「自分はまだ何も就活を始めていない…」そんな焦りを感じている人もいるかもしれません。
しかし、忙しい理系学生にとって出遅れは珍しくありません。まず現状を自己診断し、今からできる最短挽回ルートを実行すれば十分間に合います。本記事では出遅れを挽回し、効率的に動き出す方法を解説します。
「出遅れ度セルフチェック」

以下の質問に「Yes/No」で答えてみましょう。Yesは1点、Noは0点で、合計点であなたの出遅れ度を診断できます。
チェックリスト(5問)
- 1.インターンや説明会など就活関連の活動をまだ1度もしていない
- 2.研究や授業が忙しく、就活の時間を十分に取れていない
- 3.エントリーシート(ES)を提出したが、通過したことがない
- 4.面接やグループディスカッションは緊張や準備不足からうまくいっていない
- 5.最終面接で内々定をひとつも取れたことがない
判定結果
・0〜1点:軽度の出遅れタイプ
今からでも十分挽回可能。基本的なことはできているので、面接対策を進めよう。
・2〜3点:中程度の出遅れタイプ
基礎はあるが戦略不足。ES改善や自己PR対策に注力すれば成果につながる。
・4〜5点:重度の出遅れタイプ
今のやり方を大きく見直す必要あり。短期集中で行動を変えれば間に合う。
タイプ別の最短挽回ルート

上記の「何もしていない/就活の時間を十分に取れていない」「エントリーシートで落ちる」「面接で落ちる」「内々定ゼロ」の4つに分けた最短挽回ルートを説明します。
「何もしていない/就活の時間を十分に取れていない」人の場合
上記の自己分析テストで4〜5点の「何もしていない」「就活の時間を十分に取れていない」人がやるべきことを説明します。
「何もしていない」「就活の時間を十分に取れていない」という人の最大の問題点は、就活を漠然ととらえていることです。実験でも試験勉強でも、まずすべきことは、「目的をはっきりさせ、そのためには何をしなければならないか」「どうやってそれをするか」です。同様に、いきなり「就活する」のではなく、「就活とは、何をしなければならないことなのか」を理解しましょう。
上記のプロセスをスムーズに進めるために、まず就活サイトやオファーサイトであるTECH OFFERへの登録を進めましょう。
今日やる3つ
- ・就活サイト「TECH OFFER」に登録
- ・自己分析シートを1枚書き始める
- ・学内キャリアセンターのイベント情報を確認
48時間以内にすべきこと
- ・エントリー可能なインターン、説明会を最低1件予約
- ・興味ある業界を3つに絞る
- ・OBおよびOG訪問先をリストアップ
7日プラン
- ・自己分析を完成させ、強みや志望動機の草案を作る
- ・各業界で1社ずつ企業研究を行う
- ・インターン参加やキャリア相談会に1回以上参加
エントリーシートで落ちる
志望企業を決め、エントリーシートは出したものの一度も通過したことがない人には共通の問題点があります。共通の問題点とは「エントリーシートの内容と企業が求める人材の内容が一致していない」ことです。
例えば、カフェのアルバイト募集に「私は100メートルを10秒代で走れます」という人がいたとしましょう。応募して来ても、「カフェとどういう関係があるのか?」と思われてしまいます。自分がそれと同様のことをしていないか、まずチェックすることから始めてください。
今日やる3つ
- ・直近のESを見直して「具体性/成果」の不足をチェック
- ・成功したエピソードを1つ深掘りする
- ・キャリアセンターや先輩にレビュー依頼
48時間以内にすべきこと
- ・企業研究を行い、志望企業ごとに「企業が欲しい人材像」を3つ書き出す
- ・「企業が欲しい人材像」に合わせた自己PRをリライト
- ・1社に再エントリー用のESを提出
7日プラン
- ・ESを最低3社分ブラッシュアップして提出
- ・ガクチカ、志望動機をテンプレ化し、応用できる形に整備
- ・書類選考通過率を自己記録して改善点を分析
面接で落ちる
エントリーシートは通過できても面接でうまくいかない人は、以下のような複合的な要因があると考えられます。
- ・企業とのミスマッチ
- ・強みが十分にアピールできていない
- ・コミュニケーションの問題(声が小さい、はきはき話せていない、質問に適切な答えができていない、等)
まずは、自分の課題がどこにあるか知るところから始めましょう。
今日やる3つ
- ・自己紹介30秒を声に出して練習
- ・面接のよくある質問(強み、弱み、志望理由)を3つ答えてみる
- ・模擬面接の日程を予約
48時間にすべきこと
- ・面接を録音し、自分の話し方をチェック
- ・想定質問リストを10個作成
- ・フィードバックをもらって答えを修正
7日プラン
- ・模擬面接を最低2回実施
- ・失敗した質問に答え直すトレーニングを継続
