大学の准教授とは、大学において教授に次ぐポジションです。
大学教授を目指す方の中には、助教・講師・准教授と順調にステップアップする将来像を描いている方も多いでしょう。
一方で大学教授を目指す過程では雇用や年収が安定しているとはいえず、安心して目指しにくい側面もあります。
大学教授に次ぐポジションである准教授になれた際の年収・給料は、将来設計に大きく関わるため、気になる方は多いでしょう。
今回は准教授の年収・給料や仕事内容、准教授のなり方を解説します。
大学教授を目指している方にとって、准教授の待遇面は重要となるため、ぜひ参考にしてください。
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大学の准教授とは教授に続くポジション
大学教授は有名な職種であることから、大学における立ち位置・仕事内容を知っている方は多くいるでしょう。
一方で准教授となると、立ち位置・仕事内容を把握している方は少なくなります。
本章では大学准教授とは具体的にどのようなポジションなのか、仕事内容・准教授の平均年齢を解説します。
准教授とは独立した研究者
准教授は古くからあるわけではなく、2006年の学校教育法・大学設置基準が改正されたことにより生まれたポストです。
准教授は大学内で独立した研究者・教育者としてのポストになります。
2006年の改正以前では、現在の准教授のポストは助教授と呼ばれていました。
准教授・助教授もおこなう業務や役割は実は変わっていません。
しかし、助教授は名称から教授を助ける役割と認識されるケースが多く、実態と名称が伴っていない状態が続いたため変わることになりました。
准教授の仕事内容：研究と教育
どのような職業にも共通していますが、業務量と求められる仕事の質が年収・給料と対応しているとは限りません。
准教授に求められる役割・仕事内容を知っておくことは年収・給料との対比をするうえで重要となるため、おさえておく必要があります。
准教授の主な仕事内容は研究と教育の2つになります。
大学運営に携わるケースがありますが、メインはあくまで研究・教育と考えてよいでしょう。
研究は自身の専門分野である研究をおこない、研究実績を積んでいきます。
教授のポストを目指すには研究実績と共に論文本数も必要になるため、論文執筆もおこないます。
教育面での仕事は、大学での講義・研究室での学生指導がメインです。
研究室での指導は研究内容の相談・論文指導をおこないます。
准教授の平均年齢は約50歳
准教授となるためには、徐々にステップアップするルートが一般的です。
一方で、どれくらいのキャリアを重ねる必要があるのか気になる方も多いでしょう。
政府が2022年に調査した結果によると、大学准教授の平均年齢は49歳となっています。
詳細なデータは以下のとおりです。
・男性 准教授の平均年齢：48.6歳
・女性 准教授の平均年齢：49.9歳
もちろん若くして准教授となれるケースもありますが、抜擢されるだけの実績が必要になります。
一般的にステップアップした場合を想定すると、大学准教授となれるのは40代後半と考えてよいでしょう。
参考：学校教育統計調査 令和４年度（中間報告） 教育個人調査
准教授の年収は約860万円
一般的に高いスキルと経験を兼ね備えた人材は貴重な存在となるため、良い年収が期待できます。
准教授のポストには、多数の研究実績と豊富な経験を身につけた人物しかなれないため、准教授の年収が気になる方も多いでしょう。
政府が調査したデータによると、准教授の年収は平均860万円となっています。
本章ではさまざまなデータを基に、准教授の年収と大学教授になった際の年収を解説します。
国公立大学の准教授の年収は平均847万円
バイオ専門メディア「日経バイオテク」が2022年に発表したデータによると、国公立大学の准教授の平均年収は約847万円です。
国税庁が同じく2022年に発表したデータによると、全国の平均年収は458万となっており、全国の平均年収を大学准教授の年収は上回ることがわかります。
発表されたデータは大量にあるため、各地方の国公立大学のデータをピックアップしましたので、参考にしてください。
| 大学名 | 准教授人数 | 准教授平均年齢 | 平均年収 | 最高年収 |
| 北海道大学 | 405人 | 47.6歳 | 846万円 | 543万円 |
| 岩手大学 | 133人 | 49.7歳 | 799万円 | 892万円 |
| 東北大学 | 442人 | 47.8歳 | 862万円 | 1499万円 |
| 筑波大学 | 416人 | 50歳 | 938万円 | 1,051万円 |
| 東京大学 | 846人 | 46.6歳 | 957万円 | 1,145万円 |
| 新潟大学 | 299人 | 49.6歳 | 840万円 | 1,000万円 |
| 静岡大学 | 206人 | 48.4歳 | 819万円 | 932万円 |
