就活の面接で自己紹介を求められたら、大学・学部・氏名などの基本情報に加え、研究や課外活動で取り組んでいることを簡潔に伝えます。目安は1分程度で、自己PRのように成果を詳しく説明しすぎないことがポイントです。
自己紹介は面接の冒頭で行われるケースが多く、その後の質問につながる「会話の入り口」になります。本記事では自己紹介と自己PRの違いや話す内容、1分程度の例文、理系学生が専門内容を伝える際の注意点を解説します。
就活における自己紹介の目的とは?

企業が面接で自己紹介を求める主な目的は、応募者の基本情報や人柄を大まかに把握し、その後の質問につなげることです。面接の冒頭に簡単な自己紹介を挟むことで、緊張をほぐし、会話を始めやすくする意図もあります。また、面接官は、話の内容だけでなく、「質問の意図に沿って簡潔に答えられるか」「相手に伝わる言葉を選べているか」も確認しています。
ただし、自己紹介だけで合否が決まるわけではありません。必要以上に構えず、相手が次の質問をしやすい情報を提示することを意識しましょう。
自己紹介と自己PRの違い

自己紹介と自己PRは、質問の目的と回答する情報量が異なります。自己紹介では基本情報と現在取り組んでいることを伝え、自己PRでは自分の強みと入社後の活かし方を具体的に説明します。
自己紹介
自己紹介は、氏名・大学・学部・専攻などの基本情報を中心に、「自分がどのような学生なのか」を簡潔に伝える回答です。研究・サークル・アルバイトなどから、面接官に詳しく聞いてほしい取り組みを一つ添えると、その後の会話につながりやすくなります。
強みを一言添えることは問題ありませんが、成果や行動の背景まで詳しく話すと自己PRに近づきます。自己紹介では概要にとどめ、詳細は面接官から質問されたときに説明しましょう。
自己PR
自己PRは、自分の強みを裏付ける経験を示し、「その強みを仕事でどのように活かせるか」まで伝える回答です。「課題」「行動」「結果」「入社後の活かし方」の順に説明すると、強みの再現性が伝わりやすくなります。
なお、自己紹介を求められた場面では、自己PRをすべて話さないように注意しましょう。「研究を通じて粘り強く検証する力を培いました」のように、一文で触れる程度に抑えてください。
就活の自己紹介で話す内容

就活の自己紹介では、基本情報と現在取り組んでいることを順番に整理します。情報を詰め込みすぎるよりも、面接官が内容を一度で理解できる構成にすることが重要です。
基本的な内容
自己紹介は、次の順番で組み立てるとまとまりやすくなります。
- ・冒頭のあいさつ
- ・学校・学部・学科名
- ・氏名
- ・取り組んだこと(メイン):学業・研究など
- ・取り組んだこと(サブ):アルバイト・サークル・特技など
- ・締めのあいさつ
1分程度で話す場合も、メインの取り組みは1つに絞るのが基本です。サブの内容は、メインとは異なる人柄や特徴を補足できる場合に一文だけ加えましょう。
自己紹介の例文
はじめまして。〇〇大学 大学院 〇〇研究科 〇〇専攻の〇〇 〇〇と申します。
大学では〇〇(例:有機化学、データサイエンスなど)を専攻し、現在は「〇〇〇〇(研究テーマ)」について研究しています。研究では、実験を重ねる中で、仮説が外れても、粘り強く次のアプローチを考える「課題解決力」を養いました。
また、学業以外では、個別指導塾のアルバイトに3年間注力しました。難しい専門知識をかみ砕いて伝える経験を積んだことで、相手の目線に立って物事を説明する「伝える力」を身に付けられました。
本日は、これまでの経験を活かし、自分自身がどのように貢献できるかを含め、しっかりとお伝えしたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
就活の自己紹介で好印象を与えるポイント

