はじめまして、理系就活情報局です。
今回は、理系学生が迷う進路について解説していきます!
「院進するのと就職、どっちが良いんだろう」「周りが就活をしていて焦る」という学生が多いのではないでしょうか。
そこで、この記事では、「理系は院進と就職どちらが多いのか」から「大学院へ行くメリット」、「学部卒のメリット」、「学部卒のデメリット」、「向いてるのはどっち?」まで、解説します!
理系は院進と就職どちらが多いのか
そもそも大学院へ進学する割合は全体でどの程度なのでしょうか?
文系より理系の方が大学院に進学する割合は高いというのは事実です。
ここでは具体的に、文理合わせた場合の大学院進学率と、理系にフォーカスした時の進学率を見比べていきます!
学生全体で見た割合
ここでは文理全体で見た時の大学院進学率を見ていきます。
文部科学省の令和3年度学校基本調査によると、大学院への進学率は11.8%と公表されています。
具体的な進学者数に関しては、令和3年の大学卒業者数は583,518人で、その内68,776人が大学院に進学しています。
(参考:R3年度学校基本調査 結果の概要)
こちらの参考サイトを見てみると、年々大学卒業者は増えているにも関わらず、大学院へ進学する人数は減少している傾向でした。
令和3年度で少し大学院へ進学する人が増えました。
丁度コロナで就活がオンライン化した世代になります。
そのためコロナの影響もあるかもしれません。
理系に焦点を当てて見た割合
次に理系学生に絞って見ていきます。
進学率は35.1%になります。
こちらは令和元年のデータしか最新で残っていなかったため、先程のものとは2年ずれてしまっています。
なので多くても4割程度だと考えて良いでしょう。
こちらのサイトより、理学、工学、農学の大学卒業者数を計算すると124,547人となります。
そのうち、大学院に進学した人数を計算すると43,775人となります。
理系学生に焦点をあてると大学院進学率が大きくなることがわかります。
大学院に進学するメリット
割合だけを見ても就職するか大学院に進むかは決められません。
そこで、ここでは先に大学院に進学するメリットを紹介していきます!
専門的な知識が身に着く
大学院に進学するということは、学部卒の人よりも2年深く研究している事になります。
そのため、必然的に専門知識が身に付きます。
例えば化学や農学系の人が研究職に就く場合や、情報系の人がエンジニア職に就く場合などが有利になると考えられます。
新卒でスキルを求める企業の中には、応募資格として修士課程以上を取得している人としている所もあります。そのため、応募できる企業の数や職種を増やせることもメリットです。
また、たとえ研究内容と仕事内容や職種が一致していなくても、研究で培ってきた論理的思考力、試行錯誤する力というのは就活でもアピールでき、また評価してくれる点です。
なぜ大学院に進学してまでその研究をしようと思ったのか、ここをハッキリとさせておいた上で進学し、就活をすすめれば書類や面接でも対策になるでしょう。
初任給が高い
企業の採用サイトを見に行くと、給料が掲載されています。
そこでは高専卒の人、学部卒の人、院卒の人と区別され、それぞれ給料が違う場合が多いです。
ここで見比べてみても、院卒の人が一番給料が高くなっています。
ここからもわかるように、専門知識や技術があるということに期待を持っている事がわかります。
大学の友達に就活を聞ける
大学院に進学する学生の割合が多い大学でも、就職の道に進む人は少なからずいると思います。
そのような学生から就活について気軽に相談できるのはとてもメリットでしょう。
どのように業界や職種を調べていったのか、活用した就活サービスの中でオススメのものは何か、エントリーシートや面接のコツなどを気軽に聞けます。
また、コロナ禍で就活がオンラインと対面の併用になってきているため、オンラインと対面それぞれ気を付ける事が異なってきます。そこで意識した点を聞く事もできます。
さらに、もしも友達が就職した企業が気になっているのであれば、実態をリアルな声で聞けるでしょう。
普通であればOB・OG訪問をしなければ聞けない事も気軽に聞けるというのはなかなかない機会なので、相談にのってもらえる事は大きなメリットと言えるでしょう。
大学院に進学するデメリット
次に大学院に進学することのデメリットを紹介します。
メリットがあればデメリットは必然的にあるものです。
このデメリットを踏まえ、大学院に進学するという気持ちを持てるのであれば、大学院を検討してみてください。
就活がより忙しくなる
これは研究室による話ではありますが、就活が忙しくなる学生が多いです。
平日全て、ほぼ1日研究室に行かなければならない研究室もあると思います。
特に化学や生物系の実験を行う研究室に多いです。
そのため企業を調べる時間やエントリーシートを書く時間の確保が難しくなるでしょう。
また、企業にはよりますが、面接の日程が平日にしかない場合があります。
サマーインターンの面接の時期がおよそ5月から7月、本選考の面接の時期がおよそ3月から7月がピークです。
学校があるタイミングと丁度被ってしまいます。
教授によっては柔軟に対応してくれ、面接を優先させてくれる方もいますが、研究を第一にするようにする方もいます。
そのため、就活をする事と研究室との両立が大変という事を覚悟しておく必要があります。
学費がかさむ
2年多く学校へ通う事になるため、その分学費がかさみます。
また、理系の大学院は研究がメインです。
研究設備や維持費などがあるため、文系の学生よりも学費は高くなります。
また、私立の大学院に行く場合であれば、基本的に2年間で200万以上はかかる計算になります。
学費の面も相談しつつ、大学院への進学を検討すると良いでしょう。
学部卒のメリット
次に学部卒のメリットを紹介していきます。
院進のデメリットの部分がない事に加えたメリットを以下では紹介してきます!