- ・実際の面接にエントリーして場数を踏む
内々定ゼロ(最終面接で落ちる)
最終面接まで進めた人は、企業からある程度の評価を受けていることは間違いありません。しかし、最後のピースが足りなかったために、内々定に結びついていない状況です。。最後のピースが何であるのかを明確にし、必要な対策を講じましょう。
今日やる3つ
- ・過去の選考結果を振り返り「敗因メモ」を作成
- ・他業界や中堅企業も視野に広げてリストアップ
- ・キャリアセンターや就活エージェントに相談
48時間にすべきこと
- ・エントリー企業数を増やし、最低5社を追加登録
- ・自分の強みを「企業にどう役立つか」で書き直す
- ・選考スケジュールを整理して抜け漏れを防ぐ
7日プラン
- ・新たな業界研究を進め、次の志望群を固める
- ・面接・ES両方を改善し、通過率を検証
- ・OB/OG訪問やエージェント経由で内定者の成功例を学ぶ
27卒の最新スケジュールと理系特有のポイント

理系の就職活動は、専門知識や研究経験が評価されるとともに、文系とは異なるスケジュールで進むことが多いのが特徴です。まずは、今後の最新就活スケジュールを押さえた上で、27卒の理系就活特有の動きと注意すべきポイントを確認していきましょう。
秋以降の就活スケジュール
多くの3年生は、夏インターンへの参加などを皮切りに本格的な就活を始めます。今の段階で何もしていなかったとしても、10月以降のイベントに参加することを通して、まだ十分間に合います。最初に、就活でどんなイベントがあるかを整理しておきましょう。
秋・冬インターンシップ
9月から1月にかけて秋インターンシップ、冬インターンシップが開催されます。この時期のインターンシップは、夏インターンシップに比べ参加者が少なくなります。そのため、1人ひとりの就活生と企業の交流が深くなる傾向です。早期選考にも結びつきやすいため、積極的に探しましょう。
冬採用
慢性的に人材不足が続いているIT業界や外資系などは、3年の1月ごろから採用が行われる場合があります。IT系や外資系を考える人は、今からさっそく準備を始めましょう。冬採用を行う企業リストも公開され始めています。
ルール/要請の変化に注目
日本では、従来「広報解禁」や「選考解禁」などの時期が経団連などの要請で定められています。しかし、企業の早期化や通年採用の導入で実際の動きはそれより前倒し・柔軟化してきており、秋以降でも選考開始が早いケースがあります。
通年採用~「通年採用」を導入する企業が増加傾向
特に、研究職・技術系職や専門性を求めるポジションでは固定の募集時期に縛られないケースが多くあります。そのため、必要な人材が現れた時点で採用を行う形式が増えています。。企業規模の小さい中小企業で、通年採用の導入率が高くなっている傾向です。
通年採用のメリット・デメリット
就活生にとっての通年採用のメリットとしては、以下のものがあります。
・就活の出遅れがマイナスになりにくい
・じっくり対策ができる
通常の就活スケジュールでは遅れを取っている就活生も、通年採用では遅れを気にすることなく、じっくり選考対策を取れます。
一方、デメリットもあります。
・自分から募集情報を収集しなければならない
・採用枠が少ない
通年採用の場合は、就活サイトや大学のキャリアセンターから採用情報が送られてくることはありません。そのため、気になる企業が通年採用を行っている場合、採用ページを定期的にチェックし、いつでも応募できるように準備しておきましょう。
また、通年採用を行う企業は、新卒だけを対象としているわけではありません。第二新卒や既卒者も含まれるため、新卒者にとっては厳しい競争環境です。
情報収集の方法
企業の採用ページ、逆求人サイト、就活エージェント、大学キャリアセンターなどで「通年採用」「随時募集」の案件をチェックしておきましょう。また、TECH OFFERに登録しておき、企業からのオファーを待つのも有効な方法です。
特に、理系は「専門スキル」「研究成果」などで評価されるケースが多いです。そのため、時間を見つけて自分の専門スキルや研究成果をわかりやすく提示できるように準備しておきましょう。
推薦の注意点
- 推薦応募(学校推薦、教授推薦、学科推薦など)は自由応募より早く選考が進むことがあるが、併願制限や推薦枠の有無に注意が必要です。大学によって推薦できる企業が限られていたり、推薦を使うと他の企業の選考とのタイミング調整が難しくなったりするケースもあります。
- 推薦ルートは大学と企業の間で枠、関係性があるため、推薦後に志望変更すると大学側や企業側に影響が出ることもある。
- 成績や研究、実績などが推薦者側で見られるため、推薦候補に選ばれるための準備(成績や研究室評価、専門性、コミュニケーション力など)が必要。自由応募と推薦両方を意識して準備しておくのがベスト。
