一般的に「理系は就職に有利」と言われます。しかし、実際の就職率を見ると、理系と文系に大きな差はありません。

ただ、文系出身者の大半が大学時代の専門とは無関係の職に就いているのに対し、理系出身者は大学・大学院で学んだ専門性を活かして就職するケースが多い傾向があります。理系学生は自分の専門を「強み」にしやすいと言えるでしょう。

本記事では理系出身者が多く就く仕事の特徴・分野を紹介し、どうやって選ぶか、またどのような能力が求められるかを説明します。ぜひ、最後まで読んで、今後の参考にしてください。

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理系の仕事の特徴は?

理系の仕事の特徴は?

理系学生の多くが就職する業界・業種の特徴として、次の3点があります。

  • ・専門知識を活かせる
  • ・実践的な基礎学力を活かせる
  • ・仕事の内容が明確

専門知識を活かせる

理系学生が学部で学ぶ専門知識は、業務に直結する場合が多くあります。例えば、エンジニアリングや医療、データ分析、設計などの分野では、専門的な知識や技術を大学・大学院で身につけています。専門性を持った学生を求めている企業側も、あらかじめ学生を絞って募集を行うため、理系の学生は有利に就活を進めることができます。

実践的な基礎学力を活かせる

仕事によっては、大学で学んだ知識がそのまま活かせないケースも数多くあります。しかし、企業は仕事に直結する知識はなくても、理系学生がこれまでつちかってきた科学的な基礎学力を求めています。この基礎学力は問題解決、実験設計、データ解析などの実務を行う上で、欠かせない能力です。求められる能力は業界や業種によって異なりますが、大学・大学院で身につけた基礎学力は大きな強みになります。

仕事内容が明確

理系学生が就職する多くの分野では、仕事の内容が比較的明確であり、業務の目標や成果が定義されています。例えば、エンジニアは製品開発やシステム設計に従事し、医療従事者は患者の治療やケアを提供します。このように明確な業務内容は、理系学生にとって職業選択の指針となり、志望業界・業種を決めやすくなります。

理系の仕事の代表的な10分野

理系の仕事の代表的な10分野

理系の仕事として代表的な10分野を紹介します。これらは理系学生の専門知識とスキルを活かしやすい分野です。選択した分野に応じて、学問的な背景と実務スキルを組み合わせてキャリアを築けます。

研究

企業の研究開発部門、国立や民間のシンクタンクなどの研究所、大学などで、専門分野の調査や実験を行う仕事です。基礎研究・応用研究・開発研究の3分野があり、研究内容は所属先によって細かく分けられます。高い専門性が求められ、大学院で修士号・博士号取得を条件とする企業も多くあります。

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メーカー

メーカーで設計や開発に携わるエンジニアは工学部の学生の代表的な就職先のひとつです。仕事内容は自動車・飛行機・船舶などの輸送機器、身近な家電、ものづくりのための機械やロボットの制作、さらに部品や素材など、扱う仕事によって多岐にわたります。

IT

ITエンジニアはソフトウェア・ネットワーク・ハードウェア・インフラなどの情報技術に関連する専門知識を活かし、システムの開発・設計・保守・企業のDX化推進に従事します。ITエンジニアの需要は高く、プログラムの作成・ネットワークの管理・データベース設計など、幅広い分野で働けます。

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データサイエンス

データを分析してその企業が抱える課題を解決に導く仕事です。大量のデータから洞察を得るために統計学・機械学習・プログラミングを使用し、データ収集・分析やモデルの構築・予測などを行います。IT系企業や大手メーカー、データ分析を行う会社で経験を積みます。

データサイエンスに興味のある方は、次の記事も参考にしてください。

医療・ライフサイエンス

医者・看護師・理学療法士など、学部で学んだことが仕事に直結する専門性の高い分野です。そのほか、医療機器メーカー・臨床開発など、医学・薬学に加えてデータマネジメント・技術知識が求められる仕事もあります。また、ライフサイエンスの分野では、生物学・遺伝学・微生物学など専門知識を修めた学生が新薬の開発・疾患の研究に従事します。

薬学

薬局・病院の調剤科で薬を処方する薬剤師のほか、製薬業界で研究者として新薬の開発・品質管理に貢献する仕事、(Medical Representative=医薬情報担当者)病院に医薬品情報を提供するMRなどの仕事があります。

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環境科学

SDGsの理解が進むとともに、自然環境を保護し、持続可能な資源利用に貢献する環境科学の分野に関連する仕事は注目を集めています。環境コンサルタント・建設コンサルタント・環境保全エンジニア・環境アセスメント調査員など、環境モニタリングや持続可能性評価・環境政策の策定・再生可能エネルギー開発などに携わります。

エネルギー関連

エネルギー関連の仕事は、石油・ガス・電気の分野で、開発や製造、販売などに携わります。そのほか代替エネルギーの研究や電力・ガスなどの供給管理など、さまざまな仕事があります。

エネルギー関連の仕事に興味のある方は、次の記事も参考にしてください。

ファイナンス

近年、理系学生を積極的に採用しているのがファイナンス分野です。金融機関・証券会社

・投資銀行で、データ解析・リスク管理・ポートフォリオ管理・金融モデリングなど、金融工学が注目されており、投資や財務戦略に関与します。

ファイナンス分野に興味のある方は、次の記事も参考にしてください。

教育

教育分野では、教員や講師・教育研究者・カリキュラム開発など、学校・・他の教育機関で教育・教育政策に関する仕事に従事します。小・中・高の教員になるためには教員免許が必要で、学生時代に教職の単位を取っておく必要があるため、教員志望者は早めに準備しましょう。

理系の仕事をどう選ぶ?