表情・話し方・目線に気を配る
明るい第一印象を作るには、面接官に聞こえる声量で、語尾まで落ち着いて話すことが大切です。無理に大きな笑顔を作る必要はありませんが、あいさつの際に口角を少し上げ、相手の方向を見て話すと、前向きな姿勢が伝わりやすくなります。
研究内容を正確に説明しようとすると、原稿や手元へ視線が下がったり、早口になったりする場合があります。普段より少しゆっくり話し、一文ごとに短く間を取ることを意識しましょう。オンライン面接では、話し始めと締めのあいさつでカメラを見ると、相手から目線が合っているように見えます。
1分程度にまとめる
時間の指定がない場合は、1分程度を目安にすると、基本情報と取り組みを過不足なく伝えやすくなります。文字数だけで判断せず、実際に声に出して50~60秒程度に収まるよう調整してください。
なお、自己紹介は、詳しいエピソードをすべて説明する場ではありません。「研究で測定条件の改善に取り組んでいます」のように、面接官が次に質問しやすい情報を残すと、自然に会話を広げられます。
適切な言葉遣いを意識する
面接では、正しい敬語を使うことに加え、専門外の人にも理解できる表現を選びましょう。研究室内で使う略語や専門用語をそのまま述べるのではなく、「何を目的とした研究か」を一般的な言葉で説明することが重要です。
言葉に詰まったときは、「えっと」を繰り返すよりも、短く間を取ってから話し始める方が落ち着いた印象になります。考える時間が必要な場合は、「少し考えるお時間をいただいてもよろしいでしょうか」と伝えて構いません。話を整理し直す際は、「結論から申し上げますと」「改めて整理すると」といった表現も使えます。
自己紹介の回答例(1分程度)

ここでは、取り組み別に自己紹介の例文を紹介します。そのまま暗記するのではなく、所属・取り組み・工夫した点を自分の経験に置き換えてください。
研究内容をアピールする自己紹介例文
〇〇大学大学院情報学研究科の田中達也と申します。大学院では、人の移動データを分析し、店舗内で利用者が移動しやすい動線を検討する研究に取り組んでいます。研究では、仮説どおりの結果が出ないときも、条件を一つずつ見直して検証を続けてきました。この経験から、データを基に原因を整理し、改善を重ねる姿勢を身につけました。本日は、研究での経験や仕事に対する考えを分かりやすくお伝えしたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。
研究内容の伝え方をさらに確認したい方は、以下の記事も参考にしてください。
サークル活動をアピールする自己紹介例文
〇〇大学理学部数学科の田中達也と申します。大学では30名が所属する軽音サークルで代表を務めています。メンバーが練習へ参加しやすいよう、個別に意見を聞き、練習日程や役割分担を見直してきました。その結果、全員で準備を進め、大会で入賞できました。この経験を通じて、相手の考えを聞きながらチームをまとめる大切さを学びました。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
なお、サークル経験を使った回答の考え方は、以下の記事でも確認できます。
アルバイト経験をアピールする自己紹介例文
〇〇大学情報学部情報学科の田中達也と申します。大学では情報システムについて学びながら、スーパーの鮮魚コーナーで3年間アルバイトを続けています。お客様が商品を選びやすいよう、質問に合わせて調理方法を説明し、売り場の案内表示も見直しました。この経験から、相手の立場に立って必要な情報を伝えることの大切さを学びました。本日は、自分の経験を具体的にお伝えできればと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。
趣味や特技をアピールする自己紹介例文
〇〇大学理学部数学科の田中達也と申します。大学では統計学を学んでおり、休日は旅行を楽しんでいます。限られた時間と予算で複数の場所を回るため、移動時間や費用を比較して計画を立て、状況に応じて優先順位を見直してきました。趣味を通じて、条件を整理しながら計画を調整する習慣が身についたと感じています。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
趣味を自己紹介へ取り入れる方法は、趣味を交えた以下の記事も参考にしてください。
面接官が自己紹介でチェックしているポイント

面接において、自己紹介は学生と面接官の相互理解だけではありません。
面接官は自己紹介中にも、学生をしっかりとチェックしています。
本章では面接官が自己紹介中にチェックしているポイントを解説します。
ビジネスマナー
面接官が自己紹介でチェックしているポイントその1は、ビジネスマナーです。
社会人としての基本であるビジネスマナーは自己紹介をしている中でも、しっかりチェックされています。
特に一次面接のような社会人としての基本を重視する面接では、必ずチェックしています。清潔感のある身だしなみや態度、相手の話に共感して笑顔で相槌をうつ、正しい敬語や言葉づかいで会話するなど、マナーは面接を繰り返せば、改善が可能です。そのため、模擬面接を繰り返して正しいビジネスマナーを身につけましょう。
コミュニケーション能力
面接官が自己紹介でチェックしているポイントその2は、コミュニケーション能力です。
2018年に行われたアンケートの中で、多くの企業が採用に重視している項目に「コミュニケーション能力」を挙げています。
自己紹介と自己紹介に関連する質問のやり取りの中で、面接官は学生のコミュニケーション能力をしっかりとチェックしています。
会話のやり取りに問題はないか、質問の意図を理解しているかなどがチェックの対象です。
参考:2018年度 新卒採用に関するアンケート調査結果|経団連
対応能力
面接官が自己紹介でチェックしているポイントその3は、対応能力です。
企業によっては、面接官が自己紹介に1分や30秒という時間制限をつけるケースがあります。
多くの学生が面接での自己紹介を想定しているため、制限がなければ、問題なくできるでしょう。
自己紹介に制限をかけることで、咄嗟の対応力があるのかも企業ではチェックしています。
就活の自己紹介の注意点