| 名古屋工業大学 | 95人 | 50.3歳 | 949万円 | 1,054万円 |
| 京都大学 | 634人 | 47.8歳 | 897万円 | 1,079万円 |
| 大阪大学 | 513人 | 48歳 | 918万円 | 1,098万円 |
| 広島大学 | 337人 | 50.2歳 | 855万円 | 1,172万円 |
| 九州大学 | 457人 | 48.2歳 | 886万円 | 1,046万円 |
| 鹿児島大学 | 247人 | 49.9歳 | 797万円 | 920万円 |
参考：全国立大学の教員年収を全て公開、2263万円の最高年収はどこの大学教授？
平均給料を基にすると私立大学の准教授の方が年収は高い
私立大学准教授の年収を示す詳細なデータはありませんが、政府が発表したデータから傾向は推測できます。
政府が2021年に発表したデータによると、国立・公立・私立大学の准教授の平均給料は、以下データの通りです。
・国立大学准教授の平均月額給料は450,200円
・公立大学准教授の平均月額給料は452,100円
・私立大学准教授の平均月額給料は474,100円
給料を単純計算で12ヶ月分の計算をすると、以下の値となり、私立大学の准教授の方が高い年収となります。
・国立大学准教授の平均月額給料から計算した年収：5,402,400円
・公立大学准教授の平均月額給料から計算した年収：5,425,200円
・私立大学准教授の平均月額給料から計算した年収：5,689,200円
月の給料以外にもボーナスや手当があるため、実際にはより高い年収です。
参考：令和元年度「学校教員統計調査 給料月額別 職名別 本務教員数」
教授になるとさらに年収が上がる
高年収が期待できる大学准教授ですが、大学教授になるとさらに年収が上がります。
政府が2022年度に発表したデータによると、大学教授の年収は約1,000万円となっており、准教授よりさらに150万円近く増えることになります。
もちろん大学内でも最高クラスのポジションともなるため、准教授より責任・業務量が増えるのはいうまでもありません。
一方で働くための優先順位は人それぞれであり、より良い条件で働くことを優先にしている方もいるでしょう。
大学准教授になった後、教授を目指すとより良い条件で働けます。
大学の准教授になるには博士課程を取得して助教・非常勤講師になる
大学教授を目指す研究者の中には、年収や雇用が安定している准教授のポストを目指す方もいるでしょう。
大学の准教授となるためのルートはいくつかありますが、一般的なルートとしては博士課程を取得してからステップアップする方法が一般的です。
博士課程を取得後、実績や経験を重ねて、助教・非常勤講師・講師となってから、准教授となります。
政府の調査したデータによると、講師の方の平均年齢は45.5歳になります。
准教授の平均年齢が49歳であることから、シンプルに考えると講師になってから4～5年で、准教授にステップアップ可能です。
参考：学校教育統計調査 令和４年度（中間報告） 教育個人調査
大学准教授の将来性と注意点
自身の目指す職業が将来的にどのようになっているかは、就活生や大学生にとって関心の高い話題といえるでしょう。
本章では大学准教授の将来性とあわせて、大学准教授を目指すうえでの注意点を解説します。
教授につながるポジションとして将来性は高い
大学准教授の将来性は教授につながるポジションのため、明るいです。
もちろん他のルートも考えられますが、順当にいけば教授になれる可能性が最も高いポストが准教授です。
准教授になったときと同様に研究・学生への指導に邁進できれば、教授の道につながります。
教授になれるかはポストの空き次第など運の要素もある
大学准教授は大学教授に就くための最右翼のポストですが、決して確約されたルートではありません。
教授になれるかどうかは、教授の”イス”が空くかどうかにかかっているためです。
年齢による退官や異動がない限り、教授のポストは基本的に空くことはありません。
たとえば、自身と同じ年齢ぐらいの方が教授の場合、教授が退官するときには自身も相応の年齢となっているため、教授に就くのは難しいでしょう。
教授になれるかどうかは運の要素もあるため、所属する大学のポストはもちろんですが、他大学も候補に入れることをおすすめします。
まとめ
今回は大学准教授の年収や仕事内容、准教授になる方法を解説しました。
今回解説した内容をまとめると以下のとおりです。
・大学准教授の仕事内容は主に研究と学生への指導
・大学教授の平均年収は約860万円
・大学教授になるためには助教・非常勤講師などステップアップするのが一般的
大学准教授は教授になるまで、あと一歩のポジションです。
高い年収が期待できる職種でもあるため、ぜひ本記事を参考に、大学准教授を目指していただければと思います。
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