こんにちは。理系就活情報局です。

理系の学生が就職先を選ぶとき、専門性を活かせるかどうかに加え、働く環境や将来性なども気になると思います。

とはいえ、情報が多すぎて迷う人も多いはずです。

そんなときに参考になるのがランキングです。

この記事では、各種ランキングをもとに理系就活生におすすめの就職先を読み解きます。

\自己分析や企業選び、ESで役立つ/


理系に人気の5職種

理系に人気の5職種

研究職

研究職とは、その名前の通り研究を行う仕事です。

専門性が高い為、大学時代に身に付けた技術や知識が必要になり、理系出身者が大半を占める職種です。

そして、研究職は2つの仕事内容に大きく分かれます。

その二つとは、世の中に存在しないものの研究を行う”基礎研究”と既に存在するものを応用して新たな研究開発を行う”応用研究”です。

「基礎研究」の仕事に就きたいのか、「応用研究」の仕事に就きたいのかは、個人の性格や学生時代の研究成果によるものになります。

開発職

開発職は、研究結果を元に自社で新しい製品を開発する仕事です。

そんな開発職ですが、企業によっては商品開発、技術開発と分けられます。

商品開発はその名前の通り、製品やサービスを生み出す仕事ですが、技術開発は製品やサービスを生み出す方法を探し出す仕事です。

生産技術職

生産技術職は、製品を効率よく安全に作るための工程設計や設備改善を行う職種です。

製造ラインの自動化、省エネ化、作業効率の向上など、現場の課題を技術で解決します。

製品そのものではなく「つくり方」に焦点を当てるため、機械や電気、化学などの知識が活かせます。

現場と開発部門の橋渡し役となることも多く、技術力だけでなくコミュニケーション力も求められる仕事です。

品質管理職

品質管理の仕事は、製品が一定の品質を保てるように検査や評価を行い、不良やばらつきを防ぐ役割を担います。

製造過程でのデータを分析し、問題の原因を突き止めて再発防止策を提案するケースもあります。

品質管理はトラブルを未然に防ぎ、顧客に安心して使ってもらうための重要な仕事です。

正確さと根気が求められるほか、改善提案の場面では理系的な思考力と説得力も発揮されます。

技術営業職(セールスエンジニア)

技術に関する専門知識を用いてクライアントの課題に向き合うことが技術営業の仕事です。

技術営業職と、営業職で大きく異なる点は専門知識を持っているかどうかで、メーカーであれば、商品の材質から設計方法など技術的な背景の知識を持つ営業のことが技術営業です。

専門知識を用いた営業活動だけでなく、場合によっては顧客の工場や現場を訪れて、自ら製品の修理や設置を行う場合もあります。

どの学部が有利?理系の就活事情

どの学部が有利?理系の就活事情

農学部と工学部は就活市場で根強い人気

「理系」に属する学部で就職が有利な学部をご紹介します。

その学部が「工学部」と「農学部」です。

まず工学部は、モノづくりを専門としている学部で、精密機器やプログラム、建築に関わる知識・技能など多くのことを学んでいくことによって、在学期間中に培ったモノづくりに関する専門的技能を存分に活かす場があります。そしてその代表として挙げられるのが「メーカー業界」です。

「メーカー業界」は、製品開発の工程で専門的技能を必要とする場面が多々あり、また在学期間中に専門的技能・知識を身に着けている彼らは、不景気ゆえに採用人数を絞ってなかなか就職先が見つからなくとも、持ち前の技能と知識を活かせる場を作り出すことも可能です。

そんな工学部の主なターゲットは以下になります。

主な業界・電気機器・自動車・医療機器・通信
主な職種・研究職・開発職・品質管理・設計

工学部の学生に人気の就職先は、電気機器メーカーや自動車メーカーです。

自動車や電子機器の設計だけではなく調達、開発まで多岐にわたる業務に携われることが人気の理由の一つとして挙げられます。

また近年、工学部の学生に注目されているのが医療機器メーカーで、基礎研究業務から医療機器の開発まで携わる事ができることで、先進医療に欠かせない役割を担うことのできる仕事となっています。

