こんにちは。理系就活情報局です。
本格化する就職活動シーズンを前にして、一度は「自分にはいったいどんな職業が合うんだろう?」と悩むと思います。
工学部・工学研究科に進んだからには、機械系・情報系・電気系の業種が視野に入っていると思います。
工学部・工学研究科の理系就活生は、自分で思っている以上に汎用性の高い「社会に通用するスキル」と「幅広い業種で活躍できる可能性」を持っています。
そこで、今回は「工学部・工学研究科で身につくスキル」と、「工学部・工学研究科で身につけたスキルを活かして専門外でも輝ける業種」について解説します。
「工学部に進んだけれど、もっと広い視野で就職先を考えてみたい」
「専門性だけに囚われない働き方ができるなら検討してみたい」
という方は、ぜひ読んでみてくださいね!
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工学部・工学研究科で身につく社会で役立つスキル
専門分野に基づく業界・職種選びは、理系就活生にとって自然な進路選択です。
その一方で、理系就活生は大学で学んだ専門性とは別の領域で素養を活かすという選択肢を持っています。
理系就活生の就職活動の幅を広げるために、まずは「工学部・工学研究科で身につく社会で役立つスキル」について説明します。
社会で通じるPCスキル
業種にもよりますが、現代社会では仕事にPCを使わない企業はほとんどありません。
どんな仕事でも日常的にPCを使用するため、基本的なPC操作とExcelやWordといったMicrosoft officeソフトの使い方は、入社前に身につけておくべき必須スキルです。
NECパーソナルコンピュータ株式会社の調査では、コロナ禍の影響でZ世代のPC利用の頻度が増えたというデータが出ています。
(参考:NECパーソナルコンピュータ株式会社「Z世代はパソコン利用に回帰してきている?新しい生活様式になってからZ世代学生の8割が「PCを使用する頻度/時間」が増加NECPC、将来の主役であるZ世代に対しパソコンの使用実態を調査」)
同調査では、新しい時代に就職活動を行うZ世代が「これからはリモート会議が主流になっていく」という結果も出ています。
時代の変化によって、在宅勤務やリモート会議がこれまで以上に幅を利かせるようになった現在、PCスキルは今まで以上に理系就活生が備えておくべきものだと言えるでしょう。
その点、工学部・工学研究科の理系就活生の場合は、プログラミングや解析処理などで日常的にPCを使用しています。
工学部・工学研究科の理系就活生はキーボード操作に慣れていることはもちろん、新卒に求められる基本的な操作以上にPCを使ってるため、幅広い業種に役立ちます。
数字に基づくデータを活かした論理的思考力
工学部・工学研究科の理系就活生は、日常的にデータをもとに筋道立てて考えることに慣れています。
中には、特別目立った強みではないと思う方もいるかもしれません。
論理的思考力は、社会で働く上で実用的なスキルです。
仕事で発生した問題は、そのまま放っておくことはありません。
「どうして売上が伸びないのか?」「なぜこのような結果になったのか?」と自問自答をくり返しながら因果関係を繙いて、原因を突き止めて解決策を探し出すことになります。
工学系の理系就活生は日頃からデータ解析やグラフ化した数値を扱っているため、データをもとに論理的な答えを導き出す考え方が身についています。
工学系の専門分野で発揮できる資格
工学部・工学研究科では、専門分野の免許や資格を取得できます。
実務経験が必要な資格もありますが、授業の単位を取得することで申請できる資格や、授業を受けることで受験資格が得られる資格、一部の試験が免除になる措置が受けられる資格は、ぜひ学生のうちに取得しておきましょう。
専門分野で活かせる資格は就職活動のアピール要素になるだけでなく、会社によっては資格手当の対象になることもあります。
学生の資格取得費用を負担している大学もありますので、一度自分が通っている大学のHPを確認してみることをオススメします。