院卒より早く実務経験が積める
院卒の人の人よりも2年早く実務経験が積める事は大きいでしょう。
企業の中には入ってから育てる所もあります。
そのため2年早く実務経験を積みながらスキルも身につけられたりします。
また、入社してからは社会人としてのマナーも学ぶことになります。
そのような社会に出てからしか経験出来ない事を2年早く積めるという事は大きなメリットとなるでしょう。
専門外の職種へ就きやすい
日系の企業に多いですが、会社で研修などを通し教育し、スキルを身に着けられるようにする企業があります。
また、学部卒の学生に求められるのは入ってから学ぶ意欲があるかどうかを重視することが多いです。
以上のことを踏まえると、専門性の高さにこだわりなく働きたいという人は学部卒での就職が向いているかもしれません。
もちろん大学院に進学し、その研究内容とは全く別の職種に就く事ももちろん可能ですが、理由を聞かれる事がほとんどでしょう。
この理由をハッキリできるかどうかは大学院に進学してみなければ分かりませんが、自信がなければ学部卒での就職を検討してみても良いかもしれません。
学部卒のデメリット
こちらも同様に、学部卒で就職をする際のデメリットを紹介します。
こちらのデメリットがついてくる事を踏まえ、就活を検討してみてください。
専門性が高い職種に応募できない
大学院に進学するメリットでも紹介しましたが、専門性の高い職種、スキルを求められる職種に応募できない場合があります。
学部卒は応募資格がない場合もあります。
その場合、たとえスキルがあっても応募できなくなってしまいます。
そのため、理系職の中でも専門性の高い職やスキルを求められる職、研究職などに進みたい場合は学部卒よりも大学院に進学する方が良いでしょう。
学校推薦を受けにくい可能性
行きたい企業の推薦がある場合は、その推薦を利用するに越したことはありません。
しかし、この学校推薦は基本的に大学院生が優先されます。
そのため、枠が埋まってしまった場合は一般選考で受ける事になります。
もちろん必ずしも埋まる訳ではないため、学部生でも使えはしますが、人気企業はやはり枠が埋まる可能性が高いでしょう。
以上のことからも一般選考で進む事が多くなるという事を頭に入れておく必要があります。
向いてるのはどっち?
大学院へ進学することのメリット・デメリット、学部卒で就職することのメリット・デメリットを紹介してきました。
このメリット・デメリットを踏まえてもまだ迷う人はいるでしょう。
そこで、ここではそれぞれ向いている人を紹介していきます。
後悔のない選択が出来るよう、参考にしてみてください!
大学院へ行く方が向いている人
まず1つ目は、研究が大好きな人、大学院へ行って研究したいものがある人です。
大学院に進学したということは最低でも2年間は研究に没頭することになります。
それほど研究をするという事が好きな人、新しい事や未知のものを突き詰めたい人は大学院に進学する方が向いているでしょう。
2つ目は、自分の研究を活かせる職種に就きたいという人です。
間違いなく学んできたことを発揮できるため、大学院に行き研究したという事はとても強みになります。
逆にこのタイプの人が学部卒で就活をした場合、大学院生に負けてしまう可能性が高くなるでしょう。
以上の2つが大学院に向いている人としてあげられます。
学部卒で就職の方が向いている人
1つ目は、早くから社会に出て実務経験を積みたいという人です。
学生と社会人という立場は大きく異なります。
社会人になれば社会人として必要なスキルが沢山でてきます。
そういったスキルを早くから積み上げておきたいという人は就職の方が良いでしょう。
2つ目は、専門性の高い職種にこだわりがない人です。
就活をし、色んな職種を見ていると文系職の方に魅力を感じる場合もあります。
このように、調べているうちに気持ちが揺らぎそうだという人は一度職種などを調べてみると良いかもしれません。
以上の2つが就職に向いている人となります。
このことを踏まえると、大学院に行くと決めていても、就職すると決めていても、自分の意思をより固めるために、学部生の時に少し就活をしてみるのは良いかもしれません。
まとめ
この記事では「理系学生が迷う進路」について解説してきました。
重要なポイントをおさらいします。
・大学院、就職のそれぞれにメリット・デメリットがある。
・大学院が向いているかどうかはよく検討する方が良い。