ベンチャー企業は、入社直後からさまざまなことが経験できる点が魅力的な一方で、適性がないと働くことは難しいでしょう。
理系学生の場合は一般的な適性に加えて、もう一歩踏み込んだ目線で、ベンチャー企業をチェックして見極めなければなりません。
ベンチャー企業への適性を見極められれば、リスクを抑えて就活を進められます。
本記事ではベンチャー企業に関心がある就活生に向けて、ベンチャーに就職するメリットやベンチャー企業の見極め方を解説します。
ベンチャー企業とは?

ベンチャー企業とは、革新的なアイデアやテクノロジーを活かして市場に参入し、成長を目指す企業を指します。大企業が取りたがらないようなリスクを進んで取り、挑戦を続けることで、多くの人を惹きつける魅力的な環境を備えていることが特徴です。
ベンチャー企業は企業規模が比較的小さい企業が多いですが、成長して規模を拡大したメガベンチャーと呼ばれる大企業もあります。
ベンチャー企業の種類と代表的な企業
ベンチャー企業には、さまざまな業界や分野における企業が存在します。以下では、主な業界と代表的な企業を紹介します。
・IT
情報通信技術を活かした製品やサービスを提供し、成長を目指す企業です。
代表的な企業:サイバーエージェント、Yahoo! Japan、LINE、DeNAなど
・バイオテクノロジー
医薬品開発や再生医療、ヘルスケア、農業、食品、環境など、多岐にわたる分野でバイオ技術を活用する企業です。
代表的な企業:サンバイオ、クオリプス、タカラバイオ、ツーセルなど
・クリーンエネルギー
脱炭素社会に向けた再生可能エネルギーの開発・展開に向けて、多くのベンチャー企業が取り組んでいます。
代表的な企業:ENECHANGE、レノバ、エクセルギー・パワー・システムズなど
・フィンテック
フィンテックは金融テクノロジーとも呼ばれ、個人や企業の資産管理を行うサービス提供を通じて多くの人のライフスタイルを大きく変えつつあります。
代表的な企業:PayPay、メルペイ、LINE Payなど
・研究開発型
研究を通じて発見した技術を活用して事業を営む企業です。
新規性・革新性の高さから、業界でも指折りの企業となる可能性を含んでいます。
代表的な企業:ソナス・ARAV
・ディープテック
最先端の技術で地球規模の課題解決を目指している企業です。
AIやバイオテクノロジー、量子コンピューターなどの分野がディープテックに該当します。
代表的な企業:京都フュージョニアリング、ユーグレナなど
・Saas型
Saas型のサービス開発・販売を手掛ける企業です。
Saas型サービスは手軽に利用できるサービスのため、なかには驚くべき早さで市場に浸透しているサービスもあります。
代表的な企業:freee、Sansan
ベンチャー企業は新卒でも就職できる?
ベンチャー企業の採用戦略は企業ごとに異なるため、新卒でも就職可能かどうかは一概には言えません。一般的にベンチャー企業は転職者や経験者を優先し、専門知識や経験を持つ人材を求める傾向が高いのが事実です。しかし、ベンチャー企業によっては新卒学生の採用を行うケースもあるため、適切な企業を見極めることが重要です。
企業によっては、新卒採用に力を入れて若手の新鮮なアイデアやエネルギーを組織に取り入れることを重視する場合もあります。新卒学生がベンチャー企業を志望する際には、自らのスキルや熱意を強くアピールし、企業の価値観や事業に共感を示すことが大切です。
また、ベンチャー企業にインターンシップに参加し、そこから正社員になるルートもあります。ベンチャー企業の中には長期インターンを募集しているところも多くあります。数か月間から数年に渡って給料をもらいながら仕事をし、卒業後はそのまま正社員というルートも可能です。
ベンチャー企業に就職を希望する人は、まずはインターンシップから参加を考えるのが近道です。ベンチャーを含むインターンシップについて詳しく知りたい人は次の記事を参考にしてください。
理系学生が就職するベンチャー企業とは?