理系特有の就活時期
文系と理系の就活は就活時期も異なります。ここでは最初に理系就活の特徴を整理した上で、就活時期を見ておきましょう。
理系就活の特徴
理系学生の場合、実験や研究室選びなどの活動などが忙しく、就活に時間を割きにくい実情があります。そのため、理系就活には以下のような特徴が見られます
採用方法・トレンド | 概要 | 理系学生にとってのメリット |
研究室推薦 | 大学や研究室と企業が連携し、推薦を通じて採用を行う制度 | 一般的な選考よりも早期に内定を得られる可能性がある |
専門性を重視した採用 | 特定の専門分野に特化した採用枠や、研究内容を深く評価する選考プロセス | 自身の専門知識や研究成果を直接的にアピールできる |
通年採用 | 時期を限定せず、年間を通して採用活動を行う方法 | 研究活動の合間など、自身の都合に合わせて就職活動を進めやすい |
理系学生の就活時期
以上を踏まえると、理系学生の場合、「3年の3月から就活スタート」という一般的なスケジュールに囚われすぎないことが重要です。推薦枠の確認や自身の状況、志望する業界・企業の動向に合わせて情報を入手しながら柔軟に就活を進めましょう。
業界・企業によるスケジュールの違い
同じ理系分野の企業であっても、以下のように業界や企業規模によって採用スケジュールは大きく異なる場合があります。
業界 | 採用活動の傾向 | ポイント |
大手メーカー | 理系専門職は夏のインターンシップから早期選考を行う | 夏のインターンシップが選考の起点になることが多い |
IT・ベンチャー企業 | 通年採用が多く、選考時期は全体的に早め(大学3年の夏頃に内定が出ることも) | 長期インターンシップからの採用もあるため、早期の情報収集が重要 |
コンサル・金融 | 早期選考が主流 | 出遅れると選択肢が減るため、早めの行動がカギ |
研究開発職 | 専門知識や研究スキルを重視するため、企業によって選考時期は様々。 | 自身の専門性と企業の研究内容を照らし合わせて確認する必要がある。 |
したがって、興味のある業界や企業の情報は、早めに収集する必要があります。企業の採用ホームページや就活情報サイトなどを活用し、最新の情報を常にチェックするように心がけましょう。
就活スケジュールについては次の記事でも詳しく説明しています。
27卒理系学生の現状チェックリスト

周りの就活情報が気になるこの時期。「もしかして、もう遅い?」と不安に感じることもあるかもしれません。以下では今の時点で確認しておきたい項目と、これから取り組むべきことを明確にし、出遅れ感を解消するための道筋を示します。
就活やばい?今の時期に完了しておくべきこと
今の時期にすませておきたいことは以下のことです。
準備段階 | チェック項目 |
自己分析 | ・自分の強み、弱み・興味のある分野、経験から得たことを把握しているか・どのような仕事に興味があるか、漠然とでも考え始めているか |
就活の基本情報収集 | ・一般的な就活の流れや、理系特有の就活スケジュールを理解しているか・就活サイトや情報源をいくつか把握しているか。 |
学校推薦の利用検討 | ・学校推薦の説明会や概要公開のスケジュールを把握しているか・学校推薦や研究室推薦の利用を検討したか、利用する場合は専攻対策は必要か・大学(教授)からどのようなサポートが受けられるか調べているか |
いずれも本格的な選考活動に入る前の準備段階として非常に重要なことばかりです。もし、まだ上記の段階に達していない場合は、できるだけ早く取り組むようにしましょう。
これからの時期にやるべきこと
現時点で上記のチェック項目が完了していなくても、悲観する必要はありません。これからの時期に以下の項目に取り組めば、十分に挽回は可能です。
取り組むべきこと | 具体的なアクション |
自己分析の深化 | ・過去の経験を具体的なエピソードと共に振り返り、自身の強みや価値観を明確にする・興味のある分野や仕事について、なぜ興味があるのかを深く掘り下げる |
業界・企業研究の本格化 | ・興味のある業界を複数挙げ、動向や主要企業について調査する・企業のHP、IR情報、ニュース記事から情報を収集し、企業理解を深める・OB/OG訪問を検討し、社会人の生の声を聞く |
インターンシップへの応募 | ・夏だけでなく、秋や冬に開催されるインターンシップも視野に入れて探す・興味のある企業や、業界理解を深めたい企業のプログラムに積極的に応募する |
筆記試験対策 | ・SPIなどの筆記試験対策を早めに開始する・参考書や問題集を活用し、計画的に学習を進める |
エントリーシート(ES)対策 | ・過去のES設問例を参考に、自己PRや志望動機を練り始める・PREP法など、伝わりやすい文章構成や表現を意識する |
出遅れを取り戻すには?
