志望動機は就活の成功を左右する重要な要素です。

企業に刺さる志望動機を作り上げれば、就活の成功率は上がるでしょう。

志望動機の重要性は理解している一方で、感覚だけではうまく書けないため、苦戦している方は少なくありません。

仮にうまく書けたとしても、企業の担当者に刺さるものでなければ、効果はあまり期待できないでしょう。

今回は志望動機の書き方とポイントを例文付きで解説します。

志望動機がうまく書けずに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

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志望動機から企業は何を知りたいのか

志望動機から企業は何を知りたいのか

そもそも企業は志望動機から何を知りたいのでしょうか?

この意図を知ることでより説得力のある志望動機につながります。

知りたいポイントは「志望度の高さ・本気度」と「自社とのマッチング」の2つです。

では詳しく見ていきましょう。

志望度の高さ・本気度

「志望度の高さ・本気度」が知りたいポイントの1つ目です。

新卒採用では特にこの項目が重視されており、リクルートの調査「就職白書2023」によると、78.9%もの企業が「企業への熱意」を重視している(全項目中2位)というほど。

ポテンシャル採用が中心の新卒採用では、能力面での差があまりないのでより働く意欲の高い学生を企業は採用したいのです。

出典:「就職白書2023」

志望度の高さをアピールするためには、業界・企業研究はマストになります。

合わせて、

  • ・入社後に挑戦したいこと
  • ・入社後にどのようなことができるか
  • ・将来のビジョン

などを具体的に伝えると、働いている姿をイメージしやすく「志望度の高さや本気度」のアピールにつながります。

自社とのマッチング

「自社とのマッチング」が知りたいポイントの2つ目です。

企業は「新卒者には長く活躍してもらいたい」という想いで、時間や労力を割いて採用選考を行っています。

そのため、入社時点でのミスマッチは避けたい気持ちが強いのです。

当然、自身のやりたいことや求める環境が、企業の方針と一致しなければ選考を勝ち抜いていくことはできません。

業界・企業研究をしっかりと行い、自分の就活の軸と企業のマッチしている点を具体的に伝えるようにしましょう。

また、企業の方針にあわせて「自分にはこういったことができる」と伝えられるとより説得力のある志望動機を書くことができます。

モチベーションはどこにあるか

「仕事へのモチベーションはどこにあるか」が知りたいポイントの3つ目です。

リクルートの調査「就職白書2023」に項目はありませんが、93.8%もの企業が重視している「人柄」がまさにその部分。

企業側は人柄を通して、意欲の源泉を知りたいと考えているのです。

それは、一過性の意欲なのか継続していける意欲なのかを見極めるため。

例えば報酬や知名度のみが意欲の源泉であれば長く活躍することが見込めません。

一方で幼少期から興味がある分野、人の役に立ちたいなどの大儀が源泉となっている場合は意欲を継続できる可能性も高いはずです。

自己分析をしっかりと行い、自分なりの「働く意味」をみつけることで心に届く志望動機を書くことができるでしょう。

就活における志望動機の作り方

就活における志望動機の作り方

先ほど解説した通り、志望動機では志望度の高さ・マッチング・意欲の源泉に注目されています。

そのため、自分の就活の軸と企業の接点を見つけることは、志望動機を作るうえで非常に重要です。ここでは志望動機作りの方法を解説します。

①自己紹介で就活の軸を見つける

志望動機の要になるのが、何を大事にして企業を選ぶのかという「就活の軸」。

「どんなことをしていきたいのか」や「何に価値を感じるのか」など、自分の経験や価値観を見つめなおすことで、自分が会社や仕事に求めていることが見えてきます。

軸がないまま就活を進めてしまうと、「言葉に説得力がでない」「本気度が伝わらない」

「企業とのミスマッチ」といったことが起きてしまうので、1つは譲れない軸を設定するようにしましょう。