理系学生にとって、ベンチャー企業は魅力的な就職先のひとつです。
大学で学んできた知識やスキルを、ベンチャー企業で活かせるからです。
特に、ITやバイオテクノロジー、クリーンテクノロジーなどの分野で革新的な技術を持つベンチャー企業では、専門知識や技術の理解を持つ学生が求められます。
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ベンチャー企業に就職するメリット

ベンチャー企業に就職するメリットとして、次の3点があります。
学ぶ機会が豊富に得られる
成長段階にあるベンチャー企業では、組織の規模も小さく、個々のメンバーが担う役割は、どうしても幅広く、また重くなります。新入社員であっても、早い段階から重要なプロジェクトに参加し、成果も求められる厳しい環境です。
一方で、見方を変えるとベンチャー企業では実力を示せば、若いうちからでも大きな仕事を任せてもらえます。
たとえば、長期インターンシップに参加して実績を残せれば、インターン生であったとしても、新規機能の開発のような大型プロジェクトも担当できます。。
若いうちから成長できる環境を求める方には、ベンチャー企業はうってつけの環境です。
やりがいのある仕事ができる
ベンチャー企業は明確なビジョンと成長目標を持ち、事業や製品開発に取り組んでいます。企業のビジョンに共感し、成長に貢献することをやりがいと感じられる社員にとっては、大きな意義を感じられる仕事です。また、自分のアイデアや企画が採用されれば、直接成果が形になって返ってきます。
たとえば、自身の研究成果が採用されれば、製品化はもちろん、製品化プロジェクトの担当者や責任者として参画できます。
研究実績が残せることに加えて、製品化に至るプロセスを経験できるため、キャリアにとって大きなプラスです。
スピード感を持った仕事ができる
ベンチャー企業は市場の変化に対し迅速な対応が必要です。そのため、意思決定や承認作業、プロジェクトの進行が大手企業よりもスピーディーに行われる傾向です。新規プロジェクトがどんどん生まれ、新入社員であっても経験を積む機会が数多く与えられます。その結果、短時間で多くのスキルや知識を身につけられます。
また意思決定のスピードの速さは、技術的な資産を守る際にも有利に働き、大きな組織を持つ企業との違いです。
たとえば、研究者が書いた論文に新規性や革新性があると認められる場合、ベンチャー企業は即座に特許を申請して技術的な資産を守れます。
一方で、大きな組織を持つ企業の場合はプロセスが多いため、特許の申請に時間がかかり、技術的な資産を保護するまでに時間がかかりがちです。
意思決定のスピード感の違いで特許の申請が間に合わないケースはあるため、ベンチャー企業の意思決定の速さは研究者にとって大きなメリットです。
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ベンチャー企業に就職するデメリット

ベンチャー企業に就職するデメリットも押さえておきましょう。デメリットとしては次の3点があります。
研究中止のリスクがある
ベンチャー企業は常に市場の先を読み、新しい製品やサービスを開発・展開しています。
そのため、市場の急激な変化や競合他社の動向に大きく影響を受けるケースもあるでしょう。急速に拡大することは同時に、経営上のリスクでもあります。
業績が悪化すれば、組織再編や倒産も起こり、進行中の研究や計画していた実験が突然中止となるケースもあります。思い切り研究ができると思って入社しても、ベンチャー企業では突然研究ができなくなるリスクがあるのが現状です。新卒でベンチャー企業に入る場合はリスクを理解し、自らのキャリアに影響を与える可能性を考慮する必要があります。
評価制度が曖昧な場合が多い
ベンチャー企業の多くは創業年数が浅いため、人事評価の制度が確立されていないケースは少なくありません。
社長や上層部の一言で人事評価が決まるケースは珍しいことではなく、公平な形式で評価されることの方がレアケースです。
ベンチャー企業では、自己PRが上手な方は大きな評価がもらえる可能性が高まる一方で、自己PRが苦手な方は割を食うリスクがあります。
ベンチャー企業に入る場合は、自身の魅せ方を考慮しての立ち振る舞いが求められます。
