エントリーシートでは「学生時代に力を入れたこと」であるガクチカの記入項目が設けられているケースが多くなっています。

面接でも必ず聞かれる項目のため、十分な準備をしておきたいところですが、具体的にどのようにガクチカを記載すればいいかわからない方も多いのではないでしょうか?

今回はエントリーシートにおけるガクチカの書き方について、例文とともに解説します。

ガクチカが上手く書けない方やエントリーシートがなかなか通らない方はぜひ参考にしてみてください。

エントリーシート通過率をあげるガクチカのポイント

エントリーシートの通過率を上げるガクチカのポイントとして、以下の2点が挙げられます。

  • ・イメージが浮かびやすい文章
  • ・エピソードは複数準備

ガクチカを記入する際は、上記ポイントを意識しましょう。

イメージが浮かびやすい文章

ガクチカはイメージが浮かびやすい文章を心がけましょう。

ガクチカでは学生時代に経験したエピソードをもとに記載をしていきます。

「うちの会社に入った後も、こんなふうに頑張ってくれるんだ」と会社での活躍がイメージできるエピソードを選択しましょう。

そして、マニアックすぎず伝わりやすい文章を心がけましょう。

特に理系学生が自身の研究内容について伝える場合は要注意です。

ガクチカの内容が専門的になりすぎると、文系の人事担当者などは内容を理解しづらくなってしまいます。

入社後のイメージがつきやすいエピソードを用意し、誰でもわかる文章でガクチカを記載しましょう。

エピソードは複数準備

エピソードは複数準備しておくことが大切です。

理系学生の多くは、学生時代に力を入れたことが複数あるでしょう。

ガクチカのエピソードを複数準備することで、協調性やリーダーシップなど幅広い観点から自己PRに繋げられ、企業の求める人物像との接点をアピールしやすくなります。

研究だけでなく、サークル活動やアルバイトなどガクチカに関係するエピソードは複数準備しておきましょう。

ガクチカの構成

ガクチカは以下の構成を意識して作成するのがおすすめです。

  • ①結論:経験の概要を一言で記載
  • ②行動した動機:なぜ行動したのか?直面した困難などを記載
  • ③困難を乗り越えるための工夫・行動:解決策の提案
  • ④行動した結果得た学び・成果:どう会社で活かすかを連想させる

最初にガクチカの概要を一言で結論として伝えれば、採用担当者がガクチカの全貌を早い段階で把握でき、その後の内容も理解しやすくなります。

また、会社でガクチカの経験をどう活かしたいかを伝えることも重要です。

採用担当者が入社後のイメージを鮮明にしやすく、エントリーシートの通過率も向上するでしょう。

ガクチカの例文

先述した構成をもとに作成されたガクチカの例文をみてみましょう。

※ガクチカの例文(400字の場合)

携帯ショップのアルバイトで教育環境の改善を行い、クレーム数0件を達成した経験です。

社員の人数不足で新人教育は不十分であった為、基礎的な動作に関するクレームが多発していました。そこで両者の意見を考慮した上で、教育環境の改善が必要であると考え、以下の2点に取り組みました。1点目に、店舗運営に関する業務を「社員にしかできないこと」、「アルバイトでもできること」に細分化しました。2点目にチェックシートと情報交換掲示板を導入することで、教育段階を可視化して情報交換できる環境をつくり、接客業務の教育を先輩のアルバイトが行えるようにしました。

以上より、従来の半分の期間で、新人が全ての業務をこなせるようになり、接客の質が向上した結果、6ヶ月間のクレーム数を34件から0件に減らすことに成功しました。この経験から現状把握した上で、解決策を構築することの必要性を学び、人を巻き込み成功へ導く力を得ました。

