登録者情報
ニックネーム:KY
東京工業大学 大学院 工学院 機械系 機械コース 井上剛良研究室 / 23卒

選考企業情報
企業名:トヨタ自動車株式会社
職種:技術系 パワートレーン制御
インターン参加:参加していない
最終選考結果:最終選考通過(内定)

エントリーシート

卒論テーマ(50字以内)研究内容(800字以内)苦労・工夫した点(400字以内)

GPAS冷却用ヒートパイプ実用化に向けた研究:私は、スケールの大きい最先端の研究に関わりたいと考えこのテーマを選びました。GAPS計画という宇宙線の高感度、広範囲観測によりダークマターの探索を行い、宇宙物理を解明することを目的とする日米を中心とした国際共同研究があり、私は観測精度を維持するために重要な検出器の冷却デバイスの開発を行いました。気球で1440個の検出器群を南極上空35kmに打ち上げて1年以上の観測を行うため、軽量かつ広範囲、省電力で長期間の運用が可能な冷却デバイスが求められます。そこで、液が気化により熱を奪い、蒸気が再び液化することで循環する閉ループ式の冷却デバイスを開発しました。この冷却デバイスは、液の循環には重力を、蒸気の循環には圧力差を利用することでポンプなしでの循環が可能となり従来のポンプ付き冷凍機に比べ大幅な軽量化を実現し、これを36本用いることで広範囲の冷却が可能となります。目標温度以下への冷却は達成したものの、気化しなかった液が液だめに溜まり、この余分な液を再び気化させるために電力消費が生じます。そこで、生じた電力消費量を削減するために、液だめに溜まらない冷却液の最適流量を検討しました。流量の最適化には、ばらつきを含めた流量範囲の規定が必要であると考えました。そこで、まず下限を決定するために検出器の温度を目標温度以下に冷却でき、かつ液だめの加熱量を0Wにできる流量を実験的に求めました。次に気球の揺れによる流路の傾き等による流量の変化量を見積もり、安全率として最大±20%の流量変化を想定し、実用における最適流量を決定しました。そして、最適流量及び流量を±20%増減させた場合それぞれに対して、長時間の動作実験を行いました。その結果、いずれの実験でも5日間の連続運転において温度変動1%以内で安定的に検出器を冷却することに成功し、安全率込みで液だめの加熱電力を70%削減することができました。 私が最も苦労したのは前任者の実験を再現することです。前任者と同じ条件で実験を行いましたが、冷却性能が低下しており、データの再現性が取れませんでした。装置、実験操作、環境等の外部要因をすべて検証しており、更に計測機器の動作確認も再度行って異常がなく、かつ前任者の実験回数が2回しかないことから、装置内部の原因により再現できないと推定しました。装置の設計を見直したところ、パイプの曲げの部分で液が詰まりやすい可能性が考えられ、同じ部分構造を作製して液の流れ易さを検証すると実際に液が詰まりが確認できたため、再設計して作り直すことで正常に動作させることに成功しました。更に、不具合の原因の検討段階で発見した装置の欠点箇所の改良を行い、冷却装置の始動時間を以前の半分に短縮し、発熱部温度の平均1.5℃低下を実現しました。この経験から、装置内部の現象を考えることで設計の欠点を見つけることができると学びました。

修論テーマ(50字以内)研究内容(800字以内)苦労・工夫した点(400字以内)

高熱伝導CFRP薄板の3Dプリントによる作製:私は、修士課程ではより実用に近い研究を行いたいと思い、このテーマを立ち上げました。電子機器の高性能化により半導体の消費電力が増加し、それに伴って発熱量も増加しました。半導体は温度上昇により処理速度が低下してしまうため、放熱が不可欠です。放熱率を上げるために、樹脂に熱を伝えやすい炭素繊維を混ぜた熱伝導シートが開発されています。この熱伝導シートは、熱の通り道を作るために繊維をシートの厚さ方向に向ける必要があり、従来は高電圧をかけて繊維を回転させることで作製されますが、コストがかかる上に高充填時の粘性上昇により繊維が回転しづらくなり上手く配向できないことが問題となっていました。そこで私の研究では、低コストで繊維高充填時の繊維配向可能な高性能熱伝導シートの作製法の確立を目的とします。短繊維を混ぜた樹脂が細いノズルを通過することで容易に繊維配向可能で、金型不要で製造コストを低減できる3Dプリント作製法と提案しました。この方法では、従来よりも多くの繊維を添加して性能の高いシートを作製できる可能性を秘めています。しかし、試運転時に押出し不良の問題が起きました。要因解析をしたところ材料の流動性に対して押出しの力が弱い、ノズル径が小さいことが考えられました。繊維配向のためにノズル径は大きくできず、押出し力の増加も有効でないと実証したため、材料の流動性を上げる対策が必要だと考えて検討を行い、加熱による複合材の粘性低下という解決方法を考案して実装し、高充填複合材の押出しに成功しました。現在はシート作製に最適な材料押し出し速度やベッド移動速度など種々の制御パラメータの決定に取り組んでいます。この熱伝導シートが想定通りに作製できた場合、市販の熱伝導シートの5倍以上の放熱性能を見込んでいます。また単品の製造時の電力消費も約3割削減を見込んでおり、今後は効率的な量産方法についても検討していきます。 最も苦労した点は、複合材の押出不良の改善です。3Dプリンターの試運転時、繊維高充填量時の押出不良が問題となりました。原因は、材料の流動性に対して押出し力が弱い、ノズル径が小さいことが挙げられました。しかし、繊維を揃えるにはノズル径を大きくできないため、対策は押出し力の増加と材料の流動性の向上を考えました。まず前者の効果を検証するため、手で強くピストンを押したところ、樹脂と繊維が分離してしまいました。そのため、流動性の向上が必要だと考え、関連する文献を参考に検討し、ノズル形状の最適化や超音波による繊維の共振等の対策のうち、導入が簡単で効果が期待できる樹脂加熱時の粘性低下の利用を決めました。材料の温度に対する粘性変化を測定して押出しに最適な温度を決定し、ヒーターを搭載できるノズルを再製作した結果、押出しに成功しました。不具合の原因を分析し、様々な角度からの対策を考えることの重要性を学びました。