研究以外に時間が取られがちになる
ベンチャー企業の場合、急成長に組織の拡大が間に合わないケースが多いことから、専門外の業務を担うケースは少なくありません。
たとえば、研究が主な業務内容のはずが、気が付けば人事総務の仕事まで担わされているなどもあり得ます。
研究だけに打ち込みたい方の場合は、マルチに仕事を任されるベンチャー企業の環境は合わないリスクがある点に注意しましょう。
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ベンチャー企業に向いていない人

ベンチャー企業を志している方の中には、自分が本当にベンチャー企業に向いているのか不安に思う方は多いでしょう。
ベンチャー企業は向き・不向きが特に重要なため、適性を気にする方は少なくありません。
本章ではベンチャー企業に向いていない人の特徴を解説します。
安定志向の人
安定した会社で働きたい方、波風の少ない会社員生活を送りたい方にはベンチャー企業は向いていません。
ベンチャー企業は大きく成長する可能性がある反面、倒産するリスクもあります。
人手不足の傾向が強いため、一人ひとりが担う業務量は多く、新人のうちから難しい仕事も任されます。
ベンチャー企業での生活は安定的と呼べるものからは程遠くなるため、安定志向の方にはベンチャー企業はおすすめできません。
受動的な人
指示待ちタイプの方や与えられた仕事だけを頑張りたい方には、ベンチャー企業は向いていません。
ベンチャー企業は成長する組織に人手が追い付いていないケースがほとんどであり、自分から仕事を探しておこなう積極性が求められます。
自分の業務はもちろん、雑用やアイデア出し、クライアントへの働きかけ、ときには専門外の仕事を求められるケースも少なくありません。
ベンチャー企業の環境では能動的に動けて当たり前のため、指示待ちタイプの方や与えられた仕事だけをしたい方はおすすめできません。
継続的な学習を嫌う人
スキルアップのための継続的な学習や資格試験の勉強を避けたい方は、ベンチャー企業に向いていません。
ベンチャー企業は成長中の組織のため、組織の成長に合わせて自身も成長することが求められます。
場合によっては、専門外の勉強を求められるケースも出てきます。
ベンチャー企業では常にスキルアップの勉強やキャリアアップの勉強が求められる環境のため、継続的に勉強がしたくない方はおすすめできません。
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ベンチャー企業に向いている人は?

ベンチャー企業には向き不向きがあります。ベンチャー企業を志望する就活生は、求められる人材と自分が一致するかどうかを見ておきましょう。
特にベンチャー企業に向いているとされる方の特徴は以下のとおりです。
| 特性 | 行動例 |
| 主体性 | 自ら考えて、積極的に行動できる |
| 成長意欲が高い | 自らの能力を向上させるために努力できる |
| 柔軟性がある | TPOに合わせた行動ができる |
| スピード感がある | 判断が早く、的確に行動できる |
| 好奇心が強い | 未知の出来事に対して積極的に知ろうとする |
| 視野が広い | 物事をさまざまな視点から捉えられる |
| 粘り強い | 簡単に諦めることなく取り組める |
主体性のある学生
ベンチャー企業では、主体性のある学生が求められます。新たなアイデアを提案し、仮に採用されなくても、フィードバックを受けてアイデアを練り直し、再提案するような、積極性と粘り強さの両方を持つような人材です。
成長意欲の高い学生
成長段階にあるベンチャー企業は、組織とともに成長できる人材を求めています。成長意欲が高く、自らの能力を向上させるために努力を惜しまない学生は、ベンチャー企業の成長に貢献する一員として適しています。
柔軟性がある学生
顧客ターゲットや商材、ときにはメインの事業内容が変わるベンチャー企業では、柔軟に行動することが求められます。
場面に応じた最適解を見出して、判断基準や行動を変えられる柔軟性を持つ人材はベンチャー企業で活躍できる素養があります。
スピード感がある学生
組織の規模や資金力で劣るベンチャー企業ですが、大企業にはない素早さを武器にしている企業は多くあります。
