理系就活の基本(自分らしい幸せな就職を行うために)

これから就活を始める理工系学生に、自分らしい幸せな就職を掴むために
メーカーのよくある配属先や仕事内容や就職先の選び方、仕事へ対する向き合い方など
様々な視点から解説します。

目次

  • 理系メーカーならではの悪条件と心の準備
  • 規模や知名度以外の選び方
  • 思い通りにいかない場合も
  • これだけは知っておきたいポイント 

理系としての道を歩み、アカデミアで懸命に研究したならば良い企業に勤めたくなるのは当然の考えです。

業界でトップの技術を有する会社、社名を聞けば皆がわかる会社、年収が高い会社…誰もがこんな会社を目指して就職活動に励みますが、はたしてあなたにとって本当に良い会社でしょうか?

改めて自分の考えを整理し、自分にとって幸せな就職ができる会社とは何か考えてみましょう。

理系メーカーならではの悪条件と心の準備

周りに何もない勤務地、一方でメリットも多数

就活では業界トップの有名企業に就活生が集まりがちです。年収が高く、福利厚生も整っている、何より有名企業に勤めているだけで自分の自信に繋がるかもしれません。

面接は本社で行われることが多いため、有名企業の場合は都内の高層ビル群の中にあるでしょう。

入社後の自分を思い浮かべながら、自分もこんな場所で働けると想像するかもしれません。しかし理系就職の場合は勤務地に注意しなければなりません。

製造業であれば工場は地方に位置していることが多く、化学メーカーなどの危険物を扱う工場は田舎にあるでしょう。

周りに工場と社員寮、コンビニしかないという例も珍しくはありません。電気電子部品や精密機器の会社なども空気のきれいな地域にあるようです。

志望している企業の工場・研究所がどこにあるか事前に調べておき、田舎暮らしの楽しさやアウトドアの楽しさなども考えておきましょう。

田舎暮らしでは自動車免許は必須になるので、免許未取得の人は合宿などで免許を取ることを考えておきましょう。

実家までの距離が遠い場合、入社して数年の間は帰省にかかる交通費が出費となりますが、最近はZoomなどのWEBツールで家族と気軽に話もできますし、うまくWEBツールを使ったライフスタイルも検討できると良いでしょう。

一方で、地方の場合は家賃が圧倒的に安く、土地価格が圧倒的に安いというメリットがあります。

人生最大の買い物ともいえる家の購入においても都市部での生活者と比べると、土地を含めて数千万円以上くらいのローンの差が出てくる他、地方のほうが広くて良い生活環境で生活をすることができるようになります。

数千万円分のローンの返済がなく、毎月、その分だけの所得を趣味やレジャーに利用できることを考えると地方での暮らしは魅力的です。

また、メーカー志望ではない情報系の皆さんなども、リモートツールが社会に広がることで東京にあるIT企業へ就職して、自宅はリモートで地方にあるというような働き方も可能となってきています。

これからは都市部の窮屈で不便な生活から地方への回帰も進むことが予想されます。

自分自身の生活の豊かさをいかに、リモートツールなども活用しつつ達成するかということも考えたいですね。

上司と毎日顔を合わせる寮生活

文系就職の場合、入社後の住居は会社の借り上げた部屋に住むか、会社が一部負担したうえで自分が選んだ部屋に住むという形が多いようです。

しかし地方に工場を置く理系メーカーであれば借りられるアパートは少ないでしょう。

この場合、工場には数百人・数千人単位の従業員がいるため、彼らの住居として会社が寮を保有しています。もちろん上司や同僚も同じ寮や社宅に住んでいます。

家ではくつろぎたい気分ですが、風呂・トイレ・食堂が共用である場合が多く、人の目が気になるかもしれません。

すれ違うたびに挨拶も必要です。また、有名企業は歴史のある企業ですので、例え本社が綺麗な高層ビルであっても、寮は古びた建物ということは珍しくはありません。

こういうことはあらかじめ知っておき、積極的にその環境を楽しめるようにしておくと良いでしょう。

メーカーの場合は入社間もないころは、会社の同期と家賃が格安の寮で一緒に過ごして絆を作り貯金をする時間を数年もち、その後に結婚などもして行くというリズムがあったりします。

