「人と話すことが得意じゃないし、グループディスカッション苦手だな…」
「周りに圧倒されて積極的に意見が言えない…」
「テーマは当日にならないとわからないし、対策の仕様がないよな…」
こんな悩みを抱えていませんか?
特に理系の学生はグループディスカッションに苦手意識を持っている方も多いと思います。
私は理系・文系どちらのグループディスカッションも経験しましたが、理系学生の消極性が印象的でした。
しかし、グループディスカッションではチームとしての働きも評価ポイントの1つです。
積極的な勝つグループディスカッションができなくても、進め方・役割を掴んで負けないグループディスカッションをすれば十分突破することができます。
・グループディスカッションの目的
・進め方
・役割と立ち回り
・意識するポイント
このような流れで、グループディスカッションのポイントを解説していきます。
5分で負けない立ち回りが学べるので、ぜひ参考にしてみてください。
理系就活でグループディスカッションを行う2つの目的
立ち回りを解説する前に、グループディスカッションを行う目的を把握しておきましょう。
評価ポイントを理解することで、自分には何がアピールできそうか考えることができます。
1.思考力を見ること
2.対人力を見ること
順番に解説していきます。
1.思考力を見ること
仕事をしていく上では、課題を見つけ主体的に解決していく力が重要です。
そこで、企業側はグループディスカッションの取り組みを通じて、
・論理的思考力
・課題解決力
・発想力
などの思考力を見ています。
結論から話すことはもちろん、日頃から考えるクセをつけておくと思考力が鍛えられますよ。
おすすめはニュースを見たときに、「自分だったらどうするか」考えることです。
2.対人力を見ること
仕事をしていくうえでもう1つ重要なのが、周りを巻き込んでチームで課題を解決していくことです。
チームの中でどのような力を発揮するか見ることで、
・協調性
・コミュニケーション力
・リーダーシップ、積極性
などの対人力を判断しています。
話すことが得意なら積極的に意見を出して雰囲気をつくったり、逆に苦手なら意見をまとめる書記を引き受けたりしてもいいでしょう。
自分なら何ができそうか1度考えてみてください。
理系就活のグループディスカッションの進め方
グループディスカッションの基本的な進め方は以下の通りです。
1.スケジューリングや役割分担をする
2.置かれている状況や解決すべき課題を確認する
3.アイデアを出し合う
4.アイデアをまとめる
5.結論を出す
6.発表する
順序立てて議論を進めていくことが、グループディスカッション成功へのポイントになります。
何度も目を通して、頭に叩き込みましょう。
1.スケジューリングや役割分担をする
まずはスケジューリングと役割分担をしましょう。
・時間が足りない
・議論が進まない
・意見の出し合いばかりで話がまとまらない
このようなグループディスカッションで起きやすい失敗を防ぐことができます。
特にタイムマネジメントは非常に重要なので、「時間配分」と時間を管理する「タイムキーパー」は必ず設定するようにしましょう。
例えば、持ち時間が60分だったら以下のように設定します。
1.スケジューリングや役割分担をする(5分)
2.置かれている状況や解決すべき課題を確認する(5分)
3.アイデアを出し合う(20分)
4.アイデアをまとめる(10分)
5.結論を出す(10分)
6.発表準備(10分)
7.(発表)
加えて、議論をまとめるときに必要になるので「書記」も最低限決めておきましょう。
その他の役割や立ち回り、ポイントについては次の章で詳しく解説していきます。
2.置かれている状況や解決すべき課題を確認する
置かれている状況や解決すべき課題の確認も非常に重要です。
・議論の方向性が見える
・論点がズレたときにわかりやすい
・意見がまとまりやすい
このように円滑にディスカッションを進めるうえでのキーポイントになります。
例えば、「貧困をなくすためには?」というテーマであれば、
「貧困の基準は何なのか?」
「世界的に見て、衣食住などの人間らしい生活の必要最低限が満たされていないことなのか」
「日本において所得水準が低いことをいうのか」
というように確認を取りましょう。
全員が同じ認識を持つことで議論にまとまりが生まれますよ。
3.アイデアを出し合う
設定した条件のもと、テーマの解決策を話し合いましょう。
意見を言うときには、