小回りを武器とするベンチャー企業では、働く従業員にも市場の変化に素早く対応できる判断スピードや物事の処理スピードが求められます。
好奇心が強い学生
成長の過程にあるベンチャー企業は、日々予想もしない出来事に出くわすケースは少なくありません。
未知の出来事や難題に出くわす度に、期待感や高揚感を持って取り組める方はベンチャー企業に向いています。
視野の広い学生
ベンチャー企業が切り拓こうとする市場では未知の出来事が数多く起こっており、一般的にセオリーとされている方法が通用しないケースもあります。
既存の考え方に囚われず、アイデアを考えられる方はベンチャー企業に向いています。
粘り強さを持つ学生
優れた技術や画期的なアイデアを持つベンチャー企業でも、思うように売上や利益が出ないケースは珍しくありません。
中々結果が出ない中でも、成功を目指して諦めずに取り組む必要があるため、粘り強さはベンチャー企業の一員として求められる素養です。
給与や福利厚生よりもやりがいを重視する学生
大手企業と比較すると、ベンチャー企業は給与や福利厚生の面では見劣りするかもしれません。その代わり、やりがいや成長の機会が豊富です。給与よりも自分の仕事に対する情熱とやりがいを重視し、自分自身で納得できるキャリア形成を志向する学生にとって、ベンチャー企業は魅力的な選択肢です。
ベンチャー企業は、人によって向き・不向きがあります。自己分析を通じて自分がベンチャー企業に向いているかどうかを判断してください。
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ベンチャー企業の見極め方

大手企業や有名企業などの場合は巷に情報が溢れているため、どのような企業なのかを見極めることは難しくありません。
一方で、ベンチャー企業の場合は情報が乏しく、エントリーすべき企業なのかを見極めるのは簡単ではないでしょう。
本章では、ベンチャー企業の見極め方を解説します。
見極めのポイント①:財務状況
ベンチャー企業は大きく成長する可能性が高い一方で、設立から5年後に生き残っている企業の割合は15%といわれるほど厳しい現実があります。
貴重な新卒採用で入社したにもかかわらず、数年で倒産しては元も子もないため、最初に健全な経営となっているかを見極めるようにしましょう。
潰れないベンチャー企業を見極めるためには、以下のポイントをチェックします。
| チェック項目 | チェックポイント |
| 資金調達 | ・自己資本と他人資本の割合に注意する ・他人資本の割合が高いと資金繰りが急速に悪化するリスクがある ・有名なベンチャーキャピタルや事業会社が株主に入っていると、プロの厳しい審査を通過した裏付けになる |
| 売上推移 | ・基本は前月比、前年比で成長しているかどうか ・営業利益が赤字でも売上高が急成長しているなら、市場シェアを獲得しつつある証 |
| 営業キャッシュフロー | ・営業活動によって生じるキャッシュの増減をチェックする ・ベンチャー企業では数値がマイナスとなるケースがあるが、売上の成長に連動してマイナス幅が縮小しているかをチェックする ・数値がプラスの場合は、安定している企業といえる |
参考:日経ビジネス 「創業20年後の生存率0.3%」を乗り越えるには
見極めのポイント②:開発チームの体制
IT系のベンチャー企業を目指している場合には、開発チームの体制はチェックしましょう。
開発チームの体制が整っていないと、品質レベルの低い開発を繰り返す傾向があります。そのため、稼働の負荷が高くなることに加えて、成長の機会が奪われがちです。
もちろんベンチャー企業なので、開発チームの体制が完璧に整っている例はまれですが、以下の観点はチェックしましょう。
| チェック項目 | チェックポイント |
| エンジニア比率 | ・サービスの開発、修正が優先されるため、従業員の半数以上がエンジニアである ・営業や事務員よりエンジニアが多くなっている・エンジニアが少ない場合、エンジニアの負荷が高くなりがち |
| テックブログ | ・そもそもテックブログがあるのか、ある場合には更新頻度や書き手をチェックする ・テックブログに積極的な企業は、エンジニアの技術を伸ばそうとする意識があることの証拠 ・書かれている内容から技術レベルのチェックができる |
