紹介した内容を参考にしていただければと思います。