就職活動において避けて通れないのがWebテストで、中でも「玉手箱」と「Web-CAB」は多くの企業で採用されており、対策の有無が選考結果を大きく左右します。しかし、「この2つの違いがわからない」「どんな企業が出題するの?」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
本記事では、玉手箱とWeb-CABの違いについて、特徴や出題企業、効果的な対策法まで詳しく解説します。適性検査への準備を事前にしっかり行い、志望企業の早期内定を獲得しましょう。
玉手箱とWeb-CABの違いとは?

同じ会社が開発したテストだが内容は大きく異なる
玉手箱とWeb-CABは、いずれも日本エス・エイチ・エル株式会社(SHL社)が開発した適性検査ですが内容や対象職種には大きな違いがあります。玉手箱は総合職向けに広く導入されており、言語・計数・英語・性格検査など多岐にわたる分野の問題が出題されます。
一方、Web-CABは主にシステムエンジニアやプログラマーなどの技術職向けに設計されており、論理的思考力や問題解決能力を測る問題が中心です。具体的には、四則計算・法則性・命令表・暗号などの問題が含まれます。
受験URLは「nsvs2.e-exams4」「nsvs2.e-exams4」などがある
適性検査を受験する際、送られてくるURLからテストの種類を推測できます。例えば、「nsvs1.e-exams4」や「nsvs2.e-exams4」といったURLは、SHL社が提供する玉手箱やWeb-CABの受験ページである可能性が高いです。
しかし、上記のURLだけでは玉手箱とWeb-CABのどちらのテストが実施されるかを正確に判断するのは難しいです。そのため、URLだけでなく企業からの案内や過去の受験者の情報などを総合的に確認する必要があります。
難易度にも違いがある
玉手箱とWeb-CABの難易度には違いがあります。玉手箱は総合職向けの適性検査として多くの企業で採用されており、出題範囲も広く問題数も多い傾向です。
一方、Web-CABは技術職向けの適性検査であり、論理的思考力や問題解決能力を重点的に評価するため、問題の難易度が高く制限時間も厳しいとされています。そのため、受験者は各テストの特徴を理解し、自分の志望する職種や企業に応じて適切な対策を行うことが求められます。特に、Web-CABを受験する場合は論理的思考力を鍛える問題集や過去問を活用し、時間内に正確に解答する練習を積むことが効果的です。
玉手箱とWeb-CABの見分け方は受験画面にアクセスする

玉手箱とWeb-CABは、いずれもSHL社が提供する適性検査であり、受験画面にアクセスして見分けることが可能です。受験画面のURLに「e-exams」が含まれている場合、玉手箱またはWeb-CABの可能性が高いとされています。
具体的には、受験画面に表示される科目名に注目すると両者を判別可能です。例えば、玉手箱の場合は「計数」「言語」「パーソナリティ」などの科目が表示され、Web-CABでは「四則逆算」「法則性」「命令表」などの科目名が見られます。 また、Web-CABでは本試験前に「動作テスト」が行われることも特徴で、動作テストでもテストを見分けられます。
例題で見る玉手箱とWeb-CABの違い
玉手箱とWeb-CABは、いずれも就職活動における適性検査として広く利用されていますが、出題形式や内容には明確な違いがあります。以下に、各テストの例題を通じて特徴を詳しく解説します。
玉手箱の例題
玉手箱は主に「言語」「計数」「英語」「性格」の各分野から構成されており、以下では計数分野の「図表の読み取り」の例題を紹介します。
【例題】
以下の表は、ある企業の月別売上高(単位:百万円)を示しています。
月 | 売上高 |
1月 | 120 |
2月 | 150 |
3月 | 130 |
4月 | 160 |
5月 | 170 |
上記の表を基に、以下の問いに答えてください。
問:3月の売上高は、2月と比較して何%減少していますか?
解答:
・2月の売上高:150百万円
・3月の売上高:130百万円
・減少額:150-130=20百万円
・減少率:20÷150×100=13.33%
したがって、3月の売上高は2月と比較して約13.33%減少しています。
上記のように、玉手箱の計数分野では与えられたデータから計算や分析を行う問題が多く出題されます。
Web-CABの例題
Web-CABは、主に「暗算」「法則性」「命令表」「暗号」の各分野から構成されており、特に論理的思考力や問題解決能力を評価する問題が中心です。以下では、Web-CABの中でも「法則性」の例題を紹介します。
【例題】
次の数列の空欄に当てはまる数字を選択肢から選んでください。
2, 6, 12, 20, ( ), 42
選択肢:
1.30
2.32
3.34
4.36
解答:
数列の差に注目します。
6 - 2 = 4
12 - 6 = 6
20 - 12 = 8
差が順に2ずつ増加しています。
したがって、次の差は10となります。
20 + 10 = 30
よって、空欄に当てはまる数字は30です。
上記のように、Web-CABの法則性問題では数列や図形のパターンを見つけ出し、適切な要素を導き出す能力が求められます。
【分野別】Web-CABの対策方法