| OSS貢献 | ・OSSへの貢献活動をしているのかをチェックする ・OSSへの貢献活動の有無で、テックブログと同様にエンジニアの育成意識や技術レベルがチェックできる ・ソースコードは資産のため、公開しない姿勢を取る企業があっても不思議ではない(公開しない企業がダメなわけではない) ・OSS貢献活動の有無から、企業の技術に対する姿勢を把握できる |
見極めのポイント③:企業文化
各企業には固有の企業文化があり、同類の事業を営んでいるベンチャー企業でも企業文化の違いから合う・合わないが生まれます。
各企業の文化は企業説明会やインターンシップでも感じられますが、データや採用している制度からも把握できます。
ベンチャー企業の文化を見極めるためには、以下のポイントをチェックしましょう。
| チェック項目 | チェックポイント |
| 離職率 | ・一般的な離職率は15%前後、新卒の3年以内の離職率は30%前後とされている ・一般的な割合よりも高い場合は、厳しい環境であることが想定される ・反対に一般的な割合よりも低い場合は、ベンチャー企業でありながら手厚いサポートがあることが想定される |
| OKRの採用 | ・OKRが採用されている場合は業務の優先順位が明確なため、業務の判断で迷うことは少ない ・自律的な行動が求められるベンチャー企業では、OKRが明確だと若手からでも行動がしやすい環境といえる ・反対に目標と数値が曖昧な場合は、意思決定にさまざまなことを考慮しなくてはならないため、ストレスがかかりやすい |
参考:厚生労働省 -令和6年雇用動向調査結果の概況-
参考:厚生労働省 新規学卒就職者の離職状況(令和3年3月卒業者)を公表します
見極めのポイント④:採用情報
昨今では新卒採用でも学生のポテンシャルや実績に合わせて、区別をしようとする動きが見られます。
たとえば、メガバンクの一角である三菱UFJ銀行は新卒の学生に対して1,000万円の年棒を用意しており、実績に応じて区別しています。
以下のように採用のされ方や評価方法に各企業の違いがあるため、どのようなタイプが自分に合っているのかを確認するとよいでしょう。
| チェック項目 | チェックポイント |
| 採用のされ方 | ・ポテンシャルを期待されての採用や即戦力としての採用など ・前者は提示される年収は一般的な新卒採用と遜色はない ・後者は経験者としての年収が提示されるが、求められるレベルも高くなる |
| 評価方法 | ・新卒入社を加味した評価や一般社員と同じような評価のされ方など ・評価が年収や役職に反映されやすい企業もある |
参考:日本経済新聞社 三菱UFJ銀行、新卒年収1000万円も デジタル人材を確保
見極めのポイント⑤:技術広報の充実度
技術者としてより大きく成長したいと考えている方は、技術広報に力を入れているかをチェックしましょう。
技術広報は発信する過程で、社内レビューや念入りな調査など多くの労力が必要です。
ときには発表した内容が同じ技術者からフィードバックを受けるケースもあります。
発表への労力やフィードバックは刺激となり、技術者としての成長につながります。
技術者としての成長を目指している方は、ベンチャー企業が以下のような形で技術広報に取り組んでいるかをチェックしましょう。
- ・テックブログの運営
- ・勉強会の開催
- ・OSS活動
- ・カンファレンスへの登壇
- ・社外の方も参加可能なイベントの企画
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ベンチャー企業の選び方・応募戦略

ベンチャー企業を志す場合、どのように就活を進めればよいのかで迷う方は多いでしょう。
本章ではベンチャー企業の選び方や応募戦略を解説します。
志望動機テンプレート
インターンシップのエントリーや本エントリーは志望動機が必要になり、志望動機がエントリーへの障壁となるケースは少なくありません。
志望動機を作るのは簡単ではありませんが、以下のテンプレートに沿うと作りやすくなります。
- ・Why:業界×Why:その会社×What:貢献スキル
テンプレートを使った具体的な志望動機例は以下の内容となります。
