自分自身の中身を応募書類や面接で見えるようにするのは基本ですが、相手に応じて自分のどの部分を見せるかをコントロールして見せる部分を出し分けできたらもっと良いですよね。
今回は、就職活動における自分自身に見える化と売り込み方についてをお伝えします。
理系就活は自分という商品のマーケティング!
ずばり、就職活動とは自分という商品をどのようにして売るのかのマーケティングです。そのため、自分自身を企業に対し売り込んでいくことが大切になってきます。
次の章からは、売り込みで必要となり、就職活動の際に多くの人が誤解しがちな、自己紹介と自己PRの違いについてをお伝えします。
自己紹介と自己PRの違い
簡単に言うと、「目線の違い」です。どちらも自分のことを話すことに変わりはありませんが、全くの別物なので混同してはいけません。分かりやすく説明します。
自己紹介は自分軸
ご存知の通り、自己紹介は就活生であるあなたが、自分のことについて話すことを言います。
どこの学校の何学部で学び、どんなことが趣味で特技なのかなど、自分はこういう人間なんだという、いわゆる自分の伝えたい事実を話すことです。
自己紹介=(相手に関わらず自分目線で)自身の事実を提示
これは、売り込みには不向きなのは読んでいるあなたはもう気づいたかもしれません。
後者の自己PRこそが、就職活動で求められます。
自己PRは相手軸
自己紹介と異なり、自己PRは自分の話したいことを話すのではなく、相手の求めている部分を把握したうえで自分の特徴を取捨選択して自身を売込むことをいいます。
分かりやすく言うと、いかに自分が相手の求めている人間に近しいかをアピールすることです。
そのため、相手の求めているものが何かを知っておくことと、自分のこれまでの経験から得たどのスキルが相手にマッチしていていてメリットとして感じてもらえるかを知っておく必要があります。
つまり、「相手を知り、己を知れば百戦危うからず」という姿勢で、相手のことを知ったうえで相手に響く自身の特徴を取捨選択して売り込むのが自己PRとなります。
就職におけるマーケティングとは「営業」!?
本文の最初に、就職活動は自分という商品をマーケティングすることだとお伝えしましたが、そのマーケティングとは戦略を考えることだけではなく、当然ですが、実際に自分で自分という商品を売り込むことまでを指します。
そのため、営業に近いという認識を持っておくといいかもしれません。
理系就活では自分=商品!、自分を売り込もう
自分は商品!自分を売り込むのが就職活動。これまでお伝えしたことを簡単にまとめましたが、理系の皆さんにとって、売り込みや営業は苦手だし、やったこともなく無縁だと感じる方も多いと思います。
しかし、ご安心ください、売込みというのはその姿勢を理解しておけばそれほど難しくなく、他の理系学生がなかなかできていない部分でもあるので採用選考で一歩抜きんでて、差がつく部分となります。
本章では理系の皆さんに分かりやすく、自分という商品の売り込み方法をお伝えしますので、いくつかのポイントに分かれて要所をまとめるのでチェックしてみてください。
相手に応じて売り込みポイントを分けてみて
自己PRの詳細でお話ししましたが、相手によって売り込むポイントが全く違います。
以下の例を見てみましょう。
現在、某私立大学3年生のS君。特技は10年間続けてきたゴルフで、高校時代は大きな大会で優勝したこともある程の成績。
日に決めた球数を必ず打ち、自分のスイングの際のクラブのヘッドスピードやフォームのデータを集計し、ひたすら研究を重ねてきた。また、学校では理工学部に在籍しており、ゼミ長を務めている。
こんな学生がいたとして、例えば自己分析をしてみると沢山の長所が出てきます。
・10年間続けたゴルフ(=粘り強さ、継続力、ストレス耐性など)
・日に決めた球数を必ず打ち(=達成欲、自律力、仕組みづくり)
・データを集計しひたすら研究と改善を実行(=分析力、思考力、計画力)
・メンバーのデータについても収集、ヒアリングを行いスコアを改善
・理工学部(=電子や物理、遺伝子工学や情報工学あたりでしょうか)
・ゼミ長(=リーダーシップ)
この出てきた長所を受ける業界によってPR方法を変えてみました。次の章を見てください。
例)コンサル会社には
まずは、コンサル会社を受けてみたとしましょう。コンサル会社が求める人物像は、データの解析ができたり論理的思考に長けているほか、顧客に溶け込むヒアリング能力がある人です。
そこでS君ならば、おそらくこのように自己PRをするでしょう。
私はゴルフを10年間続けてきまして、大きな大会で優勝することもできました。その結果の要因は、日々の練習だったと考えます。
日々決めた球数を必ず打ち、その全てでスイングのヘッドスピードとフォームをデータとしてとっておき、1日の終わりに自身の体調等のコンディションを含めた様々な多変量について解析をして、改善点を探し、改善を行いました。
