技術職の仕事は、学生時代に学んだことやスキルが生かしやすいため、人気の職種です。
大学時代の研究内容を生かして、技術職を目指す方も多いでしょう。
一方で技術職を目指す際には、自己PRは大きなハードルになります。
一般的な職種の自己PRと異なり、技術職の自己PRでは職種に直結するアピールが求められるためです。
ただでさえ自己PRの作成は難しい中で、技術職向けとなると難易度が高いのはいうまでもありません。
今回は、技術職向けの自己PRの作り方と評価されるポイントを解説します。
技術職を志望する方で、自己PR作りに悩んでいる方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
技術職向けの自己PRで評価されるポイント
技術職向けの自己PRの具体例を紹介する前に、本章では技術職向けの自己PRで評価されるポイントを解説します。
どのようなポイントが評価されるかを把握して、自己PRを作る際に取り入れるようにしましょう。
職種に生かせる知識・スキル・経験がある
技術職では、新卒にも一定レベルの知識やスキルを求める傾向があります。
技術職向けの自己PRでは、業務に必要な知識やスキル、経験があることがアピールできると高い評価を受けやすくなります。
求められる知識やスキルの内容やレベル感は、職種・企業で異なるため、会社説明会やOB・OG訪問などで、あらかじめ掴んでおきましょう。
求める人物像に合致する人柄である
技術職の採用でも、学生の人柄を重視する傾向にあるため、求める人物像に合致すると高い評価を受けられるでしょう。
求める人物像は、採用サイトや会社ホームページから確認が取れます。
自身の強みや自己PRのエピソードは、求める人物像にできるだけ合致する内容をチョイスしましょう。
入社後の活躍をイメージさせる内容である
自己PRの評価ポイントには、入社後の活躍をイメージできるかが含まれるため、活躍を想起させる内容であるほど、高い評価を受けます。
自身の強みを生かして、どのように貢献できるかを具体的に、アピールするようにしましょう。
強み以外にも、技術職で役立つスキルや知識も入社後の活躍をイメージさせるため、積極的にアピールすることをおすすめします。
技術職向けの自己PRの例文5選
技術職向けの自己PRをいきなり書くのは簡単ではないため、実例を見たい方は多いでしょう。
本章では技術職向けの自己PRの例文を4つ解説します。
技術職向けの自己PRの例文:エンジニア
私の強みは、目標に向かって努力を続けられる粘り強さです。
努力を続けられる粘り強さを自覚したのは、部活動です。
私は高校のロボット部に入部しましたが、憧れだけで入ったため、パソコンの操作ができずに、ロボット制作に取り組めない日々を送っていました。
このままでは、卒業までにロボット制作が間に合わないと判断して、部活がない日でもパソコンの操作に慣れるために、タイピングの練習から始めました。
地道に練習を重ね、2年生になる頃にはブラインドタッチで操作がおこなえ、3年生のときJavaのプログラミングも一通りできるようになっていました。
3年生になった際には、周囲が私の粘り強さを評価して、部長に推薦してもらえました。
部活動の経験から、御社でもスキルアップや知識向上の努力を続け、御社の業務と業績に貢献できる人材になりたいと考えております。
技術職向けの自己PRの例文:機械設計
私の強みは、周囲と歩調を合わせながら目標に向かえる協調性です。
協調性の高さを自覚したのは、研究チームでの活動です。
私は大学で機械工学を専攻しており、金属加工の機械を他の機械工学チームと共に製造していました。
機械設計を担当している中で、製造チームと意見が合わずに、研究が頓挫しかけそうになりました。
研究が危うくなるたびに、各担当者と相手を尊重する姿勢で話し合い、問題解決を図ってきました。
地道な取り組みの結果、研究成果の詰まった機械は完成しました。
これまで培った機械設計のスキル・知識と共に、研究活動の経験から得た協調性で御社の業務と業績に貢献できる人材になりたいと考えております。
技術職向けの自己PRの例文:生産技術
私の強みは原因を分析して、問題解決に導く力です。
問題解決力が強みであると自覚したのは、大学での研究活動です。
私は大学で、ゴムの製造工程をより効率的におこなう研究をしています。
机上データだけではなく、実際に手を動かすことで新たな発見があると考え、簡易的にゴムの製造ラインを作り上げて研究に取り組みました。
実際に手を動かしてみると、生産手順の誤りや機材の不調など想定していないトラブルが発生しました。
問題が発生する度に、さまざまな角度から原因を分析して、改善を図りました、
