こんにちは。理系就活情報局です。

機械系業界は、私たちの日常生活に関わるあらゆる製品の生産に不可欠な機械を作る産業です。すなわち、ものづくりのための工場設備や部品を作っているのが機械系産業です。

機械系業界は、自動車やOA機器から重機械、建設機械まで、幅広い産業を対象としています。したがって、機械系業界を志望している就活生は「業界の中でもどの業種を希望するのか」「どんな職種の仕事に就きたいのか」によって、志望動機の書き方が異なってきます。

「機械系業界に行きたいけど、業界が絞り切れていない」「志望動機で何を書けばいいのかわからない」。そんな悩みをお持ちの皆さんに今回は機械系業界を俯瞰し、機械系業界の志望動機の書き方のコツを解説します。さらに、業界別の例文も紹介いたします。

機械系業界を志望する理系就活生の方は、ぜひ参考にしてみてください!

機械系業界とは?

機械系業界とは?

志望動機を作成する前に、機械系業界の理解を深めることが大事です。ここでは、業界の最新動向について触れ、主な業種と職種を紹介します。

機械系業界の最新動向と展望

機械系業界は古い歴史のある業界ですが、BtoBビジネスが多く消費者にはあまり知られていない企業もあります。しかし多岐にわたる産業で必要とされている業界です。

ものづくりのための機械を作っているため、消費者のニーズに影響を受けにくい特徴があります。

今後は、5GやIoT、AIなど新しい技術に伴って設備投資が進み、機械の需要が拡大することが期待されます。一方、高度経済成長期やバブル期に採用された多くの技術者が退職していく中、人手不足が深刻化。異業種から機械の開発に参入する企業も増えています。

機械系業界の主な7つの業種

機械系業界は多岐にわたる産業を対象としており、1つの分野を専門的に扱う企業もあれば、複数の分野にわたる企業もあります。厳密な分類が難しいですが、ここでは以下の代表的な業種7つを解説します。

重機械業界

総合重機械業界はロケットや航空機、船舶、発電プラント、産業機械など幅広い大型製品を手がけ、世界に展開しています。

建設機械業界

建設機械には、油圧ショベルやクレーン車、トラクター、道路機械など多くの種類があります。

工作機械業界

工作機械とは、「金属の工作物を切削、研削などによって不要部を取り除き、所要の形状に作り上げる機械」と日本工業規格(JIS)で定義されています。金属を加工する機械を工作機械と呼んでおり、あらゆる機械を作る機械であることから「マザーマシン」と呼ばれています。

自動車業界

自動車やバイク、バス、トラックなどを製造する会社です。電気自動車へのシフトが世界的な流れとなっています。「※CASE(Connected Autonomous Shared &  Services Electric)」と呼ばれる事業戦略が主流になりつつあり、大変革期を迎えようとしています。

※CASEは、「自動車のIoT」「自動運転」「所有から共有へ」「電気自動車」を指します。

計測・分析機器業界

電気化学分析装置や光分析装置、熱測定装置などを製造する業界です。分析機器は製造業だけでなく、バイオ・医療やエネルギー・環境など幅広い業界の企業が活用します。

精密・医療用機器業界

精密機器業界は、カメラや電子機器、通信機といった精密機器を製造しています。医療用機器業界は、診断機器、治療機器などを製造する業界です。近年では、新型コロナウイルス感染症に対して、人工呼吸器や人工肺などが注目を集めました。先進国は高齢化が進み、新興国は経済発展に伴う医療水準の向上が見込まれ、医療機器業界は安定的な成長が期待されています。

OA機器業界

オフィス事務作業などを効率化する業務用の電化製品である電話、パソコン、コピー機、ファクシミリ、シュレッダーなどの機器を製造する業界です。

機械系業界の主な6つの職種

機械系業界の中での職種は企業によって異なりますが、主に次の6つの職種があります。仕事内容や求められるスキルが違っていますので、職種についても理解しておくことが必要となります。

研究開発

新商品開発の仕様に基づいて開発を行う仕事です。構造設計と強度解析を繰り返しながら製品化・実用化を目指します。基礎研究、応用研究、製品化研究に分かれて進めていきます。

開発設計

機械の構造設計を行う仕事です。CADを駆使して図面を設計し、コスト計算、スケジュール管理、不具合の修正などに対応します。

品質管理

できあがった製品が顧客の求める品質を満たしているか管理する仕事です。

生産管理

製品を製造して出荷し、市場に出る過程全てを管理する業務です。営業部門や生産部門、調達部門と関わりながら進める必要があります。

品質保証

製造工程での不良発生をチェックするだけでなく、不良品の発生を未然に防ぐため、製造工程にも関与して製造標準化を行います。

セールスエンジニア

技術面で営業をサポートする仕事です。営業とともに自社製品やシステム、サービスの説明や提案を行います。

機械系業界志望動機作成3つの準備

機械系業界志望動機作成3つの準備

「志望動機が書けない」という人は少なくありません。しかし、ちょっとしたコツをつかめば苦手意識をなくせます。

企業側は志望動機を読んで、あなたの何を知りたいと思っているのでしょうか。あなたが「企業の求める人材か」。そして「入社の意欲と熱意があるか」を知りたいのです。

意欲が伝わり、企業の求める人材だと思ってもらえる志望動機を書くには、まずはその業界、企業のことを深く知り、そこで自分が何を成し遂げたいのかをイメージしながら、思いを伝える志望動機が必要です。

機械系業界を知る:なぜその業界?

