金融系IT企業は、待遇の高さと安定性から人気の高い職種です。内定を勝ち取るためには、ライバルと差をつける志望動機も大切なポイントとなります。金融系IT企業が求める人物像などを把握したうえで、基本的な書き方を身につけておきましょう。

今回は、金融系IT企業で使える志望動機の、基本的な書き方や注意点を解説します。最後には例文も紹介するので、ぜひご参考ください。

金融系IT企業とは

金融系IT企業とは

まずは金融系IT企業の志望動機を書く前に、概要について把握しておきましょう。

金融系IT企業には大きく2つの業界がある

金融系IT企業は、「SaaS(サーズ)」「SIre(エスアイヤー)」の2つの業界に分けられます。「SaaS(サーズ)」は、ソフトウエア・アズ・ア・サービス(Software as a Service)の略で、ソフトウエア自体をサービスとして提供しています。一般の生活にも身近になったキャッシュレス決済や会計・労務管理ソフトなどを始めとして、仮想通貨やクラウドファウンディングなど、Saas企業のサービス範囲は年々広がりをみせている状況です。

一方で「SIre(エスアイヤー)」とは、システムインテグレーター(Systems Integrator)の略で、依頼先の要望に沿ったシステム開発〜導入までを行います。取引先は行政から金融系企業まで幅広く、SIre系企業同士が連携して開発を行うことも少なくありません。SIreはメーカー系・コンサル系・外資系など特定の分野に特化している場合が多いため、就活の際はしっかりと企業研究を実施して選定しましょう。

金融系IT企業の需要は高まっている

デジタル通貨やオンライン決済が身近になり、金融系IT企業の需要は社会全体で高まってきています。銀行などの金融系企業においても非対面の新しい仕組みを構築するために、積極的にITの活用が進められている状況です。今後も金融の取り扱いがデジタルに移行する流れの中で、金融系IT企業の需要はさらに高まることが予想されています。

金融系IT企業の職種

金融系IT企業の職種

志望動機を書くうえで、職種を理解しておくことも大切です。金融系IT企業の代表的な職種について、内容を理解しておきましょう。

営業

取引先にアプローチし、販売促進を行うのが営業の基本的な役割です。しかし、金融系IT企業の場合はシステムの運用やサポート、コンサルティングに関わる場合もあり、役割は企業によって異なります。取引先との関係構築なども必要になるため、IT知識はもちろんコミュニケーション能力も求められる職種です。

ITコンサルタント

ITコンサルタントの仕事は、取引先の課題をIT技術を介して解決することが中心となります。クライアントとの打ち合わせを通して課題を把握し、場合によっては経営戦略の策定にも協力しながら、専門的なサポートを実施します。営業よりもより専門的な知識と課題解決能力を必要とする職種です。

システムエンジニア

SEは取引先の要望を踏まえ、ソフトウエアの設計開発を行う役割です。SEがソフトウエア全体の設計を担当し、プログラマーがプログラミングを通して完成させます。取引先との打ち合わせも多い業務であるため、IT知識とともにコミュニケーション能力も求められる職種です。

金融系IT企業に求められる人材

金融系IT企業に求められる人材

金融系IT企業に求められる人材は、以下の通りです。志望動機を書く際のアピールポイントとしてご参考ください。

最後までやり抜く

金融系IT企業に限らずですが、最後までやり抜く姿勢があることを求められます。システム開発や取引先との調整など、仕事をするうえで上手くいかない場合もあります。上手くいかない場合にも対策を考え、最後まで目標達成に向けて走り続けることが必要です。

責任感がある

金融系IT企業の仕事では、責任感も必要になります。行政などのインフラを扱う場合などは特に、ひとつのミスが社会や地域全体へ影響を与えかねません。そのため、任せられた仕事をしっかり丁寧に遂行できることが、業務をするうえで最低限求められます。誠実さや几帳面さがアピールにつながります。

論理的に考えられる

金融系IT企業では、システムの開発や取引先の経営にも関わる仕事も多いため、論理的に思考できる能力が必要とされます。取引先とのコミュニケーションを図る営業やコンサルティング業務も、理系的思考と文系的思考を上手く使い分けることが大切です。ほかの業界に比べると、ロジカルな思考が求められることを理解しておきましょう。

