面接の逆質問は、面接全体の締めくくりです。「終わり良ければ総て良し」ということわざもあるように、気持ち良く面接を締めくくることで、面接官にも良い印象を持ってもらえるでしょう。

ところが、逆質問は就活生の側から終わらせなければなりません。「どうやって終わらせたら良いのかわからない」「どのタイミングで打ち切ったら良いかわからない」、など、疑問に思った経験はありませんか?

本記事では面接の逆質問の終わり方に焦点を当て、さらに逆質問について、さまざまな角度から説明します。

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逆質問の終わり方

逆質問の終わり方

逆質問は、企業への興味関心を示す良い機会ですが、終わり方によって印象が大きく変わります。ここでは、お礼の伝え方や、想定される状況別の対応について、3つのパターンに分けて詳しく解説します。

お礼の伝え方3パターン 

逆質問の最後に必ず伝えたいのが、丁寧なお礼です。以下に3つのパターンを紹介します。

  • パターン1:シンプルな感謝 

最も一般的なパターンです。簡潔に感謝の気持ちを伝えられます。

【例】

「丁寧にご説明いただき、ありがとうございました。特に、御社の技術力について深く知ることができ、大変刺激を受けました」 

  • パターン2:具体的な内容に言及 

具体的な内容に言及することで、真剣に話を聞いていたことが伝わり、より丁寧な印象を与えます。

【例】

「〇〇について詳しくお話しいただき、大変参考になりました。特に、△△という点が大変興味深く、おうかがいできて良かったです」

「御社の事業内容について、詳しくお話しいただき、ありがとうございました。御社が〇〇という方針の下、△△の開発を進めておられるとうかがって、ぜひ私も貢献したいと思いました」

  • パターン3:入社意欲を伝える 

 

入社意欲を伝えることで、熱意が伝わります。

【例】

「御社で活躍されている方々のお話をうかがい、ますます御社で働きたいと思うようになりました」

「新入社員の育成プログラムについて詳しく説明いただき、本当にありがとうございました。私もその一員として、学び、成長していきたいという気持ちが一層強くなりました」

さらに質問を求められたときは?

面接官から「他に質問はありますか?」と尋ねられた場合は、以下の点に注意して対応しましょう。

  • 事前に準備しておいた質問をする

事前に準備しておいた質問があれば、このタイミングで質問できます。 

【例】

「もう一つだけ質問してもよろしいでしょうか。〇〇について教えていただけますか?」

  • 新たな疑問点について質問する

逆質問の回答で、新たな疑問点が生じた場合は、その場で質問することも可能です。 

【例】

「お話をお伺いしていて、〇〇という点が気になりました。詳しく教えていただけますか?」

  • 質問が思いつかない場合はそこで終わる

面接官から回答を得た後、特に質問がなければそこから無理に質問をする必要はありません。お礼を言って終わりにしましょう。

【例】

 「本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。お話をお伺いして、御社への理解が深まりました。以上で質問はございません」 

時間を超過したときは?

面接官から終了時間が迫っているけれども、質問があれば手短にしてほしい、と伝えられた場合は、以下のうちから選択しましょう。

  • 質問をしない

質問をせず、そのまま終わりにします。その場合は次のように伝えましょう。

【例】

「時間があまりないということなので、質問は控えさせていただきます。本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。」

  • 質問をまとめる

質問をまとめて、簡潔に質問します。 

【例】

「〇〇について、簡単に教えていただけますでしょうか?」

面接で企業は逆質問の時間をなぜ用意している?

面接で企業は逆質問の時間をなぜ用意している?

逆質問は単なる形式的なものではありません。企業の意図をしっかり理解しておくことで、有意義なものにすることができます。企業はなぜ、面接の最後に逆質問の時間を設けるのかを整理しておきましょう。

就活生の疑問や不安を知り、それに答えたい  

面接の場は、企業にとって採用の場であると同時に、学生との重要な接点でもあります。企業は面接を通して、就活生が自社に対して、どんな疑問や不安を抱いているのかを知り、今後の採用にも反映させたいと考えています。

逆質問を通して、企業は就活生の疑問や不安を把握しようとします。次に、面接官の回答が、就活生にどのように受け入れられるかを知りたい、という目的もあります。その回答を聞いた就活生が、企業に対して良いイメージを抱き、安心して入社したいと思えるような回答をしたいと、企業の側は考えています。