漠然と機械系業界を志望している学生は、業界研究を通して各業種の特徴や魅力を掘り下げ、「なぜその業界で働きたいのか」を明確にしていきましょう

機械系業界は、ものづくりの根底の部分に関わっているため、仕事を通して面白さや難しさに触れられます。開発や設計など、理系の技術が生かされるのも大きな魅力でしょう。

機械系業界を志望する学生は、以下の点を深く考察することが大切です。

  • ・どの業種に魅力を感じるのか
  • ・他の業種との違いは何か
  • ・業種が得意な分野
  • ・社会的な貢献度は何か
  • ・業界が求める人材

企業を知る:なぜその企業なのか

業種を絞るのと同時に、志望する企業も絞られてくることでしょう。職種も含めて企業研究が大切です。

企業理念や経営理念、企業が力を入れている事業、その企業ならではのビジネスモデルなどについて理解し、その企業にはどのような職種があるのか、どのような仕事に携わりたいのかを思い描きましょう。また、企業が求める人物像を把握することも大事です。

自分の価値観や仕事をする上で大切にしたいことを自問自答しながら、仕事選びの軸を確認する作業を通して、「なぜその企業で働きたいのか」が明確になっていきます。

志望動機にも具体的に書くことで、その企業に対する思いや熱意を伝えやすくなります。

ビジョンを持つ:何がしたいのか、なぜしたいのか

企業は長く貢献してくれる人材を求めています。そのため、自己分析をしながら、自分の強みや能力、スキル、専門性などをまとめ、入社後の長期的なビジョンを描くことが大切です。

その企業で何をしたいのか、どんな職種で働きたいのか、なぜその企業でその仕事をしたいのかを、できるだけ具体的な言葉にしてまとめておけば、志望動機に活かせます。

参照:【理系就活必勝講座】説得力がある強い志望動機の書き方とポイント

機械系業界志望動機書き方のコツ

機械系業界志望動機書き方のコツ

志望動機に正解はなく、企業もマニュアル通りの志望動機は決して求めていません。ただ、企業は多くの学生のエントリーシートをチェックしています。その中で目に留まる志望動機を書くことが大事なのは言うまでもありません。

読んでもらえるかは書き出しで決まる

面接もエントリーシートも第一印象が大事です。「書き出し」の部分がわかりやすく印象的であれば、「この学生に会ってみたい」と思ってもらえます。書き出し部分に印象が残らない文章では、最後まで読んでもらえないかもしれません。

書き出しは、「結論」から述べましょう。冗長な文章で結論がなかなか出てこないと、読みにくいだけでなく「論理的思考力が足りないのではないか」とマイナスの印象を与えてしまいます。採用担当者にとっては、簡潔に書いた志望動機のほうが好印象を持つでしょう。

書き出しで「私が貴社を志望する理由は、〇〇だからです」と結論を書くと目に留まりやすく、その先を読みたくなります。

具体的なエピソードを入れよう

どこの企業にも当てはまるような抽象的な志望動機は「志望意欲が高くない」と判断されてしまいます。

具体的なエピソードを入れて、企業の事業内容やその企業ならではの特徴について触れ、自らの経験やスキルがどのように生かせるかを書きましょう。

読む人の心を動かす志望動機を

多くの応募者の中から選ばれるためにも、採用担当者の心を動かす志望動機を書きましょう。

企業は、現時点での応募者の能力や意欲はもちろん、今後どのように活躍してくれるのかを知りたいと思っています。入社後の自分の活躍を思い浮かべてもらえるよう、どのように企業に貢献していきたいのかをしっかり伝えましょう。

そして、「みんなと同じことを言ってるな」「同じ志望動機を使い回しているな」と思われないよう、企業ごとに合わせた志望動機を作り、自分の言葉で表現し、オリジナリティあふれる「あなただけの」志望動機を作りましょう

志望動機の構成

以上のことを踏まえ、志望動機は以下の構成を意識して作成するのがおすすめです。

  • ①「なぜ」魅力を感じたのか?:深掘りしすぎず端的に
  • ②「何」に魅力を感じたのか?:企業理念や事業内容など根幹部分
  • ③企業で実現したいこと:入社後の活躍を連想

参照:【エントリーシートにおける志望動機の書き方とは?例文も詳しく解説】

機械系業界の業界別志望動機例文7つ

機械系業界の業界別志望動機例文7つ

ここからは、機械系各業界の志望動機の例文を紹介します。200~300文字の例文を示していますが、字数によって簡潔にしたり膨らませたりするなど調整してください。

志望動機例文①【重機械業界】

①「なぜ」

私は、業界の最先端技術で幅広い事業を展開している貴社で、船舶や飛行機、ロボット作りを通して、世界の人々を豊かに幸せにする仕事に携わりたいと考え、貴社を志望しました。

