就職の難易度を示す就職(就活)偏差値の存在は、就活生なら耳にしたことがあるのではないでしょうか。

気になりつつも「誰が、どうやって決めているの?」「本当に企業選びの参考になる?」といった疑問を持つ人も多いかもしれません。

本記事では就職偏差値および理系就職ランキングについて徹底解説します。志望企業選びの参考にしてください。

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就職偏差値とは?

就職偏差値とは?

就職偏差値(就活偏差値)とは、応募者の学歴や併願先、年収や企業の知名度など、さまざまな尺度をもとに、就職を大学の偏差値になぞらえて、内定のとりやすさを偏差値で表したものです。

企業ごとに数字が表示されるほか、SSランクからBランクまで、ランク付けされています。

就職偏差値は誰がどうやって決めている?

就職偏差値は、もともと5ちゃんねる(旧2ちゃんねる就職版)の就職偏差値ランキング委員会という有志によって発表されていたものです(「2019卒用」以降は更新されていないようです)。

有志の経験をもとに、次のような尺度で決められていました。

  • ・応募者の学歴や併願先
  • ・年収
  • ・企業の業界順位や知名度
  • ・勤務地
  • ・恋愛四季報による「モテ」

     

企業を入社難易度によって格付けする手法は多くの就活生に支持され、現在も就職ランキングなど、形式や名称を変えながら、さまざまな団体によって作成されています。

就職偏差値の信憑性は?

就職偏差値は、参考程度にしておくことが望ましいといえます。

最大の理由は、「就職偏差値」と偏差値の体裁をとってはいるものの、その数字に客観的な根拠がないからです。

大学の偏差値は、予備校などが受験生の個人偏差値と受験結果の膨大なデータをもとに合否分布を作成し、割り出しています。それに対して就職偏差値の尺度は、業界順位や知名度、応募者の学歴や併願先、勤務地や「モテ」など、定量化しにくいデータが中心になっています。扱う企業にも偏りが見られます。

どのくらい参考にするべき?重視するデメリット

どのような企業が「難関」といわれるのか、また、高偏差値大学の学生に人気があるのか、などの判断材料になります。また、「世間ではどのような企業が『ランクが高い』と思われるのか」を知ることもできるでしょう。

しかし、重視することによる弊害も忘れないようにしましょう。就職偏差値を重視するデメリットには、次のようなものがあります。

  • ・就職偏差値が高い=良い企業と思い込んでしまう
  • ・規模が小さく知名度は高くないが、実績を持つ企業を見落としてしまう
  • ・自分に合っていない企業を志望してしまう

就職偏差値を参考にする際の注意点

特に理系就活生が就職偏差値を参考にする際の注意点を押さえておきましょう。理系就活生は次の2点に注意する必要があります。

1.IT系ベンチャー企業などの評価が低い

就職偏差値は、前述のように収入や企業の知名度など、主に現段階での情報をもとにランキングが作成されています。そのため、IT系ベンチャー企業などのように、将来的に急成長が見込まれる企業であっても低く評価されてしまっている可能性があります。

2.企業全体の評価になっている

就職偏差値は「企業そのものの評価である」ことに注意しましょう。同じ企業であっても、部署・職種によって評価が分かれる企業もあります。また、企業全体としては知名度はなくても、研究開発部門が突出している企業など、特色のある部署を持っている企業もあります。そのため、就職偏差値のみで判断せず、自分が希望する部署・職種単体での評価を確認することが必要です。

就職偏差値ランキング理系版

就職偏差値ランキング理系版

では、実際に就職偏差値とはどのようなものかを見てみましょう。就職偏差値の中から「2019卒用 理系就職偏差値ランキング」を紹介します。

出典:2019卒用 理系就職偏差値ランキング(就職偏差値ランキング委員会)

上位はグローバル展開するIT企業やコンピューター関連企業、またメーカー系の研究所などが並んでいます。知名度も高く規模も大きい、多くの就活生が志望する企業であるのも納得できます。

「勝ち組」ばかりにこだわるな! 企業選びで注目すべきは?

「勝ち組」ばかりにこだわるな! 企業選びで注目すべきは?

