【セミナーレポート】技術職現場と人事部のホンネ

技術職現場と人事部のホンネに迫るセミナーレポート

多くの企業において、採用現場の新たな採用手法の活用が進んでいます。

様々な採用手法の登場に伴い、各社スピード感をもって情報収集をされているかと思います。一方で、採用担当の人事側と現場側では、求める人材のギャップがあるようです。

今後、企業がより効果的な採用を行うためには、どのような採用活動を行なっていくべきなのでしょうか?

2022年9月14日に開催した本セミナーでは、技術を活用した製造業向けのイノベーション創出を手掛けるリンカーズ株式会社の國井様と株式会社テックオーシャンの取締役COO東とで、今後の採用現場における理系採用成功に向けた取り組みについてお話しました。

当日の様子をレポートでお届けします。

■登壇者紹介

國井 宇雄(リンカーズ株式会社)

共同スピーカー:國井 宇雄(リンカーズ株式会社 プラットフォーム事業本部長 兼CSO)

東 祐貴(株式会社テックオーシャン)

メインスピーカー:東 祐貴(株式会社テックオーシャン 取締役COO) 

技術の現場と人事それぞれの目線で理系採用を紐解く

技術者の新卒採用の需要は伸び続ける一方で、18歳人口はどんどん減ってきています。出生率から考えると今後も改善する見込みはありません。

大学への進学率は増えていますが、これも頭打ちとなり、大卒の人材は確実に減っていきます。さらにこの中で技術者やテクノロジー工学系に限定すると、さらに人材が絞られるため、理系採用の現状は難しいの一言です。

実際に採用現場では「応募者が少なく、本来落としたい人も採用せざるを得ない状況」が起きています。これは採用する側とされる側双方にとって不幸な状態と言って間違いありません。この危機的状況を課題として捉えて、解決策を探していくことが今後の理系採用には求められているといえるでしょう。

本セミナーでは技術職現場と人事双方の視点から、今後の理系採用をどうすれば上手くいくのかということをお話できればと思います。

アンケートから見る採用担当者と現場のギャップ

事前に技術現場・人事の双方の担当者様からアンケートを取得したところ、大きく以下のことがわかりました。

  • 採用希望は大きなギャップが起きていない
  • 現場の声を吸い上げる企業が増えている
  • 求める人材で現場と人事にギャップが見られた

それぞれを詳しく確認していきます。

採用希望は大きなギャップが起きていない

技術職現場の採用希望についてのアンケート(採用担当者)

「新卒の採用計画に現場の意見はどの程度反映されていますか?」との質問に対する人事担当者目線での回答は、反映されているという回答が90%を超えております。

技術職現場の採用希望が反映されているかどうかのアンケート

同様の質問を技術職の皆さまにしたところ約75%の方が反映されていると回答しました。つまり人事部門とのギャップは15%程度です。

アンケートを行う前は双方で大きなギャップがあると仮定していましたが、結果からそこまで大きなギャップは起きていないことがわかりました。

現場の意見を吸い上げる企業が増えている

採用要件について「現場の方から要望意見を吸い上げる機会はありますか?」との質問について回答を確認していきましょう。

採用要件について意見を吸い上げる場があるかどうかのアンケート

まず人事担当者目線では80%以上の方が、意見を吸い上げる場が設定されていると回答しています。ミーティングでのヒアリングや日々のコミュニケーションから意見が吸い上げられているようです。

技術職の採用希望に関するアンケート(技術現場職)

今度は「人事部に対して新卒採用に関する要望を出せる仕組みがありますか?」と技術部門の方に聞いたところ、約70%の方があると回答しました。人事担当者より約10%程度低くなっています。

アンケート結果から多くの企業で現場から意見を吸い上げる仕組みができていることがわかりました。

求める人材で現場と人事にギャップが見られた

アンケートから人事と技術現場でギャップが見られたのは、実際に求める人材についてです。

  • 技術現場が求める第一は専門性や主体性
  • 人事が求める第一はコミュニケーション能力

技術職の現場では一定の専門性を有しており、主体的に行動できる人材が求められています。しかし、人事サイドでは専門性の優先順位は低く、コミュニケーション能力やチームで働く能力を重視していることがわかりました。

人事部門は現場が人材に専門性やスキルを求めていることは理解しつつも、採用活動に十分反映できていない状況です。これが技術現場と人事部門の間にあるギャップだと考えています。

アンケートの内容をさらに深く知りたい方は、以下のボタンよりアーカイブの視聴申込みが可能です。現場と人事部門の本音を肌で感じてみてください。

人事と現場のギャップを解消するためには

求める人材で技術現場と人事部門でギャップがある状況ですが、解決のためには「共通言語」を持つことが大切です。

採用担当者は文系出身の人が多く、技術現場が求める専門性を理解できていないケースがあります。そのため、人柄やコミュニケーションスキルが大切という意見を重視した採用活動になりがちです。これが技術現場とのギャップにつながります。