Web-CABはIT系職種の適性を測るための適性検査であり、各分野ごとに効果的な対策が求められます。以下に、各分野の対策方法を詳しく解説します。
法則性
法則性の問題では図形や数列のパターンを見つけ出す力が試されます。そのため、対策としては、まず基本的なパターンを理解するのが重要です。例えば、図形の回転や移動、色や形の変化など、法則性の分野でよく出題されるパターンを把握しましょう。
市販の問題集や過去問を活用し、さまざまなパターンの問題に触れれば、パターン認識のスキルを高められます。また、問題を解く際には、与えられた図形や数列の変化を一つ一つ確認し、規則性を見つける練習を繰り返すことが効果的です。時間制限が厳しいため、素早くパターンを見抜く訓練を積むことも求められます。
命令表
命令表の問題では特定の指示に従って図形や数値を操作し、最終的な結果を導き出す力が求められます。対策としては、まず命令の種類や意味を正確に理解するのが重要です。例えば、問題で記載されている「回転」「反転」「移動」などの指示がどのような操作を指すのかを把握しましょう。
問題を解く際には各命令を順番に適用し、その都度結果を確認してミスを防ぎましょう。初めのうちは、紙やホワイトボードに図を書きながら操作を視覚的に確認すると効果的です。慣れてきたら頭の中で操作をイメージし、スピードアップを図りましょう。
暗号
暗号の問題では文字や記号の置換や並び替えなど、特定のルールに基づいて変換された情報を解読する力が試されます。対策としては、まず基本的な暗号化のパターンを学びましょう。例えば、アルファベットのシフト(例:AをDに置き換える)や特定の規則に従った文字の並び替えなど、よくあるパターンを覚えてください。
問題を解く際には与えられた情報と結果を比較し、どのような変換が行われているかを推測します。初めは簡単な問題から始めて徐々に難易度を上げていくと、効率的に解読のスキルを高められます。
四則演算
四則演算の問題では基本的な加減乗除の計算能力が求められるため、日常的に計算練習を行って計算スピードと正確性を高めましょう。特に、複数の数値を組み合わせた計算や小数・分数を含む計算に慣れておくのがおすすめです。
また、問題を解く際には計算ミスを防ぐために途中式をしっかりと書き出す習慣をつけることが効果的です。時間制限があるため、分配法則の活用や近似値での計算などの工夫を身につけると効率的に解答できます。
暗算
暗算の問題では、電卓や紙を使わずに頭の中で計算を行う能力が試されます。対策としては、日常生活の中で意識的に暗算を行う習慣をつけることが効果的です。
例えば、買い物の合計金額を暗算で計算したり、日付や時間の計算を頭の中で行ったりすれば、暗算力を自然に鍛えられます。また、二桁の掛け算や割り算など特定の計算パターンのコツを学ぶと、計算スピードを向上させられます。
Web-CABで高得点をとるためのポイント

Web-CABで高得点をとるためのポイントとして、以下の5つがあげられます。
- ・出題範囲を事前に把握しておく
- ・Web-CAB用の問題集を繰り返しとく
- ・苦手分野を見つけて早期に克服する
- ・長文を読むことになれておく
- ・一度解いた問題はパターン・解法を覚えておく
Web-CABで高得点を獲りたい場合は、上記のポイントを意識しましょう。
出題範囲を事前に把握しておく
Web-CABは、主に「法則性」「命令表」「暗号」「四則演算」「暗算」の分野で構成されています。各分野の出題形式や難易度を事前に理解すれば、効果的な学習計画を立てられます。
例えば、法則性では図形や数列のパターン認識が求められ、命令表では指示に従った操作の理解が必要です。暗号では文字や記号の変換ルールを解読する力が試され、四則演算や暗算では基本的な計算能力とスピードが重要です。
Web-CAB用の問題集を繰り返しとく
市販のWeb-CAB対策問題集を活用し、繰り返し問題を解くことが効果的です。特に、過去問や類似問題に取り組めば、出題パターンや解法のコツを身につけられます。
問題集を解く際には時間を計りながら取り組むと、本番の時間配分の感覚を養えます。また、解答後には必ず解説を読み、理解を深めることが重要で、間違えた・理解が不十分な問題は繰り返し解いて確実に克服しましょう。
苦手分野を見つけて早期に克服する
問題集や過去問に取り組む中で、自分の苦手分野を特定しましょう。例えば、「法則性の問題で時間がかかる」「暗号の問題が理解しにくい」など、弱点を明確にするのが重要です。
苦手分野が判明したら、その分野に重点的に取り組んで全体の得点力を向上させましょう。具体的には、苦手な分野の問題を集中的に解き、解法のパターンやコツを習得してください。また、苦手な問題の理解が難しい場合は解説を読んだり、他の参考書やオンライン資料を活用したりして理解を深めることが効果的です。
長文を読むことになれておく
Web-CABの中には長文の問題も含まれており、速読力と読解力が求められます。普段から新聞記事や専門的な文章を読む習慣をつければ、長文に対する抵抗感を減らせます。
また、読む際には要点を素早く把握する練習を行い、情報を効率的に処理する能力を養いましょう。さらに、問題文を読む際には設問で何が問われているのかを意識し、必要な情報を的確に抽出するのが重要です。上記のような練習を積めば、長文問題でも時間内に正確に解答する力を身につけられます。
一度解いた問題はパターン・解法を覚えておく
一度解いた問題や類似の問題は、解法のパターンや手順をしっかりと記憶しておきましょう。Web-CABでは同様のパターンの問題が繰り返し出題されるケースが多いため、過去に解いた問題の解法を覚えておくと本番での対応力が向上します。
特に、法則性や暗号の問題では特定のパターンやルールが頻出するため、それらを暗記しておくのが有効です。また、解法を覚えるだけでなく「なぜその解法が適用されるのか」を理解すれば、応用力も身につけられます。
過去に玉手箱とWeb-CABを出題した企業の一覧