出遅れを感じている場合、最も重要なのは「今すぐ行動を開始する」ことです。出遅れは、決してハンデにはなりません。大切なのは、現状をしっかりと把握し、効率的な対策を講じることです。以下のポイントを意識して、効率的に就活を進めていきましょう。
心構え・工夫 | 具体的なアクション |
優先順位をつける | ・やるべきこと(自己分析、業界研究など)をリストアップし、重要度や緊急度で順位付けする・自分にとって最も重要だと思うことから着手する |
スキマ時間を活用する | ・移動時間や休憩時間などを利用して、情報収集や対策を行う・タイマーを使い、短時間でも集中して取り組む工夫をする |
周囲の協力を得る | ・友人や先輩と情報交換を行う・大学のキャリアセンターを積極的に利用する・研究室の教授や先輩に相談する |
完璧主義にならない | ・最初から完璧を目指さず、まずは行動を起こすことを意識する・活動を進めながら改善していくという気持ちを持つ |
諦めずに情報収集を続ける | ・参加可能なインターンシップや企業説明会を積極的に探す・就活サイトやSNSで、常に最新の情報をチェックする |
27卒理系学生が今からでもできる効率的な業界研究

就職活動において、自身の興味や適性に合った業界を見つけるための業界研究は非常に重要です。しかし、「出遅れた」と感じている場合、効率的に情報収集を進める必要があります。以下では、短時間で効果的な業界研究の方法や出遅れを挽回するための秘策、そして大学のリソースを最大限に活用する方法について解説します。
短時間で効果的な業界研究の方法
限られた時間の中で効率的に業界研究を進めるためには、以下のポイントを意識しましょう。
ポイント | 具体的な方法 |
目的意識を持つ | 何を知りたいのか(業界の将来性、仕事内容、企業文化など)を明確にしてから取り組む |
情報源を絞る | 信頼できる情報源(業界専門誌、企業のIR情報、就活サイトの分析記事など)を重点的にチェックする |
業界地図を活用する | 業界全体の構造、企業間の関連性、主要企業の立ち位置などを把握し、理解を深める |
説明会・セミナー動画を視聴する | リアルタイムで参加できない場合でも、アーカイブ配信などを活用して効率的に情報を得る |
逆質問を意識して参加する | 企業説明会などでは事前に質問を準備し、より主体的に参加する |
効率的な企業研究については次の記事でも詳しく説明しています。参考にしてください。
出遅れ挽回の秘策は、企業からオファーを貰うこと
最後に、27卒学生の出遅れを挽回する秘策を解説します。その秘策とは、こちらからエントリーするだけでなく、「企業からオファーを貰うこと」です。先程ご紹介した具体策とともに、本章で伝える方法も活用することで就活の進捗を大幅にあげられる方法で
就活は企業から声が掛かる時代に
これまでの就活サイトは、就活生がエントリーすることが基本となっていました。しかし、近年では企業から就活生にオファーできる「オファー型就活サービス」の利用者が増えてきています。
サービスの内容としては、企業側が就活生のプロフィールなどを参考にオファーし、就活生が合意すれば面談や説明に進むことも可能です。就活生は企業から声を掛けられることで、自身の経歴や能力において魅力的だと感じて貰える部分を客観的に把握できます。
オファー型就活サービスが強い味方に
例えば、オファー型就活サービス「TECH OFFER」の場合には、プロフィールを登録しておくだけで企業からオファーを受けられます。自身の専攻や経歴などのプロフィールをみて、組織に必要だと思った企業があればオファーが届く仕組みです。
そのため、無駄なエントリーの必要もなく、ほかの就活スケジュールをこなしながら利用できます。企業に認知されることでオファーが増えれば、選択肢も大きく広がることになり、就活の強い味方となるはずです。サービスを味方につけることで、就活ペースを上げていきましょう。
早期登録が可能性を広げる
登録すればすぐに利用できるので、できるだけ早期に登録しておくことがおすすめです。登録内容はサービスによって異なりますが、「TECH OFFER」の場合は最短5分で登録が可能です。専攻や興味のある分野、性格診断などを案内に従って実施するだけで企業が閲覧できるプロフィールが完成します。
