2022年Tech Offerのアンケート調査によると、理系就活生の80%以上が夏季インターンシップに参加したことがわかりました。就活生にとってインターンシップに参加することは当たり前になっているようです。
しかし、新3年生の中には、そろそろインターンシップの準備をしなければ、と思いつつも、いつごろまでに何をしなければならないのかわからない、と不安に感じている人もいるのではないでしょうか?
本記事では、インターンシップの準備はいつから始めたらよいのかを始め、インターンの種類別の準備時期などを説明しています。インターンシップが気になる1年生、2年生も早めにスケジュール感を把握することは大切なことです。ぜひ参考にしてください。
インターンシップの年間スケジュール
最初に、インターンシップのおおまかなスケジュールを紹介します。企業によって募集時期や内容が異なるため、ナビサイトや企業サイト、キャリアセンターなどで募集要項の確認が必要です。
一般的に企業が1週間インターンシップを開催するのは、学生の夏休み期間の夏インターンシップ、冬休み期間の冬インターンシップが多くなっています。
以下、一般的な流れを紹介します。
- ・3年生4月~5月
ほとんどの就活生が、3年生の夏インターンシップから参加し始めます。そのため、4月に入ると、行きたいインターンシップ先の業界や企業の情報収集を始めましょう。夏インターンシップでは、選考を行うところも多いので、対策もそろそろ始めます。
- ・6月~8月
6月から多くの企業が夏インターンシップの募集を開始し、7月頃から選考が始まります。
- ・9月~11月
企業によっては秋のインターンシップを行うところもあります。9月から募集が始まり、10月頃から秋インターンシップが開催されます。
- ・11月~1月
11月に入ると冬インターンシップの募集が始まり、12月から冬インターンシップが始まります。
インターンシップの種類を押さえよう
インターンシップは開催される期間により、次の3種類に分けられます。
- ・1dayインターンシップ
半日〜1日で開催されるインターンシップで、会社説明が中心です。選考ではなく先着順がほとんどです。
- ・短期インターンシップ
2、3日〜5日間開催されます。グループワークが中心で、社員との交流も可能です。ワークを体験することで、企業や仕事の理解をうながします。選考がある場合が多くなっています。
- ・長期インターンシップ
1か月〜長期にわたるインターンシップです。社員とともに働き、業務の理解を深めることが目的となっています。選考が行われます。
例えば5日間のインターンシップに参加すると、1週間はほぼ他の予定を入れられなくなります。そのため、自分が何社インターンシップに参加するつもりなのか、そのインターンシップで何を獲得するつもりなのかをしっかり考えて、どの時期のどのようなインターンシップに参加するつもりなのかを考えなければなりません。
インターンシップにはいつから参加するのがベスト?
全体のスケジュールを把握したら、次はインターンシップにはいつから参加するのがベストなのかを見ていきましょう。
多いのは3年生の夏から
2022年Tech Offerのアンケート調査によると、86.4%の理系就活生が3年生の8月のインターンシップに参加しています。
3年生の夏からインターンシップに参加する就活生が多い理由として、次のことが考えられます。
- 1.実務で使える知識やスキルを備えている
理系の3年生は専門分野に進んで専門的な知識を深く学ぶ段階です。そのため、一定程度の専門知識を備えていると考えられ、実践的なワークやプログラムに取り組めます。1、2年の段階では、インターンシップで求められる知識やスキルを持っていないかもしれません。
- 2.大学のインターンシップ支援制度を受けられる
3年生になると、多くの大学でインターンシップ支援プログラムが用意されており、就職活動のサポートも受けることができます。
- 3.本格的な就活の前にインターンシップを経験できる