面接における自己紹介は、第一印象を決める大きなポイントです。
肩の力が入りすぎた自己紹介をした結果、かえってマイナスの印象を与えてしまうケースも少なくありません。
本章では面接での自己紹介で気をつけるべき3つのポイントを解説します。
基本情報を盛り込めていない
研究や活動のアピールを優先するあまり、大学名・学部・氏名などの基本情報が抜けると、自己紹介として必要な情報を満たせません。
最初に「所属と氏名」を固定し、その後に取り組みを続ける形にすると、伝え漏れを防げます。基本情報を伝えてから研究内容へつなげることで、次のように分かりやすい自己紹介になります。
- ・悪い例:「研究ではデータ解析に取り組み、粘り強さを身につけました」
- ・改善例:「〇〇大学情報学部の〇〇です。大学ではデータ解析の研究に取り組んでいます」
アピール内容が多すぎる
良い印象を持ってもらいたい気持ちから、ついアピールを盛り込み過ぎた自己紹介をしてしまう方もいるでしょう。
アピールを盛り込み過ぎた自己紹介は、自己PRと変わりがなくなってしまいます。
自己紹介は、名前や大学などの基本情報を相手に伝えるためにおこなうものです。
自己PRを盛り込んでも問題ありませんが、内容を絞るなどあくまで基本情報が中心となる構成にしましょう。
自己PRになっている
自己紹介で強みを詳しく説明しすぎると、質問の意図から外れ、自己PRと同じ回答になってしまいます。自己紹介では「何に取り組んでいるか」と「そこから得た特徴」を一文ずつ述べ、具体的な課題や成果は後の質問に残してください。
たとえば、「研究で再現性のある測定方法を確立するため、条件を20通り比較しました」という詳細は自己PRで説明しましょう。一方で、自己紹介では「研究では測定条件の改善に取り組んでいます」と概要にとどめます。
専門用語が多い
研究分野の専門用語や研究室内の略語を多用すると、専門外の面接官には内容が伝わりません。用語を説明するのではなく、以下のように研究の目的と社会との関わりを一般的な言葉で示しましょう。
- ・専門表現の例:「高分子材料の劣化挙動を解析しています」
- ・言い換えの例:「プラスチック製品が熱や紫外線でどのように劣化するかを調べ、長く安全に使うための研究をしています」
自身に合う企業を探すならスカウトサービス

面接では、学生と企業がお互いの考えや適性を確認します。しかし、自分の専攻や研究内容を評価してくれる企業を一社ずつ探すことに難しさを感じる学生もいるでしょう。
スカウトサービスでは、プロフィールに専攻・研究内容・スキルなどを登録すると、その情報に関心を持った企業からオファーを受け取れます。応募先を自分で探す方法と組み合わせることで、これまで知らなかった企業や職種に出会える点がメリットです。
数あるスカウトサービスの中でおすすめなのが、理系学生に特化した『TECH OFFER』です。理系学生に特化したTECH OFFERでは、研究内容や専門性などをプロフィールに登録し、企業からのオファーを受け取れます。登録はたったの3分でできるため、自分の専攻を活かせる仕事の選択肢を広げたい方は、ぜひこの機会に会員登録をしてみてはいかがでしょうか。
新卒面接の自己紹介でよくある質問