これまでに最も力を入れて取り組んだこと 活動概要(50文字) 具体的な取り組み内容(400文字)

私は学生時代にボート部に所属し、怪我を乗り越え全日本選手権大会に出場し、準決勝進出を果たしました。 私は部の精鋭のみが参加できる全日本選手権に出場して4年間の集大成として勝ちたいという強い思いがあり、骨折による離脱にも挫けることなく勝利に向けて全力で取り組みました。大会出場のためには怪我の完治予定から1か月後の部内選考で勝つ必要がありました。練習を1日休むと取り戻すのに3日かかると言われており、闇雲に練習しても選考で勝てないと考え、トレーナーの助言を受けつつ綿密な復帰計画を立て実行しました。まず静養期間に本場イギリスの代表選手の練習法を学び、自分用に変更を加えつつ完治後の練習計画を組みました。完治後には体の状態に合わせて練習内容を調整しながら極限まで追い込みました。そして、選考で上位に入り大会出場クルーに選出されました。更に、学んだ練習法をチームに共有して練習を重ね、大会で準決勝進出を果たしました。限られた時間の中でも計画を立て、工夫して努力することで困難な目標も達成できると学びました。

これまでにチームで仲間と協力し取り組んだこと 活動概要(50文字) 具体的な取り組み内容(400文字)

私は、五大学交流戦で4人乗り種目に出場することになり、自分が主体となってクルーを率いて種目別優勝を果たし、部の総合優勝に貢献したいと考え、チーフに立候補しました。練習期間が1ヵ月と短いため、短期間で艇速を上げる効果的な練習を行う必要があり、どのような練習をすれば良いか最初に議論を行いました。結果、短期的には個々の体力向上よりも4人の息を合わせることが艇速を上げる効果が大きいという結論が出たため、漕艇練習の割合を増やしてボートに乗って4人の感覚のすり合わせに注力しました。また、士気向上と不満解消のため、練習中は常に声出しや話し合いを行いました。その結果、順調に艇速が上がり、チームの雰囲気も常に良く、質の高い練習を継続できました。そして、私のチームは種目で優勝でき、部の総合優勝も達成ました。チームが目的のために議論し、意識を統一して協力し合うことで大きな目標を達成できることを学びました。

身近な人からどのような人だと言われるか どんな人だと言われますか(30文字) そのように言われる理由を教えてください(150文字)

真面目で面倒見が良い 私はチームをまとめる立場を務めることが多く、メンバーについてきてもらうためにはリーダーの人柄が重要だと考え、日頃から誰よりも規律を守り努力することを心掛けています。また、頼み事や相談には積極的に応え、また自らも相手を頼ることで気軽に相談をしてもらえるような関係を築くようにしています。

志望動機 あなたが仕事をする上で、大切にしたい価値観や求める働き方・職場風土を具体的に記入してください(200文字) 入社後にトヨタでやりたい事と、それに繋がるご自身の強み・能力・経験を具体的に記入してください(300文字)

私は助け合いの精神を大事にしたいです。私が設計で行き詰ったとき、研究室のメンバーに相談して意見を交わすことで装置の熱設計の難しい部分を解決するアイディアが生まれ、実験装置の完成につながりました。また私が設計の過程で得た冷却系の知識を伝えることで他のメンバーの装置の冷却系に応用して性能向上に貢献でき、それが自己の理解を深めることにもなりました。このように協力し、互いに高めあえる職場が望ましいです。 私は好きなクルマを通して社会を変えたいと思い、究極のエコカーと呼ばれるFCVの普及に貢献したいと考えています。脱炭素の可能性を秘めた水素社会の実現にはFCV普及による水素需要の拡大が必要であり、それにはFCVが魅力的なクルマであることが不可欠だと私は考えています。貴社の新型MIRAIには環境性能はもちろん走行性能や静粛性など多くの魅力が備わっており、更なる低価格化と性能向上を行うことで一般にも広く普及させることができると感じました。私は研究で得た熱制御の知見を活かしてFCシステムの冷却制御の効率化で燃費向上に貢献し、お客様にクルマに乗る楽しさと環境問題に貢献できる喜びの双方を提供したいです。

各質問項目で注意した点

研究に関しては分かりやすく書くのは大前提として、少ない文字数でどれだけ必要な情報を表現できるかを意識した。(研究内容をたった800字で伝えるのはかなり難しく感じた。)いわゆるガクチカの2項目については、結果に至るプロセスの内容と、なぜそのプロセスを選択したか、背景にある思いなどを盛り込むことを意識した。人物像、志望動機については素直にありのままを書くことと、そう考えるきっかけになった具体的な出来事を加えるよう意識した。人物像に関しては、ガクチカから読み取れる人物像と一致している場合と、異なる面を記述している場合が考えられるが、後者の場合は、それを象徴する具体的なエピソードを考えておくと面接で役立つかもしれない。

結果通知時期および結果通知方法

結果通知時期:その他 結果通知方法:その他