エントリーシートには写真の貼付が求められます。就活生であれば、採用担当者にできるだけ好印象を与えたいと思うのは当然です。
しかし、企業側はどんな目的で写真の貼付を求めるのでしょうか?また、どんな写真なら、企業の求める人材だとアピールできるでしょうか?
本記事ではエントリーシートに貼付する写真について、サイズや貼付方法から、どこで撮るか、スマホの自撮りは使えるのか、貼付写真にふさわしい髪型や服装など、多角的に説明します。
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エントリーシートに写真の貼布が必要な理由は?
就活のエントリーシートの場合、本人確認以外にも副次的な理由があります。その主なものは次の2点です。
視覚的なイメージを提供するため
写真がある方が、より就活生を具体的にイメージできます。採用担当者は個々のエントリーシートを確認する中で、顔写真を通じて応募者の印象を把握します。清潔感や礼儀正しさが写真から伝わることで、ポジティブな印象を与えることが期待できます。
企業文化への適合度を確認するため
一部の企業は、企業文化や社風に合った人物かどうかを写真を通じて見極めようとします。たとえば、従業員に生真面目さよりもむしろ、カジュアルでアットホームな人柄を求める企業の場合、堅苦しい雰囲気の写真からは、自社とは合わないかな、という第一印象を持つ可能性があります。
ただし、写真の貼付けが必須ではない企業もあります。就活生は各企業の応募要項をよく確認し、指定された要件に従ってエントリーシートを提出するようにしましょう。
エントリーシートの書き方については次の記事でも詳しく説明しています。
エントリーシートの写真、サイズやデータなど基本知識
エントリーシートに貼る写真には、特定のサイズやデータ形式が求められる場合があります。以下に、基本的なポイントを解説します。
写真は40mm×30mmが中心
多くの企業が指定する写真のサイズは40mm×30mmです。このサイズは、証明写真として一般的なもので、顔の表情や輪郭がしっかり見えるようになっています。しかし、企業によってはもっと大きなサイズ、逆に小さいサイズを指定する場合もあるため、事前に企業の指定を確認することが重要です。
3か月以内に撮影したもの
エントリーシートに貼る写真は、できるだけ新しいものを使用する必要があります。一般的には、3か月以内に撮影された写真が推奨されます。時間が経つと、髪型や雰囲気が変わる可能性があるため、最新の自分を正確に伝えるためにも、新しい写真を準備しましょう。
エントリー数と余分を10枚程度用意する
就活では複数の企業に応募することが一般的です。そのため、必要なエントリー数を想定し、余分も含めて10枚程度の写真を用意しておくと安心です。特に急ぎの対応が必要な場合でも、余裕を持った準備がスムーズな就活をサポートします。
エントリーシートの写真データの扱い方
最近では、Webエントリーシートで写真データをアップロードするケースも増えています。この場合、データ形式や解像度に注意が必要です。一般的には、JPEG形式で300dpi以上の解像度が推奨されます。また、ファイル名に自分の名前を含めることで、企業側がデータを管理しやすくなります。
また、データで提出する場合は撮影日がデータに記録されているため、3か月を超えた写真は受け入れられない場合もあります。エントリーシート提出3か月以内のデータを用意しておきましょう。
エントリーシートの写真はどこで撮る?