金融系IT企業で使える志望動機の書き方

金融系IT企業で使える志望動機の書き方

ここからは、金融系IT企業で使える志望動機の書き方を解説します。最も基本的な構成であるため、初めて作成する場合は下記項目に沿って書いてみると整理しやすいでしょう。

結論ファースト

志望動機の最初には、結論となる思いや考えを端的に書きます。結論が後回しになると読む側の興味が薄れた場合、最後まで読まれない場合がほとんどです。読み手側に特徴を理解してもらえるよう、できれば興味を惹く言葉を冒頭に持ってくることをおすすめします。

結論を裏付けるエピソード

結論の後には、その思いや考えを裏づける具体的なエピソードを添えます。結論を読んだ採用担当者は、「なぜそのような考えに至ったのだろう」と考えるはずです。「なぜ」に応えるのが、具体的なエピソードによる裏づけとなります。伝わりやすいエピソードになるよう、整理して伝えましょう。

入社後の展望

最後に、入社後の目標や展望を伝えます。職種として目指す目標や、社会人としてなりたい姿、組織に与えたい影響などを表明することで、向上心や入社意欲を表すことが可能です。力強い意思表示が、アピールにつながるでしょう。

金融系IT企業で使える志望動機の注意点

金融系IT企業で使える志望動機の注意点

金融系IT企業を目指す方に向けて、志望動機の注意点を整理しました。志望動機の作成前に確認しておきましょう。

待遇や福利厚生を志望理由にしない

待遇や福利厚生を志望する第一理由にするのは避けましょう。待遇や福利厚生は、あくまでも自分自身へのメリットです。周囲や組織への貢献が求められる社会人としては、待遇を志望理由にすることはマイナスアピールになりかねません。別の理由を軸に志望動機を作成しましょう。

エピソードは具体的に

結論の後に書くエピソードは、できる限り具体的に書く必要があります。漠然としたエピソードでは説得力が無く、入社意欲が感じられないため注意が必要です。エピソードが具体的であれば、冒頭に書いた意思や考えの説得力が増して採用担当の印象に残るアピールができます。

できれば志望動機を書くことに慣れておく

本命の企業を受ける前に、志望動機の作成になれておきましょう。興味のある企業があれば実際に面接を受け、志望動機を伝えた際の面接官の反応をみておくのも良策です。あまり良い評価を得られなければ修正するなど、改善するきっかけにもなります。

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金融系IT企業で使える志望動機の例文

金融系IT企業で使える志望動機の例文

では最後に、金融系IT企業で使える志望動機の例文を解説します。あくまで例文であるため、そのまま使わずに構成や内容の参考にしてみてください。

基本構成に基づいた例文

全世界でニーズが増している金融IT業界に高校生の頃から興味があり、社会に貢献したい思いがあります。業界内で最も最新技術の活用が進んでおり、幅広いサービスで顧客企業に対して価値提供されている貴社に感銘を受け、この度志望させていただきました。

私は大学時代を通して情報工学を学び、企業と共に◯◯システムの開発にも携わった経験があります。共同開発した◯◯システムは、今も△市内で使われており、実際に世の中の役に立てたことも本職を志望する理由となりました。

また、貴社の経営理念である「ITを通して世界をより良く」という価値観にも共感していることから、入社を志望することを決意致しました。入社した際は貴社独自の技術を活かし、国内だけでなく世界に向けて新しい価値を提供していきたいと考えております。

例文の解説

上記の例文は、志望動機の基本構成である「結論」⇒「エピソード」⇒「展望」の順に構成されています。冒頭に書く結論は、志望するきっかけとなった率直な意思や考えを伝える形で構いませんが、裏づけとなるエピソードは具体的に書くことが大切です。例文では共同開発経験とともに、開発したシステムの実績を伝え、経験そのものが志望するきっかけにもなったとつなげています。

その後は、企業理念への共感と入社後の決意を述べて、入社意思をアピールする形で結んでいます。入社後の決意は例文のような内容でも構いませんが、具体的な内容であれば更に良いでしょう。インターンなどで経験した業務などがあれば、該当業務に関する目標などを書くことで、採用担当者に入社意欲の高さを感じてもらえます。

まとめ

本記事では、金融系IT企業で使える志望動機の、基本的な書き方や注意点を解説しました。あわせて解説した例文は、あくまでも構成や内容を参考にする意味での例文です。例文の書き方を参考に、より具体的でオリジナリティのある、自分らしい志望動機を作成ください。

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