ESを作成する際や面接をうまく自分をアピールするにはどんなことが必要でしょうか。
自分の意気込みや経験、将来像、企業のリサーチから自分が思ったことなど、多くのことがあるかと思いますが、一気に全部考えるのは難しいかもしれません。
今回はそうした方が順序良くPR内容を考えられるようなキーワードやジャンルごとのポイントを紹介していきます。
機械系・情報系・電気系共通の理系就活PRポイント

まずは工学系に共通するPRポイントから考えてみましょう。ここでは「過去・現在・未来」の3項目に分けてアピールポイントを紹介していきます。
もちろんこれ以外にも自分なりにアピールしたいことがあれば、自己分析も兼ねて考えていきましょう。
部活やサークルを通じて培ったコミュニケーション能力
「過去」とは大学に入ってからの生活にまつわるコミュニケーション能力になります。どんな職場でもコミュニケーション能力は重要視されます。
面接の受け答えも評価基準となりますが、普段の大学生活でどのような人間環境にいるかも面接官には見られます。
積極的に多くの人と関わることの多い部活やサークル、チームプレー型のスポーツなどの活動から、人によってはアルバイトやボランティアなどもこうしたアピールポイントになります。
人をまとめるリーダー役や良く使われる言葉の「人と人のつながりを円滑にする潤滑剤」のようなアピールは、本当に自分がそうであれば具体的な工夫や取り組みを話すべきです。
しかし、大抵の場合は集団の中で仲の良い人も悪い人もいて、仲良く活動できる場面もあれば、喧嘩や仲違いでうまくいかないこともあるはずです。
集団の中で際立って活躍した経歴が思いつかない場合は、「活動内容」「人数などの規模」「在籍期間」といった事実だけを述べましょう。
取り繕って良く見せようとしても相手は多くの人を見ている面接官です。自分を良く見せることよりも、質問にはっきりと明瞭に答えることに集中しましょう。
研究室での取り組みや役割など
研究室での取り組みは直近、もしくは現在進めている「現在」のことです。
大学での大きな成果物として研究室での活動がありますが、就活をする上では研究していた内容だけでなく、「研究室の中でどんな立場や役割、キャラだったか」「どのようなことを自分で考えたか」という自主性を問われます。
どちらかと言えば、研究内容よりもこちらが重要視されると言っても過言ではありません。
研究室で自発的に動ける人は、企業に入社してからも仕事をしながら、いろんなことを考えて積極的に行動できる人だと認識されるからです。
例えば、研究室のスケジュールや役割分担を決める担当だった場合は「マネージャー職」に向いているかもしれません。
逆に研究内容をより良いものにするためにひたすら熱心に調べ上げて論文に落とし込んだという人は「エンジニア」や「研究職」のようなスペシャリストになる素質があると思ってもらえる可能性があります。
企業でやりたいことやイメージしている仕事
「未来」として、企業でのやりたいことや目標、自分がどんな仕事をしているイメージを持っているかを伝えましょう。これには2つの意味があります。
1つは自分がどれだけ熱意を持って企業に入社を希望しているか、調べ上げたかをアピールするためです。
企業のことを知っていなければ入社後のイメージは湧いてきません。
自分がどんなキャリアアップをしたいのか、どんなことができるようになっていたいのかはその企業のことを深く考えたからこそ、思いつくことだからです。
2つ目は自分のやりたいことを伝えて、入社後に希望の仕事に少しでも近づくためです。
「就活で伝えたやりたいことや希望なんて入社したら覚えてもらえていない」と諦めてしまう人もいるようですが、実は人事担当者は覚えていることの方が多いのです。
というのもあなたに可能性を感じたから内定を出したため、それだけ印象に残っているのです。
入社して数年は他の同期と同じ研修や仕事をすることになりますが、きちんとあなたが面接で伝えたやりたい仕事に適正があると認められれば、その後の配属や転属で希望の仕事ができる部署に配属された、という話もよくあるため、就活でのアピールも無駄ではありません。
機械系の企業への理系就活PRポイント

