インターンシップは、年々参加する学生が増え、就活において欠かせないものとなっています。2024年卒の理系就活生にアンケートを実施。

インターンシップに対してどのような考えを持って参加し、参加後に感じたことについて話を聞きました。

アンケート回答者属性

アンケート回答者属性

アンケートはTECHOFFERに登録している学生24年卒の学部生及び大学院生を対象に実施しました。

回答者の内訳は、修士が79.5%、次いで学部生が17.5%、そして博士が2.9%となりました。

アンケートの対象期間と有効回答者数は下記の通りです。

対象期間 :2022年10月4日~13日

有効回答数:781名

夏季インターンシップの参加状況と参加を決めた理由

次に、学部3回生、大学院1回生時の夏季インターンシップの参加状況と情報収集の方法や応募した理由・参加期間についてです。

80%以上の学生が夏季インターンシップに参加したという結果に

80%以上の学生が夏季インターンシップに参加したという結果に

「夏季インターンシップに参加したかどうか」については、参加したと回答した学生が83.6%となりました。

研究で忙しい理系学生にとって、就活が本格化する前年の夏季休暇は就活の前段階として有効活用できる貴重な時間です。

多数の学生が時間をやりくりして夏季インターンシップへ臨んでいることが伺えます。

インターンシップの情報収集はナビサイトが最多という結果に

インターンシップの情報収集はナビサイトが最多という結果に

「インターンシップの情報収集手段」は、就活本番と同じくナビサイトが最多の81.9%、次いでTECHOFFERのようなオファー型サイトが53%、研究室や先輩からの紹介が23.2%と続きました。

少数派となりますが、TwitterやInstagramといったSNS経由、教授や大学のキャリアセンターから情報を得ている学生もいます。

スタンダードなナビサイトやオファー型サイトに登録して情報を得つつ、他の手段でも並行して情報を集めていることがわかります。

ナビサイトやオファー型サイトの詳細はこのアンケートでは分かりませんが、複数のサイトに登録することが一般化しており、情報源をうまく使い分ける傾向が強まっています。

参加した時期や会社数と応募基準

参加した時期や会社数と応募基準

「インターンに参加した時期」は、まとまった夏季休暇にあたる2022年8月~9月が最も多い結果となりました。

次いで多いのが2022年7月が続きますが、学校によって夏季休暇の時期が多少ずれることが影響しており、こちらも長期休暇を利用した参加と推測できます。

一部、早期から取り組む学生については研究室へ入る3回生以前の1~2回生や、3回生秋になってから参加する学生もいました。あくまでも、学業を優先しつつ、長期休暇を有効利用しているのが現状です。

「実際に参加した日数と企業数」に関しては、気軽に参加しやすい半日・1日タイプのインターンシップは複数社参加している学生が多く見られました。

しかし、実施期間が2~3日以上となると、参加する企業数が1社を選んだ学生が増え、1週間以上になると参加した学生の数も期間の長さに応じて減少しています。

長期間のインターンシップは、参加企業について深く知れるメリットもありますが、他のインターンシップへ参加しづらくなり、学業との両立が厳しくなる点がデメリットです。そのため、長期感にわたるインターンシップに参加する学生は志望度が高い業界・企業に絞っていると考えられます。

「実際に対面型インターンシップに参加した企業数」は1社または2社で半数を占めました。

3社または4社以上参加した学生も含めると、70%の学生が何らかの対面型インターンシップに参加しています。

インターン参加企業を選んだ理由は、「志望業界である」が最多の81.8%、次いで「志望職種である」53.2%「インターンシップの内容が面白そう」52.1%と続きました。

志望している業界・職種を中心にインターンシップの内容に興味を持った企業を選んでいます。

夏季インターンシップを受ける段階では、はっきりと志望業界・職種が決まっている学生もいますが、まだ決めかねているという学生も珍しくありません。

インターンシップの経験を志望業界や企業の研究へ生かしたいと考えていることが多いです。

一方で選考で優遇措置があること、内定に直結するといった就活で有利となる理由で選ぶ学生も一定数いました。

少数派ですが、「日程が合うから」「対面(またはオンライン)で参加したいと思った」「インターンシップ参加にあたって選考がない」などの理由を挙げた学生もいます。

最もよかった日数タイプとその理由

実際に参加して良かった日数タイプ

実際に参加して良かった日数タイプ

「もっともよかった日数タイプ」は「半日・1日タイプ」が41.5%、次いで「2~3日タイプ」が32%と3日以内で終わるタイプが一番いいと答えた学生が7割を占めました。

学業との両立だけでなく、複数の企業のインターンシップへ参加するために、日程を調整しやすい短期間タイプが好まれています。

「1週間程度のタイプ」は16.4%、「2週間以上のタイプ」は10.1%と短期間タイプに比べると少なくなりますが、一定数いることがわかります。

短期間タイプでは経験できない、しっかりとした内容を求めていると考えられます。

既に参加したインターンシップの実施形態と内容

既に参加したインターンシップの実施形態と内容

「既に参加したインターンシップの実施形態」はオンラインが上位を占める結果となりました。

昨今のコロナ禍だけでなく、手軽に参加できることからもオンラインが好まれていることがわかります。

実施内容でよかったもの

「インターンシップの実施内容で良かったもの」については、圧倒的に「対面型での実務体験」64.6%でした。

前問の結果ではオンラインでの参加経験が多いものの、満足度は対面型に支持が集まっています。

口コミやネット上などの情報ではわからないことを、実際に企業へ行って体験したいというニーズが伺える結果です。

次いで「対面でのケースワーク・グループワーク」29%、「対面型での社員との交流(座談会など)」24.3%が続いていることからも、企業の雰囲気を感じたり、社員と直接交流したいと考える学生が多く見受けられます。