新卒面接の自己紹介でよくある質問として、以下の4つが挙げられます。
- ・時間の指定をされたらどうしたら良いですか?
- ・自己紹介で言わない方が良い内容はありますか?
- ・集団面接で他の人と内容が被った場合はどうしたら良いですか?
- ・就活の自己紹介で言わない方が良い趣味はありますか?
新卒面接の自己紹介に関して疑問点がある場合は、上記質問への回答を参考にしてください。
時間の指定をされたらどうしたら良いですか?
指定された時間に合わせて、基本情報を残しながら補足情報を増減します。時間別の目安は次のとおりです。
| 指定時間 | 残す内容 | 調整のポイント |
| 30秒 | あいさつ・所属・氏名・メインの取り組み・締め | 強みやサブの経験は省き、取り組みを一文で伝える |
| 1分 | 基本情報・メインの取り組み・サブの経験・締め | 詳しい成果は説明せず、質問につながる概要を伝える |
| 3分 | 基本情報・取り組みの背景・工夫・学び・締め | 自己PRとの重複を避けながら、背景や具体例を補足する |
指定時間より早く終わっても、必要な情報が伝わっていれば無理に話を足す必要はありません。30秒以上余るなど差が大きい場合は、取り組みを選んだ理由や、現在工夫していることを一文追加しましょう。終了後は「以上です。本日はよろしくお願いいたします」と締め、面接官の次の質問を待ちます。
自己紹介で言わない方が良い内容はありますか?
自己紹介では、自己PRのような「詳細なエピソード」や「具体的な実績」まで長々と話さないよう注意しましょう。自己紹介の目的は、あくまで面接官にあなたという人間の特徴や人柄を伝えることです。
特に理系学生の場合、研究の背景や手法、専門用語を細かく説明しがちです。しかし、ここで話しすぎると時間オーバーになり、面接官の集中力を削いでしまいます。概要は30秒〜1分程度でスッキリと伝え、「詳細は後ほどの自己PRや質疑応答で詳しくお話しします」と繋げるのがスマートです。
集団面接で他の人と内容が被った場合はどうしたら良いですか?
もし前の人と研究分野やアルバイト、強みのキーワード(例:「粘り強さ」「論理的思考」)が被っても、焦って内容を変える必要はありません。面接官はエピソードのトピックではなく、そこに至る動機や思考プロセスを見ているからです。
話す際は、「前の〇〇さんと同様に、私も〜」と一言添えると、周囲の話をしっかり聞けている協調性をアピールできます。トピックが同じでも、あなた自身の言葉で伝えることが大切です。「なぜその研究・活動に熱中したのか」を具体的に語れば、必ず独自の強みとして伝わります。
就活の自己紹介で言わない方が良い趣味はありますか?
基本的には、どんな趣味でも「リフレッシュ方法」や「継続力」の証明になるため問題ありません。しかし、ギャンブル全般(競馬、パチンコなど)や、政治・宗教色の強い活動は、評価に影響するリスクがあるため避けるのが無難です。
また、理系学生に多い「ゲーム」や「アニメ」は、幼い印象を与えかねません。もし伝える場合は、「独学でゲームのMod(改造データ)を制作した」など、理系らしい要素があるものがおすすめです。探求心やモノづくりへの情熱に結びつけて、伝わるよう工夫しましょう。
面接対策をするならTECH OFFERのセミナーを活用しよう!

学生時代に沢山実績や経験を残しても、面接で伝わらなければ意味がありません。面接は事前対策や練習を重ねることで、伝え方を改善できます。
事前の面接対策をしたいと考えている場合は、理系学生の就活支援に特化したTECH OFFERのセミナーに参加しましょう。
TECH OFFERの面接対策セミナーでは、面接の基礎講座や実践ワークが用意されています。セミナー講師は、技術系・医療系人材を含む約6,000名のキャリア相談に携わった経験を持ち、回答の組み立て方や伝え方を解説しています。
まずは下記リンクよりプロフィール登録し、就活を進めながら情報を確認することをおすすめします。
まとめ
就活の自己紹介では、「冒頭のあいさつ→所属・氏名→研究や課外活動で取り組んでいること→締めのあいさつ」を順番に伝えます。時間の指定がない場合は1分程度を目安とし、詳しい成果や強みの説明は自己PRやその後の質問に残しましょう。
理系学生は、研究室内の専門用語をそのまま使わず、「何を目的とした研究なのか」を専門外の人にも分かる言葉へ置き換えることが大切です。原稿を声に出して練習し、指定時間に合わせて情報量を調整できる状態にしておけば、面接の冒頭でも落ち着いて対応しやすくなります。