企業側は登録されたプロフィールをみてオファーするので、早期に登録すればするほど実は有利です。必然的に閲覧される可能性が高くなるため、登録した後に就活をスタートしましょう。
プロフィールを定期更新することが、オファーを集める秘策のひとつです。状況が変われば更新し、企業に対してアピールし続けると出遅れた就活を巻き返せるでしょう。
大学のキャリアセンター活用術
大学のキャリアセンターは、就活に関する様々なサポートを提供してくれる強い味方です。以下のようにキャリアセンターを積極的に活用することで、効率的に就活を進められます。
サポート内容 | 具体的にできること・得られること |
個別相談 | 就活の進め方、自己分析、ES・面接対策など、個々の悩みに応じたアドバイスを受ける |
求人情報の紹介 | 大学に届く求人や、卒業生が活躍する企業の情報などを得る |
学内セミナー・イベント | 業界研究セミナー、企業説明会、模擬面接など、就活に役立つ学内開催のイベントに参加する |
OB・OG紹介 | 興味のある業界や企業で働く卒業生を紹介してもらい、直接話を聞く機会を得る |
エントリーシート添削・面接対策 | 専門の担当者によるES添削や面接練習を受け、客観的なフィードバックをもらう |
OB・OG訪問で生きた声を聞く
OB・OG訪問は、インターネットや説明会だけでは得られない、企業のリアルな情報を得るための貴重な機会です。OB・OG訪問を成功させるためには、事前に以下のような質問事項を準備し、相手の時間を尊重した丁寧な態度で臨むことが大切です。
確認できる項目 | 具体的に得られる情報・メリット |
具体的な仕事内容ややりがい | 実際に働いている人にしか分からない、仕事の面白さ、大変さ、やりがいなどを聞ける |
職場の雰囲気や企業文化 | 社風や人間関係など、入社前に気になる情報を直接確認できる |
選考のポイントや対策 | 過去の選考経験に基づいたアドバイスや企業が求める人物像などを教えてもらえる可能性がある |
業界の将来性やキャリアパス | 業界全体の動向や、その企業でどのようなキャリアアップが可能かを知ることができる |
逆スカウト・エージェント・学内資源の使い方

就活の遅れを取り戻すには、独力で頑張るだけでなく、就活の「プロ」の助けを借りることが重要です。ここでは「逆スカウト」「就活エージェント」「キャリアセンター・OB」の使い方について、説明します。
逆スカウトの設定手順
TECH OFFERなどの逆スカウト(オファー型就活サイト)は、プロフィールを登録すると企業から直接スカウトが届く仕組みです。出遅れを感じている就活生にとっては「自分に興味を持った企業から連絡が来る」効率的な方法です。
手順例
- 1.就活用のメールアドレスを準備
- 2.サイトに登録(プロフィール入力)
- 3.強みや研究内容、資格を簡潔に入力
- 4.写真や学業以外の活動も追加(差別化に有効)
- 5.定期的にログインし、オファーを確認・返信
まだTECH OFFERに登録していないのであれば、この機会にぜひ無料登録しましょう。
就活エージェント活用のメリットとデメリット
就活エージェントは、専門アドバイザーが求人紹介・ES添削・面接対策をサポートしてくれるサービスです。就活エージェントのメリットとデメリットをここで紹介します。
メリット
- ・非公開求人にアクセスできる
- ・書類、面接対策を無料で受けられる
- ・スケジュール管理を効率化できる
デメリット
- ・紹介される企業が限定的(得意業界に偏りあり)
- ・担当アドバイザーとの相性に差がある
- ・自分の意思より「推薦枠優先」で進められる場合も
就活生の中には、就活エージェントのアドバイスや提案が役に立つ場合もあります。上記のデメリットを理解した上で、就活エージェントを利用するのも、ひとつの方法といえます。
キャリアセンター・OB訪問の依頼テンプレ
大学のキャリアセンターやOB/OG訪問は、「出遅れた就活の駆け込み寺」としても重要です。情報提供だけでなく、推薦制度の確認や面接練習の依頼ができます。
キャリアセンターやOB/OG訪問は、事前の予約を取ってから訪問します。以下では、アポイントを取るためのメールの例文を紹介します。
キャリアセンター相談依頼(例文)
件名:キャリア相談のお願い(27卒・理系)
本文