就活生の志望度合いを理解したい

良い質問を作ることは、簡単ではありません。そのため、逆質問の内容を通して、就活生の自社に対する志望度合いや熱意、面接にかけた準備時間の長さがわかります。企業に興味があるだけでなく、その企業で働きたいという強い意欲を持っている就活生の、具体的で質の高い質問と出会うことを、面接官は待っています。

就活生の論理的思考力を理解したい

質問の仕方や内容から、就活生の論理的思考力や課題解決能力が評価できます。的を射た質問や深い思考が感じられる質問を通して、就活生の問題の本質を捉える力や、わかりやすく言語化する力、論理的にまとめる力などが見えてきます。

就活生のコミュニケーション能力を理解したい

逆質問し、面接官とやりとりすることで、就活生の「聞く力」や「応答能力」が明らかになります。企業は、円滑なコミュニケーションが取れる人物を求めているため、質問の仕方だけでなく、聞き方、あいづちや回答に対するリアクションなどが評価の対象となります。

逆質問は面接のフェーズによっても異なります。次の記事では一次面接・二次面接別に説明しています。

就活生にとっての逆質問のメリット 

就活生にとっての逆質問のメリット 

逆質問を通して就活生が得られるメリットを見ておきましょう。 

準備ができる

逆質問は、事前に準備できる貴重な機会です。企業研究を深め、自分の興味関心と照らし合わせながら、質問内容を具体的に検討できます。面接本番で慌てることなく、落ち着いて質問することができます。

自己PRができる

逆質問は、ただ質問をするだけでなく、自分の興味や関心をアピールする絶好の機会です。質問の内容や言葉遣いを通して、企業への理解度や、仕事に対する熱意を伝えることができます。

企業理解を示せる

企業に関する深い質問をすることで、企業に対する理解度が高いことを示すことができます。事前に企業研究を行い、具体的な質問をすることで、入社意欲の強さをアピールできます。

【例】

「〇〇新聞の特集記事で、御社の△△事業に興味を持ちました。このように、この事業は社会から大きな注目を集めていると思うのですが、実際に取り組んでおられる社員の方々は、どのようなやりがいを感じていますか?」

企業理解を深めるための企業研究の仕方は、次の記事でも詳しく説明しています。

自分の熱意を伝えられる

企業に対して積極的に質問をすることで、仕事に対する熱意や、入社したいという強い気持ちを伝えることができます。面接官に、あなたの人物像やポテンシャルを深く理解してもらうきっかけになります。

熱意を伝える質問例も含めて次の記事では多くの逆質問例を紹介しています。

逆質問の作成方法

逆質問の作成方法

逆質問をしたいけれど、何を聞くべきかわからないという人のために、作成方法を説明します。

思いつくものを書き出す

まずは、頭に浮かんだ質問をすべて書き出してみましょう。どんな些細なことでも構いません。思いつくままに書き出すことで、あなたの疑問を明確にすることができます。

次に、思いついた質問を検索し、企業サイトなどで簡単にその答えがわかるものにチェックを入れます。

【例】

☑ 〇〇という製品はどのような経緯で生まれたのか?

チェックが入った項目をもう一段、深掘りできないかを考えます。

【例】

☑ 〇〇という製品はどのような経緯で生まれたのか?=△△という流れで誕生した

  • ・構想段階で、反対意見はなかったのか?
  • ・どのような反対意見だったのか?
  • ・反対意見に対してどう対処したのか?

すぐにわかるものを外し、わかりにくい質問を組み合わせることで、「ちょっと調べればすぐにわかる質問」が、価値のある質問にブラッシュアップできます。

【例】

「〇〇という製品は、当時の社会情勢から考えると、革新的だったのではないかと思います。構想段階で、製品化に対する反対意見はなかったのでしょうか?また、反対意見に対してどのような対応をされたのですか?」 