理系の仕事をどう選ぶ?

自分に合ったキャリアパスを見つけるためには、次の4つのポイントを押さえましょう。

  • ・自己分析で向き・不向きを見極める
  • ・仕事を詳しく知る
  • ・インターンシップに参加する
  • ・オファー型サイトに登録する

自己分析で向き・不向きを見極める

自分に合った仕事を見つけるためには、自分自身をしっかり理解しておく必要があります。

自己分析は、自身の興味・強み・スキル・価値観を自分自身で分析し、どのような仕事が自分に適しているかを理解するプロセスです。自分のこれまでを振り返り、「なぜその時、うまくいったのか」「自分はなぜ〇〇に苦手意識を持っているのか」と過去のできごとを掘り下げ、持っているスキルの棚卸をします。自己分析を通じて、どの分野で自分自身の特性を最も活かせるかを洗い出しましょう。

仕事を詳しく知る

自己分析で自分の向いている仕事分野を大まかにとらえられたら、次は具体的な仕事や業種についてよく理解しましょう。企業説明会や合同説明会に参加したり、OB・OG者とコンタクトを取り、日常業務やキャリアの詳細を尋ねることが役立ちます。企業サイトを見たり、書籍や大学のキャリアセンターの資料などから情報を入手し、仕事の実態や将来性を把握しましょう。

インターンシップに参加する

企業で職業体験ができるインターンシップは、仕事環境や業界の洞察を得る絶好の機会です。特定の分野や企業での短期間の仕事体験を通じて、実際の業務に触れ、仕事の流れや企業文化を理解します。インターンシップを通じて、自分が将来働く姿をリアルに思い描けます。

オファー型サイトに登録する

オファー型サイトとは、就活生の登録情報に基づいて、就活生に興味を持った企業からオファーが届くサイトです。就活生がエントリーする企業は、有名な大企業に偏りがちですが、日本企業の9割以上は中小企業です。学生に知られていない企業にも、将来性のある魅力的な企業は数多くあります。

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理系の仕事で求められる能力

理系の仕事で求められる能力

理系の学生を募集する企業は、仕事に必要な専門知識は入社後に身につけてもらいたいと考えています。そのために学生が次の3つの能力を備えていることを期待しています。このような基礎力は、簡単には身につきません。普段からその能力を意識するにはどうしたら良いかもあわせて説明します。

  • ・論理的思考力
  • ・課題発見力
  • ・コミュニケーション能力

論理的思考力

理系学生は複雑な課題に対して仮説を立て、データを収集・解析して仮説を裏付け、論理的に問題を解決する思考力を備えていることを期待されています。

論理的思考力を磨くために、出来事や状況を言語化して整理することや、問題の本質は何なのかを考えることから始めましょう。

課題発見力

問題が顕在化しない段階で、解決可能な課題として取り上げ、現状に合わせて最善の解決策を見つけるための能力です。

課題発見力を磨くためには、多方面からものごとを見る力が必要です。まずは自分自身の思考の癖を理解し、主観や先入観を取り除く習慣をつけましょう。

コミュニケーション能力

コミュニケーション能力とは、わかりやすく相手に的確に伝えられる発信力と、人の意見を正確に受け取れる傾聴力の双方を備えた能力を指します。

「話下手」や「人見知り」でコミュニケーション能力がないと思っている人もいるかもしれませんが、コミュニケーション能力の根本は、相手の言うことを頭から否定せず、最後まで耳を傾け、理解しようと努める点にあります。「うまく話せない」と悩む人は、相手の話に親身になって耳を傾けるところから始めましょう。

理系の仕事を選ぶ上での注意点

理系の仕事を選ぶ上での注意点

就活が本格化する3年生は、大学生活でも忙しい時期です。特に、勉強や実験で忙しい理系就活生は、効率的に進めていかなければ出遅れてしまいます。就活をうまく乗り切るために次の3点に注意しましょう。

  • ・就活スケジュールを把握する  
  • ・大学のキャリアセンターを活用する
  • ・企業が採用したい資質を身につける

就活スケジュールを把握する

就活スケジュールを把握し、重要な日程を明確にすることが不可欠です。全体的なスケジュールを把握するだけでなく、IT業界のように他の業界と比べてスケジュールが前倒しされている業界や通年採用を行う企業もあります。志望する仕事・業界が決まったら、早めにスケジュールを把握し、長期的な就活計画を立てましょう。

大学のキャリアセンターを活用する

大学のキャリアセンターは就活生にとって貴重なリソースです。キャリアカウンセラーはキャリアアドバイスを提供し、履歴書の書き方・面接の練習・求人情報の紹介などをサポートしてくれます。キャリアセンターのサービスを積極的に利用し、アドバイスを受けましょう。

企業が採用したい資質を身につける

理系学生を採用したい企業が求める基礎的な知識や資質、特定の業界や企業が求める知識や資質を把握し、それに合致するよう努力しましょう。例えば、業界や職種によってはコミュニケーションスキル・プログラミングスキル・実験のスキルなどが求められます。これらの資質を身につけ、自己アピールを強化しましょう。

理系の仕事を理解し就活に備えよう

本記事では理系にはどのような仕事があるかを中心に、自分に合った仕事の選び方や求められる能力を説明しました。就活をスムーズに進めるためには、仕事を知り、同時に自分自身の傾向や持っている知識・スキル、強みなどを把握しておくことが重要です。

TECH OFFERでは就活に役立つ記事を数多く紹介しているので、参考にしながら実りの多い就活を進めてください。

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