一方で、オンラインでの実務経験や社員との交流を挙げた学生もおり、学業との両立の大変さから手軽さを重視する姿勢も伺えました。

志望業界の決定状況

志望業界の決定状況

「インターン前に決まっていた」が全体の約45%を占めている一方で、約23%の学生は「インターンシップ参加後に決まった」という回答でした。

夏季インターンシップを通じて志望業界を決める学生も少なくないため、実際に経験してから志望業界・企業を絞り込んでいる傾向が見受けられます。

インターンシップに参加前に考えていた目的と参加後に感じた企業への印象

参加目的は志望企業や業界の情報を得たり、見極めるため

参加目的は志望企業や業界の情報を得たり、見極めるため

参加する目的としてあてはまるもの(複数選択)では、「志望企業についての情報収集」が最も多い割合を占めていました。

既に志望企業が決まっている学生は「志望企業の選考を有利に進めるため」「志望企業との相性を見極めるため」と志望企業についてより多くの情報を求める傾向も伺えました。

志望業界・企業が決まっていない学生は、「自身に向いている仕事・業界を見極めるため」「本格的な選考に向け手経験値を積むため」と幅広い情報から方向性を決定しようとしている傾向があります。

前問の複数選択では、「志望企業についての情報収集」が最も大きな割合を占めていました。

しかし、最もあてはまる目的については「志望企業の選考を有利に進めるため」の割合が最も多くなりました。

夏季インターンシップに参加して目的が達成できた学生は87%

夏季インターンシップに参加して目的が達成できた学生は87%

「夏季インターンシップに参加して、目的が達成できたか」を尋ねたところ、目的が達成されたと回答した学生が87%となりました。

目的は、学生によって違います。

目的が達成されたと回答した学生からは「社員や他大学の学生と交流することで視野が広がった」「選考直結型のインターンシップで、実際に最終選考まで進めた」といった声がありました。

逆に、目的が達成されなかったと回答した学生からは「選考フローにはあまり関係がなかった(早期選考などの措置がなかった、など)」「あまり内容の濃いものではなかった」といった意見が出ました。

インターンシップの内容を事前にしっかり確認する必要があります。

参加したからこそわかる企業の魅力を体感

参加したからこそわかる企業の魅力を体感

「夏季インターンシップに参加した企業にどのような魅力を感じたか」については、「人柄の良さ」を魅力として感じている学生が多い結果となりました。

次いで「業務内容」「働く環境」と続きますが、どの項目もインターネット上の情報だけではわからないものばかりです。

直接見聞きすることの大切さが浮き彫りとなりました。

インターンシップで面白いと感じたものとその理由

自由回答の中から、夏季インターンシップで面白いと感じたものとその理由を幾つかピックアップしました。

  

実際に業務を体験したり、アプリやシステム等を開発

「自分たちで作った要件定義書をもとに、実際にソフトを用いてアプリ開発」「建設コンサルタントの企業で、実際に現場に行って測量をした」「研究職のインターンシップが少ない中、対面で、実際に器具に触れて一連の流れを行えた」といった回答がありました。

実際に業務を体験できたことで、業界や職種についての理解が深まったと考えられます。

グループワークを通じて他の学生や現役社員と交流

「グループワークで文系の人と関わったが(自分は理系)、自分では想像もつかないような視点の意見を聞けたのが印象的だった」「グループワークで教育事業の企画をし、消費者と企業両方の目線で思考したこと。班員の意見が積み上がっていく過程が面白かった」といった回答がありました。

社員や他大学の学生と交流したり、フィードバックをもらうことで新たな視点や考え方に触れる機会となり、有意義だったことが伺えます。

25卒夏インターンシップ攻略法 まとめ

①参加目的を明確に!

約8割の学生が夏季インターンシップに参加し、さらに約9割の学生が参加目的を達成したという結果からも、インターンシップは重要な機会と言えるでしょう。

開催テーマ・形式・期間が異なるため、参加目的にあわせたインターンに参加することをおすすめします。例えば、志望企業が決まっていて、「志望企業の選考を有利に進めるため」なら、期間の長いインターンにも積極的に参加してみる。志望企業や業界が決まっておらず、「自身に向いている仕事・業界を見極めるため」なら、半日タイプなど、期間の短いインターンに多めに参加してみる。

参加目的を明確にした上で、自分の目的にあったインターン選びをしましょう。

②開催時期を要チェック!

開催時期は、学業と両立しやすいように8月~9月が多いですが、3月、4月か開催する企業もあるため、開催時期を見逃さないよう注意しましょう。志望企業が決まっている人は、企業の公式ページをチェック、また、志望企業や志望業界が決まっていない人も、「就活ナビサイト」、「オファー型サイト」に登録するなど、インターン開催情報を収集する準備をしておきましょう。オファー型サイトでは、インターンのオファーを受けることもできるので、プロフィールの入力は早めに行いましょう。

③事前のES対策は必須!

インターンは希望する全ての学生が必ず参加できるわけではありません。企業によっては、募集人数が少ないことも多く、インターンのES選考通過の倍率が、本選考よりも高い企業もあります。まずは、インターン選考に備えて、自己分析を行った上で、インターン志望企業の企業研究を行いましょう。インターンのES内容は企業によって異なりますが、「自己PR」・「ガクチカ」・「志望動機」を作成してブラッシュアップしていきましょう。

参考記事:【理系の就職活動】インターンシップ担当者の目を惹く志望理由を書くためのポイントを解説! | 就活の方程式を変える。TECH OFFER