②企業研究で事業内容や風土を把握

もう1つ重要なのが、「企業のどこに魅力を感じたのか」ということです。

そのために、業界・企業研究を進めて事業内容や企業風土を把握することが重要になります。

業界全体を見ることで初めてその企業の強みや特徴といった魅力が見えてくるので、業界研究も欠かさないようにしましょう。

可能であれば説明会やインターンへ参加し、社内のリアルな環境を知ることも大切。

企業の魅力を具体的に説明できれば、志望動機に説得力が生まれます。

③就活の軸と企業の接点をみつける

就活の軸と企業とがマッチする部分を整理しましょう。

就活の軸をもとに企業探しを進めていくと、自ずとマッチする部分がわかります。

「どのような考えで、なぜその企業でなくてはならないのか」ここに筋が通ると、説得力のある志望動機につながります。

また、企業との接点は汎用的な部分でない方が望ましいです。

「企業の雰囲気が良い」や「事業内容に共感した」という漠然とした、どの企業にも当てはまる内容では伝わりません。

どんな雰囲気がどんな風に良いのか、事業内容のどの部分にどんな気持ちで共鳴したのかより詳細に伝えることが大切です。

企業に刺さる志望動機の構成

企業に刺さる志望動機の構成

志望動機をいきなり書き出して、うまく作れる方は多くありません。

うまく作っている方のほとんどが、志望動機の構成を作り上げてから作成しています。

本章では企業に刺さる志望動機を作るために、必要な構成の作り方を解説します。

全体の構成は理由とキャリアプランを8対2の割合

志望動機を書くうえで、どれだけの内容を書けばよいのかは悩む要素の1つでしょう。

志望に至った理由を多く書けばよいのか、それともキャリアプランを中心にすればよいのかを悩む方は少なくありません。

全体の構成は、志望に至った理由とキャリアプランを8対2の割合を目安に書くとよいでしょう。

志望している理由を中心に書き出し、キャリアプランをプラスすれば、志望動機として十分な内容になります。

志望している理由

ビジネス文章は必ず結論から書き出す必要性があるため、志望に至った理由の結論を述べるようにしましょう。

例えば、以下のように志望理由を端的にした文章から書き出すと、企業の担当者も読みたくなる文章になります。

  • ・私は貴社の「先の世代を見越した利他的な社風」に共感し志望致しました。

企業選びのポイント

数ある業界・企業の中から、どのように企業選びをしているかは企業の担当者が気になるポイントです。

仕事の内容や働き方、実現したい目標など、企業を選ぶための基準を説明します。

例えば、以下のように企業選びのポイントを説明するとよいでしょう。

  • ・世界を代表する日本の技術力を、広く伝えていきたいと考えています。

志望業界

エントリーした企業が所属する業界をなぜ選ぶのか、紹介した企業選びのポイントをふまえて、説明します。

例えば「世界を代表する日本の技術力を、広く伝えていける企業」を企業選びのポイントにしているとしましょう。

エントリーした業界が「自動車業界」「半導体業界」「カメラ業界」などの場合は、企業選びのポイントと選んだ業界が一致します。

ピックアップした業界はどれも日本の技術的優位性が高い業界だからです。

企業選びのポイントと志望業界が一致するように説明しましょう。

業界内でなぜ選んだのか

業界内にある数多くの企業から、なぜ自社を選んだのかは企業の担当者が重視しているポイントです。

企業が持つ強みや特徴などをふまえて、業界内でなぜ選んだのかを説明します。

例えば、以下のように企業選びのポイントと志望業界を決めているとしましょう。

・企業選びのポイント:世界を代表する日本の技術力を、広く伝えていける企業

・志望業界:自動車業界

業界内から選んだ理由を以下のように説明すると、ストーリーとして矛盾がないため、納得のいく回答となります。

  • 御社(貴社)は自動車業界の中で特許を取得している数が日本一であると同時に、輸出台数も№1です。高い技術力を持ちつつ、世界に広く技術を伝えられる企業のため、御社(貴社)を志望しました。