・結論ファーストで分かりやすく説明する
・裏付けとなる根拠を具体的に示す
・他の人のアイデアを否定せずにどんどん出していく
この3点を意識しましょう。
アイデアだしは拡散モードの場面です。どんどん自由にアイデアを出しましょう。
例えば、
「貧困問題を解決するために、教育サービスの無償化を行うのがいいと思います。
なぜなら、教育の機会を平等に与えることで、貧困に悩む方の子どもがまた貧困に悩むという、貧困の連鎖を止めることにつながるからです。
環境によって教育の機会が左右されないように、サービスの無償化は欠かせないと考えます。」
というように意見します。
また、意見を言うことと同じくらい意見を引き出すことも重要です。
うまく意見を引き出すには、ブレインストーミングと同様に
・発言できていないメンバーに話を振る
・相手の目を見て頷きながら聞く
・相手の話を遮らない・否定しない
この3点に注意しましょう。
アイデアを出し合う場面では、議論が活発になるように意見を言うだけでなく、周りにも気を配ることが大切です。
4.アイデアをまとめる
一通りアイデアを出したら、結論を出す前に1度整理しましょう。
アイデア出しの拡散モードから、収束モードに切り替えます。
意見をグループ分けすることで、類似する部分や対立する部分が明確になるので、その後の議論が進めやすくなります。
例えば、「貧困問題の解決」というテーマであれば、
▼社会的保護
・健康診断サービス・介護サービス
・食品などの宅配サービス
・医療機器・設備の提供
▼所得向上
・職業訓練の提供
・雇用マッチングの取り組み
というようにまとめます。
グルーピングすると圧倒的に分かりやすくなりますよね。
これが上手くできるだけでグループディスカッションの評価は高くなります。
5.結論を出す
まとめた意見をもとに結論を話し合います。
ここで重要なのは、いかにお互いの意見を尊重しあい結論に達するかです。
その過程が評価ポイントとなります。
間違っても多数決で決めるようなことはしないでください。
上手く結論をまとめるためには、以下の3点を意識しましょう。
・評価基準を設定する(例:「問題解決のスピード」「費用」「効果」など)
・アイデアのいいところをまとめ合わせる
・意見の対立点を解消する
特に、評価基準を設定し採点する方法はどのグループディスカッションでも有効ですよ。
6.発表する
発表は論理的に分かりやすくを意識しましょう。
ディスカッションが上手くいっていても、発表が悪いとイメージダウンに繋がってしまいます。
発表を分かりやすくまとめるためには、「PREP法」を用いるのがおすすめです。
非常に単純で、
1.Point(結論)
2.Reason(理由)
3.Example(具体例)
4.Point(結論)
この順番に当てはめるだけ。
例えば、「貧困問題の解決」というテーマであれば、
【結論】貧困問題の解決方法として、「教育サービスの無償化」を考えました。
【理由】なぜなら、教育の機会を平等に与えることで、貧困に悩む方の子どもがまた貧困に悩むという、貧困の連鎖を止めることにつながるからです。
【具体例】
具体的には、現状高校まで無料な学費を大学まで広げることが挙げられます。
高卒と大卒の給与格差は年間100万円ほどなので、学費を無償化することで貧困の連鎖を止めることが期待できます。
実際に、ドイツやフランス、オーストラリアなど大学学費無償化を採用している国もあります。
【結論】
環境によって教育の機会が左右されないように、サービスを無償化する、これが私たちの結論です。
というようにまとめていきます。
PREP法を用いるだけで、論理的に発表できますので覚えておきましょう。
理系就活のグループディスカッションの役割と立ち回り方
グループディスカッションではそれぞれの役割を持って臨むことが一般的です。
・司会
・タイムキーパー
・書記
・その他のメンバー
それぞれの役割や立ち回りについて解説していきます。
司会
司会の役割は、メンバーから意見を引き出し議論を活発に進めていくことです。
意見を引き出すためには、前にも書きましたが
・発言できていないメンバーに話を振る
・相手の目を見て頷きながら聞く
・相手の話を遮らない・否定しない
・議論の足りない部分(欠点)を指摘し、発言を促す
これらのことを意識していきましょう。
最後の「議論の足りない部分を指摘し、発言を促す」が少しわかりにくいと思います。
例を出すと、
「~という見方の意見が出たけど、これとは逆に~という見方の意見がある人はいる?」