(参考:九州工業大学「取得できる免許・資格一覧(令和4年度入学生向け)」)
関連記事:工学系(機械、電気電子、情報)の理系就活生が押さえておきたい工業系資格紹介
機械系学科が専門外での就職を目指すなら
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工学部・工学研究科で身につく社会で役立つスキルについて説明したところで、次は学科別に「専門外で就職するならオススメしたい仕事」について解説していきます。
自動車・精密機器系の営業職
機械系学科の理系就活生が持っている自動車工学や機械工学の知識は、設計・開発以外の場でも役立ちます。
自動車や精密機器の営業職は、ただ商品説明を読むだけでは務まらない仕事です。
専門的な領域にまで踏み込んで分かりやすく商品について説明するのは、誰にでもできることではありません。
お客様の素朴な疑問から「どうしてこの商品が優れているのか」を説明するときに、設計の領域まで理解していると、より深い説明ができます。
自動車メーカーの開発部門で設計に携わることも魅力的ですが、専門知識が活かせる営業職では、「自分の知識が誰かの役に立つ」喜びを直接感じられるという長所があります。
土木施工会社などの建設業界
機械系学科の理系就活生は、建設業界に進む道もあります。
建設作業に、工事機械や設備機器は欠かせない存在です。
人員不足を補うためにアシストロボットの導入も進んでおり、機械系学科の専門性が発揮できる場に事欠きません。
建設業界は、機械系学科の理系就活生が関心を持っている「モノづくり」と密接な仕事です。一つ一つの仕事のスケールが大きく、やりがいを感じられる点が特長です。
自分の専門性が必要とされる業界で、規模の大きな仕事に携わりたい方はぜひ一度検討してみてください。
メーカーの商品開発部門
機械系や工業系ではない分野で、商品開発に携わる道もあります。
専門性が直結しない分野であったとしても、機械系学科で学んだ設計ノウハウを開発に活用することは可能です。
たとえば、日頃何気なく目にしている梱包材には、流体力学の知識が使われています。また、製品の容器を作るためにも設計の知識が必要です。
機械系学科で得られるモノづくりのスキルを発揮できるフィールドは、多岐にわたります。
「自分が専攻した分野がいったい何を作るのに役立てられているのか」を見つめ直してみると、活躍の場が広がっていくでしょう。
情報系学科が専門外での就職を目指すなら
サーバー・オンラインサービスの営業職
情報系学科の理系就活生は、IT系の商品やサービスの販売を行う営業職もオススメです。
IT系の商品やサービスは、ただでさえ目まぐるしく変遷していきます。
販売するにあたっては、自社の商品が他社の類似商品と比較してどのように優れているのかを説明しなくてはなりません。
情報系学科で学んだ知識があれば、具体的な商品の特性や製品説明だけではわからない領域までカバーできます。
曖昧なことばではなく専門性に基づいた質疑応答を行うことで、売上と信頼が得られる仕事です。
広報やマーケティング職での分析・アナリスト職
マーケティングは、情報系学科の理系就活生がコーディングの仕事以外の分野でスキルを活かせる仕事です。
単に企業のホームページを構築するスキルを持っているだけでなく、Googleアナリティクスなどのツールを使用して、アクセス解析や分析をするアナリストとしても活躍できます。
企業の広報活動において重要な役割を握れる上に、仕事の成果が目に見える形でわかるため、やりがいを感じやすい仕事です。
WEB広告の展開方法を提案するなど、広報戦略にも積極的に関わっていけますので、マーケティング分野に興味がある方は検討してみましょう。
各種企業の情報システム部門
情報系学科の選択肢として、企業の情報システム部門という道もあります。
自分でプログラミングをするのではなく、社内のPCトラブルへの対応や、新たなシステムを導入する際に関連部署やベンダーと協力を取るといった仕事がメインです。
データやプログラミング言語のスキルをもとに、社内の仕事が円滑に回るようサポートする仕事です。