機械系の企業へ就職したい場合のPRポイントを4つ紹介していきましょう。
CADや製図についての知識
CADや製図の知識は機械系の企業、特に機械設計エンジニアには欠かせない必須スキルです。
これらを真面目に取り組み、習得しておくことで即戦力になる期待も高まり、就職後の研修などでもすんなりと知識を吸収できるようになります。
実際に物ができるための工程を知っておく
機械系の中でも製造業やものづくりに携わる企業に就職したい場合には、上流工程から下流工程まで、どのようにその企業の製品ができているかを把握しておくことで、仕事一つ一つの意味を見出せるようになります。
例えば製品の評価を行う上で「どうしてこんな場所に穴が開いているのだろう」と思った時、自分の仕事しか知らなければ、その穴を塞ぐ指示をしたり、何も考えずそのままにします。
しかし、その物を作る現場の知識があると「ここには組み立ての工程でドライバーが入りやすいようにしてあるのか」ということがわかり、さらに製品への理解が深まります。
ユーザーのニーズを理解するマーケティング能力
企業が製造している製品は世の中のニーズに合わせて作られていることが多いため、どうしてその製品が売れているのかといったマーケティング能力があると、さらなるヒット商品を生み出すためのアイデアに繋がります。
こうした能力があると、ヒットメーカーとして貴重な人材になることができます。
ロボコンやカートレースなど、実際の物と向き合った活動経験
機械系の仕事は現物をどれだけ知っているかも重要になります。ロボコンやカートレース、鳥人間コンテストといった活動は、自分のメカをどれだけ高性能にできるか、それをどう操作するかといった試行錯誤の繰り返しです。
こうした経験もアピールポイントに加えておくと、面接官に興味を持ってもらえる可能性が高くなります。
情報系学生の企業への理系PRポイント

情報系の企業へ就職したい場合のPRポイントを3つ紹介していきます。
セキュリティや遵守すべき法規といったモラルの知識
情報を扱う上でもはや当たり前となっているのが「セキュリティ」や「ネットリテラシー」といった扱う上でのモラルの分野です。
企業に入ると仕事をする上で最も重要視されるポイントとなっているため、こうした分野の知識や資格について見聞が広いとアピールポイントにできます。
どの領域のプロフェッショナルになりたいのか
情報系といっても扱う領域は様々です。アプリ開発からサーバー保守、システム構築からデータベースの管理まで、多彩な職種があります。
情報系の企業では複数のサービスを展開していることが多いため、自分が具体的にどの分野のスペシャリストになりたいかをあらかじめ決めて伝えておきましょう。
パソコンやネットに関する趣味領域のアピール
趣味領域というのは学校の授業以外でアプリ開発やプログラミングをすることです。
部活やサークルで制作する物でも構いませんが、大切なのは自分で仕様を決定することや、自分の手でコードを入力して完成させることです。
自発的に取り組んだことは本当にあなたのやりたいことであり、最大のアピールポイントです。
電気系の企業への理系就活PRポイント

機械系の企業へ就職したい場合のPRポイントを4つ紹介していきましょう。
必要な資格や知識の理解
電気系の仕事ではほとんど場合、資格が必須です。大学生でも取得できるものもありますので、チャレンジしてみることが一番ですが、入社後にすぐ習得できるよう勉強しているというだけでもアピールになります。
大事なことは「この業界では資格が大切であり、仕事をしながら資格取得のための勉強もしっかりするつもりがある」ということを見せることです。
人の役に立ちたいという奉仕の心
電気系の仕事は人の生活に関わるライフラインです。こうしたことを踏まえて、「人の役に立ちたい」「人々の生活を守りたい」という気持ちを持ち、やりがいにできる人材であることが、この業界で働く人の絶対条件と言えます。
ロボコンなどで電気工作を行なった経験
機械系と同じく、実物を触りながら試行錯誤をした経験は大きなアピールポイントです。
またそうした作業を通じてはんだごてや圧着ペンチなど、基本的な工具の使い方を学べるため、経験のない他の就活生に差をつけることができます。
今後も必要とされていく「電気」という資源の将来性
「電気」は資源という観点で見ても非常に将来性があると同時に、いかに省エネを達成し、環境に優しい社会を作り上げていくかという大きな課題もあります。
これは電気系のどの企業も理念や目標として掲げていることであり、それを理解することがその企業に入社したいと思った理由に繋がります。
自分にはまだ関係のないことと思わず、希望する企業の経営理念や行動指針を読み解きながら考えてみましょう。
これだけは知っておきたいポイント(まとめ)
1)コミュニケーション能力や熱心に取り組んだことはどの業界でもアピールポイントになる
自発的に取り組んだ活動はどの業界でも共通してアピールポイントになるため、できるだけESに記載し、興味持って質問された場合は熱意を持って説明しましょう。
2)企業に入社してからやりたいこともきちんと伝えていくと好印象
企業に入社してからのイメージはなかなか湧きにくいかと思いますが、入社後のあなたの働きぶりを面接官に想像してもらうために必要なことです。難しい場合は進路相談の担当者やOG、就業経験のある教授などに話を聞いてみましょう。
3)自信を持ってアピールできることをはっきりと伝えられるようにする
ESや面接で大切なことは「自信」です。自分に自信のない人は企業から見ても魅力的には映りません。質問されたことすべては難しいかもしれませんが、少なくとも自分が自信を持って解答できる項目についてはしっかりと伝えられるよう、自分の中でまとめておきましょう。