IT系の企業の場合は、人の流動も比較的多く、さっぱりしている感じです。

高学歴だけど肉体労働

技術職としての採用は工場採用のように肉体労働がメインの仕事ではありませんが、体力を使います。

巨大な機器や器具の持ち運びで数十kg単位の物を運ぶこともあるでしょう。実験室や研究所を行き来することもあるため、勤務中は立ちっぱなしということもあります。

高学歴は体を使わない仕事と考えがちですが技術系採用の場合、最低限の体力は必要です。また、技術職としての仕事は残業時間が予測できません。

例えば研究職であれば実験・試験に合わせたタイムスケジュールになり、帰宅時間はそれに合わせることになります。

17時に帰るつもりでも段取りに手間取ったり、思ったデータが得られない場合は残業することになります。生産技術職であれば工場のトラブル発生時に帰れなくなります。

情報系の仕事も同様で、例えばシステムエンジニアの場合、顧客のシステムがエラーを発生した際は帰れないこともあります。

このように、技術職は意外にも体力と時間を使う場面がありますが、このような場面でもお客様や、自分の仕事を待ってくれている人のために頑張れる人材が求められています。

自身の仕事を面白いと感じて、意義を見いだせるポジティブな姿勢や「ありがとう」という感謝の言葉を報酬にできるような心の持ち方が大切です。

規模や知名度以外の選び方

学んだことを活かせるか

知名度の高い大規模なメーカーの場合、会社が行っている研究分野は多彩です。

医療・樹脂・化成品・電池、機械部品、機器など、多種類の製品を扱っているため研究分野もそれに応じて増えていきます。

入社の際は本人の希望とアカデミアでの実績を元に配属が決定されますが、必ずしも自分の希望や専門性に近い配属になるとは限りません。

他の新入社員との兼ね合いで、全く異なる分野に配置されることも多々あります。

大学では「研究」を行いますが、企業の事業活動ではこれ以外の部署や役割のほうが多い状況で、それぞれの面白さややりがいがあるので、そういうことも就職活動時の視野に入れると良いでしょう。

自身が学んだことを活かしつつ、研究職で働きたいと思う場合は規模を考えずに会社を選んだ方が良いでしょう。

大手、中堅企業や中小企業の場合は樹脂だけ、電子部品だけ、というように会社が扱う製品及び研究分野が特定の範囲に収まります。

情報系の場合は会社の業務と自分の希望する仕事がマッチするか調べておきましょう。大手IT企業であればシステム開発からコンサルまで携わることになります。

システム開発をメインに仕事がしたいという方はそれを専門に扱う会社を選ぶようにしましょう。

ニッチな企業は知名度がありませんが、あなたのやりたいことを叶えてくれるかもしれません。

興味のある製品かどうか

興味のある製品かどうかは入社後のモチベーションを支えることになります。

好きこそ物の上手なれというように、好きな物を扱う仕事は疲れを感じにくいですし、つまづいても諦めることはありません。

希望の職種になれなかったとしてもやりがいを感じられるでしょう。一方で自動車メーカーに入社できたけど車に興味が無い、知名度で電機メーカーを選んだけど家電や電機設備に興味が無いという話はよく聞かれます。

会社の扱う製品に興味が無ければ退職してしまうこともあり、せっかくの就活が無駄になってしまいます。IT企業でも金融・インフラ・ゲーム・メーカー系など、扱う分野は多彩です。

システム開発を通じて関わる製品・サービスが自分の興味の範囲にあるかどうか考えておきましょう。

思い描く将来を実現できるか

就活ではどうしても入社までの間のスパンを考えてしまいますが、入社してからがスタートです。数十年勤めることになる会社での自分自身の将来性についても考えておきましょう。

