農業と理系の相性は良く、科学的なアプローチが有効な職種になります。
実際に農学部は理系に組み込まれており、学んだ専門性を生かして、農業系の道に進もうとする方は多くいるでしょう。
一方で農業系の企業を目指すにあたり、大きなハードルとなるのは、自己PRです。
同じ専門性を持つ方の中で、どのようにアピールするかが難しいためです。
また農業系の知識やスキルがない方が、農業系の企業を志望する場合には、自己PRを作るハードルが上がるのはいうまでもないでしょう。
今回は、農業系を志望する方の自己PRの作り方と自己PRで評価されるポイントを解説します。
農業系の企業を受けるにあたり、自己PRの作成で悩んでいる方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
農業系の仕事と仕事内容
農業系の企業・組織に刺さる自己PRを作るには、農業系の仕事内容やどのような人材を求めているかを把握している必要があります。
農業とは下記の4つに分類がおこなえ、農業系の仕事は各農業で必要な作業になります。
たとえば、米作農業であれば、田植えや土づくりが仕事内容です。
農業サービスであれば、農家への技術指導や農家に提供する育苗が仕事になります。
- ・耕種農業:米作農業や野菜作農業など
- ・畜産農業:酪農業や養鶏業など
- ・農業サービス業:育苗や脱穀などのサービス業など
- ・園芸サービス業:植栽や剪定などのサービス業など
農業系向けの自己PRで評価されるポイント
自己PRで評価されるポイントには、業界ごとに評価されるポイントと業界問わずに評価されるポイントの2つがあります。
高い評価を得るためには、農業系で評価される内容にしつつ、一般的にも評価される内容にすることが求められます。
本章では農業系向けの自己PRで評価されるポイントを解説しますので、ぜひ参考にしてください。
農業に欠かせない資質を持つ人物であること
自己PRでは、企業・組織にマッチする人材であることをアピールする必要があります。
農業系を志望する場合には、自己PRで以下の資質を持つことをアピールできると、高い評価につながります。
- ・農業への関心が高い
- ・今後も農業に尽力できる人物
- ・バイタリティーが高い
農業は幅広い業務があることから、アピールになる資質は上記以外にも数多くあります。
各企業・組織にあわせてカスタマイズするとよいでしょう。
求める人物像に合致する人柄であること
同じ農業系の企業・組織でも、求める人物像は各々で異なっており、各企業・組織が求める人物に合う学生は高い評価を受けます。
採用サイトには求める人物像が掲載されているケースが多いため、サイトの情報を基に自身の人柄と合致する部分をアピールしましょう。
求める人物像とすべて一致する必要はなく、少しでもマッチする部分を押し出してアピールすると、自己PRも作りやすくなります。
入社後の活躍をイメージさせる内容であること
農業系の仕事は厳しい一面もあることから、新入社員の定着に苦労している企業は少なくありません。
企業側の事情を考慮すると、自己PRで入社後の活躍を想起させるものにすれば、高い評価を受けやすくなるでしょう。
自身の強みを生かして、農業系の現場でどのように活躍するかを具体的に書くと、読み手は活躍をイメージしやすくなります。
農業系向けの自己PRの例文4選
農業へのアピールポイントといえば、体力が思いつきやすいですが、他にもさまざまな強みや特徴が農業系で働く際のアピールポイントになります。
本章では、農業系向けの自己PRの例文を5つ紹介します。
農業系向けの自己PRの例文:問題解決力をアピール
私は問題に対して、仮説・検証を繰り返しながら、問題解決に導くことを得意としています。
問題解決力を磨き上げたのは、大学での研究です。
農学部でバラに有効な肥料の研究をするにあたり、実験を繰り返しましたが、期待した結果が得られませんでした。
品種が合わないのか、肥料の配合方法が違うのかなど、さまざまな仮説を設定して、実験を繰り返しました。
100以上もの組み合わせを試した結果、実験は成功して、研究論文を書き上げることができました。
研究室の教授からは、仮説を立てる粘り強さや発想力を評価していただき、問題解決力に自信が持てました。
御社に入社後は、現場で発生する問題に対して、仮説・検証を繰り返しながら問題の解決に取り組む所存です。
得意の問題解決力で御社の発展に貢献していきたいと思います。
農業系向けの自己PRの例文:忍耐力をアピール
私は農協のインターンシップに参加し、強みである忍耐力を大いに発揮しました。
インターンシップでは、農家への指導や自治体との調整、消費者へのアナウンスなど幅広い業務に携わらせていただき、多くの学びを得ると同時に課題にも直面しました。
今年は天候不順の影響もあり、収穫量も少なく、収穫の遅れが目立ちました。
特に稲作は大きな影響を受けており、予想される収穫量は例年の3割にも満たないため、農家が採算の取れないことに悩む様子を間近で見ました。
私は何とか収穫量を上げようと方策を探した結果、稲作の再生二期作の案を思いつき、各農家へ提案して回りました。
当初は実施したことのない栽培方法ため、渋る農家さんは多くいましたが、粘り強くメリットを強調することで再生二期作の案を受け入れていただきました。
最終的には、例年の8割程度の収穫がおこなえ、各農家からは安心できたとのお声いただくことができました。
この経験を通じて、どのような悪条件でも、対応できることはないかと忍耐強く取り組むことの重要性を学びました。
御社に入社後は、強みである忍耐力を活かして業務に取り組み、貢献していきたいと考えています。
農業系向けの自己PRの例文:協調性をアピール
私は人と協力して、物事を成功に導くことを得意としています。