長期間に及ぶゴムの生産工程を再現した実験は、想定以上の結果が得られ、研究は無事終了しました。
これまで培った生産技術に対する経験と問題解決力を生かして、御社の業務と業績に貢献できる人材になりたいと考えております。
技術職向けの自己PRの例文:技術営業
私の強みは、問題を数字で明確にして、問題解決に導く力です。
数字を用いた問題解決力が発揮できたのは、アルバイトです。
私はアルバイトでスマーフォンの販売に携わっていましたが、昨今の不況もあってか思うように契約が取れない日々が続きました。
上手くいかない原因を分析するために、工程ごとに成功率を算出しました。
分析の結果、興味を持ったお客様の2回目の接触で離脱率が高いことがわかり、私は改善案を提案しました。
改善案を実行した結果、契約成功率が20%上昇して、契約が取りやすくなりました。
この経験から、御社に入社後は御社の抱える問題点を明確にして、問題の根本的な解決を図りたいと思います。
技術職向けの自己PRの作り方
技術職向けの自己PRでは、技術職で使える知識やスキルに加えて、人柄やどのように企業へ貢献するかなど多くを盛り込む必要があります。
本章では技術職向けの自己PRの作り方を解説します。
自己分析を通じてアピールポイントを整理する
自己PRを作り上げるには、土台となるアピールポイントを見つける必要があります。
自身のアピールポイントを見つける方法には、自己分析を通して見つける方法がおすすめです。
過去から現在までの自分を振り返り、際立って活躍できたことや力を入れたこと、人から褒められたことをピックアップしていき、材料を集めましょう。
アピールポイントが伝わるエピソードを整理する
自己分析を通じて、アピールポイントを見つける際には、必ずエピソードも忘れずにメモしておきましょう。
自己PRでは、自身の強みや特徴を裏付けるためのエピソードが必要になるためです。
エピソードのない自己PRは説得力に欠けることから、先方へのアピール不足となります。
アピールポイントを仕事にどのように生かすかを考える
自己PRは基本的に、企業で活躍している姿をイメージさせると評価が高くなります。
アピールポイントを見つけることができたら、どのように仕事で生かすかを考えるようにしましょう。
たとえば、問題解決力が強みの場合には、仕事でも起こり得る問題を解決したことがアピールできると評価の高い自己PRとなります。
PREP法でまとめる
技術職向けの自己PRの素材が集まったら、最後は以下のようにPREP法でまとめて形にします。
- ・Point(要点):技術職に活用できる自身の強みや特徴を端的に表す
- ・Reason(理由):強みや特徴である理由を説明する
- ・Example(具体例):強みや特徴を発揮した具体的なエピソードを説明する
- ・Point(要点):強みや特徴を技術職でどのように発揮するかを説明する
技術職向けの自己PRの注意点
一般的な自己PRを作成する上で、いくつか注意すべきポイントはある中で、技術職向けの自己PRならではの注意点があります。
本章では技術職向けの自己PRで注意すべきポイントを解説します。
自己PRでアピールする知識・スキル・経験は偽らない
技術職の採用では、基本的に学生との受け答えや書類の内容から合否を決めています。
自己PRでアピールする知識やスキル、経験に偽りがあると、偽った内容で内定が出た場合には、実力と実態にギャップがあるまま入社することになります。
実力が伴っていないため、企業側の期待を裏切ることになり、入社後に辛い日々が待ち受けるでしょう。
自分を良く見せたい気持ちから、知識やスキル、経験を大きく表現しがちですが、正直に表現することをおすすめします。
自己PRのエピソードは具体的にする
自己PRで何をアピールするかも重要ですが、アピール内容を補完するエピソードも重要です。
エピソードは具体的であるほど、説得力を増すため、数字やデータを使ってより具体的にしましょう。
反対に、エピソードの内容が曖昧になると、説得力が弱くなり、アピールポイントが伝わりづらい自己PRになります。
まとめ
今回は、技術職向けの自己PRの作り方と評価されるポイントを解説しました。
今回解説した内容をまとめると以下のとおりです。
- ・技術職向けの自己PRでは職種につながる知識やスキルのアピールが重要
- ・自己PRの内容は正直に伝え、知識やスキル、経験は偽らないこと
- ・技術職向けの自己PRは具体化することで、説得力の高い自己PRとなる
技術職向けの自己PRを作るのは簡単でないことから、手が進まない方は珍しくありません。
ESや面接で技術職向けの自己PRが必要な方は、ぜひ本記事を今後のアクションに参考にしていただければと思います。