ここでは、過去に玉手箱とWeb-CABを出題した企業の一覧を紹介します。
玉手箱の出題企業
玉手箱は多くの企業で採用されているWebテストの1つで、特に総合職や事務系職種の選考で頻繁に使用され、幅広い業界で導入されています。講談社の調査では、以下の企業で過去に玉手箱が選考で使われています。
企業名 | インターンシップ | 本選考 |
あおぞら銀行 | - | 玉手箱 |
アクセンチュア | 玉手箱 | 玉手箱 |
旭化成 | 玉手箱・Web-CAB | 玉手箱 |
アサヒビール | 玉手箱 | 玉手箱 |
味の素 | - | 玉手箱 |
NEC | 玉手箱 | SPIのWEBテスティング |
NTT都市開発 | 玉手箱 | 玉手箱 |
ENEOS | 玉手箱 | 玉手箱 |
オムロン | 玉手箱 | 玉手箱 |
オリックス | 玉手箱 | 玉手箱 |
キリンホールディングス | TG-WEB | TG-WEB |
京王電鉄 | - | 玉手箱 |
KDDI | 玉手箱 | 玉手箱 |
三井住友銀行 | 玉手箱 | ①玉手箱 ②SPIのテストセンター |
みずほ銀行 | 玉手箱 | 玉手箱・TAL |
野村證券 | 玉手箱・TAL | 玉手箱・TAL |
博報堂 | 玉手箱 | 玉手箱 |
PwCコンサルティング | 玉手箱 | 玉手箱 |
日立製作所 | 玉手箱 | 玉手箱 |
ユニ・チャーム | 玉手箱 | 玉手箱 |
ローソン | 玉手箱 | 玉手箱 |
金融・メーカー・コンサル・通信など、多岐にわたる業界で玉手箱が導入されています。選考を受ける企業が玉手箱を採用しているか事前に確認し、適切な対策を行いましょう。
Web-CABの出題企業
Web-CABは、特にIT系企業や技術職向けの選考で使用されるケースが多い適性検査です。論理的思考力や問題解決能力を測る問題が中心であり、システムエンジニアやプログラマー職などでの採用例が多く見られます。講談社の調査では、過去に以下の企業でWeb-CABが採用されています。
企業名 | インターンシップ | 本選考 |
アイシン・インフォテックス | Web-CAB | - |
旭化成 | 玉手箱・Web-CAB | 玉手箱 |
インテックソリューションパワー | - | Web-CAB |
カプコン | - | 【プログラマー】Web-CAB |
住友セメントシステム開発 | SPIのWEBテスティング・Web-CAB | - |
東急 | 玉手箱・Web-CAB | 玉手箱・Web-CAB |
東京ガスiネット | Web-CAB | Web-CAB |
富士通 | 玉手箱・Web-CAB | 玉手箱・Web-CAB |
富士通総研 | - | 玉手箱・Web-CAB |
フューチャーアーキテクト | 玉手箱・Web-CAB | 玉手箱・Web-CAB |
日立ソリューションズ・クリエイト | Web-CAB | - |
ニッセイ情報テクノロジー | 【職場体験型】SPIのテストセンター | ①SPIのテストセンター ②Web-CAB |
まとめ
玉手箱とWeb-CABは日本エス・エイチ・エル社が開発した適性検査であり、多くの企業で採用されています。玉手箱は主に総合職や事務職向けで採用されるケースが多く、計数や言語の問題を出題される点が特徴です。一方、Web-CABはIT系や技術職向けに採用されるケースが多く、論理的思考力を問う問題が多く含まれます。
玉手箱を出題する企業には、みずほ銀行・博報堂・ローソンなどがあり、Web-CABでは富士通・カプコン・東京ガスiネットなどが採用しています。各テストの特徴を把握して適切な対策を行い、志望企業の早期内定を獲得しましょう。