IT企業では最初の数年間をプログラミングに関する業務に従事し、経験を積んでアーキテクトやコンサルタントになるという形が多く見られます。

しかしユーザー系企業の一部では、昇進してもひたすら親会社のシステム管理に従事したり、保守点検だけを行うというキャリアパスも見られます。

アーキテクトとしてシステム設計に携わることを目指していたのに、30代後半になって自分の勤め先ではキャリアを積めないということが分かってしまうと遅いかもしれません。

転職市場では経験を元に採用が決まることが多いため、その時点でやりたいことがあっても経験が無ければ採用してもらえないのです。

会社の口コミサイトを通じてキャリアプランを調べ、自分の思い描く将来と一致しているか把握しておきましょう。また、入社説明会などで質問する機会があれば必ず質問しておきましょう。

思い通りにいかない場合も

誰もが研究職になれるわけではない 

理系メーカーでは研究職、情報系であればITコンサルタントが花形の職業と捉えがちです。

面接時に「研究職以外でも構いませんか?」と聞かれることは多く、当然ながら誰もが研究職になれるわけではありません。

そもそも100人いる技術系の新入社員の中でも研究開発に所属できるのは10~20人程度ということもあり、就活を乗り越えた人たちの中でさらに分類されます。

研究職を意識しすぎてしまうと入社後の配属で落胆してしまうかもしれません。会社において研究職はどちらかというと中心的な職種ではありません。

不景気になると人員削減や撤退ということもあり得ます。生産技術職でも工場化の検討などの実験や、調査を行い、仮説検証を行う場面がありやりがいを感じられる可能性も高いと言えます。

生産技術検討などでの売上と利益貢献へのインパクトは大きく、自身の仕事を評価してもらえるチャンスも研究職よりも多いと言え、他部署との調整でコミュニケーションが必要な部署なので生産技術職は技術職として会社の中枢に近い立ち位置ともいえるでしょう。

技術営業は製品の専門知識を顧客向けに分かりやすく説明する能力が求められ、プロジェクトに関わり、顧客の声に触れることができることがやりがいにつながります。

それぞれの役割を理解しておき、自分が担当する職種のやりがいを感じられるようにしましょう。

全くの専門分野外に配属されることも

採用時に自分の具体的な仕事内容が把握できないのが日本企業の特徴です。

メーカーの技術職として採用され、アカデミアでは化学を専攻していたのに会社では物理系の分析を任されるという事もあります。

それまでに習得した専門分野が使えず、入社後に一から学ぶ必要があります。しかし、好奇心旺盛な理系の皆さんは新たな分野の勉強にやりがいを感じることができるのではないでしょうか。

自分の知識の幅を広げるチャンスとしてポジティブに捉えましょう。

それでも自分の専門分野・希望に沿った仕事がしたいという方はジョブ型採用も考えてみましょう。

ジョブ型採用は従来型の採用と異なり、勤務地・職種が明確に指定された採用です。最近では導入している企業も増えていますので、キャリアプランも考慮したうえで考えましょう。

会社の外での充実

就活生は会社のことでいっぱいですが、人生は会社だけではありません。趣味や出会いをなど、会社での活躍は社外で充実出来るかも重要ですよね。

前述の勤務地の話もありますが、友達や親戚と会いやすいというのも子育てなどが始まるとメリットになります。

入社後の社外での活動についてもぼんやりと考えておくとよいでしょう。

これだけは知っておきたいポイント 

1)技術職は地方配属がメイン、ライフスタイルを知っておこう

2)就職先は知名度ではなくやりたいことを基準に選ぼう

3)どんな配属でも、あらかじめやりがいを知っていれば大丈夫

  • 監修
    株式会社テックオーシャン
    人工知能やビッグデータを駆使し、理工系人材領域における採用ベストマッチングを生み出すHR Tech企業です。 理工系学生専門のオファーがもらえる就活サービス「TECH OFFER」と、大型イベントから1on1面接まで、気軽に企業と出会えるカジュアル就活サービス「TECH MEET」を運営しています。