〇〇学部〇年の△△と申します。就活の進め方についてご相談したく、面談をお願いできますでしょうか。ご都合の良い日程を教えていただけると幸いです。
OB訪問依頼(例文)
件名:OB訪問のお願い(27卒・理系学生)
本文
突然のご連絡失礼いたします。大学のキャリアセンターを通じてご紹介いただきました△△です。現在、就職活動を進めており、〇〇業界での実際の働き方についてお話を伺えればと思っております。お忙しいところ恐れ入りますが、ご都合の良い日程をご教示いただけますでしょうか。
理系学生の強みを活かすエントリーシート・面接対策

理系学生は専攻を通じて身につけた専門知識や論理的思考力、問題解決能力などの強みを持っています。これらの強みを効果的にアピールすることが、エントリーシートや面接を突破する鍵です。ここでは、自己分析の深掘りから、研究内容や技術的スキルの具体的な伝え方まで、理系学生ならではの対策ポイントを解説します。
カギとなる自己分析
効果的なアピールの第一歩は、自己分析を徹底的に行うことです。単に「真面目です」「努力家です」といった抽象的な言葉を並べるのではなく、具体的な経験に基づいて自分の強みを明確にすることが重要です。自己分析を通じて明確になった強みや興味は、エントリーシートや面接で一貫性のあるアピールをするための土台となります。
分析のテーマ | 具体的な振り返り方・考えること |
研究活動を振り返る | ・研究テーマ、実験の進め方、困難だった点と乗り越えた経験、成果などを具体的に書き出す・研究を通して身についたスキル(論理的思考力、分析力、課題解決能力など)を言語化する |
学業以外の活動を振り返る | ・ゼミ、サークル、アルバイトなどで、自身の役割や学びを具体的なエピソードと共に整理する・社会で求められるスキル(リーダーシップ、コミュニケーション能力、協調性など)を意識して振り返る |
企業・業界への興味を深掘りする | ・自身の専門性や研究経験をどう活かし、将来どのように貢献したいかを具体的に考える・企業の理念や事業内容を深く理解し、自分の価値観と一致する点を見つける |
研究内容のアピール方法
理系学生にとって、研究内容は最も重要なアピールポイントの一つです。しかし、専門的な内容を分かりやすく、かつ魅力的に伝えるためには工夫が必要です。
ポイント | 具体的な方法・アピールできること |
専門用語を避け、分かりやすく説明する | 面接官が専門家でないことを前提に、具体的な例えなどを交えて、背景知識がなくても理解できる言葉で話す |
研究の目的・意義を明確にする | 自分の研究が社会や特定の分野に対して、どのような貢献をする可能性があるのかを説明し、研究の価値を伝える |
主体性と課題解決能力を示す | 研究において、自らどのように課題を発見し、解決に取り組んだのかを具体的に説明することで、主体性や課題解決能力をアピールする |
結果だけでなく、プロセスを重視して語る | 仮説、実験、考察といった一連のプロセスを具体的に説明することで、論理的思考力を示す |
技術的スキルの伝え方
プログラミングスキル、実験スキル、分析スキルなど、理系学生が持つ技術的なスキルは、企業にとって大きな魅力となります。これらのスキルを効果的に伝えるためには、以下の点を意識しましょう。
アピール方法 | 具体的な説明のポイント |
具体的なスキル名を挙げる | 曖昧な表現は避け、「Pythonを用いたデータ分析」「CADでの設計」など、具体的に述べる |
スキルのレベル感を伝える | 「基本操作が可能」「インターンでの実務経験あり」など、具体的な経験を基に習熟度を説明する |
スキルをどのように活用してきたかを説明する | 研究やプロジェクトでスキルをどう活用し、どんな成果を上げたかを具体的に説明し、実用性を示す |
企業が求めるスキルとの関連性を示す | 志望企業の事業内容や募集要項を理解し、自身のスキルがどう貢献できるかを結びつけて説明する |
資格や実績をアピールする | 関連する資格の保有や、学会発表などの実績があれば、積極的にアピールする |
技術的スキルを自己PRでアピールする方法については次の記事でも詳しく説明しています。参考にしてください。
Q&A|就活に出遅れた理系就活生のよくある質問

Q1:何月までに内定がないと本当にやばい?