技術現場と人事部門の橋渡し役となるのが、「技術キーワード」という共通言語です。技術キーワードの参考例は以下のとおりです。

■データ分析が高い学生がほしい場合

データサイエンス、統計解析、第一原理計算

■AI人材を採用したい場合

機械学習、深層学習、画像認識、Python

専門性を技術キーワードに置き換えて表現することによって、技術現場からの採用リクエストに採用担当者が応えやすくなるでしょう。

採用ギャップを解消するなら『TECH OFFER』

技術現場と人事部門の人材に関するギャップを解決するためには、共通言語である「技術キーワード」が大切だとお話しました。採用ギャップを解消するならダイレクトリクルーティング『TECH OFFER』がおすすめです。

『TECH OFFER』は理系学生の利用実績がNo1のサービスで、2024年卒の登録者数は約35,000人を数えます。学生は約1,000,000件の技術キーワードと紐づけられており、技術現場から出てきた希望の人材とのマッチングが可能です。

ダイレクトリクルーティングは工数がかかるオファーを半自動化でき、人事部門の負担を軽減して効率的な採用活動を実現します。『TECH OFFER』について詳しく知りたい方は下記より資料のダウンロードが可能です。

セミナー中の質疑応答ピックアップ

本セミナーでは多くの参加者様からご質問をいただきました。いくつかのご質問と回答を参考に掲載します。

学生の専門性はどこまで有効?

Q.実際のところ、学生レベルの専門性はどこまで有効なのでしょうか?現場が要求する専門性のレベル感がいまいちイメージできません。また、そのニュアンスまで採用担当者と現場が摺合せできているのか実情を伺いたいです。

A.どの程度すり合わせができているかは企業によってバラつきがありますが、最近では職種別で採用を導入している企業が増えてきてます。その場合は各ポジションごとに技術キーワードを用いて学生の専門性をかなり細かく設定しているのが実情です。

そうでない場合は、専門性のレベルはそこまで高いものを求めておらず、ざっくりと機械系や電気電子系何名、情報系何名のようなターゲティングですね。専門性より基礎知識をベースとしている企業も多いと思います。

採用活動の中で技術職の社員に協力する時にどのように依頼すればよい?

Q.採用の過程で面接やインターンシップなどで技術職の社員の方に協力をしてもらいたいと思っています。その場合、どのように依頼するのがいいですか?

A.やはり研究室のデータベースや技術キーワードの一覧などを技術部門の方に投げかけて、そこから何かピンと来る研究室や技術キーワードを選定してもらうとよいと思います。

技術部門でやられている事業や取り組んでいるテーマ、これを学生の研究テーマと紐づけられるように技術キーワードを整理することが大切です。技術現場と採用部門のギャップをいかに埋めるかということですね。

技術キーワードをしっかりと決めておけば、学生にも「あ、こういう仕事があってそういう技術が求められてるんだな」と伝わるようになります。

専門性と一般的なコミュニケーション能力は反比例することが多い?

Q.専門性と一般的なコミュニケーション能力は反比例することが多いように思います。完全に割り切って考えるという考えもあると思いますが、ご経験アンケート結果から何かありますか?

A.専門性とコミュニケーション能力が両立しているのがベストで、技術系採用の場合は専門性があれば、いったんコミュニケーション能力に関しては目をつぶる、そういう採用活動になってしまっている企業は実際あると思います。

ただ一定の専門性は『TECH OFFER』でも担保できる部分ですが、コミュニケーション能力を測るのは難しいのが実情です。どちらかを取るのであれば、やはり専門性やスキルマッチの部分を優先するという企業が、多いと感じています。

コミュニケーション能力は、経験で上達するものだと思っています。反比例しているように見えて、ただ慣れてないだけというケースも多いのではないでしょうか。

仮に会話というコミュニケーション手段が苦手でも、テキストコミュニケーションが得意な可能性もあります。なので、一概に面接で受け答えがスラスラ言えなくてもよいのではないでしょうか。色々な見方をすると、反比例しない事例が多いと考えています。

人事と現場のギャップを埋めていい人材を採用しよう

今後も競争が激しさを増す理系採用では、いかに効率良く優秀な人材を確保するのかが大切となります。技術現場と人事部門の双方が協力することで、理想の理系採用に近づくでしょう。

最も大切なのは人事と現場の採用に関するギャップを埋めることです。ギャップを埋めるためには共通言語である「技術キーワード」を活用しましょう。『TECH OFFER』を使えば、技術キーワードを軸とした採用活動ができます。ぜひ活用をご検討ください。

本セミナーはアーカイブ配信を行っています。興味がある方は、下記ボタンからお申し込みください。