一般的に就活は3年生の秋から本格的に始まります。そのため3年生の夏までにインターンシップを経験し、就職活動にその経験を生かそうという就活生が多くなっています。
採用に直結する4年生のインターンシップ
3年生の夏からインターンシップに参加することが一般的ですが、4年生になって始める就活生もいます。大学のカリキュラムなどでまとまった時間が取れなかったり、インターンシップ選考で不採用になるなどの理由で3年生の間にインターンシップに参加できなかった人は、自分のタイミングに合わせて3年生でインターンシップに参加してもまったく問題はありません。
4年生でインターンシップに参加することで、次のようなメリットを得られます。
- 1.3年よりも高度な専門知識やスキルを備えている
より専門知識を活かした仕事に取り組むことができ、スキルや能力をアピールできます。
- 2.実務経験として就活に活かせる
4年生になってからのインターンシップは、就職先に近い業界や職種での経験を積むことができるため、就職活動のアピールポイントにすることが可能です。
- 3.採用に直結する場合もある
インターンシップの内容によっては、採用に直結する場合があります。良いパフォーマンスを見せることが重要です。
以上のようなメリットがある反面、4年生になってからインターンシップに参加する場合、就職活動との兼ね合いや卒業研究や実習などの課題との両立が難しくなる場合もあります。自分自身で計画を立て、スケジュール管理が必要になります。
1年生からでも参加できる
インターンシップには、1年生や2年生の参加を受け付けている企業もあります。具体的な就活というよりも、キャリア形成の参考にしたり、顔や名前を覚えてもらい、今後、参加者限定イベントなどに呼んでもらえるなどのメリットがあります。
反面、授業や実験、サークル活動などの大学生活を充実させることが、長期的に考えると就活にプラスになるかもしれません。環境や学業、サークル活動などの状況を考えながら、負担にならない範囲で検討してください。
こちらの記事では24卒理系就活生の夏インターンシップに向けた取り組みがアンケートを元に解説されています。他の就活生の動きが知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
【時期別】インターンシップ参加までにやっておくこと
インターンシップに向けた自己分析や準備活動のスケジュールは、以下のような目安で行います。授業の状況や個人の活動予定を踏まえた上で、調整しながら最適なスケジュールを立ててください。
【募集開始1~2か月前】自己分析をスタートする
自分が何をやりたいのか、誰の、どのような困りごとを解決したいのかを考え、自分の目的が達成できる業界を見つけます。自己分析は自分自身を客観的に見つめ直し、自分の強みや弱み、キャリアプランなどを考える重要なプロセスです。メモやワークシートなどを活用し、十分な時間をかけて言語化することで、より深い洞察を得られます。
自己分析の方法を詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
また、こちらは自己分析を「なぜなぜ分析」で行う方法が動画で説明してあります。
【募集開始1か月前】参加する業界・企業を探す
インターンシップに参加する業界・企業を探します。ナビサイトや大学のキャリアセンターのほか、オファー型のサイトに登録することで自分に合ったインターン先を探せます。
業界や企業を選ぶ場合は、次のポイントを参考に、気になるインターンシップを20社程度リストアップしてください。
- ・自分の専門の業界・企業
- ・関心のある業界・企業
- ・インターンシッププログラムの内容で興味を惹かれた企業
業界を自分の専門だけに絞るのではなく、この段階ではできるだけ広く取って、あちこち見て回るのもキャリア形成にとって良い方法です。
そのリストには次の項目もあわせて書いておきます。
- ・基本情報(業種、事業内容、売上/利益、募集職種、採用人数、初任給、本社/事業所、従業員数、離職率...etc.)