エントリーシートに貼付する写真は、どこで撮ったら良いでしょうか?ここでは多くの就活生が利用する写真館と証明写真ボックスについて説明します。
基本は写真館か証明写真ボックス
かつては就活写真を始めとした証明写真は写真館で撮るものといわれていました。今でも写真館の前に掲示された「就活用証明写真」などの広告を目にしたことがある人も多いでしょう。
一方、近年では店舗前などに設置された証明写真ボックスを目にする機会も増えています。写真館で撮るよりリーズナブルな価格も魅力です。
就活で利用する写真は、写真館か証明写真ボックスを利用しましょう。以下に、それぞれのメリットとデメリットを紹介します。
写真館を利用するメリット・デメリット
就活写真を写真館で撮影してもらうメリットとデメリットは次のものです。
【メリット】
- ・プロに撮影してもらえる
写真館ではプロのカメラマンが撮影を行います。スキルと経験の豊富なカメラマンは、光の使い方やポージングに優れ、被写体を引き立てる技術を持っています。また、姿勢や表情についてもアドバイスをしてもらえます。プロの手による撮影は、高品質で印象的な証明写真を得ることが期待できます。
- ・必要なサイズ・枚数を指定できる
写真館では、企業が求める証明写真のサイズや枚数を指定できます。これにより、エントリーシートやエントリーシートに必要な写真を適切な仕様で入手でき、就活活動にスムーズに活用できます。
- ・データがもらえる
写真館では撮影したデータをデジタルで提供してくれます。これにより、Web経由でエントリーシートを出す場合でも、簡単に提出することができます。また、エントリーシートに限らず、オンラインプロフィールなど、デジタル媒体での活用が可能です。
【デメリット】
- ・費用がかかる
写真館でのプロの撮影は、一般的に証明写真ボックスよりも費用がかかります。また、電子データについても追加料金が発生する場合があります。そのため、1回あたり1,000円以下の証明写真ボックスに比べると、負担感があるでしょう。
- ・写真ができるまで日数がかかる
写真館では予約や撮影後の処理など、写真ができるまでに数日から1週間ほどかかることがあります。また、焼き増しの依頼も場合によっては即日対応してもらえないことも。急に面接の連絡が来たり、提出の締め切り間際に写真がなくなった時に対応できないというデメリットがあります。
証明写真ボックスを利用するメリット・デメリット
証明写真ボックスで証明写真を撮る場合のメリットとデメリットを整理しておきましょう。
【メリット】
- ・時間を選ばない
証明写真ボックスは通常、24時間いつでも利用できるため、就活と授業に追われて忙しい理系就活生でも自分の都合に合わせて証明写真を撮ることができます。写真館であれば営業時間が限られるため、いつでも撮れる写真ボックスは大きな利便性があります。
- ・すぐに用意できる
証明写真ボックスを利用すると、撮影から印刷まで数十分で写真が完成します。明日、面接が入った、エントリーシートの作成を忘れていた、あると思っていた証明写真がもうなかった…など、急に用意が必要な場合でも対応しやすいです。
- ・低コスト
証明写真ボックスを利用することは、写真館で撮ってもらうより低コストです。何かとお金がかかる就活では、証明写真ボックスはありがたい選択肢です。
【デメリット】
証明写真ボックスは写真館にくらべて次のようなデメリットがあります。
- ・枚数が少ない
証明写真ボックスの種類にもよりますが、1度の撮影で5〜6枚の写真が出てきます。しかし、就活では何十枚も写真が必要になるので、写真ボックスを使用すると何度も撮りに行かなくてはならなくなります。
- ・写真館と比較すると画質が悪い
証明写真ボックスでの撮影は、プロの写真スタジオと比較して画質が劣ることがあります。ボックス内の照明やカメラの性能が制約されているため、細かなディテールやトーンの表現が制限されがちです。特に高画質が求められる場合、写真館での撮影が好まれることがあります。
- ・自分では気づかない癖が出ている可能性がある
証明写真ボックスは、自分でポーズや表情、髪や服装の乱れや歪みをコントロールする必要があります。しかし、無意識の癖は自分で気が付かないことも多く、満足のいく仕上がりにならない場合もあります。
エントリーシートの写真、スマホで撮っても大丈夫?
スマホで撮影した写真でも、適切な方法で準備すればエントリーシートに使用可能です。スマホで証明写真を撮ることについて説明します。
自撮りでもOK
最近のスマホカメラは高性能なため、自撮りで撮影した写真でも問題ありません。ただし、以下の点に注意することで、適切な仕上がりにすることができます。
- ・背景にがシンプルであること(無地の壁やカーテンなど)
- ・自然光や適切な照明を利用して顔が明るく見えること
- ・カメラを顔の正面に置き、正しい角度で撮影すること
スマホで撮る場合の注意点
スマホで撮影する際には、以下の注意点を守りましょう。
- ・解像度を高く設定する
スマホのカメラ設定で高解像度を選び、写真の品質を確保します。 - ・トリミングを適切に行う
必要なサイズ(40mm×30mm)にトリミングし、顔が中央に収まるよう調整します。 - ・服装や髪型に気を配る
写真館で撮影する場合と同様に、スーツや清潔感のある髪型を心がけましょう。 - ・編集しすぎない
フィルターや過剰な編集は避け、自然な仕上がりを維持します。
Webエントリーシートの写真の貼付は?