協調性の高さを生かせたのは、大学での研究です。
私は農村における環境学を研究しており、6名のチームで活動していました。
難易度の高い調査になることがわかっていたため、データ分析やフィールドワーク、資料作成などの役割は得意分野に応じて担当するようにしました。
研究活動の中でも力を注いだのは、週1回の定例会です。
作業の進捗状況を把握するために専用ツールを活用して、メンバー全員に共有しました。
個人が抱える課題は、チーム全員の課題として共有することで、チーム全員で研究を成功させるとの意識を持たせるように工夫しました。
最終的に研究は無事に終了して、研究結果は地域の環境政策に利用されることになりました。
この経験を通じて、難易度の高い問題であったとしても、チームで協力すれば、乗り越えられることを学びました。
御社に入社後は、チームや他部門の方と協力・協調しながら、業務に取り組み貢献していきたいと考えています。
農業系向けの自己PRの例文:適応力をアピール
私は学んだことを理解して、実践に生かせる適応力があります。
大学3年から週3回程度の頻度で、農協のインターンシップに参加しています。
農協でのインターンシップは覚えることが多く、常に新しいことを学び続けなければならない状況でした。
必要な知識はメモをして覚え、業務ですぐに活用できるように心がけていました。
秋口には10種類も品種が増えたことがあり、品種の特徴や栽培でのポイントを徹底的に覚え込み、各農家への提案と指導を無事終えることができました。
私は短期間の間に状況に対応できる力を有しており、御社に入社後もすぐに戦力になれると自負しております。
またどのような環境でも、必要な知識・スキルを素早く習得して、御社に貢献できると考えています。
農業系向けの自己PRの例文:チャレンジ精神をアピール
私はどのような状況でも、設定した目標を乗り越える力があります。
農業を営む企業へのインターンシップに参加した際、求められる知識量が多く、大学で学んだ知識が活用できない状況でした。
対応策として、理解が足りなかったことを記録して、業務終了後に調べ直すことで同じミスをしないようにしました。
その習慣のおかげで、インターン最終日には業務内容を理解できるようになっており、現場の方々から取り組む姿勢を評価していただきました。
御社に入社後は、新しい業務に取り組む際にも全力で取り組み、キャッチアップしていきたいと考えています。
農業系向けの自己PRの作り方
農業系向けの自己PRを通して、現場で活躍できる人材であることを想像させる必要があります。
本章では農業系向けの自己PRの作り方を解説します。
自己分析を通じてアピールポイントを整理する
いきなり自己PRを作るのではなく、農業系向けの自己PRに使えるアピールポイントを整理することから始めます。
農業系向けに使える知識や経験、農業での仕事に活用できる強みを洗い出します。
アピールポイントの洗い出しには、自己分析がおすすめです。
アピールポイントが伝わるエピソードを整理する
農業系向けのアピールポイントが洗い出せたら、アピールの強調に必要なエピソードもセットで用意します。
たとえば、農業の現場で活躍できる適応力をアピールする場合には、学んだことをすぐに生かせるアドリブ力の高さを裏付けるエピソードが必要です。
アピールポイントとエピソードはセットで用意するようにしましょう。
アピールポイントを仕事にどのように生かすかを考える
自己PRは、学生の人柄と入社後に活躍できるかを知るために質問しています。
農業系の企業・組織に入った後に、アピールポイントを生かして、どのように活躍するかを考えておきましょう。
自己PRでの入社後の姿と志望動機でのキャリアプランが一致すると、説得力は高まります。
PREP法でまとめる
農業系向けの自己PRを書くための素材が集まったら、最後はPREP法で形にします。
- ・Point(要点):農業系で生かせる自身の強みを端的に説明する
- ・Reason(理由):なぜ強みなのかを説明する
- ・Example(具体例):強みを自覚した具体的なエピソードを説明する
- ・Point(要点):強みを農業系でどのように生かすかを説明する
農業系を志望するならスカウトサービスの利用を
農業系の企業・組織に応募する場合、就活ナビサイトの利用を思いつきますが、スカウトサービスを利用した就活もおすすめです。
昨今では多くの企業・組織がスカウトサービスを利用しており、スカウトサービスでしか採用しない企業も登場しています。
数あるスカウトサービスの中で、農業系を目指す理系学生におすすめなのが『TECH OFFER』です。
『TECH OFFER』は理系学生に特化したスカウトサービスであり、農業系の企業・組織も利用しているサービスです。
『TECH OFFER』に登録した学生は、一人当たり平均20社ほどのオファーを受け取っています。
農業系の企業・組織との思わぬ出会いも期待できますので、ぜひこの機会に登録してみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回は農業系を志望する方の自己PRの作り方と評価されるポイントを解説しました。
今回解説した内容をまとめると以下のとおりです。
- ・農業系向けの自己PRには農業に欠かせない資質を持つことを盛り込む
- ・一般的な自己PRと同様に農業系向けの自己PRでも求める人物像へのマッチは重要
- ・入社後の活躍をイメージさせることも一般的な自己PRと同様に欠かせない
自然環境を重視する風潮が高まっていることから、農業系を選択肢に入れる学生は増えつつあります。
ぜひ本記事を参考にして、農業系の企業・組織に向けた自己PRを作成していただければと思います。