また、メンバーデータについても意図と趣旨を伝えてヒアリングをしデータ取得し、参考情報を提供することが実際のスコアの改善につながり感謝してもらえました。
この体験からコンサルティングにより顧客の状況を正確に把握し、ヒアリングなども行い、改善案と立案したり実際に改善に取り組むというようなことはやりがいがあると感じ、御社を志望いたしました。
これを聞いたら相手は、分析力と論理的思考力があり、コンサルティングで必要とされるヒアリング力や相手の役に立とうとするコンサルタントとして必要とされる姿勢なあることから、多忙のこの職種をこなせる人物かもしれない、とみなしてくれるように伝わるかと思います。
例)メーカーには
コンサルの例を出しましたが、メーカー相手に同じ話をしても求める人物像が違うので、メリットを感じてもらえるはずがありません。これが相手によって売込みポイントを分けるということです。
S君がメーカーを受ける際には、メーカーが求める入社後に活用できる技術要素を大学で学んでいたことを例に出すと良いでしょう。
私は大学で電気電子工学を学んでおり、この研究室での研究テーマの●●は御社の事業の●●の面で技術的な親和性があると感じて御社に興味を持ちました。
研究の進め方としては大規模な実験なので複数名での共同作業があり、スケジュールや実験計画を立てる部分や、その役割分担などをきめ細かく行い、チームワークの中で安定的に研究成果が出るように協力をしました。
自身の研究と親和性があるといいましたが、この研究を会社で活かしたいということではなく、技術素養のレベルでありますので、入社後には職場の先輩方や仲間と協力しつつ、様々な技術や仕事にチャレンジをして行きたいと考えています。
このように伝えると、相手は自社に入った際にその技術素養を生かしてくれそう、しかも自身お現在の研究の身にこだわっているわけではないので配属先の調整や入社後に仕事内容が変わっても問題がない。
メーカーで重要視している協調性やチームワークの姿勢も持っていると感じ取ってもらえるでしょう。
具体的にはどうしたらいいの?
簡単な例は前章でお伝えしましたが、本章では具体的にどうしたらいいのかを3つのポイントからご説明します。
端的な回答だけではNG!
大前提として、まず挙げるのは「端的な表現だけではダメだ」ということです。こちらは先ほど紹介しました自己紹介=事実の提示だけではダメだということです。
端的な表現とは?と疑問に思う方もいるでしょう。以下の例をご覧ください。
例えば、面接官からの質問であなたの趣味は何ですか?と尋ねられたとしましょう。
その際、あなたなら何て答えますか?
サッカーです。(終了+沈黙)
これがダメな端的な表現です。事実を提示していますが、事実のみにとどまってしまっています。これに対して何かを聞き返そうとするほど親切な面接官の方は少ないです。
どんどん自己PRをしていくチャンスが失われます。
「そうなんだね、」で会話が終了してあなたの魅力が伝わりません。
では、どのように伝えるのが正しかったのでしょう。
質問には回答+売り込みトーク
サッカーです、だけではなく、以下のように伝えるのが正しい回答例です。
サッカーです。ミッドフィルダーをしていて小学校の頃から続けています。チームワークでボールをアシストしあってゴールが決まった際は爽快で、何度あってもうれしいです。
仕事の上でもチームワークで業務に取組み、成果を生み出せたらと思っております。
違いが歴然ですよね。これが、回答+売り込みトーク回答です。
サッカーです。の後に、続けていることと、どんな時にそれをしていて喜びを感じるかがきちんと伝えられていますし、メーカーにおいて必要とされるチームワークの姿勢をPRすることができています。
以上のように、質問には
売込み=端的な結論+売込みトーク
ということで理解して回答するようにするといいでしょう。
売り込みトークの作り方
総じて売込みに必要なトークの作り方をまとめると以下です。
売込み=端的な結論+売込みトーク
端的な結論は先程のように、聞かれた質問に対しての一番シンプルな答えです。
それを聞くだけで相手に対し、自分が何を言いたいのか分かるようなものです。
しかしそれだけでは、売り込むことはできません。必ずそれをどのくらい行い、どんなときにどういう気持ちを感じたのかまで言えると、とても良いです。
このように回答するくせを身に着けましょう。そうすれば面接は無敵です。
これだけは知っておきたいポイント
就活の売込みについてお伝えしましたが、本文のポイントを3点にまとめました。
1)就職活動は自分という商品を売込む活動である
2)相手のニーズに応じた自分自身と特徴を提示する
3)事実を提示するだけではなく、+αのPRを付け加えることが重要
以上です。この3点を意識し自分を企業に売込んでみましょう。
理系学生の皆さんに参考にしていただき納得のいく就活をする上での少しでもお役に立てると幸いです。