先述の構成で紹介した項目ごとに分けると以下の通りです。

  • ①結論:携帯ショップのアルバイトで教育環境の改善を行い、クレーム数0件を達成した経験です。
  • ②行動した動機:社員の人数不足で新人教育は不十分であった為、基礎的な動作に関するクレームが多発していました。そこで両者の意見を考慮した上で、教育環境の改善が必要であると考え、以下の2点に取り組みました。1点目に、店舗運営に関する業務を「社員にしかできないこと」、「アルバイトでもできること」に細分化しました。2点目にチェックシートと情報交換掲示板を導入することで、教育段階を可視化して情報交換できる環境をつくり、接客業務の教育を先輩のアルバイトが行えるようにしました。
  • ③困難を乗り越えるための工夫・行動:以上より、従来の半分の期間で、新人が全ての業務をこなせるようになり、接客の質が向上した結果、6ヶ月間のクレーム数を34件から0件に減らすことに成功しました。
  • ④行動した結果得た学び・成果:この経験から現状把握した上で、解決策を構築することの必要性を学び、人を巻き込み成功へ導く力を得ました。

上記の例文をみてみると、「携帯ショップのアルバイトで教育環境の改善を行い、クレーム数0件を達成した経験」とガクチカの経験が端的に述べられており、どんな経験をしたか冒頭の文章を見ただけでわかるようになっています。

行動した動機では取り組んだ内容が2つありますが、「以下の2点に取り組みました。1点目は〜。2点目は〜。」のようにナンバリングして記載することで、相手に伝わりやすくなります。

具体例が複数ある場合には、こうしたナンバリングを活用するのも有効です。

成果に関しては「6ヶ月間のクレーム数を34件から0件に減らすことに成功」と数字化することで、成果がどれだけすごいのかをわかりやすく伝えられます。

ガクチカのエピソードを探すコツ

ガクチカのエピソードを探すコツとして、「1つの経験を多角的にみること」が挙げられます。

例えば、同じ部活動の経験でもPRしたいキーワードによって、以下の見方ができます。

※「リーダーシップ」をPRする場合

「主将として全国大会に初の入賞まで部を導いた経験」

「新歓担当のチーフとして部の新歓活動を統制した経験」

※「協調性」をPRする場合

「仲間と協力し部の体制を整えた経験」

「後輩教育において動機で情報を共有し下の世代の結束を高めた経験」

上記のように、1つのエピソードを多角的に見ることで、複数のエピソードを用意できます。

ガクチカ記入時の注意点

ガクチカ記入時の注意点として、以下2点が挙げられます。

  • 自己PRとの違いを明確にしておく
  • 企業の求めることに合わせる

ガクチカを作成する際は、上記ポイントに注意しましょう。

自己PRとの違いを明確にしておく

ガクチカは自己PRとの違いを明確にしておくことが重要です。

ガクチカと自己PRは、以下のように強調するポイントが異なります。

  • ・自己PR:自分の強みや長所がどういうものか
  • ・ガクチカ:自分が頑張った行動や結果

自己PRは「自分の強みや長所」をメインにアピールするのに対し、ガクチカは「目の前の課題に対してどう取り組んだか」という過程を採用担当者にアピールします。

基本的には「その人の強み」が「実際の経験」を踏まえて的確に表現できているかが重要です。

ただし、上記のようにそれぞれメインにアピールすべきポイントが異なるため、ガクチカ作成時には留意しておきましょう。

企業の求めることに合わせる

ガクチカは企業の求めることに合わせるのが鉄則です。

企業は「理想とする採用像」を明確に定めており、その採用像にマッチする人材に入社してもらうことが採用活動の目的と言えます。

そのため、いくら素晴らしいガクチカを記入しても、企業が求めていることに関係なかった場合、エントリーシートの通過率は下がってしまいます。

企業の採用像は採用サイトなどで公開されていることも多いため、事前に確認し企業の採用像にマッチするガクチカを用意しましょう。

まとめ

ガクチカはエントリーシートでも必ず記入が求められる項目であり、入念な対策が必要です。

ガクチカを作成する際は、入社後のイメージが浮かびやすい文章を心がけ、エピソードは複数準備しておきましょう。

また、企業の採用像にマッチしたガクチカを記入することも大切です。

魅力的なガクチカを作成し、志望企業のエントリーシート通過を目指してください。