- ・リストに載せた理由
- ・インターンシップ関連の日程
このリストを元に、日程なども考えあわせ、長期であれば2社程度、短期、または1dayであれば5〜7社まで候補を絞ります。
【応募締め切り1か月前】志望する企業・業界を研究する
インターンシップを志望する企業が決まったら、その企業や企業が属する業界の研究を1〜2週間をめどに行います。企業サイトやSNSなどを見て、リストで作成した基本情報に加えて次のことを整理しておきます。
- ・理念
- ・中長期事業計画
- ・関連ニュース
整理が終わったら、各事項について自分の意見を作ります。
【例】
- ・〇〇という理念はすばらしいと思う。なぜならば、現在の日本では〜が問題になっているからだ。
- ・〇〇社のインド進出は、インドが若年労働力が豊富であることを考えると…
- ・上海モーターショーの動向を見ると、今後は…
詳しくなくても良いので、話をふられたら自分の意見を作る練習をします。
【応募締切り1か月~2週間前】インターンシップのエントリーシートを作成する
詳しい募集内容が発表され、締め切り2週間前、できれば1か月前には、インターンシップのエントリーシート作成に取り掛かります。
インターンシップでは多くの企業で次の2点に関連する内容を問われます。
- ・学生時代にがんばったこと
- ・インターンシップで学びたいこと
企業はこうした質問を通して、「どんなことに力を注いできた学生なのか」「なぜこの業界や自社に興味を持っているのか」を把握しようとしています。
【選考2週間前】面接の対策を行う
インターンシップ選考をエントリーシートだけでなく面接もしてくる企業は少なくありません。選考で面接が用意されている場合は、2週間前には面接対策を始めましょう。面接対策には大学のキャリアセンターを利用することがおすすめです。
面接前には次のような質問に対する回答を用意しておきましょう。
- 自己PR
- インターンで学びたいこと
- なぜ自社を志望したか
- 大学で何を勉強しているか
- 学生についてがんばったこと
- 何か質問はあるか
インターンシップの選考対策全体についてはこちらの記事も参考にしてください。
インターンシップの時期を決める際の注意点
理系学生にとって3年生は専門が決まり、研究室を選ぶ上での重要な時期です。しかも秋からいよいよ本格的に就活が始まります。そんな忙しい理系学生は、次の注意点を押さえておきましょう。
忙しい理系学生は1day/短期インターンシップ中心にを探そう
Tech Offerの調査からわかる通り、理系学生の多くが1dayまたは2〜3日など、1週間以内の短期インターンシップに参加しています。気軽に参加するなら半日から1日のところを数社、明確な目的を持っているなら短期インターンシップを1社、と選んでいることがわかるでしょう。
長期に及ぶインターンシップは、企業や業務内容を深く理解でき、本採用で有利になるなどメリットがあります。反面、その期間は大学に行けないなどのデメリットもあります。
インターンシップは全体的なスケジュールを把握し、自分がインターンシップに何を求めるかを考えたうえで、優先順位を考えながら決めましょう。
インターンシップ不参加組は本採用に集中しよう
Tech Offerのアンケートによると15%ほどですが、インターンシップに参加しない就活生もいます。スケジュールが合わない、インターン選考で不採用になったなどの理由で参加しなくても、本採用に不利益になることはありません。
インターンシップに参加しなかった就活生は、その分、本採用に注力してください。目的意識的に学生生活を送り、「学生時代にがんばったこと」の内容を豊かにすることを心掛けてください。
インターンシップ いつから始まるかを知って計画を立てよう
忙しい理系就活生は、つねに全体的なスケジュール感をもってインターンシップの準備を進めてください。
3年生の4月になったら、そろそろインターンシップを意識し始めます。情報を集めながら、自分がどうしたいかを少しずつ考え始めてください。自己分析や、行きたい企業のリストアップをするうちに、自分が就活生であるという自覚が生まれてくると思います。
6月から始まる夏インターンシップの募集に向けて、自分はどうするのか、どのようなインターンシップに参加し、どの企業で、何を達成するのかを徐々に具体化していきます。そして、エントリーシートにはできるだけ時間をかけて、しっかりしたものを作成してください。
インターンシップ選考は、本採用より高い倍率になることもあります。インターンシップ選考での不採用が、本採用に悪影響を及ぼすことはありません。良い機会ととらえ、次のチャンスに向けて備えましょう。
また、選考のない、オファー型のインターンシップがあることも知っておいてください。
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