次に「農学部」も「工学部」同様に「専門的技能・知識」を在学中に身に着けているため、「専門性」が求められる「メーカー業界」で大いに力を発揮できます。

そんな農学部のターゲットは以下になります。

主な業界・食品・製薬・農家(第一次産業)・農協
主な職種・研究職・開発職・品質管理

農学部の就職活動で、圧倒的に人気なのが食品メーカーで、加工食品系から、飲料系、調味料系まで様々な種類の食品メーカーで農学部出身の方が働いています。

そして、その中でも研究職、品質管理などの業務を行う職種の場合は特に人気が高いです。

また、農学部で身に付けるバイオサイエンスや応用生物科学などの知識を活用できる点で、製薬会社の研究職や開発職も人気の業界の一つです。

理学部は専門で進路が分かれる

理学部の就職活動といえば「メーカー」を思い浮かべる方も多いと思いますが、どのような業界に進むかは専攻や研究内容によって大きく異なります。

メーカーの範囲で考えると、化学系を専攻していた場合は、化学メーカーへ、物理学であれば半導体や電子機器メーカー、繊維系の専攻であれば繊維業界が就職先となる場合が多いです。

学生時代に学んだ知識をダイレクトに活かすことができるのも、理学部の学生がメーカーに就職する理由の一つで、光学設計や製薬・食品系・化学系メーカーの研究開発職をはじめ、保険や金融のデータアナリストなどの専門職が人気です。

またここ最近、物理学や数学を専攻している学生にとって、ビックデータの解析やアルゴリズム開発などに統計学や数学の知識は欠かせないことからIT業界や金融業界が人気です。

関連業種の志望度が高くなるにつれてさらにIT業界や金融業界も、理系大学生を積極的に採用しようとしています。

その他にはエンジニアやプログラマー職も人気があり、データを解析し論理的思考で分析する能力を活かすようなアクチュアリーの職を目指す学生もいます。

建築学部も選択肢が豊富

建築士の資格を取得して不動産会社や住宅メーカーに勤める方や個人の建築設計事務所などを経て、独立開業に向けて修業をする方も少なくありません。

職種としては住宅やビル、店舗などの意匠設計や構造設計、内装設計などを手掛ける建築士や工程を監理する建築施工管理の職種、道路、トンネル、ダムなどの設計を行う土木設計技術者や工事の現場監督として活躍する土木施工管理、建設予定地の測量を手掛ける測量士の他、照明デザイナーやインテリアデザイナーも人気職種となっています。

2025卒理系が選ぶ人気企業ランキング

2025卒理系が選ぶ人気企業ランキング

マイナビ・日経「2025年卒大学生就職企業人気ランキング」

マイナビ・日経「2025年卒大学生就職企業人気ランキング」理系総合ランキングトップ10は以下の通りです。

ランキング企業
1位ソニーグループ
2位味の素
3位KDDI
4位Sky
5位パナソニックグループ
6位三菱重工業
7位NTTデータ
8位キヤノン
9位セガ
10位トヨタ自動車

(引用:マイナビ・日経「2025年卒大学生就職企業人気ランキング」)

ソニーグループが3年連続1位

マイナビ・日経の「大学生就職企業人気ランキング」で、ソニーグループは3年連続1位を獲得しています。

ソニーグループはエンタメ・テクノロジーの両立、高いブランド力、研究開発職の豊富さなどが支持される要因です。

2位には味の素、3位には前年121位から大きく飛躍したKDDIが入り、情報通信系への関心の高まりも感じられます。

パナソニックやキヤノンなど、製造・電子機器系も健闘しており、理系学生の関心の幅広さが表れています。

理系大学院生が選ぶ人気企業ランキング

理系大学院生が選ぶ人気企業ランキング

キャリタス就活「大学院生ランキング・理系」

キャリタス就活「大学院生ランキング・理系」トップ10は以下の通りです。

ランキング企業
1位ソニーグループ
2位トヨタ自動車
3位富士フイルムグループ
4位NTTデータ
5位野村総合研究所
6位日立製作所
7位富士通
8位サントリーグループ
9位味の素
10位NTTドコモ

(引用:キャリタス就活「大学院生ランキング・理系」)

学部生・院生も人気企業は共通

ランキングを比較すると、大学院生と学部生で選ばれている企業には多くの共通点があります。

たとえば、ソニーグループや味の素、トヨタ自動車などはどちらの層からも高い支持を受けており、理系人材にとっての「安心して働ける会社」としての地位を確立しているとわかります。

一方で、大学院生ならではの志向も見えています。

製薬、エネルギー、精密機器など技術力を重視する企業が上位に並んでおり、就職後も研究開発に関わりたいという希望が反映されています。

年収ランキングに見る理系職種の年収

年収ランキングに見る理系職種の年収

doda「平均年収ランキング(平均年収/生涯賃金)【最新版】」

doda「平均年収ランキング(平均年収/生涯賃金)【最新版】」トップ10は以下の通りです。

ランキング職種分類平均年収(全体)
1位専門職(コンサルティングファーム/専門事務所/監査法人)611万円
2位企画/管理系566万円
3位金融系専門職474万円
4位営業系469万円
5位技術系(電気/電子/機械)468万円
6位技術系(IT/通信)462万円
7位技術系(建築/土木)443万円
8位技術系(メディカル/化学/食品)407万円
9位クリエイティブ系392万円
10位事務/アシスタント系350万円