②「何」

貴社を選んだ理由は、技術力はもちろんですが、人に魅力を感じたからです。OB訪問やインターンシップも経験させていただき、「社会を幸せにするために開発し続けている」という使命感を持って働いていることに心打たれました。

③「企業で実現したいこと」

私も貴社のチームの一員として、自分の仕事に誇りを持ち、世界や宇宙を舞台とした製品を作り、人々を幸せにしたいという強い意志を持って仕事に取り組んでいきたいと思います。

志望動機例文②【建設機械業界】

①「なぜ」

技術革新によって、労働人口不足など社会問題の解決に寄与するという私の夢を実現したいと考え、貴社の研究開発職を志望しました。

②「何」

貴社の建設機械は、豊かな環境と労働環境の課題を同時に解決することを追及し続けており、私の志しているところに重なります。

③「企業で実現したいこと」

大学で、機械システムの知能化を実現するための研究をしていました。貴社の最先端技術に魅力を感じインターンシップにも参加させていただきました。貴社の研究開発部門で、将来的には労働人口不足問題や新興国のインフラ構築などに貢献して、豊かな社会を実現することが目標です。他の分野でも一から学んでいきたいと思います。

志望動機例文③【工作機械業界】

①「なぜ」

私は、グローバル化が進む中、世界でシェアを誇る工作機械メーカーで工作機械を設計し、世界の発展に貢献したいと思い貴社を志望しました。

②「何」

なぜ貴社かと言いますと、「ものづくりを通してお客様の価値創造に貢献する」という理念に共感し、「マザーマシン」を作ることによって、あらゆる産業の価値創造に貢献したいと思いました。

③「企業で実現したいこと」

学生時代、DIYが好きでものづくりを体験するうちに、ものを作るための道具に興味を持ち、工作機械業界に関心をもつようになりました。自身のチャレンジ精神をもって、社会が必要とする機械を開発し、貴社に貢献したいと思います。

志望動機例文④【自動車業界】

①「なぜ」

私は、自動車の省エネルギーに力を入れている貴社で、地球に優しく安全な自動車作りをしたいと思い貴社を志望しました。

②「何」

貴社はデザイン性にも力を入れながら、ハイブリットカーや電気自動車の開発技術が優れています。今は、環境を守りながらいかに開発するかが課題となっていますが、貴社は業界の中でも最先端をいっています。

③「企業で実現したいこと」

私は大学院時代、エネルギー効率について学びました。大学院で学んだことを生かし、環境に優しく安全な車を生産し交通事故を減らしたいという思いもあります。さまざまな部門で連携を取りながら貴社の自動車作りに貢献したいと思っています。

志望動機例文⑤【計測・分析機器業界】

①「なぜ」

貴社を志望する理由は、世界最高クラスの正確さを誇る計測器を開発しているからです。

②「何」

貴社は、品質を第一にし、計測機器を通して豊かな社会を実現することを目指し、グローバル展開をし、SDGsにも力を入れているところに魅力を感じます。

③「企業で実現したいこと」

私は大学時代、研究室で実験装置を設計し、先生や研究室の仲間たちにほめられた経験があります。その経験を生かし、試行錯誤しながら計測機器の細部にまで心を配り、より品質の高い製品作りに取り組んでいきたいと思います。

志望動機例文⑥【精密・医療用機器業界】

①「なぜ」

医療機器作りを通して、世界の人々の健康と幸せに寄与したいと思い、貴社を志望しました。

②「何」

貴社は、「医療を通して世界を幸せにする」という理念を掲げ、早期発見、治療への挑戦をし続け、貴社の医療機器が世界で使われています。

③「企業で実現したいこと」

人生100年時代と言われるようになりましたが、病気を早期発見、治療し、長く健康で生き生きと過ごせることの大切さを痛感しています。大学で携わった光学の研究、部活動で培った体力と精神力、チームワークを大切にし、貴社の挑戦に加わりたいと思っています。

志望動機例文⑦【OA機器業界】

①「なぜ」

身近なOA機器作りを通して、経営改革や業務改革に取り組みたいという私の思いを実現させたく、貴社を志望しました。

②「何」

貴社は、革新的な発想と高い技術力をもってオフィス機器を進化させており、全世界で貴社の機器が使われています。また、新しい発想が生まれる風通しのよさ、議論しやすい社内環境があります。

③「企業で実現したいこと」

入社したら、さまざまな機器の設計に携わり、あらゆる企業の経営改革や業務改革につながるOA機器作りを実現させたいと思います。

機械系業界の志望動機は、業界や業種を深く知ることから

機械系業界の志望動機作成のために準備することや書き方のコツを解説しました。

志望動機はエントリーシートや面接で必ず聞かれます。多くの就活生の中から読んでもらえる志望動機、印象に残る志望動機を書くには工夫が必要です。

「なぜ機械系業界を志望するのか」「なぜその企業がいいのか」「その企業で自分は何をしたいのか、ビジョンは何か」について深めていき、思いを込めて自分の言葉で「1つだけの」志望動機を書き、熱い思いを企業に伝えましょう。