社内外の人と接する機会が多いため、コミュニケーション能力が問われる仕事でもあります。「自分の力で誰かをサポートしたい」「人と関わるのが好き」という方に向いています。
パソコン教室や資格取得を目指す講座の講師
情報系学科の理系就活生は、パソコン教室や資格取得の講師としても活躍できます。
Microsoft Officeの操作方法はもちろんですが、ここ数年でプログラミング講師のニーズが高まっています。
教育の情報化推進の取り組みとして、2020年度から小学校でプログラミング教育が必修になりました。
コエテコ byGMOの調査によれば、子ども向けプログラミング教育市場は、2025年には2020年の2倍を超える約300億円市場に達すると予測されています。(参考:コエテコ byGMO「2020年 子ども向けプログラミング教育市場調査」)
また、2024年度には大学入学共通テストにプログラミングを扱う情報科目が導入されます。
こうした社会の流れを受けて、情報系学科卒の理系就活生がプログラミング講師として活躍できる市場は着実に広がっています。
電気系学科が専門外での就職を目指すなら
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測定機器・パソコンを扱う商社の営業職
電気系学科の理系就活生も、専門分野の知識をもとに営業職として活躍できる可能性を持っています。
専門性を活かすなら、個人向けよりも企業向けに測定機器やパソコンを販売する営業職が良いでしょう。
いわゆる「技術営業」と呼ばれる営業職は、電気系学科出身のスキルを大いに発揮できる仕事です。
測定機器やパソコンを販売する営業は、実際に機器を使用する顧客のニーズと事業内容を把握した上で、「自社の商品を使えば御社の課題が解決できます」と提案します。。
商品に使われている技術の背景を理解して提案するだけでなく、顧客からの技術的な質問から技術サポートまで担当します。
トラブル対応も行うため、知識だけでなく実際にスキルを活用できる場面もあります。
家電量販店の販売員
電気系学科の理系就活生は、家電量販店の販売員にも適しています。
技術営業と比べると、設計や仕組みといった専門領域の質問が寄せられることはないかもしれません。
パソコンや冷蔵庫を使うことは出来ても、「どうして家電が動くのか」「自分の家でこの家電を使うためにはどんな配線が必要か」ということが分からない人はたくさんいます。
「何を選んだらいいのか分からない」というお客様にヒアリングをしながら、適した商品を案内するだけでなく、電気やワット数に関する質問や修理にも対応するため、電気系学科出身者に向いています。
街灯・電子案内板を施工する工務店
「電気工事士」の資格を持っている理系就活生には、工務店もオススメです。
電気工事と言うと電気工事専門の会社が行うイメージもありますが、工務店の中には自社で「電気工事士」を雇う会社もあります。
一般家庭の電気工事から街灯や電子案内板、信号機などのメンテナンスまで幅広く活躍できるチャンスがあるため、工務店や土木関連企業も選択肢に加えてみましょう。
これだけは知っておきたいポイント(まとめ)
この記事では、「【理系就活】工学部のスキルは幅広い業種で活かせる!工学部・工学研究科で身につくスキルと業種を解説」について解説してきました。
重要なポイントをおさらいします。
・工学部・工学研究科で身につく社会で役立つスキル
①社会に通じるパソコンスキル
②数字に基づくデータを活かした論理的思考力
③工学系の専門分野で発揮できる資格
・機械系学科が専門外での就職を目指すなら
①自動車・精密機器系の営業職
②土木施工会社などの建築業界
③メーカーの商品開発部門
・情報系学科が専門外での就職を目指すなら
①サーバー・オンラインサービスの営業職
②広報やマーケティング職での分析・アナリスト職
③各種企業の情報システム部門
④パソコン教室や資格取得を目指す講座の講師
・電気系学科が専門外での就職を目指すなら
①測定機器・パソコンを扱う商社の営業職
②家電量販店の販売員
③街灯・電子案内板を施工する工務店