A:例年のピークは6〜7月ですが、秋以降も「秋採用」「冬採用」「通年採用」が残っています。特に、理系は研究職や技術職で秋以降の募集が多く10〜12月の応募で内定を得る学生も珍しくありません。焦らず、今からの行動で十分挽回可能です。
Q2:研究で動けない時の最低限は?
A:忙しい時期でも「逆スカウト型サイトに登録」「ESテンプレを1本作成」「キャリアセンターに相談」の3つを済ませておくと安心です。研究の合間に短時間で動ける方法を選びましょう。
Q3:秋採用だけで間に合う?
A:中堅・ベンチャー・一部大手メーカーでは秋採用を実施しており、間に合います。さらに、外資や理系専門職では通年採用もあるため、秋に集中して動けば十分勝負できます。ただし募集枠は減るので、応募数を広げる工夫が必要です。
Q4:院進と並行するなら?
A:院進を視野に入れるなら「修士後に活かせる就活準備」を優先しましょう。研究テーマやスキルを整理し、ESやポートフォリオにまとめておくと、修士1年の早期から活用できます。並行就活する場合は、推薦や研究室との調整が必要になるため早めに教授へ相談しましょう。
27卒の効率的な就活の進め方のステップバイステップガイド

これからどのように就活を進めていけば良いのかを、具体的なステップに分けて解説します。今からでも決して遅くありません。計画的に行動し、内定獲得を目指しましょう。
3月〜4月にやるべきこと
これからすぐに始めたいことを以下の6点にまとめました。この時期は、焦らずに土台作りをしっかりと行うことが大切です。一つ一つのステップを着実にクリアしていきましょう。
準備すべき項目 | 具体的なアクションプラン |
現状把握と目標設定 | ・改めて自己分析を行い、自分の強み、興味、キャリアプランを明確にする・興味のある業界や企業名を具体的にリストアップする・就活の軸(給与、やりがい、ワークライフバランスなど)を定める |
情報収集 | ・興味のある業界・企業の最新情報を収集する(企業のHP、ニュース、就活サイトなど)・27卒向けのインターンシップや早期選考の情報をチェックする・大学のキャリアセンターで利用できるサポートを把握する |
就活ツールの準備 | ・履歴書やエントリーシートの基本フォーマットを用意する・自己PRやガクチカ(学生時代に力を入れたこと)の要点をメモにまとめる・就活専用のメールアドレスを作成し、管理しやすく設定する |
OB・OG訪問の計画 | ・キャリアセンターや研究室のコネクションを使い、興味のある企業のOB・OGを探して訪問を依頼する・訪問前に質問したいことをしっかり準備しておく |
SPI・筆記試験対策の開始 | ・対策用の問題集などを使い、基礎的な問題から取り組み始める・自分の苦手分野を把握し、重点的に学習する |
インターンシップへの応募準備 | ・3月〜4月に募集が始まるサマーインターンシップを視野に入れ、準備を開始する・エントリーシートの提出期限などをスケジュール管理する |
5月〜6月のインターンシップ対策
本格的なサマーインターンシップの選考が始まる時期です。積極的に応募し、選考対策にも力を入れましょう。
取り組むべきこと | 具体的なアクション |
インターンシップへの積極的な応募 | ・興味のある企業だけでなく、少しでも関心のある企業にも幅広く応募する・多様なインターンシップに参加して業界理解を深め、視野を広げる。 |
エントリーシートの完成度を高める | ・自己分析や企業研究の内容を反映させ、具体的なエピソードを盛り込んで作成する・キャリアセンターの添削などを活用し、客観的な意見を取り入れる |
面接対策の強化 | ・模擬面接などを通して実践練習を重ねる・頻出質問(自己PR、志望動機、ガクチカなど)への回答を準備しておく・自身の研究内容を非専門家にも分かりやすく説明できるように練習する |
企業説明会・セミナーへの参加 | ・オンラインや対面のイベントに積極的に参加し、企業への理解を深める・質問の機会を活用し、Webサイトなどでは得られない一次情報を収集する |