| 私はデジタルで生活を豊かにしたいとの思いからIT業界を志望しております。 このように思うようになったきっかけは、田舎に住む祖父母とスマートフォンで気軽に連絡が取れるようになったことです。 スマートフォンにより、手軽に連絡が取れるようになった結果、今まで以上に家族のつながりを感じられるようになったため、 デジタルが生活を豊かにすることを強く実感しました。(ここまでがWhy業界) 数あるIT企業の中でも、貴社が開発しているホログラムによる通信に魅力を感じて、志望いたしました。 先ほどの祖父母との連絡もホログラムであれば、より身近に感じることができると考えており、技術の実現に貢献したいと思っております。 ホログラムによる通信が実現すれば、今まで以上に人々はつながりが強く感じられ、より生活が豊かになると確信しております。(ここまでがWhyその企業) 私は大学院で光の波形に関する研究をしており、貴社のホログラム通信の開発に貢献できると自負しております。 研究ではデジタル通信と光の波形をリアルタイムで同調させることに成功しており、貴社でも引き続き研究を続けて、実用化したいと考えております。 ホログラム通信は簡単な開発ではありませんが、大学院で培った技術と粘り強さで取り組む所存です。(What貢献スキル) |
希望職種別ポートフォリオ
理系就活ではポートフォリオがあると、スキルや実績の裏付けができるため、選考が有利に働きます。
職種別に必要となるポートフォリオは以下のとおりです。
| 職種 | ポートフォリオの種類 |
| プログラマー | GitHubによるソースコード |
| 研究員 | 論文や学会の発表資料 |
イベント・逆求人の使い分け方
理系就活ではさまざまな方法で企業にアプローチができますが、使い分けが重要になります。
アプローチの目的に沿った使い分けができると、より効果的な就活ができます。
たとえば、イベントの場合は多くの企業・担当者に会いたい場合に有効です。
特定の企業だけでなく、広く業界や企業を見渡すことで思いもしない業界や企業と出会えるでしょう。
なお、逆求人サービスは就活を効率的に進めたい場合に有効です。
逆求人サービスは企業が自分を見つけてくれるため、企業探しのコストが減らせます。
研究で忙しい理系学生にとってはおすすめのサービスです。
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ベンチャー企業への就活の注意点

ベンチャー企業に就活を行う場合は、次の3点に留意してください。
業務内容や企業文化にフィットできるか確認する
ベンチャー企業には独自の企業文化や働き方があります。可能であればインターンシップに参加したり、OB・OGに話を聞いてみましょう。それが無理でも、企業説明会に参加したり企業のWebサイトや採用情報、社員の声などをチェックして、企業の特徴や価値観を調査・分析するのがおすすめです。また、業務内容についても具体的に把握し、自分のスキルや興味にマッチしているかを検討しましょう。
企業の成長性をリサーチする
ベンチャー企業は成長段階にある場合が多く、成長性は就活生にとっても重要なポイントです。就業経験のない学生では、業績や経営戦略、市場動向などを十分に理解できないかもしれません。しかし、大学のキャリアセンターや同じ分野の教授に相談するなど、少しでも多くの情報を入手して検討しましょう。
新入社員に求めるものを把握する
新卒の学生を求めるベンチャー企業は、独自の採用戦略を持っているはずです。採用情報は企業から就活生に宛てたメッセージでもあります。しっかり読み込み、新入社員にどのようなスキルや能力を求めているのか、徹底して企業分析を行いましょう。企業が求める人材と、自己PRや志望動機がフィットすれば、良い結果につながります。
企業分析はベンチャー企業に限らず、志望先を検討する際に必ず行わなければならない作業です。企業分析のやり方については、次の記事を参考にしてください。
OB/OG訪問で企業をリサーチする
多くの情報が出回っていないベンチャー企業の情報を掴むには、OB/OG訪問は非常に有効な方法です。
ベンチャー企業の情報を掴むためにも、訪問の前に質問事項を用意して臨むようにしましょう。
OB/OG訪問で使える質問例は以下のとおりです。