入社後のキャリアプラン

企業選びのポイントや志望業界・企業で全体の8割を説明した後は、入社後のキャリアプランで残りを説明するとよいでしょう。

自身の強みや特徴をふまえて、入社後の目標や挑戦したいことを説明します。

例えば、自身の強みが大学の研究で培った粘り強さだとした場合、以下のようにキャリアプランを描くとよいでしょう。

  • ・より多くの人々が使える安全な自動車となるように、自動ブレーキシステムの研究に粘り強く取り組みたいです。

【新卒就活】志望動機の例文集と書き方のポイント

【新卒就活】志望動機の例文集と書き方のポイント

では書き方のポイントごとに、志望動機の例文をご紹介します。

それぞれのポイントを理解し、自分で書く際の参考にしてみてください。

①価値観に魅力を感じた志望動機の例文

【例文】

私は貴社の「先の世代を見越した利他的な社風」に共感し志望致しました。

先を見越した利他的な思考の大切さは、幼少期に祖父から伝えられた教えに通じる部分があります。

その教えを胸に学生時代を通して追求した〇〇の分野は、社会をより良くする貴社商品にも活かせる研究です。

すでに広く愛されている〇〇製品を先の世代に繋ぐために、専門分野を中心に幅広い業務で貢献したいという思いからエントリーに至りました。

【ポイント】

企業理念や事業方針への共感は良いアピールになります。

しかし、同じ観点で志望動機を書く就活生も多いため、独自の根拠を添えることがおすすめです。

②具体的なエピソードを添えた志望動機の例文

【例文】

私は貴社製品を通じて、日本のものづくりの力になりたい思いがあり志望致しました。

大学時代カナダへの交換留学に参加した際、韓国や中国製品が非常に多かったことに衝撃をうけました。

アジアだけでなく世界を代表する技術力を、貴社製品の「ユーザー目線でのものづくり」を通して再び広く伝えていきたいと考えています。

【ポイント】

具体的なエピソードを志望動機に織り込むことで、説得力のある内容になります。

自身のアピールしたいポイントをさり気なく入れ込むと、担当者の印象に残りやすい文章となるでしょう。

③この会社である強い理由を軸にした志望動機の例文

【例文】

数百社ある〇〇業界のなかで、貴社を志望する理由は2つあります。

1点目は「先進性」です。

1962年発表のAシリーズや1982年発表のDシリーズをはじめとして、世界に驚きを与える発想に魅力を感じています。

常に挑戦する姿勢△社独自の姿勢だと考えています。

そして2点目は「日本を感じさせる製品である」ことです。

海外向け製品でも変わらず日本の独自性を大切にされていることに誇りを感じます。

この2つの特徴は、業界でも貴社のみのものです。

自身の専門分野を活かせる部分で、ぜひ組織の力になりたい思いから志望致しました。

【ポイント】

〇〇社だから入社したいという思いは、強いアピールになります。

より具体的な内容をできるだけ端的に書くことが大切なポイント。

可能であれば、企業の特徴に対して自身の専門性がどのように活かせるのかも書き添えることがおすすめです。

新卒向け履歴書に載せる志望動機の例文と書き方

新卒向け履歴書に載せる志望動機の例文と書き方

志望動機は面接で話すケースもあれば、履歴書にあらかじめ載せるケースもあるでしょう。

志望動機を話す場合には相手の反応を見つつ、話し方を変えられますが、書く場合には誰にでも伝わるように書く必要があります。

本章では新卒向けの履歴書に載せる志望動機の書き方を例文付きで解説します。

新卒向け履歴書に載せる短めの志望動機の例文

【例文】

私は「顧客目線を真に意識して行動せよ」に共感して、貴社を志望致しました。

学生時代にユーザービリティを意識したプログラム開発で、ユーザーに大変喜んでいただいた経験に通じる部分があるからです。

入社後はこれまで培ったユーザーが使いやすいプログラミングの経験を生かして、貴社に貢献していくつもりです。

【ポイント】

履歴書によっては、志望動機を書く欄が小さい場合があります。

記入欄が小さい場合、伝えたい内容をすべて書くことはできないため、スリム化する必要があります。

スリム化のポイントは、徐々に削ることです。

いきなり端的に志望動機を書くのではなく、徐々に削っていき、スリム化すると伝えたい内容とのバランスが取れます。

新卒向け履歴書に載せる400字程度の志望動機の書き方

【例文】

私は貴社の企業理念である「顧客目線を真に意識して行動せよ」に共感して、貴社を志望致しました。

顧客目線を重視するきっかけとなったのが、学生時代に力を入れた研究です。

私は大学の研究テーマを、ユーザビリティ性を追求したシステム開発にしていました。

ユーザーが真に使いやすいシステムとは何かを研究して、実際にシステム開発に取り組んでいました。

失敗例もいくつかある中で、ユーザーに大変喜んでいただいたケースもあります。

ユーザー目線を意識した開発がシステムの付加価値を高め、ユーザーに喜びを与えた点に感動を覚えました。

就活では、ユーザビリティに力を入れてシステム開発をおこなっている企業を中心にエントリーしています。

数ある企業の中でも、貴社はユーザビリティ性を重視した開発で何度も賞を受賞している点に魅力を感じて、エントリーに至りました。

貴社ではこれまで培ったユーザーが使いやすいプログラミングの経験を生かし、御社に貢献していくつもりです。

【ポイント】

