実際に企業で働いてみると、「就職活動ではいろいろなことを調べたはずなのに知らなかった」ということが結構あります。

これは自分だけが経験することではなく、働き始めた人が誰でも思うことです。こうした「あるある体験」をまとめてみました。

理系就活生が入社前に知っておくといいことあるある

現場だけでなく会社内でも安全確認が徹底されている

工業系の工場では当然日々安全のためにヒヤリハットやQC活動、指差し確認の徹底などがされています。しかし、関連するメーカーやオフィス勤務の場合でもこうした安全のための施策が実施されています。「オフィスなら安全だから必要ないのでは?」と思いがちですが、こうした企業やメーカーでは「ゼロ災」に取り組んでおり、これは工場だけでなく全社的に守っていくようにしているため、オフィスでも災害が起きないように努めています。そのため、どこの勤務になっても安全講習などは徹底されています。朝礼や移動、作業前の点呼など厳しい規律で動いている職場もあるため、最初は戸惑うことがあるかもしれません。

例えば、労災防止のためにオフィスでカッターナイフを利用する際には防刃手袋をつけるというような気まりもあったりします。

通勤には企業独自のシャトルバス

工場や研究用の施設は駅から遠いことが多く、そうした場合には駅からシャトルバスで通勤します。このシャトルバスは働いている人の数にもよりますが、ギリギリで出社しようとすると満員になることもあります。ですのでそうした企業に勤める際には、より時間に余裕を持って出社するようにしましょう。

理系就活生が入社してから経験するあるある

デジタル化が進んでも裏紙やメモに計算や図を書くことが多い

実務が始まると裏紙にいろいろメモすることが多いです。最近はデジタル化が進んでいるとはいえ、やはり最初の発想や設計に対する計算、人に説明する時のイラストなどは裏紙やメモ用紙を多用します。「全部パソコンでやりとりするから字が汚くても大丈夫かな」と油断していると困ることもあるため、できれば字は綺麗に読みやすいよう練習をしておくことをおすすめします。

昔の仕様書や設計書といった資料が紙でしか保存されていない

「あ、あの資料紙でしか残ってない」と言われることが結構あります。「今の時代にパソコンで作られてないの?」と思うかもしれませんが、企業の持つサーバーの要領の都合上全て電子データに起こしている企業は少ないと思います。昔のデータを紙で見ると様式が違うことや今のルールにあっていないことも多々あります。ある程度の柔軟さや物事の本質がわかっていないと「型にはまったことしか理解できないのか」と言われてしまうかもしれません。自分でも普段からパソコンの中だけでなく、資料として過去のファイルを見たりして学んでいく様にしましょう。

OJTの指導が驚くほど丁寧

実際のものが動く工場や挙動を管理するプログラムといった仕事は、一つのミスが大きな事故や不具合に繋がります。そのためOJTで仕事を覚えることになっても先輩や上司からの指導はとても丁寧で覚えやすいです。自分がちゃんと理解できるまで積極的に質問して、メモを取るなどの努力を怠らなければ、作業手順の間違いや大きな失敗はないでしょう。また、実際に作業する際も不明点があればすぐに報告するような癖をつけておくと、「わからないことがあっても勝手に作業をしない人なんだな」と信頼を得られ、「これもやってみようか。わからないことはいつもみたいに質問してね」と新しい作業を任されるチャンスも増えます。一方で、職場は学校ではなく、教えてもらえて当たり前という態度は仕事人として問題があるので感謝の気持ちで接するようにしましょう。

理系就活生が入社後の失敗あるある

バックアップを取っていないファイルにうっかり上書き

最近の設計図面やモデル、プログラムなどはすべてパソコンで管理されています。よく言われるのが「昔のデータを参考にして作業してね」ということ。もちろん参考にするためデータを開くのですが、うっかりそのまま作業をしてしまい元に戻せなくなる失敗をすることが多くあります。

バックアップがあるものであればそこから戻してくることや、システム管理者に巻き戻しをお願いできますが、そうでない場合は元に戻す工数がかかってしまいます。パソコンに馴染みのある人は保存する大切さを知っていると思いますので、プログラムを起動して作業しながら「保存」のボタンを押しがちだと思います。しかし、こうした失敗を防ぐため「別名で保存」のようなコピーを作成してから作業に取り掛かる癖をつけるといいかもしれません。(企業によってそうした部分もしっかり指導されることがあると思いますので、特に覚える様にしましょう。)

専門用語がわからないのにわかったフリをすると大変

新人のころは専門用語がわからないことが多々発生します。そうした時にはすぐに質問して意味をメモしておきましょう。社内の公用語のように使われている言葉はたくさんあるので、随時覚えていかないと話についていけなくなります。ポケットに小さめのノートを入れてノウハウ集として常にメモできるといいですね。自分の作業に直接関係がないことでも聞き覚えのない言葉は先輩に教えてもらっておくと、突然言われても対応ができます。
逆にわかったフリをしてしまうと、「さっきの作業は〇〇(社内でのデータの保存先の言い方)に保存してくださいって言いましたよね。」と正確に作業内容に把握ができないことや無駄な作業をしてしまう可能性があるので、自分の会社独自の言い回しや言葉には慣れていくためにも、きちんと理解しておきましょう。

お客様や外部の企業と話すことが多いので言葉使いに注意

「自分は設計職だから」「エンジニアだから」と思って社会人としての言葉使いや対応を勉強していないでいると、急に外部との話し合いや電話がかかってきた際に恥をかきます。よくあるのが「内線だと思って電話に出たら、外部の企業からだったので焦ってきちんと話せなかった」という失敗です。就職してから全く社外の人と話さずに仕事を進めることができるポジションはほとんどありません。全員が何かしら社外の人に発注することや電話応対で話す場面が出てきます。そうした時にために、電話に出た時の自社の名乗り方や部署の正式名称、敬語の使い方、他部署の場所などを覚えておくようにしましょう。

これだけは知っておきたいポイント

1)人命に関わることや取り返しのつかないことがあるからこそ、指導は丁寧で覚えやすい

就職してから様々な作業に関わると「本当に自分にできるだろうか」「失敗したら大きな損害が出るかもしれないから不安だ」ということがあるかと思います。しかし、そういった重要なポイントはきちんと先輩社員から指導がありますし、聞きやすい環境が整っていることが多いです。教えられたことを覚えられる様努力しながら、不安なことはきちんと質問する様にしていれば、おのずとスムーズに作業ができるようになります。

2)言われてなくてもとにかくバックアップを取っておくと安心

会社のデータの扱い方にもよりますが、自分が作業する際にはまずバックアップや名前をつけて別ファイルで保存してから作業する様にしましょう。そうすることで自分が作業して上書きしてしまうリスクが減らせると同時に、他の人が同じデータを参照する際にエラーが発生することを防ぐことができます。

3)電話応対や敬語の使い方などは見様見真似で学ぼう

研修でもある程度教えてはもらえると思いますが、電話応対のときに言うことや内線の回し方は実際にやっている人を見ながら真似していくことで身につくことも多いです。企業によっては「電話には3コール以内に出ること」というように厳しく指導があることもあるため、「いつも隣の席の人が出てくれるからと」自分には関係ないと思わず、慣れていけるようにしましょう。