Webエントリーシートでは、写真データの提出が求められる場合があります。この場合に押さえておきたい点を確認しておきましょう。
データ形式と提出時の確認ポイント
Webエントリーシートに写真を貼付する際には、以下のポイントに注意してください。
・推奨されるデータ形式を確認する
一般的に、JPEG形式やPNG形式が求められることが多いです。企業の指定がない場合でも、これらの形式を選ぶと良いでしょう。
・解像度に注意する
写真の解像度は、最低でも300dpiが推奨されます。これにより、画質が鮮明になり、プロフェッショナルな印象を与えることができます。
・ファイルサイズを確認する
企業が指定するファイルサイズ(例えば1MB以下)を超えないように注意します。サイズを調整する際は、画質を落としすぎないよう気をつけましょう。
・データの取り込みに慣れておく
スマホで撮影した写真をPCに取り込む際、USBケーブルやクラウドストレージ(例:Google Drive、iCloud)を利用するのが便利です。これにより、データの移動や編集がスムーズに行えます。
・ファイル名を工夫する
提出する写真データのファイル名には、自分の名前を含めると便利です。例として、「tanaka_taro_photo.jpg」のように命名することで、企業側がファイルを管理しやすくなります。
・提出前にプレビューを確認する
提出前に、アップロードした写真が正しく表示されているか確認しましょう。トリミングのミスや画質の劣化がないかを再確認することが大切です。
エントリーシートの写真の服装は?スーツじゃないとNG?
エントリーシートに貼る写真の服装は、基本的にスーツが推奨されます。なぜそうなのかについて説明します。
基本はスーツ
スーツを選ぶことで、以下のような印象を与えることができます。
- ・社会人としての心構えをアピールできる
スーツは「これから社会人として働く準備ができている」というメッセージを伝える重要な要素です。 - ・清潔感や信頼感を強調できる
スーツを着用することで、採用担当者に清潔感や信頼感を与えることができます。
ただし、スーツ以外でも絶対にNGというわけではありません。スーツ以外の服装を選ぶ場合でも、以下の点に注意することで、好印象を与えることが可能です。
- ・襟付きのシャツやジャケットなど、きちんとした印象の服装を選ぶ
- ・清潔感を重視し、シワや汚れがない服を着用する
エントリーシートの写真、髪型で気を付けるべき点
エントリーシートに貼る写真では、髪型も重要なポイントです。以下に、清潔感や適切な印象を与えるためのポイントを解説します。
ポイントは清潔感
採用担当者に好印象を与えるためには、清潔感が何よりも重要です。髪型においては、以下の点に気をつけましょう。
- ・前髪は顔にかからないようにする
目元がしっかり見えることで、明るく誠実な印象を与えます。 - ・ボサボサや寝癖を整える
撮影前には髪を整え、まとまりのある状態にします。スタイリング剤を使用しても良いでしょう。 その場合も、あまりカッチリ固めるのではなく、自然な仕上がりを心がけましょう。 - ・髪の長さを調整する
女性の場合、長い髪が顔にかかっていると、暗い印象を与えることがあるため、色を抑えた髪留めをつかったり、後ろで結わえたりして適度にまとめることをおすすめします。
就活マナーについては次の記事でも詳しく説明しています。
髪色は自然な黒で
髪色については、一般的に自然な黒が最も無難です。以下の理由から、黒髪を選ぶことが推奨されます。
- ・日本企業では黒髪がスタンダード
特に保守的な業界や企業では、黒髪が清潔感や信頼感を示す要素と見なされることが一般的です。 - ・髪色が自然な範囲であれば問題なし
必ずしも真っ黒である必要はなく、自然なトーンであれば問題ありません。人によっては少し明るい髪色の方が、顔色もよく見える場合もあります。美容室で相談することもおすすめです。また、髪を染めている場合でも、プロに相談しながら、地毛に近い色に戻しておくと安心です。
就活時の髪色については次の記事でも詳しく説明しています。
エントリーシートの写真、背景も意識しよう
エントリーシートに使用する写真では、背景も重要なポイントです。写真館や証明写真ボックスで撮影する場合、背景は単色が基本ですが、場所によっては背景色を選べることがあります。ここでは、背景色に関する注意点を解説します。
背景色は選ぶことができる
写真館や証明写真ボックスでは、背景に単色が使用されるのが一般的です。写真館や証明写真ボックスでは、背景色を選べるオプションが用意されています。顔映りや、企業の文化や業界のイメージに合わせて背景色を選ぶことも可能です。写真館であれば、カメラマンに相談するのも良い方法です。
基本は白、水色、薄いグレー
背景色としては、白、水色、薄いグレーが主に使用されます。これらの色が選ばれるのには次のような理由があります。
- ・人物を引き立てる
単色の背景は顔や服装を目立たせ、清潔感のある印象を与えます。 - ・落ち着いた印象を与えることができる
奇抜な背景よりも、スタンダードな背景の方が採用担当者に落ち着いた印象を与えることができます。
白、水色、グレーの違いも押さえておきましょう。
- ・白:清潔感を強調できる
- ・水色:明るく爽やかな印象を与える
- ・薄いグレー:落ち着いた雰囲気を演出できる
エントリーシートの写真の「自由に表現」とは?