この就職偏差値では、偏差値58以上が「勝ち組」とされており、ランキングだけを見ていると、高偏差値=勝ち組企業という図式が描かれているようです。もちろん「勝ち組」とされる企業を選ぶのも、ひとつの考え方でしょう。また、実務経験のない就活生にとって、企業の成長性を見分けるのは難しく、就職偏差値に頼りたくなるのかもしれません。

しかし、企業を選ぶ際の指針になるものは就職偏差値以外にもあります。ここでは、自分に合った企業を選ぶために確認するべき3つのことについて説明します。自分が企業に求める条件なども思い浮かべながら参考にしてみてください。

待遇

雇用主が従業員に対して支払う給与や求める勤務時間、福利厚生の制度などを総称して「待遇」と呼びます。待遇は、企業が社員をどのように扱っているかが具現化されたもので、待遇の良い企業とは、社員を大切にしている企業、ブラック企業とは反対のホワイト企業といえるでしょう。

待遇は「離職率の低さ」がひとつの尺度です。企業の離職率は『就職四季報』などで知ることができるので、ぜひ参考にしてください。そのほかにも、残業時間や年間休日日数などが判断材料になります。

業務内容

企業の業務内容は、実際に働いている人に聞くのが最も正確です。OB/OG訪問をして、積極的に情報収集を行いましょう。また、インターンに参加して、自分で体験するのも良い方法です。

自分が気になる業界のニュースは、日ごろから追うようにしましょう。最初はピンと来なくても、ある程度読み続けることで流れが把握できるようになり、どこを見れば良いかがわかってきます。

新卒定着率

新卒定着率は、その企業で働いた新卒の社員がどのくらい職場に満足しているかを示す重要な指標です。「『新卒社員の3年後定着率』が高い300社ランキング」などが毎年発表されているので、そちらも参考にしてください。

それでも高偏差値企業に行きたい人は? 

それでも高偏差値企業に行きたい人は? 

「自分は高偏差値企業に行きたい!」「就職するなら大手企業!」「有名企業を目指したい!」という人は、次の4点を軸に、早い段階から計画を立てて進んでください。

王道は成績・スキルアップ 

前提として、大手企業に新卒採用されるには高学歴が必要です。書類選考でふるい落とされないだけの学歴を持っていることや、高いGPAを取得していることが条件となります。また、金融工学やマイナー言語の高いスキルなど、企業が求める特殊な分野に長じている人は有利に進むでしょう。 

徹底的な企業研究で求められる学生を知る

企業を深く理解することで、どのような人材が求められているかが見えてきます。会社説明会やインターンはもちろん、企業サイトのIR(Investor Relations:インベスター・リレーションズ)情報のページなども見て、企業の今後の動向にも注目してください。

企業分析のやり方を詳しく知りたい人は、以下の記事を参考にしてください。

自己分析の徹底

企業分析を行うと同時に自己分析を徹底することで、企業が求める人材の要件と、自分の共通点を見出すことができます。

1.自分が何をしたいか
2.自分に何ができるか
3.授業や研究、専門領域で何を学んだか
4.サークルやアルバイトでの経験と気づき
5.その他、これまでに体験したこと

この5点から自分自身を振り返り、自分のどのような要素が志望企業に向けての「売り」になるか、志望企業に対して自分のどのような要素を価値として提供できるかを考えましょう。

自己分析については次の記事で詳しく説明しています。こちらも参考にしてください。

OB・OG訪問

OB・OG訪問は、仕事の詳しい内容だけでなく、自己PRの仕方や面接の突破のコツなどのノウハウを知ることができます。また、実際にその企業で働いている人と話をすることで、モチベーションもアップします。

限られた時間で十分な情報が得られるよう、OB・OG訪問を行う前には、質問したいことを明確にしておきましょう。

OB・OG訪問の詳しいやり方については、次の記事が参考になります。

【理系なら使いたい!】活用するべき逆求人サイト

就活生が就職偏差値やランキングに頼ってしまう理由のひとつとして、企業情報を十分に持っていないことがあります。しかし、就職偏差値やランキングに載っていない企業の中にも、あなたにマッチする企業は数多くあります。

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これだけは押さえておきたいポイント(まとめ)

本記事では「就職偏差値ランキング」について説明しました。就職偏差値ランキングがどのような尺度で決められているかを紹介し、ある程度までは参考になるものの、参考にしすぎないことが重要なことが理解してもらえたのではないかと考えます。

就活ではこうしたランキングだけでなく、待遇や業務内容、新卒定着率も含めて判断することが重要です。

それでも就職偏差値ランキングを始め、多くの就職ランキングが就活生に支持されているのは事実です。その理由のひとつとして、就活生の多くが数多くの企業を知らないことがあります。自分にマッチする企業の存在を知らないのは、本当にもったいないもの。そんなすれ違いを防ぐためにも、TECH OFFERを活用してください。