(引用:doda「平均年収ランキング(平均年収/生涯賃金)【最新版】」)

理系職種の平均年収は高い

ランキングを見ると、技術職やエンジニア職など理系職種は全体的に年収が高めです。

たとえば、機械エンジニアは平均年収512万円、電気・電子エンジニアは523万円と全国平均(約410万円)を大きく上回っています。

また、ITエンジニア系ではさらに高年収傾向があり、スキル次第で600万円以上も狙えます。理系の知識や経験が経済的価値を持つという意味でも、理系出身者の強みが光る分野です。

優良企業ランキングに見る理系企業

優良企業ランキングに見る理系企業

ホワイト企業総合研究所「ホワイト企業ランキング」

ホワイト企業総合研究所「ホワイト企業ランキング【2026年卒版】新卒で入りたい一流ホワイト企業TOP100」トップ10は以下の通りです。

ランキング企業
1位Facebook Japan合同会社
2位グーグル合同会社
3位マイクロソフトディベロップメント株式会社
4位株式会社Box Japan
5位AT&Tジャパン株式会社
6位株式会社リツアンSTC
7位F5ネットワークスジャパン合同会社
8位一般財団法人電力中央研究所
9位シスコシステムズ合同会社
10位豊田通商システムズ株式会社

(引用:ホワイト企業総合研究所「ホワイト企業ランキング【2026年卒版】新卒で入りたい一流ホワイト企業TOP100」)

大手ほど仕事と福利厚生が充実する傾向

ランキング上位を占めるのは、誰もが知る大手企業です。

・Facebook Japan合同会社:​最先端の技術開発に携われる環境が魅力

・グーグル合同会社:​自由な社風と充実した福利厚生で知られている

・マイクロソフトディベロップメント株式会社:​グローバルな視点でのキャリア形成が可能

上記の企業は技術力の高さだけでなく、働きやすい環境や社員の成長を支援する制度が整っている点が評価されています。

理由としては教育制度の整備、明確なキャリアパス、住宅手当や時短勤務制度など福利厚生の充実が挙げられます。

就職偏差値ランキングに見る理系人気企業の難易度

就職偏差値ランキングに見る理系人気企業の難易度

日本企業格付センター「【理系】就職偏差値ランキング」

就職偏差値とは、入社の難易度や人気度をもとに内定難易度を数値化したデータです。

毎年日本企業格付センターが企業規模や実績、評判、入社難易度から算出していますが公的に発表されたデータではないため、参考程度に捉えましょう。

日本企業格付センター「2025年版の就職偏差値ランキング」は以下の通りです。

ランク就職偏差値企業
SSランク70IBM(基礎研) ・Google(ソフトウェアエンジニア) ・Intel ・JAXA
Sランク69MRI・NTT持株・豊田中研・鉄研・電中研・産総研
68上位金融(数理専門)・ NHK(放送技術)
67JXエネルギー・JR東海・Microsoft
Aランク66ドコモ(中央)・ 新日鐵住金・ INPEX ・TV局・ 武田薬品
65JR東・サントリー・味の素・アサヒ・キリン・東京ガス・昭和シェル・旭硝子・ ANA(技術)・ 日揮・ 三菱重工・ 第一三共・キーエンス・トヨタ
64JR西・日清製粉・三菱化学・東燃・信越化学・日産・JFE・アステラス・エーザイ・任天堂
63JT・電源開発・日清食品・大阪ガス・中電・出光・住友鉱山・住友電工・JX金属・コマツ・日立(非SE) ・KDDI・東レ・住友化学・千代田化工・キャノン・ホンダ・ JAL(技術) ・川崎重工・富士フィルム
62ニコン・資生堂・ユニチャーム・東邦ガス・関電・豊田自動織機・ファナック・花王・SCE・HP・日本IBM(SE)・ NTTデータ・ソニー・ 三井化学・旭化成 ・ゼロックス・IHI・ 明治 ・三菱マテリアル・ 三菱電機・デンソー
61昭和電工・板硝子・東洋エンジ・ NTTコミュニケーション・大手ゼネコン ・帝人・JSR・東京エレクトロン・ヤフー・サッポロ・王子製紙・古河電工・三井金属・神戸製鋼・NRI・日東電工