エントリーシートでは、証明写真の代わりに「自分らしさを自由に表現してください」という自己PR写真が求められるケースもあるようです。そのような場合に、どのような写真を提出したら良いのかを説明します。
自己PR写真で「自分らしさ」が求められたら
理系分野の就活生を求める企業の採用選考でも、エントリーシートに従来の証明写真ではなく、「自分らしさを自由に表現してください」という自己PR写真が求められるケースがあります。これは、企業が就活生の学歴やスキルだけでなく、性格や人間性など、多角的な側面からあなたを評価したいと考えているからです。
この時、評価される「自分らしさ」というのは、自分が考える「自分らしさ」ではありません。「自分らしさ」というより、自分の強み、特に、自分の強みの中でも企業が求める人物像と重なり合う部分を探し、自己PRすることが大切です。
ポイントは「自分らしさ」がアピールできるかどうか
「自分らしさ」をアピールするには、3つの方法があります。
- ・活動で「自分らしさ」を表現する
自分が「自分らしいこと」をしているところを選びます。
例:
- ・研究に没頭しているところ: 実験中の真剣な表情や、考察している様子は、研究に対する情熱や探究心をアピールできます
- ・趣味に打ち込んでいるところ: スポーツや音楽、ボランティアなど、自分が熱中している活動の写真は、あなたの多様な側面や人間性を示すことができます
- ・仲間と協力しているところ: チームで活動している様子は、協調性やコミュニケーション能力の高さをアピールできます
- ・成果物で「自分らしさ」を表現する
アピールしたい成果がある場合、成果物と一緒の写真を選びます。
例:
- ・絵やイラスト、自分が作成したゲームなど:自分の成果物をアピールできる
- ・賞状やメダルなど:自分の到達点をアピールできる
- ・背景で「自分らしさ」を表現する
自分の趣味や活動を象徴する場所を選びます。
例:
- ・趣味がアウトドアの場合:自然豊かな公園やキャンプ場などを背景にする
- ・学業や研究に力を入れている場合:研究室や学会のポスター前で撮影する
- ・アルバイトをしている場合:職場で働いているところを撮影する(経営者・管理者や写真に映りこむ人の許可が必要)
エントリーシートの記載内容と関連付ける
自己PR写真を選ぶ際には、エントリーシートに記載した内容との関連性を意識することも重要です。エントリーシートの「強み」や「ガクチカ」などの内容と一貫性が求められます。
たとえば「ガクチカ」でサークルのことを挙げているのなら、自己PR写真もサークル活動の写真を選びましょう。
エントリーシートの写真は清潔感と自分らしさがカギ(まとめ)
エントリーシートの写真は、企業にとって応募者の第一印象を知る重要な手段です。写真の服装や髪型、背景色など細部に気を配ることで、採用担当者に好印象を与えることができます。特に清潔感を意識しつつ、自分らしさをさりげなく表現することで、写真からも個性を伝えることが可能です。
また、写真のクオリティやエントリーシート全体の内容が一致していることも重要です。自己PR写真のように「自由に表現」する機会がある場合は、自分らしさを活かしつつ、記載内容と関連付けた一貫性のあるアピールを心がけましょう。
理系就活生として、細部まで配慮された写真を用意することは、他の応募者との差別化にもつながります。自分らしい写真を選び、エントリーシート通過の助けにしましょう。
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