たっぷりと記入欄が用意された履歴書の場合には、余すことなく志望動機を書くとよいでしょう。

内容をしっかりと書いた場合、冗長的な内容になってしまうケースも少なくありません。

繰り返し読み直して、読みやすい文章になっているか確認をしましょう。

志望動機をより良くする方法

志望動機をより良くする方法

制作した志望動機をより良くするためには、チェックと修正が必須です。

ここからは、内容をしっかりと伝えるための、志望動機のチェック方法を解説します。

第三者に伝えフィードバックを貰う

志望動機を第三者に読んで貰ったり、口頭で伝えてフィードバックを貰うことは非常に有効な手段です。

書いたことで満足しがちですが、意外と他者には意図したように伝わらないもの。

信頼できる友人や先輩のアドバイスを受け、修正することでより良い内容になるでしょう。

面接経験を増やす

実際の面接を通して志望動機を話し、担当者の反応をみて修正する方法もあります。

直接表情やリアクションをみることができるので、修正点がわかりやすいことが最大のメリット。

一方で上手く修正できなければ、選考に通らない状況が続くことになります。

一回一回の面接を大切に、丁寧に修正することが非常に大切です。

就活サイトのプロフィールに書く

TECHOFFERなどの企業からオファーが届く就活サイトを活用し、志望動機を磨くのも良策です。

企業側は就活生が登録した、専門分野や志望業界、希望勤務地などを閲覧しオファーをだします。

就活生はオファーが届けば面接やインターンへ参加できますので、志望動機を提出する機会を増やすことが可能。

就活を進めながら志望動機を磨くことができます。

そのほか、プロフィールに業界の志望動機を登録し、企業の反応をみることも方法のひとつ。

オファーが多く届くようであれば、同様の方法で企業向けの志望動機を作成すると効率的です。

登録は数十分でできる内容ですので、最も簡単に試せるチェック方法だと言えるでしょう。

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志望動機を書く際の注意点

志望動機を書く際の注意点

志望動機はある程度決まった「型」があるとはいえ、基本的には選考を受ける学生に任されています。

一方で志望動機を書くうえで押さえておくべき注意点もあります。

本章では志望動機を書く際の注意点を解説するので、ぜひ参考にしてください。

記入欄の8割は満たす

エントリーシートや履歴書の志望動機を、できるだけ短い文章で書こうと思う方は少なくないでしょう。

短い文章の方が、企業の担当者も読みやすいと考えるためです。

短い文章の方が読みやすいですが、基本的には8割は埋まるように書きましょう。

文章が短い場合、入社への熱意が低いと捉えられるリスクがあるからです。

記入欄を8割方満たしていれば、入社への熱意が低いと捉えられるケースはほとんどないでしょう。

企業を指すときは貴社

企業を呼ぶ言葉には「御社」「貴社」があり、どのように使い分ければよいか、分からなくなってしまう方もいるでしょう。

エントリーシートや履歴書に書く場合には「貴社」と書き、面接では「御社」と呼びます。

書き言葉と話し言葉で異なるので、注意しましょう。

結論ファーストを忘れない

入社への熱意が高い場合、さまざまな思い・考えを伝えたいために、大量に志望動機を書いてしまう方もいるでしょう。

思いの丈をぶつけるのは素晴らしいことですが、文章は結論ファーストが重要です。

素晴らしい志望動機だったとしても、企業の担当者に読んでもらえなければ、意味はありません。

企業の担当者に読んでもらうためにも、結論ファーストの文章にしましょう。

就活の志望動機によくある質問

就活の志望動機によくある質問

志望動機は企業に合わせてカスタマイズする必要があるため、絶対的な答えはありません。

志望動機を練り上げているうちにどのように書けばよいのか、さまざまな疑問が浮かんでくるでしょう。

本章では就活の志望動機によくある質問を解説します。

就活の志望動機はどのような書き出しにすればよい?

必ず結論から書き出して、読みたくなるような文章にしましょう。

理由としては、読みたくなるような書き出しでないと、印象に残らない可能性が高まるためです。

志望動機を確認する担当者は、1日に何十・何百の志望動機を読みます。

書き出しから読みたくなる文章でないと、最後までしっかりとチェックしてもらえる可能性は低くなります。

就活の志望動機が思いつかない場合はどうすればよい?

感覚的に何となく良さそうだからエントリーしたいけど、肝心の志望動機が思いつかないという方は少なくないでしょう。

志望動機が思いつかない場合には一度立ち止まって、良さそうと思った理由の深掘りをおすすめします。

良さそうと感じた理由を明確化できれば、志望動機にするのは難しくありません。

理由の明確化には「なぜなぜ分析」を繰り返すのがおすすめです。

なぜなぜ分析を繰り返すことで、自身の中で良さそうと思った理由が整理され、明確化できるでしょう。

まとめ

本記事では「就活で使える志望動機の書き方と例文、ポイントとより良い内容にするためのチェック方法」を解説しました。

ポイントを抑えたうえで志望動機を制作してみると、自分の思考もすっきりと整理され、面接時の回答にも役立ちます。

ぜひ今回の内容を志望動機制作の参考にしてみてください。

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