- ・1日の仕事の流れを教えてください
- ・入社前に想像していた仕事内容と実際の仕事内容にギャップはありましたか
- ・ご自身の部署、チームの役割を簡単に教えてください
- ・やりがいを感じる瞬間はどんな時ですか
- ・入社後、どのようなスキルや知識が身につきましたか
- ・新入社員には、どんなサポートや教育体制がありますか
- ・職場の雰囲気はどのような感じですか
- ・この業界で働く上で、今から身につけておいた方がいいスキルはありますか
- ・学生時代にやっておいた方が良かったと感じることはありますか
グループワーク対策を怠らない
ベンチャー企業のなかには選考にグループワークを用いている企業があります。
グループ面接や個人面接、筆記試験への対策に力を注ぐ方は多くいますが、グループワークへの対策に力を注いでいる方は多くありません。
一方で、グループワークでのふるまいが原因で落ちる方は意外と多くいます。
想像より難易度の高いグループワークですが、模擬グループワークが基本の対策となります。
友人や大学のキャリアセンターで集まった方と、模擬グループワークを通して繰り返し練習しましょう。
グループワークでは協働する力やリーダーシップが評価されるケースが多いため、練習では以下のふるまいを意識して、取り組むと効果的です。
- ・明るい表情、はっきりした声を意識する
- ・相槌、うなずきなどで聞いている姿勢を見せる
- ・発言量は多すぎず少なすぎずのバランス
- ・ファシリテーターや書記など役割を分ける
- ・「他に意見ある方いますか?」など意見を引き出す姿勢をみせる
- ・相手を否定しない言い方を意識する
- ・まとめや発表準備の時間を残すこと
- ・発表時は結論→理由で簡潔に述べる
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ベンチャー企業に向いている人に関するよくある質問

ベンチャー企業を目指す学生は以前より増えつつあるとはいえ、まだ少数派です
同じくベンチャー企業を目指す方が周囲にいないケースがあるため、就活の進め方などを相談出来なくて悩む方は出てくるでしょう。
本章では、ベンチャー企業に向いている人に関するよくある質問を解説します。
ベンチャーは何年で潰れますか?
一般的にベンチャー企業の約8割は5年以内に倒産するとされています。
10年後に生き残っているベンチャー企業は、さらに少なく1割以下となります。
いかに優れたベンチャー企業であろうと、生き残るのが難しいことかわかるデータです。
参考:日経ビジネス 「創業20年後の生存率0.3%」を乗り越えるには
やばいベンチャーの見分け方は?
エントリーや入社をおすすめしない、やばいブラック企業を見分けるには、以下のポイントをチェックしましょう。
- ・財務状況は健全か?(自己資本の割合は?売上推移は?営業CFはマイナスかプラスか?)
- ・離職率はどれくらい?
- ・技術広報に力を入れているか?
特に財務データは念入りにチェックして、倒産のリスクがないベンチャー企業なのかをよくチェックしましょう。
理系新卒が避けるべき求人票の注意点は?
求人票から避けるべきベンチャー企業を見つけるためには、以下のポイントに注意するようにしましょう
- ・業務内容が曖昧(具体的に何をするかわからない)
- ・労働条件が他の企業と比べて劣っている(文字どおり劣悪な労働環境のリスクあり)
- ・労働条件が他の企業と比べて良すぎる(実態と乖離している可能性あり)
まずは求人票は必ず同業他社と比較して、おかしな点がないかをチェックすることからはじめましょう。
圧倒的な成長が期待できるベンチャーに挑戦しよう
ITや専門知識を活かし、イノベーションによって成長を続けるベンチャー企業に魅力を感じる理系学生は多いでしょう。
ベンチャー企業は学ぶ機会の豊富さや、やりがい、スピード感など、大手企業にはないメリットがあります。
今日ではベンチャー企業の数も増え、一口にベンチャーといっても規模も業種もさまざまです。ベンチャー企業を志望すると決めたら、じっくり企業研究をしながら、自分に合ったところを見つけてください。
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