インターンシップ選考の経験を次に活かす | ・選考に通過しなかった場合でも、その経験を振り返り、反省点や改善点を見つけて次の選考対策に繋げる |
夏以降の本選考に向けた準備
サマーインターンシップの経験を活かし、本格的な本選考に向けて準備を進める時期です。自信を持って積極的に行動し、内定獲得に向けて最後まで諦めずに取り組みましょう。
取り組むべきこと | 具体的なアクション |
インターンシップの振り返り | ・参加したインターンシップでの学びや気づきを整理する・社員との交流で感じたことや企業文化を記録しておく・本選考でアピール材料となる経験やエピソードを見つける |
業界・企業研究の深化 | ・インターンシップやOBおよびOG訪問で得た情報を基に、志望業界・企業を絞り込む・より深く企業分析を行い、競合他社との違いや自社ならではの強みを理解する |
エントリーシート・面接対策の最終調整 | ・インターンシップの経験を反映させ、自己PRや志望動機をより説得力のある内容に磨き上げる・模擬面接を繰り返し行い、自信を持って本番に臨めるよう準備する・志望度が高い企業ごとに対策を徹底する |
情報収集の継続 | ・最新の採用情報をこまめにチェックし、エントリーの機会を逃さないようにする・就活サイトやSNSを活用し、選考体験談などの実践的な情報を収集する |
体調管理 | ・長期にわたる就職活動を乗り切るため、規則正しい生活を心がけ、心身の健康を維持する |
27卒理系学生がまず揃えておきたいもの

就職活動は、情報収集や選考対策だけでなく、身だしなみを整えることも重要です。ここでは、本格的な就活シーズンを迎える前に準備しておきたい基本的なアイテムを紹介します。お金もかかるので、資金計画を立てた上で、早めに揃えておきましょう。
リクルートスーツ
就職活動における基本中の基本となるのがリクルートスーツです。企業説明会、面接、筆記試験など、多くの場面で着用します。
通気性の良い素材でシワになりにくく、動きやすいジャストサイズのものを選びましょう。試着を必ず行い、肩幅、袖丈、着丈、ウエストなどをしっかり確認してください。ボトムス(パンツ、スカート)は複数枚用意しておくと、連日の着用でもローテーションが可能です。
革靴
足元は意外と見られているものです。清潔感のある革靴を履くことは、社会人としての第一印象を良くするために重要です。
黒または濃い茶色が基本で、男性は紐付きのストレートチップやプレーントゥ、女性の場合はシンプルなローヒールのパンプスが一般的です。靴擦れを防ぐためにも、試し履きをして、自分の足に合ったサイズを選びましょう。
カバン
A4サイズの書類やクリアファイル、筆記用具などを収納できるビジネスシーンに適したデザインのカバンを用意しましょう。面接会場などで床に置くことを考えると、自立するタイプが便利です。
手帳
就活を意識し始めたら、早めに用意しておきたいのがスケジュールや進捗を書き込める手帳です。紙の手帳でも、スマートフォンのスケジュールアプリでも構いませんが、自分にとって最も使いやすいものを選びましょう。
履歴書
企業に自分自身をアピールするための重要な書類です。大学指定の履歴書がある場合は、そちらを使用しましょう。ない場合は、市販の履歴書を購入する必要があります。A4サイズまたはB5サイズが一般的で、企業から指定がある場合は、それに従います。下書きや書き損じも含めて、ある程度の枚数を用意しておくと安心です。
図でわかる挽回プラン
先述で紹介した就活のタイプ別における挽回プランを、図解すると以下のとおりです。

就活の出遅れも今なら取り戻せる(まとめ)
27卒の理系学生が、現状で就活をまったく始めていなかったとしても、まだ間に合います。焦らずに、情報収集や自己分析など、基本的なことを丁寧にやっていきましょう。
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