というように意見を求めましょう。
ここで注意しなければならないのは、司会だからといって自分の意見を無理やり通す必要はないということ。
あくまでも意見を引き出し、議論を円滑に進めていくことに注力しましょう。
序盤は意見が出づらいと思いますので、議論の口火を切って安心して発言ができる雰囲気を作れると高評価。
それから「皆さんはどう思いますか」と周りに広げる流れでいくとスムーズですよ。
タイムキーパー
時間内に結論が出せるように働きかけることがタイムキーパーの役割です。
グループディスカッションにおいてこの役割はキーになります。
議論を進める司会やメモをとる書記、話し合いに熱中する他のメンバーは時間を忘れることが多いもの。
その中でただ時間を管理するだけではなく、結論まで導くことが求められます。
例えば、
「盛り上がっているところ申し訳ないんだけど、時間が迫っているので対立点を整理して結論をまとめましょう」
というように議論を進めていきましょう。
話の腰を折らないように時間管理ができれば、十分アピールできますよ。
書記
書記は意見をまとめるときに力を発揮する役割です。
ただ意見をメモするだけでなく、
・同種の意見をグループ化してまとめる
・意見の対立関係を明確にする
この2点を意識するとグループディスカッションにさらに貢献できます。
ただし、メモに夢中になって議論に参加できないのは本末転倒です。
意見のグループや関係性から独自の気づきが得られるはずなので、気づいたことは積極的に提供していきましょう。
その他のメンバー
役割がないからといって、評価されないわけではありません。
縛られない分積極的に議論に参加できるので、そこで評価を得られるように立ち回っていきましょう。
具体的には、
・相づちを打って話しやすい空気をつくる
・司会やタイムキーパーなど他の役割のフォローをする
・積極的に意見を出して議論を活発化させる
など、自分に出来そうな役割で議論に貢献していきましょう。
ここで気をつけなければならないのは、クラッシャーと呼ばれるグループディスカッションを台無しにしてしまう学生にならないことです。
・人の意見を聞かずに自分の意見を押し通す
・テーマ自体を否定する
・議論を妨げ雰囲気を悪くする
このような行動を自分がとっていないか、もう1度振り返ってみましょう。
また、グループの中にクラッシャーがいた場合は放置したりせず、論点を整理したり他のメンバーに意見を求めたりすることで対処しましょう。
理系就活のグループディスカッションの3つのポイント
グループディスカッションでは以下の3つのポイントに気を付けると、うまく立ち回ることができます。
1.自分ができる役割で貢献する
2.結論から話す
3.相手の意見を否定しない
順番に解説していきます。
自分ができる役割で貢献する
グループディスカッションは中心になって意見を言う人だけが評価されるわけではありません。
チームの中でいかに価値を発揮するかが評価ポイントになります。
そのため、ディスカッションに苦手意識のある人でも十分突破が可能です。
気配りが得意なら決まった役職ではなく周りのフォローに回る、まとめるのが得意なら書記というように、自分の強みを活かして議論に貢献していきましょう。
結論から話す
意見は結論から話すようにすると、周りも理解しやすく高評価です。
合わせて根拠を具体的に説明できると説得力が増します。
先ほど説明したPREP法に当てはめると簡単に説得力の高い意見になるのでおすすめです。
PREP法はグループディスカッションだけでなく、ESや面接など使える場面が多いので覚えておいて損はないですよ。
相手の意見を否定しない
グループディスカッションでは、何度もお伝えしているようにチームでの働きが見られています。
そのため、自分がアピールするために相手を貶めるような言動は評価に繋がりません。
「それは違うだろ」と思っても1つの意見として受け入れ、議論を円滑に進めていきましょう。
チームメンバーはライバルではなく、仲間であるという意識で協力して議論を作り上げていってください。
これだけは知っておきたいポイント
グループディスカッションでは個人の評価も大切ですが、チームとしての結果も重要です。
1)スケジューリングや役割分担、状況整理をまず行う
2)自分ができる役割でチームに貢献する
3)意見は論理的に簡潔に言う
3つのポイントに注意して、チームで突破できるように周りと協力して乗り切りましょう。