書き出した質問をカテゴリー分けする

次に、書き出した質問をいくつかのカテゴリーに分けましょう。例えば、

  • ・事業内容に関する質問: 会社の主力製品、今後の事業展開など

【例】「貴社の製品〇〇は、どのような点が他社製品と差別化されているのでしょうか?」

  • ・仕事内容に関する質問: 入社後の具体的な仕事内容、志望部署の雰囲気など

【例】「入社後、どのようなプロジェクトに携わる機会があるのでしょうか?」

  • ・企業文化に関する質問: 社内のコミュニケーション、働き方など

【例】「研究開発部の雰囲気はどのような感じですか?」

  • ・キャリアパスに関する質問: キャリアアップの機会、研修制度など

【例】「製造開発部の新入社員の育成プログラムについて教えてください」

  • ・自己PRや自分の熱意が伝わる質問: 面接官に伝えたいことにつながるような質問

【例】「製造開発部の一員として、語学力を活かせるような業務はありますか?」

このように分類することで、質問の全体像を把握しやすくなります。

各カテゴリーの代表質問を選ぶ

各カテゴリーから1つ、代表となるような質問を選びます。選抜にはキャリアセンターの職員や保護者など、社会人の意見も参考にしましょう。

質問に優先順位をつける

最後に、選んだ質問に優先順位をつけましょう。

  • ・最も聞きたい質問…最も聞きたいことを1つ、用意します。
  • ・次に聞きたい質問…時間があれば聞きたい質問を2〜3個用意します。
  • ・その他: 面接の状況を見て聞きたい質問 など、状況に合わせて質問の順番を調整できるようにしておきましょう。

逆質問の4ステップ

逆質問の4ステップ

面接の流れに沿って、逆質問をどのように行うか、各段階ごとに説明します。

ステップ1:質問とともに意図をしっかり伝える

面接官から「何か質問はありませんか?」と聞かれたら、用意した逆質問を、意図と合わせてしっかり伝えます。

【例】

「私はプロジェクトマネジメントに興味があり、入社後は、ぜひプロジェクトマネジメントに携わりたいと考えています(質問の意図)。御社では新入社員がプロジェクトマネジメント関連の部署に配属されることはありますか?(質問)」

ステップ2:面接官の回答を受け、さらに質問で深める

面接官の回答を受け、それに対してさらに知りたいことがあった場合、質問を重ねて理解を深めます。

【例】

「(上記の質問で、研修が終わった段階で、プロジェクトマネージャーの下に配属されるという説明を受けたとして)ありがとうございます。具体的にはプロジェクトマネージャーの指示に従う、ということですね。チームの一員となるために、今の段階から準備をしておいた方が良いことは何かありますか?」

面接官の回答がボリュームのあるものだった場合、このステップはパスすることもあります。

ステップ3:理解したことを伝える

面接官の回答を聞いて、自分がわかったことをまとめます。

【例】

「入社後、研修が終わった段階で、プロジェクトマネジメントのチームに配属される可能性があることがよくわかりました。また、その一員となるために、読んでおいた方が良い参考文献などのご紹介もありがとうございました。さっそく購入して、勉強を始めたいと考えております」

ステップ4:お礼の言葉で締めくくる

最後に、質問に答えてくれたお礼を述べます。お礼を伝えることで、面接官にも質問が終わったこと、理解してもらえたことが伝わり、双方気持ちよく面接を終了させることができます。

逆質問の注意点

逆質問の注意点

逆質問は、企業への興味関心を示す良い機会ですが、注意すべき点もあります。ここでは3点にまとめました。

福利厚生に関する質問は避ける

就活生が知っておくべき給与や休日など福利厚生に関する質問は、基本的には企業説明会などでなされています。その点をあえて聞くのは、面接官の良い印象にはつながりません。面接は、あくまで「自分が企業の一員にふさわしい」と認めてもらう場であることを踏まえ、個人の利益に直結する質問は、避けるようにしましょう。 

単純な質問は避ける

企業サイトや説明会で簡単に手に入る情報は避けましょう。自分の探究心や思考力をアピールするためにも、深い質問を作成します。

逆質問は事前に周囲の社会人の意見を聞く

逆質問を作成したら、周囲の人、できれば社会人に意見を聞きましょう。就労経験のない就活生の質問は、実際に働いている人から見ると、的外れに思えるかもしれません。キャリアセンターの職員や保護者など、身近な社会人からフィードバックを受けましょう。

まとめ

企業は「就活生の疑問や不安に答えたい」「就活生の志望度合いや論理的思考力、コミュニケーション力を理解したい」という意図で、逆質問の時間を設けます。

就活生にとって逆質問は、自分が自由に使える限られた時間のため、逆質問を使って、自分自身の企業に向けた熱意や意欲、論理的思考力やコミュニケーション力を示しましょう。

重要なのは、最後はお礼で締めくくることです。本記事では3パターンのお礼の例を紹介しました。この例を参考に、自分なりの感謝の伝わるお礼を考えてください。

また、逆質問は企業からオファーがあった際にも効果的に活用できます。

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