(引用:日本企業格付センター「2025年版の就職偏差値ランキング」)

理系人気企業の就職偏差値は高い

理系学生に人気の企業は、総じて就職偏差値が高い傾向にあります。

IBM(基礎研) ・Google(ソフトウェアエンジニア)・Intel・JAXAを筆頭に、就職偏差値の高い企業は知名度や事業規模だけでなく、技術職としての魅力や教育制度の手厚さでも評価されており、倍率も非常に高いです。

難易度が高いからといって諦める必要はなく、早めの準備やインターン経験、自己分析の徹底で十分に狙える範囲です。挑戦する価値のある企業だからこそ、入念な準備が鍵を握ります。

理系が就職先を選ぶ時に押さえたいポイント

理系が就職先を選ぶ時に押さえたいポイント

大学で学んだことを活かせるか?

理系の学生にとって、自分の学んできた分野が就職先でどれだけ活かせるかは大きな判断材料になります。

研究内容や得意な分野と企業の業務が重なる場合、スムーズに仕事に取り組めるだけでなく自己成長にもつなげやすいです。

また、採用担当も専門性を重視するため、大学での学びをどう社会に結びつけるかは大きなアピールポイントになります。

就職先の業界が成長しているか?

どんなに魅力的な企業でも、業界自体が縮小傾向にあると将来に不安が残ります。

理系職種では技術革新のスピードや社会のニーズに左右されやすいため、業界の成長性を見極めることが重要です。

IT・医療・再生可能エネルギー・半導体などは、現在から今後も成長が期待される分野です。

安定だけでなく変化に強い業界を選ぶことで、キャリアの選択肢が広がりやすくなります。

5年・10年先も働きやすい環境か?

就職先を選ぶときには入社直後のことだけでなく、数年後の自分の姿もイメージしておくことが大切です。

働きやすい環境とは単に残業が少ないだけでなく、スキルアップできる制度や相談しやすい風土があるかなど長期的に成長できる土台が整っているかを指します。

福利厚生やキャリア支援、女性の活躍状況なども重要な判断材料で、「長く働き続けられるか?」という視点は満足度の高い就職につながります。

理系が活用するべき逆求人サイト

理系が活用するべき逆求人サイト

理系には、専門性に富んだ様々な職種があることを紹介しました。

だからと言って、すぐに就活をスタートしたいと思っても研究や学業で忙しくゆとりのない理系就活生もいると思います。

理系就活生におすすめな逆オファー型のサイトを2つ紹介します。

今から紹介するサイトをうまく活用して、理系就活を優位に進めましょう!!

活用するべき逆求人サイト➀:TECH OFFER(テックオファー)

活用するべき逆オファーサイト1つ目は、「TECH OFFER(テックオファー)です。

TECH OFFER(テックオファー)は、理系専用のため、もちろん採用企業は多いですし、KDDIや東京エレクトロン、積水化学といった大手企業から中小企業まで、技術系の職種を中心にスカウティング(面談や早期選考案内の声掛け)が活発です。

素養や性格、経験・求める就職条件などをもとにマッチングを行うことも可能で、自身が思ってもみなかった優良企業と出会えます。

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活用するべき逆求人サイト②:OfferBox(オファーボックス)

活用するべき逆オファーサイト2つ目は、逆求人サイト最大手「OfferBox(オファーボックス)です。

OfferBoは、使いやすさや利用企業数・質ともに非常に優秀なサイトです。

スカウトサイトというと「採用に困っているようなちょっと怪しい企業ばかりなのではないか」といったイメージがありますが、OfferBoxではそのような心配はありません。

経済産業省をはじめとした大手から、中小・ベンチャー企業まで6,100社以上が利用し、そのうちの15%が上場企業と質も高いです。

利用企業の業界や職種も豊富なため、自分の知らなかった企業に出会えたり、エントリー数を増やしたいときなどに非常に有効です。

エントリー前に、スカウトが届いた企業とチャットを使って話すことができるのも大きなメリットになります。

ただし、理系採用企業は一部に限られるので注意が必要です。

まとめ

理系学生にとっての「いい就職先」とは自分の専門性が活かせて成長性があり、長く働きやすい環境が整っている企業です。

就職人気ランキングも参考になりますが鵜呑みにせず、自分の価値観や将来のビジョンに合った企業選びが成功の鍵です。

情報を正しく見極め、納得のいく選択をしていきましょう。